少し値段は張っても品のいいランチ : KUON

今年は、次女が大学に合格したので、そのお祝いもかねた家族旅行をかねてから計画していました。
行き先については、合格した学校によるみたいな言い方をしてきましたが、まあこれは努力を促すための方便で、本気ではありません。
それでも、もし浪人になったら旅行も先送りせざるを得ないので、ひやひやしながら動静を見守ってきました。

おかげさまで何とか第一志望に合格出来たので、晴れて旅行を実行することになり、家内の推薦で、中欧(オーストリア、ハンガリー、チェコ等)に行くことになりました。旅行記については日記に記しておりますので、よろしければご参照ください。

その旅行前日のこの日は通常通りの出勤でしたが、翌週一週間休暇ですので、所掌部署からの相談も駆け込みみたいなものもあって打合せスケジュールもタイトです。
そんな中、何とか時間をやりくりして神田ランチに繰り出すことにします。
この日はランチ友は出張でしたので、一人ランチになります。

今回訪れたのは、先日、敬愛する神田の女王様が新規に開拓レビューをアップされたこちらのお店。神田多町の裏路地に2019年8月1日にオープンしたお店です。

KUONという店名は、久遠(くおん)から来ており、仏教用語で「長く久しいこと。遠い過去または未来」ということですが、久遠の理想なんて言い方をする時には、「ある事柄がいつまでも続くこと。永遠」という意味て使われていると思います。
いずれにしても、お店を経営する上でのコンセプトが込められていると思われます。

お店はさすがに新しいだけあって綺麗なファサード。
ビルの2階にありますが、1階にはほぼ同時にオープンしたと思われるジンギスカンショップ(カムイ)があります。
カムイの方は、ランチ営業はしていないようですね。

この日、12時15分前に訪れたら、1階の階段の上り口には女性2名が出て客の勧誘をしています。
この様子からは集客に苦労している様子が窺われます。

私が入店したい旨を伝えると満面の笑顔で2階へ案内してくれます。
階段を上がって入店するなり、店内の店員さんに向かって「お一人様ご来店です！」と伝えています。

店内は、入ったところにテーブル席が7卓26席、奥に厨房と向かい合う形でカウンター席が11席あります。
厨房には男性店員さん2人がおり、暇そうにしておられました。

なかなか愛想の良い男性店員さんにテーブル席の方を勧められましたので、カウンター席との境目のところにある2人用テーブル席に座らせてもらいます。

卓上にはランチメニューが置かれています。
メニューは以下の3種類のみ。シンプルです。
・揚げ野菜カレー 1,000円
・海鮮丼 1,400円
・国産牛ステーキ丼 1,600円
いずれも、サラダ、味噌汁、ドリンク付きです。

それにしても、カレーはまだしも、その他はおよそ神田ランチの相場からはかけ離れている感じです。
揚げ野菜カレーはルーの大盛り＋200円、海鮮丼はお魚1.5倍＋400円、ステーキ丼はお肉1.5倍＋500円と増量メニューがありますが、ただでさえ高いのに増量メニューでさらに高いお値段を提示している感覚は、神田ランチの常識からは外れていますね。

選択肢が無かったので、揚げ野菜カレーを注文しました。
ドリンクはオレンジジュースをチョイス。
ごはんの大盛りは無料でしたが、遠慮しておきました。

厨房からは野菜を揚げていると思われる油の音が聞こえてきましたので、注文を受けてから調理しているものと思われます。
待つこと5分ほどで、揚げ野菜カレーが出来上がってきました。

メインの揚げ野菜カレーは、素揚げされたたっぷりの野菜が乗っています。
玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、ナス、かぼちゃ、にんじん、ヤングコーンなど。
よく見ると小さめながら鶏肉も入っていました。
ルーはスパイシーさは無く、普通の家庭用欧風カレーみたいな感じですが、このカレーの持ち味はやはりたっぷりの野菜でしょう。
野菜の甘みがカレールーとマッチしてなかなか美味しいです。
1,000円のカレーというのは安くはないですが、内容はそこそこ充実していました。

サラダも鮮度が感じられ、和風ドレッシングでの味付けもキチンとしていました。
味噌汁も意外なことにごぼうとシメジがどかんと入っていました。
ここにも手を掛けているところは評価したいですね。

そんなことで、悪くないランチでした。
しかしながら、この日は12時過ぎまで在店したのですが、客は終始私一人だけでした。
オープンしてひと月以上過ぎてますが、なかなかこのランチ提案、神田のランチ族には受け入れられていないようですね。
個人的には、少し値は張っても、ゆったりと質の良いランチをとれるお店と理解しましたが、神田のランチ族はなかなか手強いですから、浸透するにはかなり難儀しそうです。

当店は、夜の部はワインなどのお酒にこだわった創作料理店というコンセプトのようなので、ランチもそれをイメージアップさせるメニューで夜の集客につなげるのがベストだと思うのですが、その面でも今のランチメニューだとちょっと弱い、ありきたりなような気がします。
なかなか妙案が浮かびませんが、このハードルをクリアしないとランチを続ける意味は薄れますよね。
あくまでキーワードは独自性だと思うので、頑張ってもらいたいです。