基本、コシの強いうどんは好みです。 : 麺匠 釜善

うどんと言うと、以前は讃岐うどんブームなどもありましたが、そういう一過性のものは別にしても、すっかり日本人の食生活に浸透していますよね。
そのファン層は老若男女を問わずで、うどんが嫌いという人にはほとんど巡り会ったことがありません。

そんな世の中ですから、うどん専門店業態は、二大勢力と思われる全国区の「はなまる」や「丸亀製麺」以外にも、やまだうどんなどのローカルチェーン、そして、各地の郷土食やB級グルメのジャンル(例えば武蔵野うどん、伊勢うどん、そしてホルモンうどんなど)を含め様々な業態が登場しています。

サラリーマンにもとても人気のうどんですし、サラリーマンのメッカである神田でもすぐに片手は思いつくくらいにうどん専門店があるのですが、私が思っている印象と比べると神田は意外にうどん専門店は発達していない印象です。
言葉を変えれば、このマーケットならもっとうどん専門店があってもいいくらいに思えます。

この日は、そんなお店の中から神田司町二丁目にあるこちらのお店に伺ってみました。

当店は、食べログうどん百名店にもリストアップされている讃岐うどんの名店「うどん本陣 山田家 讃岐本店」で修業されたご主人が2016年10月にオープンされたお店です。
神田界隈だと何と言っても駿河台下の「丸香」の知名度が抜群ですが、最近は、外堀通り沿いにある「香川一福」もかなりの人気です。
丸香はさておき、香川一福は大したことないと思っているのですが、それでも繁盛しているのは、前記うどん専門店の手薄さにあるのではないかと思っています。

当店は、そんな中にあって、神田司町二丁目という立地もあって、やや穴場的存在になっているお店です。

外堀通りの司町二丁目交差点から多町大通りの多町二丁目交差点方面へ向かって70mほど、老舗和製大衆中華の「ひかり」のほぼ向かいにお店はあります。

この日は、12時15分前にお店に到着しました。
店内は、奥に長い造り。
入って左手に券売機があり、その先左手の壁際にテーブル席が8卓並び、さらにその奥の右手が厨房で、それに面してカウンター席が6席配置されています。

券売機メニューはかなり多種多様なので、あらかじめ店頭のメニューで注文の見当をつけておいた方がいいと思います。
それと、比較的お得な日替りメニューも店頭に掲示されているので、それも必見ですね。

お値段は、結構高めで、かけうどん、冷やかけうどんが各@600円、ぶっかけうどん、ざるうどんは@650円です。
タネものだと、看板メニューのとりちくわ天うどんが温@850円、ぶっかけ@900円、カレーうどん、肉うどんも各@900円です。

この日の日替りの単品メニューは、とり天タルタルぶっかけで@800円。
当店の日替りメニューは、定番メニューが割引になるわけではなく、定番メニュー以外のものが提供されるので、通常に比べるといくら安いかということははっきりしません。
ただ、@800円のぶっかけメニューは、うめおろしぶっかけのみで、ごぼう天ぶっかけでも850円しますし、タルタルの無い鶏天ぶっかけも@850円ですので、お得感は十分感じることが出来ます。
当店、うどんの単価は高いのですが、その代わり、うどんの量は、3玉(約540g)まで無料であり、割高感をより感じやすいのは少食の人だと思われます。

日替りのとり天タルタルぶっかけうどんの食券を購入、店員さんに3玉でお願いしました。

テーブル席は満席に近かったので、店員さんからカウンター席の方へ誘導されます。

提供までの時間は4分ほどとまずまず素早いです。
ぶっかけうどんの上に鶏肉の天ぷらが乗り、タルタルソースがかかっています。
脇には青ネギとレモンが添えられていました。

タルタルソースとぶっかけ汁の相性は半信半疑だったのですが、ガッとかき混ぜていただいてみます。
味の組み合わせは悪くないですね。
タルタルぶっかけ汁、なかなか美味しかったです。
鶏の天ぷらもモモ肉天ぷらですが、揚げたてに近く、タルタルソースとの相性も良くて、美味しくいただけました。

うどんはかなりコシの強さ。
香川県産の小麦をブレンドした小麦を使用しているらしいですが、出来れば品種名やブレンドの中身も表示してもらいたいですね。
香川県で生産振興している「さぬきの夢」シリーズかどうか知りたかったです。
いずれにしても、讃岐うどんとしては破格のコシの強さで、この手のうどんを好む私にとっては、とても美味しく感じました。
ただ、ボリュームについては、3玉でも大したことはありませんね。
コシが強いので噛む力も相応にかかりますが、まあ成人男性なら問題なく食べられる量。
これは当店に限った話ではなくて讃岐うどん全体に言えることだと思いますが。

ネックになるのはやはり価格の高さで、はなまる、丸亀製麺あたりと比べるとその差が歴然なのは否めません。
ただ、このコシの強さ、天ぷらの美味しさは、彼らとはひと味違う差別化の武器にはなると思いますが、そのためにも小麦の品種開示を始め、こだわりの質を更に高めることが不可欠だと思います。
神田には貴重な個店うどん専門店ですので、頑張ってもらいたいですね。