神保町の宵、江戸前に酔う。デザートはバフンウニ「鮨よしの」。 : 鮨よしの

　今夜は記念の日なので、本当に久しぶりに夜の酒場に出かけました。私の主戦場、神保町で早くも多くのグルメたちをうならせている「鮨よしの」さんです。身分不相応ですが、記念なのでエイっと飛び込みました。もちろん事前予約しましたが。

　お若い大将と女将さんのお二人で営業されています。物腰柔らかいお二人で、居心地はすごくいいです。「お腹空かせてきましたか？」と。もちろん昼はカロリーメイトしか食べてません。ぺこぺこです。料理の数がかなり多いそうです。望むところです。

「酒肴の部」と「鮨の部」の二部構成、スタート。


『酒肴の部』

（1）小松菜と菊菜のおひたし
（2）白菜と鱈の白子のスープ
　土瓶の中は白菜スープ、その中に浸っているのは大漁の鱈の白子。今年の白子は上質だそうです。美味い…。
（3）徳島・肉厚わかめ
　おかわりしました。食べ応えある肉厚のわかめ、塩で食べるのがいいですね。
（4）山口県・萩の熟成アマダイ
　3日間寝かせた熟成の甘鯛。旨味ぎっしり、食感もっちり。
　
○福岡県久留米「旭菊綾花」特別純米
　読み方もわからないお酒をいただいてみます。アサヒギク・アヤカ、と読むそうです。さわやか、ふんわり。飲みやすいお酒です。

（5）長万部・ホッキ貝とひも
（6）香箱がに
　ズワイのメス蟹が香箱蟹なのだそうです。初めて知りました。これ、酒の肴として最高です。あと5匹はイケます。福井県や京都の名産ですね、確か。
（7）えびいも　からすみ掛け
（8）岡山県瀬戸内・さわら　しょうが載せ　美味い！
　しょうがはキャノーラ油で和えてあります。今年の瀬戸内のさわらは脂ノリノリで上出来なんだそうです。そのとーーーーり！
（9）カツオの漬け九条葱のペーストえごま油でコーティング
　口に入れる直前に、その香りで美味しいことがわかる珍しい料理です。30分ほど目の前でヅケられていたカツオです。幸せな一品です。
（10）北海道産タコ　スダチがけ
　身とイボが別々で供されます。イボまで美味いタコ。やさしい味のタコ。

○山形県鶴岡市　純米吟醸秋あがり　俵雪　つや姫

（11）ホヤの柚子茶碗蒸し
（12）厚岸・生牡蠣
　参りました。


『鮨の部』

　いよいよ握りタイムです。木箱のネタケースから次々と今夜のネタが出動します。
　シャリは赤酢です。お酢は熟成の4年継ぎ足しものだそうです。すごいこだわり…。

　あの「キキ☆ララ」柄の木箱ネタケースから繰り出される鮨、最高ですね。女将さんがサンリオ好きなのだそうで、店内にはグッズがたくさん置いてあります。九谷焼とキティちゃんとキキララ。ミスマッチがベストマッチになる絶妙のタッグ。

（1）カワハギと肝
　文句無しのトップバッター。10個くらいは食べられそうです。
（2）愛媛・赤貝
　ルーツは気仙沼にあるという愛媛産の赤貝。身とヒモを別々にいただきます。コリッコリですよ、コリッコリ！
（3）日高産・〆さば
（4）富津・スミイカ
（5）江戸前サヨリ
　別目「かんぬき」。皮焼きを乗せて。一緒に食べるか別々に食べるかは好みで、とのこと。
（6）かすごダイ昆布締め
（7）伊勢志摩・シマアジ昆布締め
（8）大西洋ボストン・まぐろ赤身
　ボストン産はツウ好みのまぐろ。日本の漁業界と連携をしていいまぐろが揚がるそうです。
（9）トロ
　赤身もトロも、まぐろは醤油要らず。タレだけでOK。もうね、溶けますよ。自分も。
（10）いくら
　一粒ひと粒に自分が映り込むような反射率。鮮やかすぎるオレンジ色。このボウルの中を泳ぎたい。
（11）バフンウニ
「デザートです」と大将から手渡されます。ウニは、タレを塗ってからさらに上に盛ってくれるのです。ウニ、トッピングもウニ。甘いくせに少々の苦み、バフンウニですねえ。美味いっ。
　シメのアイスクリームのように、トッピングがウニのデザートでした。

　時折大将がネタについて説明してくれて、それをカウンター客がそれぞれ静かにやいのやいの関心を寄せて、そしてモグモグするのです。学生街の、大人の空間。こういうお店ならマスク云々の心配はそれほど考え過ぎなくて大丈夫です。みなさん静かですから。

　一品一品が少量で数多い料理が提供される、というのが酒飲みには一番嬉しいのです。全部で何十品いただいたか覚えてませんが、たくさんの種類をいただいてお腹一杯なのが本当に幸せです。
　美味しいお料理でした。いい記念日となりました。大将、女将さん、ありがとうございました。ごちそうさまでした。また機会あればおうかがいします。