浅草の恋人！？出汁かき氷の「冷やし天丼」！ : 下町天丼　秋光

久々の浅草ROX３は『下町天丼 秋光』に訪問。

名店『土手の伊勢屋』から独立して早２年が過ぎた。

夏の「冷やし天丼」が始まった…と聞いて早速訪問！

こういった斬新で邪道な創作物は、
普通老舗はやらないものだが、店主:谷原秋光は違う。
試行錯誤し「冷やし天丼」の傑作を創り出したのだ！


◆冷やし天丼　　　1200円

冷水でよく洗った白飯。出汁つゆが凍ったかき氷。
先ずこの出汁氷が旨い！ スイーツとは全く違うが、
こんな出汁の「かき氷」があっても良いかも。。。

冷えた白米の上に、キンキンに冷えた出汁氷。
その上に揚げたばかりの熱々の天ぷらが乗ってる。

海老・パプリカ・茄子・獅子唐・小海老のかき揚げ。

天ぷらと出汁氷と白飯の温度差が気持ちいい…！
でも、知覚過敏の人にはお勧め出来ないな。。。

最初は熱い天ぷらと下の冷えたご飯で天丼を頂く。
このフワッと揚がった天ぷら類、もしかしたら
揚げ粉の配合や揚げ方も微妙に変えているかも…。

そのくらい「冷やし」でも違和感無い天ぷらである。

後半は付属の液体つゆを入れ薬味も入れる。
山葵を溶いた出汁つゆはピリッと爽快で美味しい！
あとはスプーンでさらさらと頂くだけである。。。

途中でつまむ、千切りキャベツの浅漬けも超旨い。

自分は幾度か他店で「冷やし天丼」を食べているが、
この商品が一番研究されており、手間暇掛かってて
終始美味しく頂けた。。。

かき氷上のつゆの風味も素晴らしく、この天丼の
成功の鍵である。適当に作ってみました…という
レベルに仕上がってないところが流石といえる…。

個人的には、敢えて全部を冷やさず、具材と白飯と
出汁つゆの温度差をつけたところが秀逸である！！

このメニューは毎年此方の定番となるだろう。。。

外が猛暑でも、すっかりこの「冷やし天丼」で
完全に汗を引かせてから店を出ることができる。

これこそが夏の癒し「浅草の恋人」なのか…！？

この３月20日にやっと「浅草ROX-G3」ビルが
リニューアルオープンを迎えた！

隣のビルはまだまだ建設中だが、、、
「浅草楽天地」計画や、マルハンが購入した土地
も今後着々と工事を始め、繁華街浅草の逆転劇は
既に始まっていると言えそうである。。。

一応期待していた「ROX3」のビルであるが、
テナント店舗の選別を見ると、ど～も利権的な
胡散臭さが表面化していて、テンションが上がる
ようなテナントは一切入っていなかった。。。

こういうチョイスを見てしまうと、
いくら商業施設が新しくなった所で、
そのテナントの選択にセンスが無ければ一緒。
所詮、浅草は進歩出来ないのかなぁ～とも思う！

ま、そんな訳で、今回のリニューアルは
浅草の地元民の為よりも、観光客に目当てに
シフトした感じがいやらしくもアリアリだ。。。


さて、新規オープンした此方のお店であるが、
吉原に在る人気老舗『土手の伊勢屋』の5代目
店主が、自分の名前で出したお店なのである！

『土手の伊勢屋』４代目迄が家族
襲名だったが、此方の店主が腕を見込まれ
５代目を襲名したという経緯がある。。。

此方の店主谷原秋光さんは、高校生の頃から
『土手の伊勢屋』へバイトで入り、その後
2004年から5代目として活躍しているようだ…。

そのような話を、今日たまたま入っていた
TV取材で店主自ら語っていたのである。。。

老舗における後継者不足問題は、何も町工場や
伝統芸能だけではないようだ…！

店名こそ店主個人の名前ではあるが、
メニュー構成や値段等は『土手の伊勢屋』と
酷似しているところが多く見られる。


◇ 天丼 イ ◇　1400円　　★★★☆

一番安価なメニューがコレ！！
食材の違いはあれど、直ぐ近所の『てんや』
の倍以上する金額である。。。

中サイズの海老天２尾・小振りなキス天・
サイコロ状に切ったイカかき揚げという具材。
具材は全て柔らかくて甘く美味しかった。。。

衣はフワッとした揚げ上がりで、極力薄め。
全体にシットリ上がった感じや、軽さに拘る為
かき揚げの衣が直ぐに外れるのも『土手の
伊勢屋』の流れを汲んでいる。。。
揚げてる人が同じなんだから当たり前かっ！！

それでも揚げ油が違うのか、素材が違うのか、
出来上がった天ぷらは『～伊勢屋』よりも
幾分軽い仕上がりの印象である。。。

丼つゆの風味も若干違う…！
此方の方が微細に甘めで全体にライトな感じだ。

適度に濃く甘辛く、しかし何処か上品な味わい
は、『土手の伊勢屋』にも『金子半之助』にも
通づる万人受け狙いの丼つゆである。。。

椀物は別売り！ ここも観光者向けと言える。
自分が頼んだのは「お吸い物 150円」である。

穴子の肝・椎茸・三つ葉の吸物は結構塩辛い。
出汁とカエシの塩を間違えたのか塩味が立つ…。
付属の漬物はキャベツの千切り浅漬け。

折角だから「５代目天丼 2500円」でも頂くか！
とも考えたが、この具材の多さは食べられない。

それに、此方は全体に軽く揚がっていて好感触
なのに、何故か若干オイリーな印象が残るのも
本家『土手の伊勢屋』譲りなのである。。。

自分は４代目の味も知っているが、、、
やはり４代目店主の品質が一番好みである…！
衣は重かったが、油のオイリーさは軽かった。

しかし、本家の『土手の伊勢屋』よりも
此方の天丼の方が食べ易くなっているのも事実。
全体にポジティヴ感があって旨い。。。

此方の方が、店主が伝統に囚われず自由に
現代の「天丼」を構築出来るのかもしれない！


衣の厚さ ： ▼▽　　　　ふわり薄めで細かい衣。
タレの濃さ ： ▼▼▽　　品良い濃度と香ばしさ。
タレの粘度 ： ▼▼▽　　サラリとした丼タレ。
タレの甘さ ： ▼▼▼　　上品な甘味とコク味。
タレの浸り ： ▼▼▼▽　全体に万遍なく浸る。


この場所の直近には「天丼」の店がザッと
30軒近く在る。雷門を中心とした商圏捜索
では、何と120軒以上の店が存在するのである！

その内既に110軒以上食べた自分であるが、
この店のこの場所への参戦は、近隣の天丼屋に
必ずや影響を及ぼすであろう事は間違いない…。