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先代(し)の敎訓(をしへ) 「風韻(かをり)が命(いのち)」 魚介(うをやかひ) 代々繼承(たやすな、うけつげ) 後世(のちのち)までも
午刻(うまのこく) 開店(あ)きて幸運(うれ)しき 上々氣分(よきゝぶん) 煮詰(につめ)に山葵(わさび) 良(よ)き『紀文』
"ラヲタ"の虎口(こゝう)を、這(は)ふ這(は)ふの體(てい)にて迯(のが)れ、
「口直(くちなほ)し」とて鮓葅(すし)を選擇(えらむ)に無煩惱(まよひなし)。
かくて、「おのれ、親(おや)の讐敵(あだかたき)!」、とばかりに、
半點(いさゝか)も怯懦(ひる)むことなく『紀文壽司』まで驀地(まつしぐら)。
正午(うまのこく)二分前(ツウミニウトまへ)。
玻璃張(びいどろばり)の玄關扉(げんくわんとびら)より覘(のぞ)くや、
五代目(ごだいめ)これに氣附(きづ)き、捩込鍵(ねぢこみかぎ)を捻(ひね)る。
小人(それがし)、暖簾(のれん)が掛(か)ゝると同時(ひとし)く店内(なか)に、、。
この日(ひ)は、
五代目(ごだいめ)後見人(こうけんにん)たる叔父(おぢ)の姿(すがた)も、、。
もはや、仙人(せんにん)のごとき風貌(かほかたち)・風格(たゝづまひ)。
「"If and only if(もし)"體調(ぐあひ)が良好(よ)ろしければ」、との説明(よし)。
昭和二十一丙戌歳生(せうわにじふいちひのえいぬどしむまれ、=1946)と、
老生(それがし)の三歳上(みッつうへ)。
先代(せんだい)關谷文吉(せきやぶんきち)四代目親方(よだいめおやかた)は、
滿五十九歳(まんごじふく)にて鬼籍(おなくなり)に、、。
"小鯛(こだひ)"、"小鰭(こはだ)"、"眞鯖(あをさば)"、"比目魚(ひらめ)"、
"槍魷魚(やりいか)"、"蚌蛤(はまぐり)"、"星鳗(はかりめ、=あなご)"、
最後(いやはて)に"雞卵燒(かひごやき)"、
都合(あはせて)對價(あたひ)、四千圓也(しせんゑんなり)。
五代目(ごたいめ)、
電子櫃(エレキびつ)から少量(すこし)づゝ舎利(すめし)を盌(まり)に移(うつ)し、
錯誤(あやま)つことなく小手返(こてがへ)し。
流麗(ながるゝごとくよどみなし)と云へど、多手數(てかずゝくなからず)。
口(くち)にするや、須臾(たちまち)四角八方(をちこち)へと飛散(はぢけち)ること、
鳳仙花果實(はうせんくわのみ)に無所不睽(つゆことなるところなし)。
微(かす)かに舌(した)に摩擦(ざらつき)あるも、
醢醯(あぢつけ)不錯(あしからず)。
茲(こゝ)で、沙糖(さたう)はと吟味(うかゞ)ふに、
纔(わづ)かながらも、『橋口』、『辯天山』よりも多(おほ)め。
常態(つね)のことながら、
山葵(わさび)を頻繁(こまめ)に擂(す)るぞ×讐敵(あだかたき)〇ありがたき!
"光物(ひかりもの)"は平均(おしなめ)て淺(あさ)き〆(しめ)。
就中(わきても)、"小鯛(こだひ)"は"鮮(なま)"かと錯覺(みまが)ふほど。
"眞鯖(まさば)"・"小鰭(こはだ)"もまた淺(あさ)め。
臭氣(くさみ)を微塵(すこし)も窺(うかゞ)はせぬは「技藝(わざ)」なるべし。
扨(さて)、"煮物(にもの)":
"煮詰(につめ)"の濃厚(こ)さたるや、
無疑義(うたがひもな)く、東都一(えどいち)、否(いな)、日本一(ひのもといち)。
その容(さま)、汁餹(しるあめ)かと懐疑(うたが)はるほど。
かつて、"蚌蛤(はまぐり)"は、受注毎(たのみをうくるたび)に茹上(うであ)げ、
茹汁(うでじる)をば"椀(わん)"に仕立(したて)しかど、
此度(こだみ)は茹置(うでおき)。
可惜(をしむべし)、寔(まこと)、可惜(をしむべし)!
