究極のプルコギとその肉汁と脂で仕上げる究極の焼きうどんの店。 : 巨牛荘 石原本店

再訪】
久しぶりの巨牛荘。
最高のうどんをいただくためにも
今日はプルコギを五人前。
それで、最高のうどんに仕上がる。

その前に、前回オーダーできなかったケジャンをいただくが、
このケジャンとろけ方が半端ではない。
ねっとりととろけ、舌に絡みつく。
さすが名物と名乗ることだけのことはある。

このケジャン、上海蟹の酔っ払い蟹よりは少し味の濃さは軽めだが
この口に絡みつく感じは最高。
しかも、大振りのワタリガニを一尾まるごと。
…で、この値段は親切、リーズナブル。
かなりの食べ応えがあり、４人で食べても良いくらい。

プルコギのうまさは言うに及ばず。
できたうどんの肉味の濃さに「参った。」と叫ぶ。
さらに、ケジャンのタレをつけダレのようにして
いただく、付けうどんも最高。

うどん一玉でなく、二玉はいただきたい。
その場合、味付けのためにも最低でも６人前
最高の味わいのためには10人前のプルコギオーダーか…。

やさしいおばちゃんはじめ、スタッフの方もみんな親切で
アットホームな雰囲気、マニュアル的でない対応、
出している料理に対しての深い知識と深い愛情が最高。

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キムチとプルコギと仕上げの焼きうどんを食べに行くだけでも価値がある店。
いや、むしろ常連さんはそれだけを食べに行く店だと知っている。
あと、食べてもピリリッと塩が効いた牛タン塩。

巨牛荘は初めてです。
名前だけは知っていましたが、ここ石原本店はもちろんのこと
六本木、三番町にも行ったことはありませんでした。

今回、誘われたときも「知ってます、知ってます。巨牛荘でしょ。
あのWDIがやっている。あれでしょ。有名、有名！行きましょう。」
と快諾したものの生返事。
何が起きるかも全く予想していない僕でした。

いざ指定の場所に来てみると、なんと古びた民家ですし、
どう見てもここのお母さんという風体の
母性あふれるおばちゃんが迎え入れてくれました。

店に入るなり「これ、…僕の認識違いだ。」独り言のようにつぶやく私。
店の壁面一面に張り巡らされた芸能人のサイン、サイン、サイン。
「他にもお店ありますよね？」とお聞きすると
「他にも二店舗フランチャイズで、やってもらってるの。」とおばちゃん。
「あの、六本木とか…？フランチャイズなんですね？」
「そう、三番町と六本木。その三店舗。」と…。
そうか、WDIの六本木の巨牛荘は石原本店のFC店なんだー。
やっと謎が解明しました。よく調べもしないでテキトーだった自分を反省。

オーダーしたメニューはタン塩、ロース、キムチ盛り合わせ、
ナムル盛り合わせ、サラダ、納豆ユッケ、プルコギと一応、ツボを押さえたつもり。
極普通の焼き肉屋で少しだけプルコギも頼んでおいたほうがいい店。と認識していました。

