高いけど美味い : さんじ

たまたま仕事が午前中で終わった平日の昼間、ここはひとつNO11の昼営業でも行くかね、と会社のタイムカードを押したのですが。

今年に入ってから二郎系が多いなと思いつつ、加えて個人的に二郎系は夜の食べ物と考えている節もあったので、急遽路線変更。1年くらい前に食べて美味しかった上野のさんじへと足を向けたのでありました。

店に到着したのが13時前くらい。並びはなく、カウンター席へと通されました。この日はデフォルトメニューに加え、限定メニューとして1300円くらいの甘エビ味噌つけ蕎麦と1000円の蜆あおさ煮干そば、そして和え玉が「貝と白子の圧力炊き（500円）」がありまして。甲殻類好きとしては甘エビに惹かれるところもあったのですが、あっさり煮干が食べたかったこともあり、蜆あおさ煮干蕎麦と和え玉を注文。お会計が1500円くらいなんで、ちょっと豪華なランチって感じにはなりました。

さて、細麺からなのか店主さんの手際が物凄く良いからなのか、注文してから5分も経たぬうちに着丼。見た目はあおさとチャーシューのみの物凄くシンプルな感じ。二郎系のドカっとした見た目に慣れると、なかなかシンプルさが際立ちますね。で、スープを一口すすると…おお、海の旨味がすげぇ。さっぱりした味ではあるんですが、蜆とあおさの香りがかなり深く、そこにシャープな塩味が覆いかぶさる感じで、かなり美味しい。細麺との相性も抜群です。みるみる丼が空になっていくタイミングで、和え玉が着丼。こちらは一転、ちょっと洋風な香りがします。で、食べると、これもまたクリーミーで美味い。白子の濃厚な味とさっぱりとした葱の相性が抜群です。うーん、これが1玉200～300円だったらおかわりするんだけどなぁ…と思いつつも、腹はかなりパンパンになったので満足です。店を出ようとすると、3人組、4人組の団体客がパラパラと入ってきていて、自分が入店したタイミングが良かったみたいですね。

帰りは、「パチンコ村」と呼ばれるパチンコメーカーひしめく一角を散策しつつ、昭和通りをぶらぶらと歩きつつ、気づけば秋葉原まで歩いてまして。なかなか優雅なランチを楽しめました。私の生活圏内からはちょっと離れているんですが、また時間が空いたら行こうかな、と。

かれこれひと月くらい前、ちょっとした病気というか怪我のようなモノで2週間ほど入院しておりまして（現在は寛解済み、コロナとかではないです。念のため）。特に食事制限とかあったわけではないのですが、病院食ってなんでこんなにマズいかね、という生活が2週間も続くと、やはり食欲はフツフツと湧いてくるわけですよ。しかも入院中はヒマなもんだから、ツイッターを一日眺めてる、なんてことも珍しくなくてですね。するってぇと、ラーメン好きのフォロアーとか、仲の良いラーメン屋の店主とかが「今日はこんなラーメン食べてきました！」とか「今日から限定メニューやります！」みたいなツイートも大量に眺めることになりまして。

これはもう、退院したら暴力的なラーメンに滅茶苦茶にしてもらおう。なんなら二郎のハシゴでも良いぞ！　なんて息巻いていたのですが。

いざ退院してみると、年齢のせいか油のにおいが鼻につくといいますか、胃が小さくなったといいますか。あんまり大量に麺を食べられるイメージではなくなってしまいまして。「まぁいずれ戻るだろうから、とりあえずはリハビリするか」なんて感じで、退院直後の二郎は止めておいたわけです。

しかし、ラーメンは食べたいわけですよ。そしたら友人が「退院祝いにラーメン食べに行こう！」と誘ってくれまして。なら、今は二郎系を受け付ける体調ではないから、ツイッターで話題の「さんじ」さんに行こう、という話でまとまりましてね。上野駅を目指したわけです。

相変わらず前フリが長くて申し訳ないんですが。

さて、このさんじさん。毎日限定ラーメンを提供しつつ、通常メニューの煮干ラーメンなども評価が高い、というのをツイッターでさんざん知りまして。リハビリには持って来いかな、とは思いつつも、「夜の並びがツラいと、病み上がりの体にはしんどいんじゃないか」という不安もありまして。おそるおそる友人と20時に訪問。上野駅から東上野（パチンコメーカーがいっぱいある方）の路地に入ると5分くらいで着いたので、アクセスは良い部類ですね。そして店前を見ると並びはなし。営業はしていたので、ラッキーなヤツでした。


限定メニューも気になりつつ、色々な種類がある和え玉も気になったんですが、友人が「今日は退院祝いで奢るよ！」なんて言い出したモノだから、あまり派手に注文するわけにいかず。とはいえ、体調的にも「シンプルなヤツがいいかな」なんて思ったので、帆立煮干ラーメンにうずらの卵トッピングをチョイス。友人は普通の煮干ラーメンを注文していました。

なかなかアットホームと言うか、常連さんが多い店っぽくて、店員さんにフレンドリーに話しかけているお客さんが多いのは良いんですが、３～４人の団体客が食後水だけ飲みつつダベっているのを見てちょっとゲンナリ。「人気の店でそういうことするなよ～」とは思いつつ、まぁ店員さんが容認しているのであれば良いか、と思ってたら「もう帰って」と注意していたので、やっぱ良くないみたいです。近所に安い飲み屋がいっぱいあるので、食後に語りたいならそっちへ行った方がお互い良さそうですね。

さて、そんなこんなで着丼。見た目は二郎系とは対照的な、あっさり系のオシャレラーメンです。とはいえ、友人の煮干ラーメンは見るからにむせ返るほどの煮干感に溢れており良い感じ。自分の帆立煮干も、良い香りで食欲をそそります。まずはスープを口にすると、少し強めの塩加減（自分の体調のせいでそう感じたのかもですが）に帆立の旨味が広がり、大当たりを確信。麺も細麺ながら香りが強く、全体的に上品ながら力強い印象です。周囲の人を見ると、麺を食べ終わった後にライスを投入してお茶漬け風に食べている人が多かったので、そこまでがデフォルトなのかもしれませんね。

とはいえ、病み上がりの胃にはラーメン一杯で十分だったのでそこでフィニッシュ。煮干の旨味を存分に味わうことができました。体調が良ければ、限定＋和え玉＋ライス、みたいな黄金パターンにも挑戦したいですね。その場合、お会計が2000円くらい行っちゃうかもですが。

なお、限定ラーメンは日替わりっぽくて、毎日ツイッターで告知しているので、気になる方は店員さんのツイッターをチェックしてから行くのが良いかと思います。