"煮詰(につめ)"は如件(くだんのごとく)、
醘(す)にせし"生薑(くれのはじかみ)"に無甘(あまさあふるゝことなし)。
しかはあれど、
"光物(ひかりもの)"の〆(しめ)尤淺(いとあさ)く、沙糖(さたう)も驅使(いかす)。
上質魚介(よきうみのさち)に注力(ちからをそゝ)ぐ『壽司清』、
先祖傳來(とほつおやよりつたは)る祕技(ひめわざ)を守(まも)る『紀文壽司』。
愚按(やつがれおもふに)、
臨機應變(そのときそのとき)、用(つか)ひ分(わ)くるが賢明(かしこき)歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-06撮影分
奴儕(やつばら)をして、AI革命(かくめい)の前(まへ)に戰慄(ふるへあがら)せよ!
烏(からす)の啼(なか)ぬ日(ひ)はあれど、
電氣紙芝居(テレヴィ)に美食王(このかた)の映(うつ)らぬ日(ひ)なし。
口(くち)を開(ひら)けば立板(たていた)に水(みづ)を流(なが)すがごとく、
最尖端飮食店(いまをときめくみせ)なら、無所不通(しらざることなし)。
美食王(このかた)曰(のたまは)く、
1)近會(ちかごろ)の飮食(みけみき)は炸裂(はぢけち)るほどの威勢(いくほひ)。
2)人生有限(いのちにかぎりあり)、不可輕一食(いつしよくをかろんずべからず)。
3)衆人(もろびと)に先(さき)んずる眼(め)と耳(みゝ)を養(やしな)ふべし。
4)今(いま)は、肆(みせ)が客(きやく)を選別(えら)む時代(よ)。
倩(つらつら)この方(かた)を觀察(み)るに、
時代(よ)の一歩(いつぽ)~半歩先(はんぽさき)を歩(あゆ)むは慥(たしか)。
民(たみ)の流行(はやり)に先(さき)んずれば、
豫約(よやく)の取(と)れなくなる前(まへ)に、
a)訪問(たづ)ぬる都度(たび)に次囘(つぎ)の豫約(よやく)
b)上客待遇(じやうきやくあつかひ)
c)紹介制(せうかいせい)・會員制化(くわいゝんせいくわ)
かく、美食王(このかた)は自慢(むねをは)ること一廉(ひとかど)ならず。
しかるに、
美食王(あのかた)が時代(よ)の一歩先(いつぽさき)を行(ゆ)くなら、
小人(それがし)が慧眼(さと)き友(とも)は三歩先(さんぼさき)を行(ゆ)く。
宛然(あたかも)如入無人之境(ひとなきところをゆくがごとし)。
群衆(たみ)はその姿(すがた)を見(み)て追跡之(これをおふ)。
「吾(われ)も吾(われ)も、、」と。
美食王(あのひと)もその中(なか)の一人(ひとり)に不過(すぎず)。
東都(えど)の人氣鮓店(にんきすしや)、
銀座(ぎんざ)に上(のぼ)りし夥(あまた)地方(ひな)の名店(めいてん)。
"あそこ"も、"こゝ"も、"あの店"(みせ)も、"この家"(いへ)も、、。
友人(とも)はこれに嫌氣(いやけ)がさし、姿(すがた)を眩(くら)ましぬ。
美食王(あのひと)ゝこの友人(とも)との決定的相違點(ことなるところ)は、
■枝葉末節(えだは)を見(み)ずに、根本・本質(ねもと・みき)を見(み)る。
とこと。
換言(いひかへ)るなら、
「目先(めさき)の、一過性流行(いつかせいりうかう)を追隨(お)はで、
爆發的進化(ばくはつてきしんくわ)に幻惑(まど)はされず。」
と云ふこと。
かくのごとき確乎不動(うごかざ)る思想信條(こゝろ)を拿(も)つなら、
東都(えど)のみならず、
各地(をちこち)で目(め)まぐるしく變化(かは)る流行(はや)り廢(すた)りに、
翻弄(ふりまは)さるゝ恐怖(おそれ)なし。
美食王(あのかた)や、大半(おほく)の"高級店評者(かうきふてんレヴュワ)"は、
流行(はやり)に振囘(ふりまは)され、輕舉妄動・右往左往(かるはづみにうごめく)。
かゝる爲體(てゐたらく)では、
物事(ものごと)の本質(まことのすがた)を見失(みうし)なふばかり。
案下某生再説(それはさておき)、當日(このひ)の菜譜(こんだて):
墨烏賊(すみいか)、海鸛貝(あかゞひ)、めじ、鮙(かぢき)、章魚(たこ)、
小鰭(こはだ)、鑓魷魚(やりいか)、星鳗(はかりめ)、+眞鯖(さば)。
對價(あたひ)、三千三百五十圓也(さんぜんさんびやくごじふゑんなり)。
蛸(たこ)が冷(つめ)たきほかは槩(おほむ)ね滿足(それがしがこのみ)。
舎利(すめし)も、
温度(あたゝかさ)、醢醯(しほとすかげん)、解(ほぐれ)れ方(かた)、
鮓種(すしだね)との調和(つりあひ)、都(すべ)て吉(よし)。
近會(ちかごろ)、
巷(ちまた)の鮓店(すしや)は兩極分化(ふたつにわかたる)。
一(ひとつ)は往古(いにしへ)の『與兵衞鮓』のごとき超高級店(ねのたかきみせ)、
今一(いまひとつ)は所謂(いはゆる)「廻轉鮓(くわいてんずし)」。
街(まち)の鮓店(すしや)、
就中(わきても)、
氣輕(きがる)に寄(よ)れる佳店(よきみせ)は減少一途(へるばかり)。
「へる●ばかり」は曙町(あけぼのちやう)。 ←失禮(すんまそん)!
