ネイティブ感満載の南インド・マンガロール料理。ランチのコスパも良し！ : バンゲラズ キッチン 神保町

この日は、午後から職場のイベントがありました。
新しい勤め先に来てからは、初の公式行事みたいなものなので、多少緊張しますが、こういう時は、ゆったりランチをとってリラックスして臨むことが肝要なので、それが叶うお店を探してみます。
その結果、当店がターゲットとして浮上しました。

バンゲラズキッチンと言えば、2018年1月に銀座インズの2階にオープンしたお店が本拠で(☞バンゲラズキッチン)、日本初の南インド・マンガロール料理の専門店として知られています。
私は、2018年の年末頃にとある人物から紹介を受けてこのお店の存在を知ったのですが、その人物とは、飲食店というものに対するフィロソフィーがかなり真逆なだけでなく人間的に全く信用できない状況に至ったこともあり、当然その情報に飛びつくことはしませんでした。

そんなことで、BMはしながらも劣後扱いにしていたのですが、そのバンゲラズキッチンがミシュラン東京2020でビブグルマンを獲得したこともあり、また、私の職場が神保町エリアに移ったことを知った信頼できるフォローレビュアー様から、「神保町エリアならバンゲラズキッチンの3号店である当店に是非行かれたし」との強い推薦があったりと条件が整ったので、この日チャレンジすることにした次第です。

マンガロールは、南インド・カルナータカ州にある港湾都市ですが、西はアラビア海に面しており、美しいビーチもあります。
インドの都市の中でも清潔な都市と位置付けられており、古くから王朝の港町として栄えた歴史的建造物が建ち並ぶ観光都市でもあり、同時に食の都としても知られています。
マンガロールの名前は、ヒンズー教の神 「マンガラデビ」から名付けられたというようにヒンズー教が主流の街なのですが、イスラム教やカトリックのコミュニティもある多様性もあって、魚料理や野菜料理を中心としつつも、牛、豚、羊、鶏と各種の肉料理があるのが大きな特徴になっています。

マンガロール料理の専門店としては当店が日本初とのことですが、マンガロール料理を出すお店はこれまでもあり、例えば、南インド料理のビッグネームである八重洲の「ダバ インディア」には、マンガロールの蟹料理なんかがメニューに入っていました。

当店を立ち上げたバンゲラ・プラシャント・ノナッヤ (Prashant Nonayya Bangera)氏は、インドでレストランを経営していたファミリーの3代目に当たりますが、2010年にIT企業の会社員として来日しています。
いわば二足のわらじを履く形で前記の通り銀座にバンゲラズキッチンを開業したわけですが、その動機については、インド料理というと日本ではカレーとナンばかり有名になっている中で多様なインド料理を広めたい、特に魚介をよく使ってスパイスの使い方は比較的穏やかなマンガロール料理を故郷の味として広めたいとの思いからだったと語っておられます。
まだ30代であり、若くて意欲的なオーナーですね。

2019年5月には2号店となる「バンゲラズ スパイスラボ」を江戸川区船堀に開店、当店はその3か月後の2019年8月に神保町のテラススクエア1階にオープンしました。
テラススクエアというのは、博報堂の旧本館や大修館書店があった地区の再開発事業により建設された施設で、2015年5月にグランド・オープンしており、2階にあるフードコートも含めてなかなか個性的な飲食店が入居していることでも知られています。それなりに家賃も高そうですが・・

この日は、雨模様の天気の中でしたが、オフィスからさほどの距離ではないので、当初計画通り、11時45分頃にお店に着きました。
テラススクエアの1階の、PRONTと博報堂のコラボ店と言われる「ハッソウカフェ ウィズ プロント」とファミマの間にあって、とてもよく目につくお店です。

店内はそれほど混んでいませんでしたが、雨模様の天気にも関わらず、テラス席が結構埋まっていました。もちろん屋根はあるのですが、当店はテラス席が人気みたいですね。

私は店内入ってすぐのところにあるカウンター席に通されました。
卓上にはランチメニューが置かれています。
あらかじめチェックしたところによると金曜日限定のビリヤニが人気とのこと。
この日はたまたま金曜日だったので、ストライクだったのですが、せっかくマンガロール料理の専門店に来ているのだから、それらしい料理を食べたいと思って、店員さんに尋ねてみました。
すると、ノータイムで、一番のオススメは、コースタルセット@1,500円だと。
当店はオフィスからも近く、この先何度も来るチャンスがあると考えて、ここはオススメに従ってみる気になりました。

待つこと10分ほどで、注文のコースタルセットが提供されました。
いわゆるミールススタイルで、メインプレートには、本日の魚介カレー(魚のカレー)、魚のフライ、スナック、干し海老のふりかけ、パパド、サール、ブラウンライスが盛られています。別の皿でブレッドも出されました。

まずはカレーをブラウンライスに軽くかけていただきます。
カレーには白身魚を素揚げしたものが入っていますが、魚の生み出す海鮮風味、ダシの良く出たカレーは、色んなスパイスの味も混ざってかなりピリ辛ですが、味わい深くとても美味しいです。
ブラウンライスの独特の香りともいい取り合わせですね。
カレーはブレッドでもいただきましたが、このブレッド、ナンとも異なり、ベチャッとしていてふんわり感はありませんが、小麦らしい香りもして、個人的にはナンよりも好みでした。
そして、カレーの美味しさを増幅してくれたのが、干し海老のふりかけとスナックで、これらをカレーと一緒に食べると味が一気に引き立ちます。
特に干し海老は秀逸で、これぞ海鮮という風味でとても美味しかったです。
何となくバンガロール料理がどんなものか分かった気になりました。

魚のフライは、コリアンダーかクミンあたりで風味づけしているようですが、魚自体は、鯖に近い感じでした。
骨もそれなりにありましたが、ミールス全体の中でいいバランスですよね。美味しかったです。

全体としてネイティブ感満載の料理で、これで1,500円なら不満は無くコスパも良好だと思います。
接客がややぶっきらぼうだったのが唯一気になった点と言えましょうか。

さすがフォローレビュアー様ご推奨のお店だけあって、なかなか素晴らしいお店だと思います。
冒頭書いたように信用できない人物の評は全く信用しませんが、信頼出来るフォローレビュアー様の存在はやはり有り難いです！

ただ、この日は12時15分過ぎまで在店したのですが、客の入りは正直芳しく無いですね。
これだけのお店が、ランチタイムとは言え、こんなに空いていていいの？という感じです。
穴場と言えば穴場なのですが、色んな用途が考えられるお店だけに撤退ということにならないよう祈りたいですね。