屋号を背負った看板メニュー「肉富士」！ : 名代 富士そば 鶯谷店

超久々の『名代 富士そば』。
徹夜明けの仕事帰りで早朝に利用した…。


のっけから何だが、
自分はそもそも昔から『富士そば』の味
が全然好きではない。蕎麦もフニャ麺だし
スープの出汁感も凄く貧弱だからだ。。。

若い頃、立ち食い蕎麦に良いイメージが
無かったのは『富士そば』のせいである！

今でこそ此方よりも断然旨くてクォリティ
の高いTGS(立ち食いそば)店が沢山出来た
ので、此方へはめっきり行かなくなったが、
現在ではその旨くない加減も楽しんでいる。


自分は大概TGSへ来たら「天玉そば」か
「コロッケそば」飯丼＆もりそばセット位
しか食べないが、この前観たテレビでは、
『富士そば』の売れ筋が昔と変わっていた！

今は圧倒的に「肉そば」が売れるんだと…。
勿論店舗によっても違うのだろうが、
ここでも世間の「肉ブーム」の影響デカし。

そんな事も考慮されてか、
『肉富士』なんていう屋号が配された新しい
看板商品がいつの間にか出ていた。。。


◆肉富士そば　　　470円

海苔・わかめ・温泉卵・豚肉・葱が乗った
豪かなトッピングの蕎麦である。温汁！！

ただ、多い具が皆冷めているからか、
商品全体の温度がかなり低めで食欲が低迷
してしまうのである。これは残念な結果だ。

結構ボリューミーな薄切りの豚肉は思った
以上に柔らかかったが味が無い！だから
汁に肉を浸すと又汁がぬるくなる悪循環…。


結果的にこのメニューの選択は失敗だった。

黙って「天玉そば」を頼むんだった。。。

立ち食いそばのグループで「かつ丼」を
昔からメインメニューに据えている『富士そば』。

テイクアウトも同じ490円である。

24時間営業の此方は、残業食の強い味方だ！

コンビニの「かつ丼」弁当とは全然違うし、
ほか弁屋のともまた微妙に違う。。。

富士そば独特のB級感がこのかつ丼にも出てる。
それは、店のおやっさんがその都度作るから？

出来立てを持ち帰り、そのまま熱々は敢えて
食べずに冷ましてから頂く。それが又美味い！

肉質や卵、つゆの美味いA級な「かつ丼」は
温かい状態で戴き、こういうB急な「かつ丼」
は冷ました状態で戴く。それが一番旨いのだ。

現在、大阪ではフレンチフライポテトが乗った
「ポテトそば」というのが流行っているらしい。

そのニュースはどうやらガセではなさそうで、
この前もテレビの情報番組で取り上げていた…。

その「ポテトそば(通称：ポテそば)」が、
『名代 富士そば』の店舗で東京に上陸した！

およそ100店舗以上在る『富士そば』の店舗。
その中で、何故だか渋谷・神田・鶯谷の３店舗
が選ばれたのである。鶯谷は何故だか意味不明。

渋谷店は本店だし、神田店は高売上店である…。
そんな意味不明の鶯谷店が自宅からは近所だし、
こういったジャンクな商品には自分は目が無い。
早速試しに行ってみた。。。


◇ ポテそば ◇　440円　　★★☆

先ずは値段に驚いた。。。高ェ～～！！

かけそばが290円である。ポテトが150円！？
「肉そば」や「天ぷらそば」よりも高いのだ！
マクドナルドのSサイズ程度の量なのに…？？？

で、ポテトはtoオーダーなので、
揚げるのに４～５分掛かる。。。

しかし此方の眼鏡の兄ちゃん店員、結局自分に
喋ったのは「ポテそばどうぞ～！」の一言だけ！
しかもか細い声で。。。

「いらっしゃいませ」も「おまちどうさま」も
「ありがとうございました」も言わない…！
ましてポテトの揚げ時間なんかアナウンス無し。

いくら最近飲食店が人手不足だからって、
こういうヤル気の無い者を雇ってはいけない！

んで、肝心な「ポテそば」。
もうそのまんまの味！蕎麦にフライドポテトが
乗ってる…だけ。コレ本当に流行ってんの！？

この味は、振り掛けられた青のりが要である。
汁に浸みたポテトが、もっとコロッケそばの
ような効能が出ると思ったが、そのまま終了！

元々『富士そば』のつゆは美味くないし、
和風出汁にフレンチポテトが合う筈はない。
不味くはないけど、黙って肉そばを喰うべし！

きっとじゃが芋の天ぷらならもっと旨い筈。
「青のり」が出汁と芋の潤滑油を果たすが、
自宅でマックポテトを蕎麦に掛けてみたらいい。
全く同じ味が再現出来るから。。。

