満州食堂 : 飄香居

2019.03 夜

全部で 2008円
・猪舌拌黄瓜 480円(税別)
・炸豆腐 680円(税別)
・烤羊肉串 150円×4(税別)

　湯島の東北菜(中国満州料理)屋。
　久しぶりに来た。
　以前より少し日本人向けになったかな。
　それでも、東北の食堂的な雰囲気と味。

　東北(満州)の中でも南方系な感じで、
　立派なレストランではなく、
　火鍋や酸菜料理などを食べる店とは、
　はちょっと違う雰囲気。
　揚げ炒め焼きが主体の食堂って感じ。
　そういうセレクトにした。

　お酒をお願いせずに水を要求しても
　嫌な顔をされないところが良い。


・猪舌拌黄瓜 (3.5)
　豚タンと胡瓜のあえもの。
　豚タンはサクって歯ごたえ。
　キュウリとニンジンとを、
　香ばしい辣油であえて。
　辛さはたいしたこと無い。
　飲むのに良い前菜だと思う。

・炸豆腐 (4.0)　
　こちらもサクっとした揚げ加減。
　粒子が細かい感じの外側で、
　中のトロっとした豆腐との
　ハーモニーが良く、
　タレのしょっぱさも少なく。
　これは良いなぁ。
　中国っぽさは少ないけど。

・烤羊肉串 (3.5)
　羊肉串焼き。４本縛り。
　以前より肉のジューシーさが減った。
　孜然の風味も以前ほど無かった。
　美味しいことは美味しいけど、
　池袋の羊肉串激戦区には
　負けるかな。


　こういうお店で日式をお願いしても
　ダメよね。

日本人向け度 ★☆☆☆☆(1) 日本人客はいるけど
現地人向け度 ★★★★☆(4) 中国人だらけの事もあるかも

2014.08～10 夜

１度目全部で 2300円くらい
・生ビール 290円
・ラム肉の串焼き 100円×2
・牛ハツモトのクミン炒め 880円
・ナスの四川風炒め 800円

２度目全部で 1300円くらい
・生ビール 290円
・ラム肉の串焼き 100円×3
・揚げ豆腐 580円

３度目全部で 1479円
・生ビール 290円
・ラム肉の串焼き 100円×2
・鍋包肉(グオバオロゥ) 880円

４度目全部で 2008円
・ラム肉の串焼き 100円×3
・麻辣鴨脖(マアラァヤーボウ) 980円
・皮蛋粥(ピイダンゾウ) 580円

　湯島で行きたい中華屋さんがあって、繁華街をうろうろ。お店が見つからない、客引きに声かけまくられて、めんどくさい。お店をお探しですか？っと声をかけてきた客引きに中華屋さんの名前を告げたら知らないと言う。古株らしき客引きが数名集まって出た結論、数ヶ月前につぶれたらしい。残念だ。諦めた帰り道もやっぱり客引きに声かけられて。客引きにはアジア系の外人も多い。中国人？って聞いてみた。そうだと言う。ニーシードンベイレンマ？　ドゥィ。ウォシャンチードンベイツァイ。カタコト中国語で東北人達が行く東北料理を聞き出してみた。それがここ。この手はかなり使える。外人客引きに質問して現地人向けの味、出身地の味の店を聞き出してしまえ、だ。案外素直に優しく教えてくれる。日本人向けの人気の中華屋のそっけない中国人より親切だよ。夜遅くまでと言うか、朝方までやっているお店。まるで美味しいタイ料理屋みたいだ。
　数度行ったのだが、いつもガラガラ。夜の１０時くらいだけどね。しかも値段は安い。そしてけっこう美味しい。さすがに東北人が普段使いするお店。秘密にしておこうかとも思ったお店。四川料理が多いのだが、東北人好みの四川。本領はもちろん東北料理。メニューには最後に載っている。味は日本人向けでは無いが、本物の中華、四川や東北料理が好みなら合うと思う。東北料理にありがちな有料お通しも無く良心的。メニューは少なめで、串は羊だけ。絞っているところが好印象。餐厅（ツァンディーン、レストラン）と言うより食堂（シータン）な良店。お上品に行ってはダメです。ワイルドで行こう。


・ラム肉の串焼き (4.5)
　普通の東北料理屋なら１本150円～200円。5本、10本の縛りがあるのが普通。日本人向けならズーラン、唐辛子、カレー粉など薄めだったりする。ここのは１本100円。小さいがジューシーで旨味あり、スパイスもしっかりで旨味を押し上げて。スパイスは少なめだが、肉が小さくてバランスが現地寄りになっちゃってて結果的にスパイスが効いている。素晴らしいのは、肉質が均一だと言う事。スジっぽかったり旨味が薄かったりという部分がかなり少ない。さらにさらに、縛り無し。さすがに１本だとニコヤカに嫌がられるので２本とか３本でお願いしている。味だけなら3.7とか3.8くらいだけど、もう一度言いたい、１本100円で縛り無し、スパイス感タップリの羊肉串（ヤンローツァン）、かなり満足感が高い。高い羊は美味くてもいつもは食えないけど、これならいつでも気軽に食える。行くたびに注文する。

