下町人情が詰まった谷中の老舗居酒屋さん : 谷中 鳥よし

【2017.01 再訪】

昨年久しぶりにこちらのお店を訪れ、
あんこう鍋の素晴らしさを再認識し、
今年も3か月前に予約の電話を入れ、
訪れました。

いつものように、西日暮里駅から向かいます。

西日暮里駅前の大きな道路、道灌山通りを
左へ進み、三つ目の信号を左へ曲がり
進むと、”すずらん通り”、というアーケードの
向かい辺りにある細路地の一番奥、左に
こちらの暖簾があがっています。

お店のHPに詳しい案内があるので、
そちらを開いて見ながら向かいました。

→頼んだもの
・あんこう鍋
・くりから焼き
・カニサラダ
・ニラたま
・煮こごり
・雑炊
・黒生ビール
・日本酒 各種

今回は、あんこう鍋に、昨今の鰻の高騰の
影響でしょう、くりから焼きも予約をして
おかないとということだったので、
事前に予約をしての訪問。

店内は、平日ですが新年会らしき会社の
団体さんもあり一杯。

どこのテーブルもかなりの賑わい。

この日は4人以上のグループ利用が多かった
ようで、カウンターへ案内していただきました。

さて、鍋をいただく前に、昨年訪れた際に
気に入った、カニサラダと煮こごりを
いただくことに。

黒生ビールを呑みながら、いただきましたが
相変わらず新鮮な野菜と美味しい蟹。

サラダのドレッシングもかなりのお気に入り
だったりします。

煮こごりも、こういうところでないと中々
いただけないものですが、実にいい味を
楽しませてもらいました。

あんこう鍋をいただくには、もうちょっと
ということで、ニラたまをいただくことに。

このニラたまが絶品。

単純な料理なはずですが、実に深い味わい。

帰りがけ、スタートがちょっと遅れた為、
この日の最後の客となってしまったことを
いいことに、年配の奥さんに、
「なんでこんなにニラたまがうまいのか？」と
尋ねてみました。

すると笑って、フライパンで普通に油で
炒めているだけだと言い放ちます。

そんな単純な味付けでないこと位は、
自分のようなものでも分かるのに。。。

こういうのが老舗がの余裕と言うのでしょうね。

ちなみに、一緒に行った若い女の子は、
奥さんの言葉を真に受け、目をぱちくり
させていた姿がとても愉快でした。

メインのあんこう鍋です。

いただく際には、毎回作り方をご教示
いただきます。

あんこう鍋は、まず鍋を沸騰させて、
そして材料をすべて入れてしまって10分以上
煮込むとのこと。

鍋に具材を入れるのも、美しく入れられれば
いいのですが、生まれながらの不器用さも
あり、こちらのご夫妻の苦笑いを誘って
しまう結果に。

申し訳ないと思いつつ、それでも出来上がりの
味には影響はないと、慰めていただく優しさ（笑）

まぁ、その言葉通りに味は絶品で、
こういうものを、この値段で食べさせて
いただくので、ついついよそでいただくと
眉を潜めてしまうことになってしまうことにも
なるのですがね。

〆に雑炊までいただきさんざん喰って、呑んで
として、会計が二人で壱萬札でお釣りが
きたのには、一緒に行った若い娘もびっくり。

コストパフォーマンスという言葉が
ありますが、単純に支払った金額だけでなく、
こういうお店を”コストパフォーマンスが
高い”と自信を持って言えるようで
ありたいと思う次第です。

あんこう鍋がとかく有名なこちらの
お店ですが、一品料理の中にこちらのお店の
奥深さを知ったような気がします。

昨年11月頃、美味しいあんこう鍋が
食べたいという話しに、
それならばと数年振りに予約。

約3ヶ月先の予約となりましたが
これでも予約受付できる最短でした。

楽しみが3ヶ月近く持ち続けられると
気持ちは前向きに。

お店の行き方はすっかり忘れていましたが
お店のホームページにあった案内に沿って、
西日暮里駅改札口を出て左へ
道灌山方面へ信号三っ目、夜店通りを左折
夜店通りを少し進み（四っ目の路地）
海野ビル、クリーニグ店の間左折の奥
という言葉に従って行ったところ
すんなり到着できました。

JR日暮里駅、千代田線千駄木駅からも
最寄りになりますが、
お店近くまでは割とすんなりこれそうですが
お店へ入る路地は見落とさぬよう
注意しないと思わぬ迷子になって
しまいそうです。

→頼んだもの
・生ビール　＠550
・日本酒　＠550～
・あんこう鍋　＠2500
・貝盛り合わせ　時価（3000～4000）
・くりから焼き　＠250
・かにサラダ　＠660
・いわしなめろう　@550

路地の奥にひそっそりと暖簾を構える
予約必須のお店ですがお店の中に入ると
4，5人利用の小さなカウンターと
座敷にテーブルがいくつか用意されている
こじんまりとした作り。

テーブルに案内されると、予約席と
予約者名を添えて手書きで書かれている紙が。
目にした瞬間思わず笑みがこぼれました。

早速生ビールを頼み
おつまみにはいわしなめろうを。
そして程なく、あんこう鍋と一緒に
予約をしておいた貝盛りがテーブルに。

大振りの歯ごたえ十分の貝たちは
このお店があんこう鍋だけが美味しい
お店ではないことを知るには十分。

これはもう、ビールじゃなくて
日本酒だろうということで
壁の短冊やメニュー板に用意されている
日本酒にいくことに。

魚類の充実ぶりを堪能したら
次はこちらの自慢メニューの１つ
鰻も味わいたいということで
くりから焼きを頼むことに。

丁寧に時間をかけて焼かれた
これまた大振りなくりから焼きは
専門店に劣らない。

メインのあんこう鍋はボリューム満点の
具材を一気に鍋に放り込みグツグツ煮ると
たっぷりのあんこうの身、肝、皮が
味噌味のスープに溶け込みながら
真っ白な湯気を立ち込めていく。

気分は自然と高揚します。
見るからにまずいわけないです。

下町の味付けなので鍋は濃いのかと
思いきやそんなことはなく、
どちらかといえば薄味ですが
旨味がいつまでも後をひく。

雑炊まで一気に無言で食べ、
日本酒を呑み続けました。

あんこう鍋の印象がとても強いですが
海のもの・山のもの、旬のものと
四季に応じた料理が堪能できますね。

これだけお客さんが集まってくるなら
もっとお店を大きくしてもと
無粋なことも過ぎりますが
ご夫婦と息子さんとの3人で
丁寧な仕事と心のこもった
おもてなしができる、今のお店が
ぴったりとくるのでしょうね。

そんな家族の絆、心意気が店の隅々まで
染み込んでいる居酒屋さん。

あんこう鍋だけでないポカポカした
温かみを胸に店を後にしました。
あんこうの季節以外でも
また是非足を運びたいです。