・フラリと立寄(たちよ)れ、
・"一人前(ひとりまへ)"、"お好(この)み"があり、
・舎利(すめし)の温度(あたゝかさ)、鹽(しほ)と醋(す)が適度(ほどよ)く、
・口中(くち)に解(ほぐ)れ易(やす)く、
・鮓種(すしだね)と舎利(すめし)がまとまりを有(も)つ。
加之(くはふるに)、
・濃厚(こ)き煮詰(につめ)を用(つか)ひ、
・煮物(にもの)、〆物(しめもの)が巧妙(たくみ)にして、
・山葵(わさび)を小(こ)まめに卸(おろ)し、
・徒(いたづら)に高級鮓種(たかきすしだね)に頼(たよ)らず 。
街場鮓(まちばのすし)は、
山葵(わさび)が贋物(まがひもの)で、舎利(すめし)が甜(あま)く、、、。
畢竟(つまるところ)、
當家(こちら)、小人(それがし)が理想(のぞむところ)に至近(いとちかし)。
かゝる市井(まち)の優良店(よきみせ)は、
美食王(あのひと)や成金連中(なりきんども)には"Out-of-眼中(めにとまらぬ)"。
從(したが)ひ、
混雜(こ)まず、荒(あ)らされず、價格(ね)も控(ひか)へめ。
彼奴等(きやつら)が、齷齪(あくせく)流行(はやり)を追(お)はんにも、
進化速度(すゝみかた)が疾(と)く、四角八方(をちこち)に擴散(はぢけちりぬ)。
遠(とほ)からず、烹飪(めしづくり)の先陣(さきがけつと)むるは人工智能(=AI)。
人工智能(=AI)が人間(ひと)に取(と)ッて代(か)はるべし。
それは、
日々(ひゞ)深度學習(=Deep learning)により改良・進化(すゝ)み行(ゆ)くのみ。
圍碁(ゐご)・將棋(しやうぎ)の景状(ありさま)を楚(しか)と瞻(み)るべし!
