神保町店にて『轟沈』 : ラーメン二郎 神田神保町店

・天気の悪い平日。10：12に到着。店の前には4人待ち。
・何故か5番目の人は第二集団の先頭に並んでいた。
・私はその人の後ろに並び、6番目となる。
・ギリギリ1stロット～♪
・という事で「本日はどのぐらいの麺量にしようか？」と悩み始める。
・安全策を取って「麺少な目」にしようかな。
・あくまでも噂なのだが、神保町店の店主は「見知った顔の客が来ると、行くたびに麺の量を増やしていく」という。
・こちらの二郎で「量の話題が多い」のは、そんな事も関係しているのだろうか。

・話し戻って、5番目の人は、何人もの人から「ここが最後尾ですか？」と話しかけられていた。
・5番目の人の前に接続してしまう人までいた。
・そんな人に対し、5番目の人は「最後尾はあちらです」と声掛けしていた。
・『ロットマスター』という二郎用語は聞いた事があるが『行列マスター』までいるとは驚きである。
・そうそう、二郎用語といえば『逆シャ』というものがある。
・逆シャッターの略で、営業終了後に常連さんたちが、ゆっくり談笑しながらラーメンをすするとの事だ。
・こちらの神保町店では『逆シャ』を実施しているらしい。
・切り分ける前のブタの塊りを『アクシズ』と呼んだりしているのだろうか？
・それをそのままドンブリに入れ、大サービスしようとするシャア店長。押しとどめるアムロ助手。
・アムロに加勢する常連たち「神保町店がダメになるか、ならないかなんだ！やってみる価値はありますぜ」
・……妄想にも飽きてきた10：50。行列整理を行っている助手さんにより、店舗前への移動をうながされる。
・食券を購入し着席したのは11：12。
・並んでから丁度一時間後だった。

■麺少な目で注文。トッピングはニンニク、カラメ。ウズラとショウガも購入

・着丼の瞬間に我が目を疑い、戦意喪失……。
・前回のデフォルトと比べ、どこが「麺少な目」なのだろう？(笑)。 違いが分からないゾ！
・さらに野菜の標高が高く、しかも大地のような形状で、爆盛りと言っていい。

・食べきれず残してしまった場合の事を『撃沈』と言ったりするが、本来の海軍用語では「敵の攻撃によって沈没」の事を言う。
・一方『轟沈』なのだが「短時間(一分以内)に沈没」の意味である。
・ハシをつける前に負けを悟った場合は、もう『轟沈』と言ってもいいのはないだろうか(笑)。

・今回で二回目だし、半年以上も間を空けているぞ。面割れしているはずはないのだが。
・まあいい、とにかく早く食べなければ！
・ズルズルッ……ウマっ！
・ズルズルッ……ううう。何だか、もうお腹一杯になってきたぞ。
・最初の退店者が出た時点で、私は半分も食べていない。
・行列マスターまでが退店し、1stロット最後の一人となってしまう。
・早くせねばと心理的負荷がかかる。
・ハシが進まなくなる。
・撃沈。。。
・小声で「すいません」とドンブリ戻してすごすご退店。
・ごめんよ(神保町店)。まだ僕には帰れるところ(一之江店)があるんだ。こんなにうれしい事はない……。

ラーメン二郎の中でも上位に食い込む人気店です。
ウマさに定評があるようで、私は「一度行ってみたい～」と思っていました。
……しかし、こちらの二郎に対しては『不安』がありまして、「麺の量の多さでも、上位に食い込む」らしいのです。。。
私はもともと大食いではありませんし、若い頃に比べて胃が小さくなってきているのを自覚しています。

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ただでさえ量の多いラーメン二郎、、、その中でも麺量が多い。大丈夫だろうか？
二郎で残してしまった場合は「ギルティ」と後ろ指をさされ、特に増していた場合は重罪とされるようです。

ラーメンの味を楽しむ事などあきらめ「残さない事だけに集中」しよう。。。それでも残してしまったら、切腹しておわびすればよい(食べたばかりの麺が散らばりそうですが)。

……私はそう腹をくくりました。

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店舗の下調べをしていたところ、恐るべき情報を発見しました。
なんと「麺少な目」で頼めるようなのです。それどころか「麺半分」も選べるとの事です。
「これだ！」私はそう叫びました。
麺半分ならさすがに残す事はないだろう。これなら安心して神保町店に行けるぞ♪

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しかし、店に向かう電車内で、嫌な考えが首をもたげてきました。
「同じ値段なのに、少ない麺量は損をしているのではなかろうか？」と。

私の心の中には「貧乏性」というしょうもない悪魔が居て、ささやきかけて来ます。「麺少な目どころか半分だって？ ああ、お金がもったいない」と。
一方、天使はこう言います「食べ残した方が罪は大きいですよ。ギルティと後ろ指をさされてもいいのですか？」
悪魔「お前、それでも一人前の男か？ 麺半分なんてお子様ランチ扱いだろ。一品分にカウントされんぜ」
天使「いえいえ、麺少な目を頼んでも大の量が出てくる事があるお店です。悪い事は言いません、半分にしなさい」

かの文豪ドストエフスキーは言いました。
『神と悪魔が闘っている。そして、その戦場こそは人間の心なのだ』と。

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お店に到着。行列の最後尾に並びます。そのさなかも私の心は揺れ動き、麺量について悩みます。
小一時間並んだときでしょうか、店員さんが行列に対し、麺量を確認していきます。とうとう、来てしまいました。
私の三人前の人は「麺少な目」と答えました。その次は「麺半分」。直前の人は「麺半で」と答えました。
そしていよいよ私の番となりました。
私の視界は視野狭窄で狭まり、心臓が激しく鼓動します。しかし、私は決心した言葉を絞り出すように声にしました。

■「小をください」と。