ミシュラン2つ星☆駒形に花咲くフレンチのエスプリ『Nabeno-Ism(ナベノ-イズム)』 : ナベノ-イズム

昨年11月、久しぶりに浅草にあるミシュラン2つ星フレンチ
『Nabeno-Ism(ナベノ-イズム)』にお伺いしました。
浅草は大好きな街ですが、ちょっと住まいから遠く
なかなか伺えないのですが頑張って行ってまいりました♪

 
隅田川沿いという絶好の絶好のロケーションで、古くより浅草の食文化を支えてきた
近隣にある老舗の味を取り込みながらフランス料理と融合させた完成度の高い料理がいただけるレストランです。

ミシュランガイド東京2021でも2つ星を獲得。3年連続2つ星に輝き、
浅草から東京のレストランシーンを盛り上げています。

最初に登場する料理は、シンボルカラーのオレンジの小皿が雷神の太鼓のようにデザインされた特注の器に、
大心堂の古代おこしがフランス料理には欠かせない食材であるバターと組み合わせてあったり、
種亀最中にフランス家庭料理の定番であるレンズ豆の煮込みを入れてみたりと、
駒形食材がフレンチと融合した、開始早々先制パンチをくらったような料理。

次に出てきたのは、まさにナベノイズムだからこそ意味のあるもの。
両国江戸蕎麦ほそ川の蕎麦粉と昆布のジュレ、そしてキャビアという海の恵の組み合わせで、
まるで日本にいて遠いフランスの地に思いを馳せるような気分になります。
このお料理のために用意したプレートは、まるでキャビアという黒い宝石のために誂えられたもののようですが
この料理と組み合わせられることで、器はさらに輝きを増してきます。
金色のプレートがきらりと光り、キャビアの上では金箔が煌めくき、
一度みたら忘れられないスペシャリテへと昇華します。

どの料理もフレンチの定番料理を取り入れたりテクニックを使いながらも
現代のエッセンスが加えられ、しっかりナベノイズムのオリジナルとなっていますが、
シャラン鴨は脂身を綺麗に処理されながらも銅鍋でしっとり焼き上げられ、
鴨の旨味をしっかり引き出した、渡辺シェフの哲学が細部にまで宿っているのを感じました。

揺るぎない高いテクニックと細部まで神経の行き届いたお料理の数々。
この料理がこのロケーションだからこそ生かされ、
目の前に広がる景色と料理と、、、全てが高い次元で融合するレストランです。

詳しくはブログをご覧ください⇨https://ameblo.jp/sakura-beautiful/entry-12647981500.html

今回も美味しいお料理を作っていただき、シェフの実力を見せ付けていただきました。
渡辺雄一郎のシェフのお名前からとった店名。『Nabeno-Ism(ナベノ-イズム)』。
前回、「ランチが税込み1万円かぁ～、お高いわ～」などと言いながら
お伺いしたのですがあまりにも美味しく、食べ終わった後には「また行こうね～」と
ほぼ同じメンバーで再訪しました。

頑張ったご褒美などでいつかディナー2万円コースも伺ってみたいです。
ミシュランガイド東京2017で1つ星、ゴ・エ・ミヨ2017イノベーション賞、
東京カレンダーより2016レストラン・オブ・ザ・イヤーグランプリ、
東京最高のレストラン2017掲載など各誌に掲載されています。

さくら的には、ミシュラン1つ星・・・?星の数少なくないかい?
といささか不服ですが、まあ一年目だからな・・・と納得することにいたしました。
渡辺家の家紋、「渡辺星」別名「三団子」は、神に備える大切な物。
古の昔より、直会（なおらい）や日供祭など神様に食べ物をお供えするのは、
とても重要な神事さされていたこともあり、その家紋を取り入れたロゴマークを作ったことで、
フランス料理と和食の融合、そして浅草という江戸情緒の残る地で料理を作る
シェフの哲学や決意のようなものが感じます。
滋賀で作陶をしている湖風舎伊東晃氏の作品が所々に並びます。
ショープレートもこちらの方の作品ですね。
実は先日シェフのFACEBOOKで拝見したのですがなんと小学校の時の同級生。
幼馴染の作品を使うなんて、シェフのお人柄ですね。なんかいい。