奴儕(やつばら)をして、AI革命(かくめい)の前(まへ)に戰慄(ふるへあがら)せよ!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Flektogon 2.8/20 @F11
常州(ひたち)てふ 沖(おき)の文蛤(はまぐり) 茹(う)でにけり 瑞々(みづみづ)しきが 特徴(とりえ)なりとか
『壽司清』を辭別(いとまごひ)し、いざ『紀文壽司』に、、。
迎(むか)ふるは、關谷文吉(せきやぶんきち)四代目(よだいめ)が倅(せがれ)、
すなはち、五代目(ごだいめ)と喚做(よびな)すべき若旦那(わかだんな)。
背後(しりへ)に控(ひか)へしは白髮天窗(しらがあたま)の伯父(をぢ)。
醋(す)は『壽司清』が强(つよ)く、鹽(しほ)は『紀文壽司』が確(しつか)り。
微(かす)かに沙糖(さたう)を用(つか)ふ『壽司清』、
それすら嫌(きら)ふ『紀文壽司』。
舎利(すめし)の温度(あたゝかさ)はほゞ同(おな)じ。
精麁(よしあし)は另(べつ)にして、
兩家(どちら)も古式烹調法(いにしへよりつたはるやりかた)を守(まも)る。
『やまだ』、『佐竹』、さらには、かつての『初音鮨』、『とかみ』のごとき、
驚天動地(もろびとのきもたましひをつぶ)す舎利(すめし)にあらず。
倩(つらつら)碟(さら)の生薑(はじかみ)を窺(うかゞ)ふに、
『壽司清』は甜(あま)く、
『紀文壽司』は『しみづ』に似(に)て甜(あまみ)僅少(いとすくなめ)。
生薑(はじかみ)すら供(いださ)ぬ『やまだ』のごとき奇人(をかしなひと)も、、。
小鰭 (こはだ)、眞鯖(さば)は遉(さすが)に『紀文壽司』が優秀(よ)く、
煮烏賊(にいか)は『壽司清』、星鳗(はかりめ)はどちらも美味(よきあぢ)。
當家(こちら)固有(ならでは)の"文蛤(はまぐり)":
"漬込(つけこみ)"を避(さ)け獨特(ほかにな)き"茹上(ゆであげ)"となす。
因(ちな)みに、
"煮詰(につめ)"の濃度(こさ)たるや、
越後(ゑちご)の水飴(みづあめ)と秋毫(つゆ)異(こと)なるところなく、
東都(えど)でも屈指(ゆびをり)、一二(いちに)を爭(あらそ)ふほど。
"小鰭(こはだ)"、"眞鯖(さば)"、"煮烏賊(にいか)"、
"文蛤(はまぐり)"、"星鳗(はかりめ)"、都合(あはせて)五貫(いつゝ)、
對價(あたひ)、二千九百二十圓也(にせんきふひやくにじふゑんなり)。
一貫(ひとつ)大畧(およそ)六百圓(ろつぴやくゑん)。
『壽司清』と合(あ)はせても大畧(およそ)六千圓(ろくせんゑん)。
愚按(やつがれおもふに)、
『壽司清』にて鮪(しび)など生鮮魚介(なまもの)餐(くら)ひ、
當家(こちら)で古典的技藝(ふるきわざ)を堪能(あぢは)ふと云ふ手(て)も、、。
兩家(どちら)も、
「ふらり立寄(たちよ)り、擅(ほしいまゝ)に啖(くら)ふべき鮓店(すしや)」
頻繁(こまめ)に山葵(わさび)を卸(おろ)し、
鮓種(すしだね)には、火候(ひいれ)絶妙(たくみなる)"煮魷魚(にいか)"も、、。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :蔡司(Carl Zeiss)C Sonnar T* 1.5/50 ZM @F2.2
不愛想(あいさうなし) 後(のち)の鮓店(すしや)に 比較(くら)ぶれば 昔(むかし)は愛想(くち)を 用(つか)はざりけり
關谷文吉(せきやぶんきち)『紀文壽司』四代目(よだいめ)親方(おやかた):
その"魚味禮讃(ぎよみらいさん)"は鮓愛好家(すしずき)には知(し)られ、
魚(うを)、就中(わきても)、
馨(かをり)への傾倒(おもひいれ)ぶりは匹敵(ならぶ)者(もの)なきほど。
店(みせ)を守(まも)るは、
故(なき)關谷文吉親方(せきやぶんきちおやかた)が親族(うからやから)。
漬場(つけば)に立(た)つは倅(せがれ)、
それを背後(うしろ)で見守(みまも)るは四代目(よだいめ)の兄(あに)。
