小さなお店にエネルギーとスパイスが詰まっている : ベジキッチン

ＪＲ御徒町駅から徒歩数分、小さな会社や商店、それに住宅が多いエリアにあるインド料理店です。

お店は、目立たない場所にありますが、十字路にも看板が出ているのでそれが目印です。
外観は、緑色が目立つ印象ですが、ちょっと傷みもあり、外国人が営むごく普通の飲食店という感じです。
しかし、実は食べログカレー百名店２０１７にも選出される名店です。

店内は、奥にキッチンがあり、その周辺には持ち帰り用の容器や食器などが収納された棚があり、ちょっと雑然とした感じです。４人用のテーブル席が数卓ありますが、２階もあるようですね。
店内にはミキサーの音がしていますが、インド料理では素材をペースト状にするとが


ランチメニューは、インド・ネパール料理店でありがちなナンとカレーのセットが７５０円でありますが、お店の特徴がよくあらわれるベジキッチンセット（１，３５０円）やマサラドーサセット（１，０００円）などもあります。また、金曜日はビリヤニが９５０円で用意されています。
ランチタイムは、ナン・インドライス・日本のライスのおかわりサービスがあります。いずれか１回のみ、いただけます。

お店に入り注文すると、いきなり、サンバルを無料サービスでいただきました。明るくて親切な店員さんです。
しかし、サンバルは、今日のカレーのひとつになっているものです。サービス良すぎですね。
続いて、「インドの友達のお土産のドライフルーツ食べる？」とタッパーに入ったプルーンのようなものと、謎の細長い茶色いドライフルーツをいただきました。
どちらも、水分が抜けて程よくしっとり。欧米のドライフルーツのように砂糖をまぶしたものではなく、穏やかな酸味と果物由来の自然な甘さがありますね。
ちなみにこのサービスがあったお客さんは、私以降３人が来店しましたが、私のみです。
他の方のレビューでもカレーのサービスはあるようですが、店員さんの食べものまでいただく人はなかなかいないと思います。
なぜか、私はインド人に好かれます。上野・御徒町界隈のインド系のお店で、３店舗で３勝。勝率１０割です。ネパール人にも好かれ、おおむね好意的な対応をしてくれますが、理由はさっぱりわかりません。このあたりの文化的な背景を知っている方がいたら教えてください。

前段で既に食べ始めていますが、いただいたのは、
■ベジキッチンセット（１，３５０円）
店内に掲げられた５種のカレーのうち、３種を選択、それにほうれん草のナン、パパド、小ライス、デザート、サラダ、ソフトドリンクが付くセットです。
カレーは、店員さんのおすすめの３品にしました。
・サラダ
レタス、キャベツをベースに粒コーンを散らしてあります。ドレッシングは醤油ベースの和風です。さすが「ベジ」のお店だけあって、野菜の鮮度も良好です。
・サンバル（サービス品）
塩気の効いたスープです。店員さんに「塩味がしっかりとしているね」と言うと、「タマリンドの味だよ〜」との返事です。
スープから感じる味わいの中で、日本人の私にはタマリンドの味を選り分けることができませんが、インド人はそれが出来、タマリンドをはっきりと感じるみたいですね。
・ムング豆カレー
３種の中では一番サラサラです。ですが、豆の味はしっかりとしていますね。豆カレーのお手本のようなカレーです。
複数の豆が入っており、メニューに記載された「ムング豆」がどれなのかわからずじまいですが、美味しいので気にしない。
・ミックスベジタブルのカレー
グリーンピースや人参が目立つ、食材としてはスタンダードなものばかりのカレーです。しかし、味わいは辛さが効いていて、存在感があります。「日本人のイメージするカレー」の味で期待を裏切りません。
・カッテージチーズの野菜カレー
色合いが白みがかった黄色をしています。野菜はパプリカ・玉ねぎ・インゲンなど。それにパニールと呼ばれるあっさりとしたチーズが入ります。
この色合いは、ココナッツミルクかと思いましたが、香りはせず、不思議な感じです。辛さもマイルドで、野菜とチーズだけでもちゃんと美味しく、物足りなさがありません。
３種のカレーはサンバルも含め、すべて味の方向性が異なります。豆カレーは豆由来の旨み、ミックスベジタブルは辛さの刺激、カッテージチーズと野菜のカレーはコクと、味わいの違いが魅力です。サンバルは塩気で引き締めてくれて、これの存在感も素晴らしいですね。
・ほうれん草ナン
ほうれん草入りの緑色したナンです。時間が経つとパリパリ感が出てきます。甘くなく、青臭さもありません。色合い以外に大きな差を感じませんが、緑色がほうれん草で、まんべんなくナンに入っているかと思うと、その栄養を無駄なく吸収できる気がして、健康になれそうです。
・小ライス
インディカ米です。ナンもあるのでミールスのような山盛りではないですね。しかし、おかわりすると、楕円形のお皿にたっぷりと盛ったものがいただけます。
珍しいほうれん草入りナンのおかわりをいただきたいところですが、インディカ米のライスのほうが食べたときの爽快感がありますね。やはり、カレーにはライスでしょう。
・デザート
何やら黄色いケーキのようなもの。日本語ができる店員さんが出かけてしまったので、何というか聞けませんでした。
小さな粒を感じる、質量のあるケーキです。
・ドリンク
ホットチャイをいただきました。甘さ強め、スパイスも入り、量は多いですね。


ベジタリアンメニューで、味に物足りなさがあるかと不安でしたが、ベジタリアンであることを感じさせない味わいです。特にカレーの味わいがすべて異なる点が素晴らしいですね。
味も量も大満足の本格インドカレーでした。
店員さんも親しく話しかけてくれて、インドの食文化のことを教えてくれて、楽しいですね。こちらでカレーをいただくと、インドのスパイスと共に彼らの元気も摂取できると思います。小さなお店ですが、エネルギーの詰まったお店です。