テーブルセッティングはもちろんオレンジ。
シェフはオレンジがお好きなようで、伺う日にテレビで食彩の王国を見ていたら
たまたま登場されていたのですが、当日着ていたブルゾンもオレンジでした。
徹底的なオレンジブランディング?もしくはオレンジ好きなのかな?(´艸｀)

今回も渡辺シェフと仲良しののりぴーが予約を取ってくれたので、
ちょっとおまけがつきました。

以下、食べたメニューを記しておきますが、詳しくはブログをご覧ください
⇒http://ameblo.jp/sakura-beautiful/entry-12248505164.html

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完熟イチゴとフルーツトマトのガスパチョカンパリ
グリーンオリーブのマリネモロッコ風ジェラールアントナン氏との想い出
駒形種亀最中のカナッペ
大心堂雷おこしとフランスの出会い

“両国江戸蕎麦ほそ川”の蕎麦粉をソースエミュリュッショネの技法で炊き上げたそばがき、
奥井海生堂蔵囲い2年物昆布のジュレと塩ウニ、
ウォッカクリーム、おろしたてワサビのコンビネゾン

江戸伝統野菜とフランス伝統食材の融合、
千住葱とフランスぺリゴール産黒トリュフ、
活帆立貝のコンフィ、広島県かなわ水産牡蠣のパテ
※葱、黒トリュフ、帆立、豚ゼラチン質、牡蠣、全てがリンクし絡み合っていく相性。

ラングスティーヌ、鶏のハツ、リーフマウンテンエッグと共に
ココット仕立てサルディーニャ島のパスタフレゴラと雪下縮みほうれん草を添えて

牛ほほ肉をアサヒ熟撰とギネスビールで柔らかくブレゼ
フランスフランドル地方料理カルボナードの定義に基づいて
北海道産インカの目覚めのエクラゼ、入山せんべいクランブル仕立て

フランスから直輸入したパン。

凍結させた温州みかんとホワイトチョコレートムース

クレームブリュレフリュイルージュとカシス＆プラムのソルべ

日本堤バッハコーヒーと駒形をイメージした小菓子小豆を入れた抹茶のフィナンシェ

窓から外を覗くとまさに現代の浅草を代表する景色が広がります。
すでにcloseのお時間を過ぎていたのですが、テラスから隅田川の景色をご案内してくださったり、
この日も、隅々まで角の整った完璧な料理で素晴らしい
お料理を堪能させていただきますます好きになったナベノイズム。
いつかはディナーで夜景を見ながら・・・。そんな思いを残してお店を後にしました。

浅草という日本の下町文化が残るエリアに、2016年7月に素晴らしいレストランが
登場しました。21年間にわたりロブショングループシャトーレストラン
(タイユバンロブション、カフェフランセ、ジョエルロブション)に携わり、そして牽引
してきたスターシェフ渡辺雄一郎氏がオーナーシェフを務めるお店です。

隅田川沿いに建つそのレストランはその眺めも素晴らしいく
そこに、黒とオレンジのプレゼンテーションが施されています。

目の前に広がる隅田川。
その向こうには、浅草を、今や日本を代表する建物である
スカイツリーとアサヒビールのビル脇にある
フィリップ・スタルクデザインの聖火台の炎のオブジェ。
まさに今の浅草の風景を絵はがきのよう臨む風景が楽しめますが
料理も江戸とフランスの技術が融合したものになっています。

一番人気はカウンター席。
ここから埋まっていくそうです。
ランチも気持ちよさそうですが、夜景はさぞかし美しいことでしょう。


詳しくはブログでどうぞ
⇒http://ameblo.jp/sakura-beautiful/entry-12199015360.html


この日はランチタイムに伺いました。
◇ランチコース「Koma-Gata」¥10,000（税込）
◇ディナーコース「Nabeno-Ism」¥20,000（税込）


ショープレートは渡辺雄一郎シェフの家紋が焼きつけられています。
三つの丸は三ツ星と呼ばれる物ですが別名「三団子」とも言い、
神に備える大切な物とされていて、中国では将軍星と呼ばれる
オリオン座の三ツ星を指しているそうです。
その三ツ星の下の「一」は「勝つ」と言う意味があるそうで、
ジャパニーズテイストの中に秘められた
レストラン業界でも勝ち抜くというシェフの決意を感じました。