愚按(やつがれおもふに)、
兄(このかみ)が五代目(ごだいめ)、倅(せがれ)が六代目(ろくだいめ)、
と云ふことに相違(たがひ)なかるべし*)。
これを倅(せがれ)に質問(と)ふも、言辭(くち)を濁(にご)すばかり。
倩(つらつら)六代目(ろくだいめ)の容貌(かほばせ)を賞(なが)むるに、
水(みづ)も滴(したゝ)る色男(いろをとこ)。
「これで世(よ)が江戸(えど)の昔(むかし)なら、さぞや、、、」
と妄想(あやしげなるおもひ)を擅(ほしいまゝ)にす。
「不愛想(あいそなし)」と中傷(あしざまにそしら)るゝこの職人(をとこ)も、
さりげなく水(みづ)を向(む)くるや、
朴訥(くちかずゝくな)めながらも誠實(まことのこゝろも)て應對(いらふ)。
「文吉親方(よだいめ)の倅(せがれ)」と云ふ内情(はなし)もその口(くち)から。
昭和五十五(せうわごじふご)庚申年(かのえさるどし)生(う)まれ。
年齢(よはひ)數(かぞ)へで三十八(みそぢあまりやつ)。
「妻子(つまとこ)あり」。
世間(よ)の、これだけの美男(をとこ)を看過(みすご)す理(ことわり)もなし。
「力(ちから)の入(い)れ過(す)ぎ」とも思(おも)へる舎利(しやり):
勿駭(おどろくなかれ)、
口中(くち)に抛込(はうりこ)むや四角八方(あちこち)に飛散(とびち)ること、
鳳仙花(はうせんくわ)の指先(ゆびさき)に一觸即發(はぢけと)ぶがごとし。
粒(つぶ)が立(た)ちて、なほ、舌(した)に滑(なめ)らか。
臼齒(おくば)に殘存(のこ)れる米(こめ)幾粒(いくつぶ)かを噛(か)むや、
咽喉(のみど)を過(す)ぎて胃腑(いふくろ)へと消滅(きえうす)。
その容(さま)、朝霧(あさぎり)の陽光(ひのひかり)に霧消(き)ゆるに似(に)たり。
その"甜(あまみ)"はと窺(うかゞ)ふに、
近傍(ちかく)の『辯天山』、『橋口』より纔(わづ)かに強(つよ)め。
とは云へ、甜(あま)きに流(なが)るゝこともなし。
米醋(よねず)を控(ひか)へめに用(つか)ひ、"淡醎(しほみ)"も穩當(おだや)か。
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*)子息(しそく)が五代目(ごだいめ)歟(か)?
【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2~F2.8
高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 2/35 @F4
大臣が 通ふか否(いな)か 知らねども こちら江戸鮨 氣分(きぶん)は大盡
【2014-06-25追記】:
想定外(おもひもかけ)ぬ驟雨(にはかあめ)。
已(や)むことを得(え)ずして近傍(ちかく)の『紀文壽司』にて雨宿(あまやど)り。
漬場(つけば)に亭主(あるじ)の姿なく、跡繼(あとつぎ)の若手獨(ひと)り。
管待(もてなし)に當(あ)たる仲居(なかゐ)二人(ふたり)は以前(まへ)に同じ。
此度(こだみ)も尋常(つね)のごとく"握(にぎ)り上(じやう)"。
内譯は、小鰭(こはだ)、墨烏賊(すみいか)、鮪(しび)、鮪脂身(しびあぶらみ)、
眞子鰈(まこがれひ)、平貝(たひらぎ)、煮烏賊(にいか)、穴子(あなご)。
對價(あたひ)、大約(およそ)三千圓也(さんぜんゑんなり)。
燈明(あかり)乏しく、櫃臺(かうんた)は侘(わ)びて飴色(あめいろ)となる。
故(ゆゑ)に、甚(いと)暗(くら)き賈内(みせのなか)。
見事(みごと)なる檜(ひのき)の一枚板(いちまひゝた)なれど、
手入(てい)れを怠るや、須臾(たちまち)、鮓(すし)まで麗(かゞや)きを失ふ。
日本橋『てん茂』、木挽町(こびきちやう)『二葉鮨』に同じく、
もはや向朽(くちなん)とする老舗(しにせ)。
勢力(いくほひ)のある若手(わかて)とは提燈(てうちん)に鐘(つりがね)。
