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Mr.ぴぃ
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店名 |
三島屋(みしまや)
|
---|---|
ジャンル | もんじゃ焼き、焼きそば、かき氷 |
お問い合わせ |
03-3872-4443 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
東京メトロ日比谷線【入谷駅】徒歩10分 入谷駅から763m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
~¥999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
15席 (カウンター3席/テーブル4人掛け×3) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
有 近くにコインパーキング在り |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | テイクアウト |
備考 |
テイクアウト可能。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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平成21年11月。
三島屋に得体の知れぬオヤジが入ってきた。と云う噂は、其の日の内に広まった。
いやもう、傍若無人。
「あの馬の骨は何奴よ」
と、読者が無視を決め込みたくなるのは道理。
(狂人か)
と、皆思うのも無理はない。文体は、赤っ恥丸出し、真っ白な迄の内容。古ぼけた情報で読者を煙に巻いては喜ぶと云う稚気加減。其れを恥とも思わず、旗に掲げしが、
日本一のなんのなに某
肝心の内容がよく判らないが、兎に角「日本一」らしい。但し、何の日本一かわからない。
兎に角二枚舌である。
其れが、ペラペラとサイトの隅を汚す。
事件はこの後で起こるのだが、其の前に彼が訪問したと云うこの店を説明しておかねばなるまい。
店の名を、三島屋と云う。正しくは「さんとうや」
昭和27年南千住に店を開いたのが始まり、先代の出身地新潟県三島(さんとう)郡に名を由来する。往時、夏はアイスキャンディ、冬は今川焼で其の名を馳せ、開業4、5年の内に今の地に移ってきた。つまりは、今川焼が店の原点、である。
其の前に名前である。
何時の頃からであろうか。馴染みから「みしまや」と呼ばれるが侭に、爾来、其の名を屋号に変えた。時代がまだおおらかだった、と云うことか。
デアルカ。
無駄話を続けたい。ひょっとするとこの話は全部無駄話かもしれない。
今川焼-
これを語るため、筆者は神田に出向き、回答を求めた。江戸時代、神田堀の掘割に架かっていた橋に今川橋がある。
掘割は地面を掘って造った水路で、今川橋が架かる掘割は竜閑川と呼ばれたが、昭和25年の埋立により消滅した。其の橋の名残が今川橋交差点として碑文と共に今の世にある。
其の橋の辺で売り出された焼き菓子が評判になり、其の地に敬意を表し、菓子の名は今川焼となった。
この今川焼が各地に広まり、回転焼、大判焼、二重焼、太鼓焼、夫婦(めおと)焼など、様々な名前で呼ばれるのだが、さて、そのことよ。
三島屋の今川焼は今の時代では小振りの部類に入る。だが、看板。其の証左に手書きの品書きの筆頭に堂々今川焼の名が踊る。
三島屋で皮が帽子の鍔のように食み出た今川焼を求めぬなら、物知らずと謗られても止むなしか。
さもありなん
今の時代では小振りな今川焼かもしれぬが、今川焼の本来は、正しく三島屋の大きさこそが真実である。つまりは、商業的な事情が本来の今川焼を駆逐した。客が大きさを求めたから、だ。既にこの店で使う焼き型も特注である。
たかだか菓子の話だが、江戸を遠くにしているのは市中に残る小気味よげに目をやらぬことに違いない。
無駄話を書きすぎた。
兎に角、今川焼と云う菓子が同時代から後の世に至るまで、如何なるものであるのかを書きたかっただけである。
三島屋にいるぴぃは、このところ嬉しくて堪らぬらしい。
哄笑の連発機械のようになっている。
急に手を止め、
「わっはははは」
と笑い出すのである。
(気が触れてしまったのではないか)
馴染みの読者が心配するほどだった。其の理由は如何やら値段にあるらしい。
たこやき、お好焼、やきそば、そばもんじゃと店の主力が並ぶが、どれも300円、である。
300円
読者は驚くかもしれない。
いや待て。少し前に遡ると250円。50円の幅が止むに止まれぬ事情を感じなくもない。
当然、やきそばは愛想も無く白い皿にこんもりと盛られてくるに過ぎず、お好焼も夜店の其れを髣髴させる。ステーキ用の鉄板に乗せて出される特製そばもんじゃも、いざ挑んでみると騒ぐことは無いのかもしれない。
だが、300円。
味も濃く、何の衒いも、素っ気も、味わいもあったものではない。
しかし、300円。
セルフで缶ビールを取り出し、やきそばと店内で食べる今川焼を一個。
無論、自宅用に今川焼二個確保することを忘れぬヘマなど持っての外。躊躇があるならば、珈琲牛乳とクリームソーダの存在かも知れぬ。
ぴぃの物語も、愈愈峠に差しかかっている。
読者からも随分意見を頂戴した。メールを送って下さる方もいる。
苦情も、きた。
-ぴぃを、ああも野放しにして貰っては困る
と云われるのである。恐縮している。
まぁ好き勝手なことは、評論精神の闊達さの現れのひとつとして勘弁して頂くことにしよう。程度の低い精神から出てくる物好きは、本人の文化の度合いの基準となる、と云って良い。
ぴぃは机上で身震いをした。
口元に持ってきた箸が、先っぽの随分上までソースで濡れている。
「もうエエ加減にええわ」
全く閉口した。喰っても喰ってもやきそばが撃ちかかって来るのである。
其の上、濃い味のソースが口中で一糸乱れず進退している。
やはり、300円。
物見遊山の序でなら、熱熱の今川焼に絞り、油断なきよう攻立てるのが常道だろう。
デアルカ。
此処で話は終わる。
目と鼻の先にある吉原が其の理由とも云われるが、如何にもこの男らしい。
オヤジが、千束で消えた。
【参考:司馬遼太郎著「尻啖え孫市」】