ナベノイズムでは、前半は浅草という地にあるお店を意識出来るもの。
後半はミシュランスターシェフの本領発揮。
フランス料理のテクニックを余すところなく披露してくれます。


季節のガスパチョと浅草の薫る3種のスナック
「三団子」がお皿の淵のちりばめられたよう。
渡辺シェフの技術で、フランス食材と日本の食材が
組み合わされたアミューズグールです。

赤肉メロンのガスパチョ
赤肉メロン/ミント/ポルト酒/パン/フランボワーズ

グリーンオリーブのマリネモロッコ風ジェラールアントナン氏との想い出
グリーンオリーブ/オレンジコンフィ/サフラン/クミンシード/
コリアンダーシード/生オレンジ皮/ミント/コリアンダー
駒形種亀最中のカナッペ
種亀モナカ皮/クリームチーズ/バジリコ/塩昆布/アーモンド/丹波黒豆/ピストゥ
大心堂雷おこしとフランスの出会い
雷おこし古代/ノルマンディバター/スペイン産アンチョビ/青唐辛子酢漬け

雷おこし古代は、それだけで食べても
かなり美味しい老舗の完成度の高い雷おこしです。
店舗は上野にある1店舗のみ。
他にはオンラインのみでしか購入できません。
創業1897年の台東区にあり菓子の域をも超えるおこしには
フランス食材のノルマンディの発酵バターやアンチョビ、
そして青唐辛子などを組み合わせたりして面白いですよね。

こちらは嘉永三年（1850）創業の種亀のモナカ皮。
160年にわたり最中の皮を作り続けている最中皮の専門店です。
サクサクっと軽い最中皮にバジルのクリームチーズのクリームやアーモンド。
合わせているのは、黒豆や塩昆布という和の食材。
モナカの皮とアーモンド、黒豆の食感が楽しいですが
決め手は何といっても昆布です。
口の中に磯の香りが広がり、鼻から抜ける香りがふくよかで。
それに加えて、すべてをクリアにしてくれるくらいシャープで素敵でした。

と・・・紹介しておりませんが、
オリーブがこれまた素敵で、おつまみに買っていきたいほどでした。
グリーンオリーブのえぐみをオレンジピールがしっかり消してくれて。
オリーブの可能性のようなものをぐっと引き出してくれた
一品でした。やっぱり写真・・・掲載しようかな。

両国江戸蕎麦ほそ川自家製粉蕎麦粉の
フランス風そばがきに塩ウニを添えて
蕎麦粉/自家製塩ウニ/奥井海生堂蔵囲い昆布ジュレ/
ノルマンディクリーム/ウォッカ/天城ワサビ/芽ネギ
雅ともいえる金箔が印象的です。
向島の芸者さんが目の前に登場するんじゃないかというイメージです。

芽ネギが味だけでなく、見た目にスッとした印象も与えてくれます。
2年間ねかせた昆布の深い味わいの出汁を使ったジュレが
雲丹と蕎麦がきをしっかりつないでくれます。
アクセントは蕎麦がきの中に練りこんだバターと
ウォッカで香りをつけたノルマンディのクリーム。
蕎麦の風味、昆布の香りと海の味、そしてとろける雲丹が
舌の上でとろけていくようにいただけます。

日本伝統野菜と旬の魚介類の一皿
和歌山県の鮎のポワレ　勘次郎胡瓜（かんじろうきゅうり）、スイカ
花ズッキーニ、エストラゴンの泡、鮎のムース
米粉をまぶして、皮面だけ焼いています。
米粉の甘さと鮎の身がふんわりと焼けて鮎の身をしっかり楽しめます。
鮎の頭や内臓などをムースにしています。
ゴマ油でつなぎ、コニャックで香りづけをしています。
渡辺シェフのお料理は時折ごま油がでてきます。
もちろん白ですが、オリーブオイルとも違う味わいになり
お料理を邪魔しないんだ～と深く共感。
ひとつひとつのお料理をいただきながら、私ももっとごま油を
多様しようなどといっぱしに思ったりするほどでした・・・。