この價格(ね)で平貝(たひらぎ)を奢(おご)り、煮烏賊(にいか)供すは流石(さすが)。
【2010-03-25追記】:
この日は、鮪(しび)赤身(あかみ)、鮪(しび)赤身(あかみ)に近き脂身(あぶらみ)、
泥障烏賊(あふりいか)、鮃(ひらめ)、 玉珧(たひらぎ)、小鰭(こはだ)、 槍烏賊(やりいか)、
穴子(あなご)で、値(あたひ)二千八百圓餘(あまり)。
鮃(ひらめ)鮪(しび)穴子(あなご)は時季に外れ、よきは玉珧(たひらぎ)に小鰭(こはだ)。
【2010-02-03追記、評價上方修正】:
埼玉一(さいたまいち)と譽(ほま)れも高(たか)き浦和(うらわ)のよし佳。
江都(えど)の鮨(すし)とのあまりの違(たが)ひに呆れ、開きたる口も塞(ふさ)がらず。
今後(いまよりのち)、天離(あまざか)る鄙(ひな)の鮨は死すとも、え喰(くら)ふまじ。
心(こゝろ)に固く誓ひ、その後(のち)伺ひし鮨屋(すしや)は溜池壽々のみ。
僕(やつがれ)の出易(でや)き街(まち)淺草。
晝(ひる)の淺草なれば鮨 橋口と思へども、にはかに心變(こゝろが)はり。
かくて五年(いつとせ)ぶりに暖簾(のれん)を潛(くゞ)る紀文壽司。
頼(たの)みし一品(ひとしな)上握り、およそ二千八百圓餘(あまり)。
その内譯(うちわけ)は、墨烏賊(すみいか)、鮃(ひらめ)、
鮪(しび)赤身(あかみ)、鮪(しび)赤身(あかみ)に近き脂身(あぶらみ)、小鰭(こはだ)、
平貝(たひらがひ)、槍烏賊(やりいか)、穴子(あなご)。
追加(つひか)で鯖(さば)、小鰭(こはだ)、蛤(はまぐり)で、値(あたひ)四千四百十圓也。
舎利(しやり)はやゝざらつき氣味(ぎみ)なるも、堪忍(かんにん)ならぬとまでは云ひがたし。
生姜(しやうが)は甘味(あまみ)少(すく)なく、最(いと)口(くち)に爽(さは)やか。
無駄口(むだぐち)一(ひと)つ叩(たゝ)くでもなく、こまめに山葵(わさび)を卸(おろ)す。
鄙(ゐなか)鮨の皇(すめらぎ)よし佳とはいちじるしき違(たが)ひ。
銀座や鈔(ぜに)絲目(いとめ)をつけぬ坊主天窓(ぼうずあたま)に比(くら)ぶれば、
鮨種(ねた)は聊(いさゝ)か見劣(みおと)り。
鮃(ひらめ)は味(あぢ)と香(かをり)こそ紛(まが)ふ方(かた)なき鮃(ひらめ)ながら、
身(み)は萎(な)へ齒應(はごた)へに乏(とも)し。
徒(いたづら)に炙(あぶ)りたる穴子(あなご)には焦(こ)げが目立つ。
小骨(こぼね)が障(さは)り綿のごとき舌觸(したざは)りのよし佳よりは大分まし。
家(いへ)の中(なか)のほの暗(ぐら)きこと、行燈(あんどん)かと見紛(みまが)ひ、
飴色(あめいろ)に侘びた漬(つ)け臺(だい)は重ねたる春秋(つきひ)を偲(しの)ばす。
とは云へ、概(おほむ)ね僕(やつがれ)が口(くち)を悦(よろこ)ばしむ。
切(き)りつけてうち棄(や)ることもせぬ鮪(しび)は思(おも)ひのほかの旨(うま)さ。
その理(ことわり)、皿(さら)に滴(したゝ)るほどの煮切(にき)りの所爲(せゐ)もあらん。
小鰭(こはだ)は今時稀(まれ)なほどに鹽(しほ)が效き頗(すこぶ)る美味(びみ)。
こちらで名高(なだか)きは蛤(はまぐり)。
倣(なら)ひの漬(つ)け込(こ)みならで、茹で上げとでも呼ぶべき代物(しろもの)。
八重洲おけい壽司ほど味(あぢ)濃(こ)き漬(つ)け込(こ)みなればともかく、
生(なま)に近(ちか)き柔(やは)らかさを求むるなら、茹で上げに如くはなし。
五代目(ごだいめ)*)、舎利(しやり)を捨つることなく、左(ゆんで)の拇(おやゆび)を效かす。
無駄口(むだぐち)一(ひと)つ叩(たゝ)かざるは蓋(けだ)し好みの別るゝところならん。
店(たな)を守る親方(おやかた)は四代目關谷文吉氏の親族(うから)。
白髮(しらが)天窓(あたま)の笑顏(ゑがほ)優(やさ)しき好々爺(おきな)。
翁(おきな)とゝもに漬(つ)け場に立つは甥(おひ)の五代目(ごだいめ)。
