オフクロと寄席見物の打ち上げ : 雷門 満留賀

オフクロを連れて浅草演芸ホールで寄席見物したあとは六区から仲見世を通り、吾妻橋に近い観音通りまで車いすを押します。

そして「蕎麦でも手繰っていくか？」と言うことになり、老舗のこちら「雷門・満留賀」に立ち寄ります。

アタシは演芸ホールの中でも呑んでいましたが、まだまだ呑み足りず「ビール」。ツマミにはなめこおろし。
オフクロは天ざるを注文します。

毎日、オフクロメシを作るアタシですが、揚げ物だけは苦手で尚且つ、エビちゃんは天敵なので自宅では食卓に上がることはまずありません。
そんなわけで、こういう時でないとオフクロは「エビ天」は口に出来ないのです。

ビールはすぐに提供されます。
珍しくオフクロもコップに１/５ほど舐めます。７０歳ぐらいまでは晩酌をしていたオフクロですが、今では正月の元旦に舐める程度。正月意外にアルコールを口にするのは１５年ぶりぐらいではないでしょうか？。

アタシはビールを呑みながらなめこおろしをつまみます。

そうこうしているうちにオフクロの「天ざる」が登場します。

老舗の蕎麦屋、蕎麦がウマいのは当たり前ですが、この天ぷらも実にウマそう。エビ以外なら食べられるアタシ「野菜天でも頼めばよかったかな？」とちょっと後悔。

オフクロは天ぷらを肴に蕎麦を手繰ります。

量が多いのか天ぷらでお腹いっぱいになったのか知りませんが、ふた口ほど蕎麦を残します。

そこで、オフクロの残したふた口ばかりの蕎麦を手繰ります。
ん～、蕎麦もツユもウマいです。特にツユは辛口でダシがしっかりとしていてべらぼうにうまいツユ。
さすが老舗です。

そんなわけで、今年の吉例「納涼・住吉踊り」をお目当てにした寄席見物、浅草見物も終わったのでした。

知り合いの落語家が「毎年お待ちしています」と言ってくれましたが、あと何年連れていけることでしょうか？。

浅草のアーケード商店街・メトロ通りにある蕎麦屋。おなじみ「満留賀」の暖簾の中でも古参、創業は明治初期という老舗です。
三社祭を見物しようと浅草に出かけ、腹ごしらえとガソリン補給を兼ねての利用です。

午後５時を少し過ぎての入店。
先客はカップルばかり３組。「ぼっち」での入店はアタシだけです。

２人掛けのテーブルに座り、すぐさまビールを注文。瓶ビールのみで銘柄は「Ａ社」のようです。お膝元ですから仕方ないところです。
アルコール系のメニューを見るとビールと日本酒のみでウイスキー系や焼酎系、特に「そば焼酎」がありません。
「蕎麦屋」ですから呑兵衛に媚びを売る必要はありませんが、最近の「呑める蕎麦屋」からするとちょっと物足りません。
何度か書いていますが、昔は「ビンボー人が寿司屋、銭のあるヤツァ蕎麦屋で一杯」というくらいですから・・・・。

さて、ツマミはそれなりに充実しているようですが、蕎麦焼酎が無いので軽く、そして蕎麦屋の定番「板わさ」をお願いします。
程よい厚さに切られたかまぼこは軽い飾り切になっています。わさびは本わさびのようで、こういった細かい部分に「老舗のこだわり」を感じます。

板わさでビールを空け、蕎麦。
このあと、ぼっちでも２次会・３次会がありそうな予感がするので、オーソドックスに「もり」。

３～４分で杜が提供されます。
ツユは徳利に入れられていて猪口の中の量を調整できる、アタシ好みのスタイル。
ひと口、蕎麦を手繰ります。ほんのりと蕎麦の香りが鼻に抜けます。ツユは甘さも辛さも濃い目で「江戸の味」といった趣向。薬味はネギとわさび。もちろんわさびは本わさびです。
蕎麦のコシが若干、甘い感じがしますがとても美味しい蕎麦。
ボリュームは多めで、けっこうお腹いっぱいになりまりました。

〆は蕎麦湯。
こちらは適度な白濁加減。サラッとしていますが蕎麦の香りを十分に感じることが出来ます。もちろん、ネギを浮かべて。
また、ツユが徳利に入れられているので、ツユの濃さも自分の好みに調整できるのが嬉しいです。

さて、店内を見渡すと土曜日の夕方なのに呑んでいる人はアタシ以外に１組のカップルだけ。酒の種類も少なく店の雰囲気も「蕎麦」であって「酒」を感じる雰囲気はありません。静かでゆっくり蕎麦を手繰るのには良いのですが、美味い肴で美味い酒を・・・・といった気にならないのだと思います。

蕎麦の味は文句なしですし、浅草の中では「観光地単価」ではなく良心的な価格設定です。
しかし、昼間はともかく夕方以降はもう少し呑める雰囲気を作れば。いろいろなお客の足がもっと向くのでは？と思うお店です