追加　2022年の新年会　期待感につつまれて : タマヤ 根津店

昨年は2020年に引き続き。コロナ、コロナで明け暮れた。親しい方々ともなかなか会えない。昨年秋頃からようやく終息。それでも久しぶりに会えるのは。やはり新年会で。各参加者も恐る恐るで。なかなか都合がつかない。

今回は根津にある当店で。ワインと料理のペアリング。加えて参加者の方が名酒の最高峰・石田屋。私はパーカーが100点連発の。銘醸ワインQuilceda Creekを。今年も予断を許さない。せめて今のうちに楽しみたい。

これだけ名酒をそろえても。一番光ったのは料理、そして廣川さんのペアリング。とにかく多彩な食材と。手の込んだ、妥協ゆるさぬ調理。どの料理も感動の連続。私の記憶ではミシュラン1つ星。それくらいの価値は当然。廣川さんも素晴らしい。

正直、根津の路地にはこんな店が。驚きの大発見だ。前菜が4種類というのも。ワインを楽しむには好都合。あまり重い料理が続くと。ワインが負けてしまう。2022年最初の食事会。増加傾向のオミクロンに。負けないで今年を。大いに楽しみたい。

○ドリンク
石田屋　（黒龍　福井）
Quilceda Creek 1998 （カベルネ　USA）
Niederosterreich（シャンパン Austria）
麒麟山　火鉢　大吟醸　新潟
G.H.マム　グラン・コルドン（シャンパン）
Y by YOSHIKI　（シャルドネ　Mondavi）
Les Arenes　（シラー　Chapoutier）

●コース料理
前菜 1
北海道厚岸産生牡蠣
ココナッツのクリームとキウィフルーツのアンサンブル　リンゴのジュレのヴェール
前菜 2
甘海老、キャビアやイクラ･･･輝かしい海の幸の宝石箱のプレリュード
上品なオマール海老のコンソメジュレ　なめらかなカリフラワーのクリーム

前菜　3
伝統の暖かい自家製スモークサーモン　
苺とゴールデンマスタードの刺激的な協奏曲
前菜　4
鮑のソテーを鮑の肝を加えたバターソースで･･･
フルーツトマトとエリンギの取り合わせ

魚料理
しっとりと焼き上げた九絵
香草とヴェルモット酒の香りと旨みに溺れる、ソース・マリニエール

肉料理
牛フィレ肉と茸のデュクセルを詰めたパイ包み焼き　ウエリントン風
マディラ酒と黒トリュフの香る極上のソース・ペリグー

デザート
テネシーの香りに誘われたコーヒーのムース　プラリネチョコレートのソース
エスプレッソカラーの林檎のジュレと西洋梨のシャーベット

プティフルール
食後の余韻を誘うエピローグ
小さな菓子たち

料理はワインバーやビストロのレベルをはるかに上回る。そしてとにかくリーズナブルなワインの設定。落ち付いた静かな環境で、これぞ久しぶりに出会った素晴らしいワインバー

以下、詳しく

ワインバーのtamayaには何度か訪問している。しかし上野のワイン厨房tamaya（2010年2月開業）は何か閉塞感があって馴染めなかった。以前はラーメン店だったらしい。しかし八丁堀のbeer&wine厨房　tamaya（2011年2月開業）は広々として開放感があり好印象を持った。タマヤはその後も大塚、田端と展開。そして昨年秋に根津にこのwine厨房TAMAYA NEZUをオープンさせた。

Tamayaはワインの販売も行っているせいかボトル価格はリーズナブル。さらにワインに合う料理も手軽な価格でそろえている。従って八丁堀の店など毎日盛況と聞いている。八丁堀はあのmaruという強力な店があるので大健闘だろう。しかし、この根津の店はこれまでのtamayaとは異なった路線のようで一度は訪問してみたかった。最近雑誌などで紹介される事が多く、何が魅力なのか知りたい。

場所は少々分かりづらい。地下鉄千代田線の根津駅で下車。不忍通りから１つ奥まった道を進むと、鮮やかな赤色の看板が目に入る。１階はワインショップだが角打ちスタイルの小さなカウンターもある。２階がワインバーで、tamayaの特徴である赤と黒の色彩で統一されている。カウンターは6席、テーブル席は12席、奥に個室もあるようだ。ワインは常時500種類そろえているという。

この店は、実は料理が美味しいので有名。それからワインがリーズナブル。シェフはホテル西洋銀座のフレンチレストランのレペトワで働いていたとのこと。そしてワインショップで購入したボトルは1000円支払えば持ち込み可能。なんだか至れり尽くせりのようだが。これなら人気が出るのも理解出来る。銀座の高級なワインバーと比べてCPは歴然とした差を感じる。料理も決して負けていない。この日はもっといろいろ食べてみたかったくらい。

メニューは下記の通りだが魚、肉料理はどれも本格的なフレンチのレベル。肝心のワインはスパークリングでピノシャルドネ(伊)1970円、クレマンドロワールブリュット(仏)3960円などでほとんどが3000円～4000円台。白ワインはヴィニウス(仏)2160円、ベリンジャーシャルドネ（米）4150円などで3000円～5000円台。赤ワインはバロンドフィリップロートシルトシラー(仏)2160円からシャトーモンテュス(仏)4780円などで、やはり3000円～5000円台でリーズナブル。

この日は予約もしていらずは早めに〆るとして入れてもらった。店長は優しい人柄で誰からも好かれるタイプ。ワインや料理についていろいろ相談にのってもらえる。

○SOHO Sauvignon Blanc（NZ）
最近評判のニュージーランドのソーヴィニヨンブラン。若々しい個性的な白ワイン。
パッションフルーツやフレッシュな柑橘を思わせる。ミネラルも多いが清涼感が上回る。

○Domaine Roux Pere
ブルゴーニュピノノワール　La Moutonniere
19世紀から続くフランス・ブルゴーニュの老舗ドメーヌ。70ヘクタールの畑はこの地方ではかなり大きい。
タンニンと果実味が溶け合いチェリーのようなややコクのある味わい。

○ウサギと鶏レバーのテリーヌ
バジル風味、細かく切ったトマト、キュウリなどを添えて
これが店長オススメの逸品。やはり本物の料理人が造作る味は
格別。このテリーヌの味わいはこってりとしているようで
さっぱり感もある。白、赤双方のワインに合いそうだ。

○香ばしく牛脂で揚げたポムブリット
たかがフライドポテト、されど…。外側はカリっとして
中の身はふっくらホックホクで美味しい。