再現してみたい人も居ないと思うが…。


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▼ 「コロッケそば」という微妙。 ▼　　　　（2012.10.記）


同世代のマイレビュアー[ とろきち ］大先輩とのコメント交換で「コロッケそば」の話題が持ち上がった。
未だ食したことがないと言う大先輩。こちらも、もう何年（何十年？）も食べた記憶が無い。。。

世の中には「邪道」と言われる料理がいくつもあるが、「コロッケそば」ほど認知された「邪道」も珍しい！
永年「邪道」の汚名を着せられながらも、それが長年定着すれば「王道」と名を変えるのが世の常なのに、
未だ「コロッケそば」は「定番」にすらなれず、際物グループに属したままずっと時が流れている。。。

そんな「コロッケそば」を急に食べたくなってググッてみると、近所では「富士そば」でしか食べられない！
自宅近くの「TGS」では何処もコロッケ自体が置いてないようである。。。
確か、遠い昔の記憶では初めて「コロッケそば」を普及させたのも「富士そば」さんだったかと思う。
でも、自分がまだ若かった20～30年前は至る「TGS」で食べられた筈である。地方の駅そばにも有った！
きっと、費用対効果でだんだんコロッケはお店から姿を消していったに違いない。。。

何処の「TGS」でも普通に置いてあると思っていただけに、少しカルチャーショックであった。

「コロッケそば」￥３７０
初めて食べた大昔は、自分もさすがに「何じゃコレ！」と思った。コロッケは洋食だ。蕎麦には似合わない。
自分は「天玉そば」が好き！だから油っこい物が汁蕎麦に合う事は分かる。でも所詮コロッケだ。
だが、衣もしっとりと冷めたコロッケは、蕎麦の温汁に浸かると今までにないポテンシャルを発揮する。

衣に滲みた油分、溶け出すポテト、香ばしい衣と芋の甘みはどこか「野菜かき揚げ」にも通ずる旨味が出る。
この絶妙なミスマッチ感は、長年確実にファンを生んでいたはずだ。更に「コロッケ玉そば」も美味い！

此方のコロッケは、基本的に冷食のコーン入りポテトコロッケ。コレは単品や飯に合わせても正直旨くない。
「コロッケそば」の為に開発されたようなコロッケである。熱々なら辛うじてカレーには合うかもしれないが。

正直を言うと、自分は「富士そば」のつゆの味があまり好きではない。
拘りの出汁と宣伝しているが、何故か美味しく感じないのである。無条件で入るワカメも生臭いし、
スープがそんなに熱々状態ではない所もイマイチ好きになれない理由である。。。
基本、そんな「かけそば」なので、待望の具材が乗って来ても殆どテンションの上がらない味であった。

しかも自分が訪問した時は、ストックケースにはコロッケが無く、しばし待たされて揚げ立てを乗せられた！
「コロッケそば」のコロッケは揚げ立てではイマイチなのだ！カリカリの衣では意味も半減。。。


しかし、、、せっかく揚げ立てなのに全然喜ばれないという、このコロッケの悲哀。
肉屋や家庭の食卓では定番の人気商品なのに、蕎麦屋ではこの扱いである。
最近ではカレー屋でもグランドメニューから外されているという、揚げ物界の王道にして落ちこぼれ。
これほど出る場所により立場が変動する具材も珍しい。。。「そば」に合わされた瞬間に運命も決まる。

そんな切ない十字架を背負った「コロッケそば」だが、個人的には舞台が「富士そば」だけに悔いも残る。
スーパーでコロッケを買い、自宅で作った温そばと合せた方が無難そうである。。。
それでも、スーパーで買った「かき揚げ天」を乗せた方がはるかに美味いだろう。哀しいな。コロッケそば。

でも、きっと日本全国には根強いファンが居るのは確か！
「富士そば」は、そのようなコアなファンの為に、ず～っとグランドメニューから外さないのである。。。
もし「富士そば」がTV企画の「帰れま１０」に出たらいったい何位にランクされているのだろう・・・。
スゲ～気になる。ベスト１０に入る事はまず無いだろうし、そんなに低位でもないはずだ。微妙。