天使の海老を日本酒・黒胡椒・レモンでポシェ、
とうもろこしの三変化と海老味噌のスュックと共に
天使の海老/オゼイユ/花穂しそ/ゴールドラッシュ焼きとうもろこし/
ヤングコーンマリネ/ポップコーン/ローズマリー

天使の海老はそのネーミングのかわいらしさから
女子的なイメージも強いですが、臭みのない甘い海老。
しっかりとした肉質と旨味を感じました。
トウモロコシは、4種のコンビネーション。
ソースオロールにはカレーの風味を忍ばせたオリジナル。
さまざまなソースの味が次から次へと押し寄せて
一皿の中にぎゅっと楽しみが凝縮した一皿。

フランスから輸入したパン。
ノルマンディのバターやプロバンスのオリーブオイルを添え
じわじわとフレンチテイストで満ちてきます。

岩手県産ハーブ豚ロースしっとりと真空調理から備長炭でグリエ
万願寺唐辛子ファルシーバスク風
岩手ハーブ豚/ピキオス/レモン皮塩漬け/ペコロス/万願寺唐辛子/
豚足/豚肩ロース/パプリカ/生ハム/イベリコチョリソー/卵とにんにくのピュレ

私が最後に美味しいを連発したのがこちら。
いやぁ～。これは本当に素晴らしかったです。
完成度の高い。というか隙がないというか。
味がぴしっと決まっています。
甘い豚肉と香ばしい香り。
豚のジュでとったソースやレモンの皮の入ったコンフィの爽やかな苦味が
豚の美味しさをさらに広げてくれます。
添えられた万願寺唐辛子のピペラードの味のコントラストもばっちりです。

完熟桃のコンポートヴェルヴェーヌとヴァニラのジュレ
桃の薫る氷を忍ばせて
白桃/シャンパーニュ/ヴェルヴェーヌ/ヴァニラ/八角/黒胡椒

まさに、桃づくしの一皿。
皮までをも使ったシャーベットや
ヴェルヴェーヌの香りが甘さだけではない
爽やかな桃の世界感を作りだしてくれます。

宮崎完熟マンゴーと浅草壽々喜園の抹茶の出会い
宮崎県産マンゴー/抹茶/パッションフルーツ/蜂蜜/小麦粉
最後は夏の余韻が残るデザートです。
コルネのようなチュイルの中にマンゴーのクリームをつめたもの。
パッションフルーツの酸味が加わると正に夏。
世界一濃厚な抹茶アイスと言われている壽々喜園のNO.6を
使い、最後にまた浅草を感じられるものを添えていました。

日本堤バッハコーヒーと駒形をイメージした小菓子
マカロン/胡麻/スペキュロス/カヌレ/和三盆/ショコラ/黒糖/山椒/きな粉

バッハコーヒーなどもあったのですが、この後コーヒーを飲みに行く
約束をしていたので、フレッシュハーブティーをいただきました。

ハーブティーには蜂蜜を2種添えてくれました。
フランスのアピディスのレモンのハチミツと
愛媛の春の花の蜂蜜と、ここでも日本とフランスの組み合わせ。
どちらの蜂蜜も美味しいので、ハーブティーにいけるのではなく
ちょびちょび蜂蜜をなめながらハーブティーをいただきました。

このエリアは東京都の施策として、京都・鴨川の「川床（かわゆか）」の
隅田川版を作ろうという場所。通称「かわてらす」と呼び、今後広めて
いく考えのようで現在2軒が認可を得ています。ナベノイズムはその内の1軒。
これからの季節、テラスでのお食事も気持ち良さそうですね。

ビルごとこのレストランのために建て直しているため
厨房施設もエレガントな空間づくりには欠かせない螺旋階段なども施されています。

滋賀で作陶をしている湖風舎伊東晃氏の作品が所々に並びます。
ショープレートもこちらの方の作品ですね。

最後は厨房ツアーもしていただきましたが、
最新の機器が並び、迅速にかつ緻密に料理ができる環境が整います。

下町風情の残る一角に落ち着きのあるスタイリッシュなレストランができました。

フクロウのクリスタル。
スターシェフの経験と技術が光る、一線を画す完成度の高い料理の数々。
これに、浅草という地の楽しさが加わった素晴らしきフランス料理でした。
これから浅草へ美食家たちの足が向くことになりそうですね。