・麻辣鴨脖 (4.0)
　注文時に辛いけど大丈夫って聞かれる。辛い鴨首の料理。鴨の首をブツ切りして東北風味たっぷりの麻辣味で仕上げてます。ピーマンも入ってる。鴨の首は中国各地で名物料理だったりするのだが、実に食べ辛い。どうやってもお上品には食べられない料理。骨の周りに少し肉があって、ブツ切りごと口にほおりこみ、舌と歯で器用に肉と骨を分離して、骨だけペッ、なわけ。噛んでて、カリっとしても、ペッしましょう。骨の小片ならたいした事ないけど、花椒の粒がそのまま入っているので、カリっと行ったら痺れます。
　お上品中華じゃありえないワイルドな美味しさ。クセのある鴨の首肉を、クセの強い東北風四川味で仕上げて。肉と言ってもジューシーでもなく、ソフトでも無い。繊維がパラパラと剥がれるような食感。麻辣だけではなく、五香粉と言うかね。八角もしっかり香る。中華のスパイスの奥にある、鴨の味と香り。けっこうな辛さがあります。本物の中華好き、東北菜好きなら、食べにくさを補って余りうる味ですよ。そう言う人以外には決しておすすめしません。

・牛ハツモトのクミン炒め (3.5)
　ハツモトとピーマン、ネギ、タマネギなどの野菜をズーランタップリに唐辛子少々で炒めている。とても東北料理らしい粗野と言うかワイルドな見た目。ハツモトはコリコリ硬く、食べてもワイルドさが溢れ。やっすい美味しさでビールに合うんですよ。

・ナスの四川風炒め (4.0)
　もちろんナスだけでなく、フクロタケ、ピーマン、ベビーコーン、ニンジン、キクラゲなど、カタクリの餡でコーティングされアツアツが持続する野菜料理。中国人はアツアツなのを重要視するのを思い出した。熱いと野菜の香りも立ちますからね。ホフホフとアツアツで野菜の味を濃くしていただく。身体にも良さそうな気がするんです。

・揚げ豆腐 (3.3)
　中国風の揚げ出し豆腐。細かく切りそろえられて、香ばしさを増した上に濃い味のタレ。香菜があればもっと美味しいと思うけど、580円。これで満足です。

・鍋包肉 (4.0)
　日本人向けのお店だと、1500円くらいしたと思う。ここでは880円。半額近い値段。それでいて、1500円のよりボリュームがあって美味かったからまいってしまう。甘辛のアツアツなヌレ煎餅のような衣に、ジューシーな豚肉が挟まってて、甘いタレがちょっと酸っぱい。そういう味。美味しいお店だと豚肉を感じて美味しいんだけど、ダメなお店だと、豚肉を感じず、甘辛なヌレ煎餅を油で揚げて食べている感じ。この値段と味は、かなりお得で凄い事なんですよ。少なくとも数店で食べ比べないと分からないですけどね。

・皮蛋粥 (3.3)
　優しい優しい味。ピータンの臭みは完全に消されているが、その分、クセと言うか、個性も薄らいではいる。ピータンと鶏肉入りで鶏肉は脂身も皮も無い。親子粥とでも言ったところ。今や皮蛋はアヒルではなくニワトリで作られているし。薄味でお腹に優しいのは言うまでも無い。味の評価以上に食べたくなる。でも、けっこうなボリュームがある。


　単価の低いものの量は少なめで１人でも２品はいただける。値段が800円以上のものはガッツリあったりする。全体的にかなり安い。エスニック料理だと、都心から外れた地区にあるような、安くて美味しいお店。そういうお店が中華なら上野にあったんです。驚きでした。本物の中国東北料理好きの隠れ家ですよ。各地に安い中華はたくさんあると思う。でも味の良いお店は少ないんです。ここは違う、美味い。
　あぁ、そうそう。ちょっと日本語が通じ難かったりします。そう言う時は、メニューを指差して、ティガ（これ）。２個ならリャンガ、３個ならサンガ。４スー、５ゥウ、６リュゥ、７チー、８バー、９ジュゥにガをつけて言えばＯＫです。羊肉串はヤンロゥツァン。ハルピン（ハァルゥビンって発音）出身の方のお店。ガは本当はガとグの中間みたいな発音だけど東北なまりはガに近いから、ガでＯＫ。
　東北料理と東北人が好きな四川を東北人に安く提供している、本物の現地仕様なお店です。と言っても、日本人向けの味に調整されないように注意は必要かも。カタコトでも良いので中国語で話したり、中国の味が好きだと言えば大丈夫な気がする。火鍋が1500円くらいで食べ放題だったと思う。少人数で来て、火鍋食べ放題も良さそうです。
　食べログで高評価のお店に行っても中華は美味しいと思う事は少ないし。高評価なお店ばかり行くのではなく、得意分野の料理なら、隠れた良店を探す方が面白く感じる最近。新しい発見、味覚の広がりを求めたい。
　飄香居、ピャオシャンジュー、香りが這っているお店。名前もお気に入りだったり。

　ごちそうさまでした。