裏方は四代目女將(おかみ)**)姉妹の兩個(ふたり)、あはせて四個(よたり)。
獨(ひと)り靜かに鮨(すし)摘(つま)み、酒呑(の)む向きには佳店(よきみせ)。
明(あか)るさ賑(にぎ)やかさを求(もと)むる手合(てあ)ひには不向き。
【2005-09-30記】:
淺草雷門近くに風情ある佇まひの鮨店あり。古(いにしへ)よりこの地に軒を構へ屋號を紀文壽司と爲す。一度(ひとたび)暖簾を潛るや飴色に侘びた昭和世界が廣がる。生憎主(あるじ)の前は常連が居り、若手(わかて)の前に陣取る。菊正を冷酒で一合。それに以下の鮨をを漬けて貰ふ。
・鮃、魴鮄(はうばう)、小鰭、鯖、穴子、鮪赤身漬け、鮪中とろ、蛤、帆立、鶏卵(たまご)焼き。
計十貫、値五千四百二十圓也。
酒を除くと一貫平均單價五百圓前後。銀座と比べ格段に安い。鮃は旬であるにも拘はらず香り薄く切り付けも薄い。魴鮄(はうばう)は鮨としては滅多に戴かないものゝ噛み締めると味自體はまづまづ。とは云へやはり白味としては冬場の鮃や旬の鯛に如くはなし。星鰈や眞子鰈と比べても聊(いさゝ)か分が惡い。
小鰭はなかづみに近いものを半身にて供す。〆が淺いにも拘はらず生臭味なし。銀座ほかけでも感心させられたが、大きくとも適切に鹽をし醋洗ひが叮嚀であれば淺〆でも旨い。鯖も〆方が大變淺い。小鰭と異なり鯖は確り〆ないと旨くない。關鯖の如き生食用は兎も角、脂の乘つた鯖は鹽と醋の調和が命。
穴子は澤煮しためそ穴子の如きものを炙りて供す。脂が乘つてをらず正直旨くない。だが煮詰めの濃さは十分。鮪赤身漬けはまづまづながら鮪中トロは銀座邊りの鮪(しび)とは格が違ふ。一級品の鮪(しび)の旨味に缺ける。しかしながら單價が銀座の半額であることを考へると納得せざるを得ない。
蛤は注文を請けてから殼を剥く。茹で汁は潮汁。火の通し方は淺く身が硬くなつてゐないが傳統的な「漬け込み」に如くはない。最早江戸前の蛤は絶滅し、當店で供されるやうな鹿島灘産の立派な蛤も實は本朝在來種ではなく「朝鮮蛤(てうせんはまぐり)」とか..。名高(なだか)き桑名の蛤も小振りで鹿島灘産に不及(およばず)。
帆立は神田笹鮨同樣煮帆立。二つに開かずその儘握り海苔で帶をしてゐる。煮詰めは穴子と同じか?。或いは「共詰め」やも知れぬが觀察した限りでは其處まで凝つてゐるやうに見えなかつた。玉子焼きは恐らく自家製かと思はれる。厚燒きにしたものを薄く切つてゐる。正直古典的な技を期待したのだが。
舍利は甘くないものゝボソボソして口の中で何時迄も殘る。砂糖を使はない舍利は冷えるとボソボソになる。もう一寸巨大なものを半ば期待してゐたのに期待した程ではなかつた。だが確かに現代の標準からすると大きい。澁谷に一部ヲタが熱烈支持するやじまなる店あり。やじまは高さ、當店は長さが特異。
醋は全體に弱目。どうせ古典を重視するならもう一寸醋を效かしても良い。甥(おひ)に漬けて貰つたところ手數多く左手親指の使ひ方が上手くない。手數が增えるのは側面を竒麗に成形しようと何度も囘轉して握り直す爲。一方親爺は手數が少ないものゝ捨て舍利をする。何故か伯父と甥(おひ)では握り方がまるで違ふ。
生姜はさつぱりしてゐるが、もう一寸メリハリが效いてゐても良い。山葵は客の顏を見てから擂り卸ろす。今囘二度に分けて卸してくれた。これは率直に評價したい。カウンタは檜の一枚板ながら手入れ不足の所爲か變色してゐる。楊枝は木で箸は大衆食堂竝み。店内は如何にも淺草の老舖で照明が何とも侘びてゐる。
接客は普通。親爺は好々爺然としてをり、甥(おひ)もおつとりした感じ。だが甥(おひ)は客の呼吸を讀む力に缺ける。ひよつとすると「氣」の問題かもしれない。漬け臺や兩個(ふたり)の髮型を見ると、銀座の凜とした雰圍氣の高級店と對極を爲す脱力系。味は今一つながら、この風情、何も變へずに頑張つて慾しい。
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*)翁(おきな)が甥か、四代目關谷文吉氏が甥か詳(つまび)らかならず。
