意外にハイクオリティな神保町の穴場カフェですよ！ : サクラカフェ神保町

この日は午前中、人間ドックの精密検査の結果を聞きに某クリニックに出向きました。
今回の人間ドックでは指摘された項目(要精密検査)が二つあって、一つは過去にも指摘されたことがあったので、またかという感じなのですが、もう一つは全く初めての指摘だったので、ちょっと嫌な気持ちになりました。
この日は、その指摘されたことのなかった項目の精密検査の結果を聞く日だったのですが、医師の口から出たのは、「検査の結果、全く問題ありませんでした。」というもの。
ほっとした気持ちが強かったと同時に、それなら時間と金のかかる精密検査でなく経過観察ではダメだったのかな？という疑問も少なからず頭をもたげました。
かねてから日本の医療には無駄が多いと感じていたものですから、余計そう感じました。
もっとも、危機管理の要諦は、「潜在している問題を顕在化させること」と言われていますので、疑わしきは全て潰すということも必要なのかなと思うところもありますね。

それはともかく、晴れて無罪放免となり、心は晴れやか。
ランチはクリニックから多少歩いて神保町の南西側エリアにある「厨」というハンバーグ＆ステーキレストランでなかなかハイクオリティなハンバーグをいただきました。
スムーズにランチを終えられて時間の余裕もあったことから、ランチ後は、「厨」からほど近い場所にあるこちらで食後のコーヒータイムを過ごすことにしました。

当店は、併設のホテル「サクラホテル」と同一経営で、運営会社は、有限会社サクラホテル。
サクラホテルを日暮里、池袋、幡ヶ谷、神保町、浅草と5か所運営し、それぞれのホテルに併設してサクラカフェも展開しています。
また、特徴的なこととして、青森県上北郡東北町に「東北牧場」という直営農場を有していることが挙げられます(運営会社は、関連会社である有限会社 身土不二(野草の採取、野菜や卵の生産・販売)と有限会社 フォレブルー(サラブレッドの生産・育成・調教、競馬での使用)になっていますが。)。
東北牧場は、八甲田連峰を望む広大な敷地の中で、サラブレッドの育成や鶏の飼育を行っており、同時にそこから排出される堆肥を使用して野菜栽培等を行うという完全循環型農業を実現しています。
サクラカフェでは、そこで生産された無農薬や無化学肥料、除草剤不使用の野菜やハーブ、そして、自家製のトウモロコシを食べ平飼いされた鶏の有精卵、天然の山菜や自生する野草などを提供しています。
単純なホテル&カフェの経営だけでは無くて、環境保全型の直営農場まで持つことで差別化要素を散りばめているところがなかなか非凡ですよね。

この日は、ランチを終えた11時半ちょっと前の訪店になりました。
サクラホテルは名前の通りピンク色の壁をしたホテルですので、あまり高級感は無く、カフェ＝当店の方も外観はあまりパッとしませんね。
しかも24時間営業というところが、料理等のクオリティへの期待を盛り下げている感もあります。

入店します。
店内は、入って右手がホテルのフロント、左手方向にカフェコーナーと専用のレジがあります。
そのレジで注文し、料金を先払いするシステムですが、メニューは細長いメニューブックがあって、結構多彩なメニューがラインナップしているので、なかなかその場で決めるのは難しいですね。
なので、メニューブックを拝借して客席に座りながら注文を考えます（そのついでにメニュー写真を撮影します。）。
ドリンク、フード、スイーツと一般のカフェのメニューは一通り揃っている感じですが、前記の東北牧場メニューとして、南米チリ原産血統の”あすなろ卵鶏”が産む「青玉」を使用したたまごプリンや野草のシフォンケーキ、野菜と野草のサラダ、こだわり卵のＴＫＧといったメニューもラインナップしています。
それでもお値段は結構リーズナブルで、前記のこだわったプリンも単品＠450円、ドリンクセット＠600円と手が出やすい価格帯です。

注文は、写真でとても美味しそうに見えたシナモンアップルパイ@450円をホットコーヒーとのセット(@600円)でお願いしました。

料金の支払いと引き換えにコーヒーを渡され、シナモンアップルパイは、席で待つこと4〜5分ほどかかって提供されました。

シナモンアップルパイは、温かいアップルパイにバニラアイスクリームとホイップクリームが添えられ、キャラメルソースとシナモンパウダーのかかったなかなか濃厚なスイーツです。
アップルの酸味とシナモンの風味、キャラメルソースのほろ苦さと甘さがマッチしてとても美味しいです。
バニラアイスもきちんとしたクオリティをキープしており、予想以上にレベルの高いアップルパイでした。

ホットコーヒーも、JAS認証有機栽培＋レインフォレスト・アライアンス（RA認証）のW認証のコーヒー豆を使用しており、いわゆるサステナビリティの象徴とも言うべきコーヒーです。
東北牧場のコンセプトとも一致していますね。
得てしてこだわりを前面に出した品は味が犠牲になっていることもあるのですが、このコーヒーは、味の方もなかなか優れており、苦みと酸味のバランスが良く、香り高い上々のコーヒーでした。

全体に、どちらかと言うとやや軽めに見える外観から感じる以上のパフォーマンスを発揮しているお店なのは疑い無く、カフェのレベルの高い神保町においても、しっかりした存在感のあるカフェだと思います。
そこに24時間営業という付加価値が付いているので、なかなか真似がしづらい差別化された業態になっていますね。
場所は、神保町の中でもやや目立ちづらい場所にありますが、それだけ穴場としての妙味もあり、先を見据えても楽しみの多いお店と見受けました。
接客も良好でしたし、更なる飛躍を目指してもらいたいですね。