キムチが「ドンッ」とでてくるや否やナムル、肉、サラダと続きます。
そしてどれもボリュームはあるのですが、極普通のメニュー。

ただ、全体的に肉は街角の焼肉屋って感じで、特に何ということはないメニュー。
昔ながらの古びた店にきた感じです。
お店の方の雰囲気はアットホーム。

やはり印象はごく普通の街角の焼肉屋って感じです。
中でも面白いかもと思えるのは納豆と馬肉のユッケ。
これは旨いし少々珍しい感じ。

「ふむふむ、これは旨いね。なるほどね。」
店の人気の秘密を探ろうとして味わう僕。

しかし、プルコギが出てきた瞬間から世界観が変わりました。

何気なく立って見ていたおばちゃんが、焼きに来てくれます。

何これ？っていう感じのスライスなのか、叩いたのか、
肉のミンチでもないスライスにしては原型を留めていない物を
ヘルメット状の山高な鍋に置きます。

鍋の縁には水を溜めてあり、
肉汁や脂がそこに溢れ落ちる仕組みです。

「プルコギは最初にお出しするのは二人分から、追加は一人分からできますからね。
おうどんを最後に食べるけど、三人分くらいプルコギの脂があるとおいしいわよ。」

「いやあ、今日はオーダーし過ぎてはちきれそうですよー。
二人分以上は無理ですから、遠慮しますよ今日は（笑）」

「そうね、サラダが多かったわね、うちのサラダは多いから…。
次回きたら、キムチとプルコギ、うどんだけにするといいかもね。」

笑いながら会話して楽しい。
フレンドリーなおばちゃん、かわいい、素敵。
このぐらい人との心的距離が近いといい店だなと実感できる。

「三人前くらい食べてからの汁で作るうどんが美味しいのよ。
五人前だったらもっとおいしいのよ。」と続く。

そして焼きあがったプルコギをレッドリーフにキムチと包み口に運ぶ。

っと、とたんに頭を殴られたようなうまさ。
「な、なんじゃ、こりゃ！」
「ううう、うまいっ！」
「今迄食べたどこのプルコギとも違うっ！」

僕を誘ってくれた友人が、「どーだっ！」と言う表情で勝ち誇る。

友人の目を凝視して「やられた、うまいっす！ヤバイこれっ…。」

肉の細かい柔らかな口当たり、口の中ですぐさまレタスやキムチと混然一体となり、とろける。
程よい脂の感じ、程よい甘みも伴って肉の脂身、柔らかい肉の繊維がとろけ、
脳が認識できるすべての味わいが一口に凝縮される。

タレの甘味、和牛の脂からの旨味、和牛の肉からのアミノ酸の旨味、キムチからの酸味、キムチからの辛み、
レッドリーフからの野菜のかすかな苦味。程よい塩味。
五味がすべて盛り込まれている。
そして、焼き加減からのコクの深さ。
和牛の脂の成分ラクトンから来るまろやかな香り。

こだわった素材だから実現できているB級グルメの究極系。
高級な味わいではないが、魂に旨さが伝わってくる。

僕の原始的な脳の部分が震えるプリミティブな味。
一口ごとに目眩がする。

最高な食材を使っているのもわかる。でもB級のうまさ。これ褒め言葉。
目眩、のけぞり、食べる手が止まらない。
「これは、わ、わんこ蕎麦ならぬ、わんこプルコギじゃー！！」
どんどん、箸が進む。

もうこうなるとブレーキが破壊された機関車状態。
すかさず、「すみません、もう一人前追加してー！」と口走る僕。
「ほら、うどんがうまいだろうし…さぁ。」
「ええっ！こっちはもう食べれないよ？」と目を丸くする友人を尻目に、
喰いまくる。恐らく気が狂ったように食べていたのだろう。

気がつくと腹がはちきれる寸前。

そして、うどん、おばちゃんが
醤油を少し回しかねながら仕上げる究極の味。
回しかけた醤油がうどんの味の輪郭をはっきりとさせ
切れのある味に仕上がる。
旨味と切れと、コクの深さと、原始人のころから愛したラクトンの香り。
うどんを食べ始めてもブレーキが利かず、友人の分まで取ってしまう僕。

「あっ、matu4さん、こちら未だ食べてないー！！」
「こ、これは失礼。」とどうにかギリギリでシェアできた。
意地汚くてごめんなさい。原始人でごめんなさい。
でも、このプルコギが僕のネアンデルタールの血を呼び起こしてしまうのでした。

「つぎに来たときは、プルコギとうどんにしなさい。」と優しく言い聞かせてくれる。
「そして、五人前くらいの時のうどんの味を食べてごらん。全然違うから。」ともつけたしてくれる。
その時、僕の原始人の血が脳の奥で「ガルルルルゥー。」唸っているのを僕は聞き逃さなかった。

脳の奥が要求するので再訪必至。
究極のプルコギとうどんの店。
そして優しいおばちゃんが迎えてくれる店でもある。

残ったキムチを土産に包んでくれました。
やさしー！！（泣）