**)姻戚關係、聞き違ひか?
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酔狂老人卍
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店名 |
紀文寿司(きぶんずし)
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受賞・選出歴 |
寿司 百名店 2021 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
03-3841-0984 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東京メトロ銀座線、東武伊勢崎線 浅草駅 徒歩2分 浅草駅(東武・都営・メトロ)から211m |
営業時間 | |
予算 |
¥3,000~¥3,999 |
予算(口コミ集計) |
¥10,000~¥14,999
¥8,000~¥9,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、JCB、Diners、AMEX) 電子マネー不可 |
席数 |
36席 (カウンター、テーブル席、小上がり) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり |
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料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
お子様連れ |
子供可 |
オープン日 |
1903年 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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『紀文壽司』:
"五代目(ごだいめ)"の貫祿・恰幅(かもしいだすけはひ・みのふくよかさ)が漸増(ま)すも、
永劫不變(とこしへにかはらぬ)、
"煮物(にもの)"の火候(ひいれ)に、"煮詰(につめ)"の濃度(こさ)・黏性(ねばり)。
鮮(なま)の"白身魚(しろみ)"も堪能(あぢはふ)。
一般(およ)そ、"局所最適解(あるとひへの、よきこたへ)"は一意(ひとつ)とは限(かぎ)らぬ。
然而(しかはあれど)、
"牙鮃(ひらめ)"や"棘鬣魚(まだひ)"の精肉(みにく)は、鮮(なま)が大域最適解(なにより)。
何者(そのゆゑいかにとなれば)、
加熱(ひいれ)により、生鮮固有(なまならでは)の"芳醇馥郁(かぐはしきかをり) "が消滅(う)せ、
"食感(はごたへ・したざはり)"も變化(かは)るればなり。
熟成(ねか)す歟(か)、否(いな)歟(か)は、嗜好(このみ)に依存(よる)。
蒙(それがし)、
"牙鮃(ひらめ)"は新鮮(あたらし)く、高彈性(はごたへつよ)きものを嗜好(この)み、
"棘鬣魚(まだひ)"は霎時(しばし)冰室(ひむろ)に低温熟成(ねかしお)き、
"旨味(うまみ)"増强(まし)たるものを好(この)む。
但(たゞ)し、"牙鮃(ひらめ)"の骨邊肉(あら)は、
三日(みつか)ほど低温下放置熟成(すてお)かれしを、淡味(うすあぢ)に煮(に)て、
その儘(まゝ)、若(も)しくは、翌晨(あした)に"魚凍(にこゞり)"と變成(なりし)を餐(くら)ふ。
骨邊肉(あら)の過新鮮(あたらしすぎ)は不好吃(よろしからず)。
"牙鮃(ひらめ)"は、
"精肉(みにく)"も然(さ)ることながら、"裙邊(えんがは)"こそ雋永(このうへなくあぢよきもの)。
臼齒(おくば)に嚙(か)むや、"鮮(うまみ)"口中(くちのなか)へと迸(ほとばし)り、
"芳香(かぐはしきかをり)"、鼻竅(はなのあな)を貫通(つらぬく)。
扨(さて)、"棘鬣魚(まだひ)"。
代澤(だいざは)『小笹壽し』、銀座(ざぎん)『小笹壽し』などゝ同樣(おなじく)、
皮付(かはつ)き、厚切(あつぎ)り。
「風韻(かをり)が命(いのち)」は"關谷文吉四代目親方(おや)"讓(ゆづ)り歟(か)?
愚按(やつがれおもふに)、"鮪(しび)"の"肥肉(あぶ)"などは"薄片(うすぎり)"が最適解(よ)く、
"棘鬣魚(まだひ)"は皮附(かはつ)きの"厚片(あつぎり)"が最善策(なにより)。
雙方(どちらも)"生鮮(なま)"、若(も)しくは、"肥肉(あぶ)"なら身肉(み)を炙(あぶ)り、
"棘鬣魚(まだひ)"なら皮(かは)を"湯霜(ゆしも)にするが吉(よい)。
蟲魚禽獸(およそ、このよにいけとしいけるもの)、
過半(あらかた)、皮(かは)や皮下(かはのした)、骨邊肉(ほねのまはり)こそ華美(よきあぢ)。
"蛇(へび)"や"蛙(かへる)"、亦(また)然(しかり)!
何故(なで)ふ、之(これ)を嫌惡(いみきら)ふべき?
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【暗匣】:日本光學 尼康(Nikon)Zf 無反光鏡可換鏡頭照相機(MILC、みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)APO-LANTHAR 2/50 @F2
福倫達(Voigtländer)Super Wide-Heliar 4.5/15 Asph. III @F11
* * * * *
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(MILC、みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4 ※2019-03撮影分
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-06撮影分