ここは喫煙者に配慮し過ぎなのでは？ : カフェベローチェ 神田店

台風14号は日本列島に接近した後は、南に離れていくという常識では考えられないコースを辿りました。
最近の天気は、自然災害もそうですが、これまでの経験則が当てはまらないケースが増えているように思います。
いや、天気だけではなくて、東日本大震災しかり新型コロナしかりで、色んな事象が予想を超えた範囲で起こっていると言ってもいいかもしれませんね。
こんなことの積み重ねが大きな時代の変化に連なっているように感じるわけですが、それは後の時代になってから語られることでしょう。

食べログなんてチマチマしたことをやっているとあまりそういうこととは無縁になりがちですが、たまには落ち着いて考える時間を確保したいものですね。

いささかお門違いの話から始まりましたが、この日のランチは神田まで繰り出しました。
そのランチは神田駅近くに新しく出店した「東京油組総本店 神田組」で久しぶりに油そばを堪能しましたが、ラーメン系を食べるとその後、無性にコーヒーが飲みたくなりますよね（私だけでしょうか？）。
落ち着いて考える時間の確保にもつながりますし。

最近は、休日の食べログ活動は、ランチの後ベーカリーに直行して〆ることが多いのですが、そんなことでこの日のランチ後は、久しぶりにコーヒータイムを過ごすことにし、神田駅西口商店街からちょっとだけ入ったところにある当店を利用することにしました。

当店、カフェ・ベローチェを展開しているのは、株式会社シャノアール。
昭和40年に東京都福生市で産声を上げた（珈琲館シャノアール福生）会社ですが、その後のコーヒーブームに乗って自然と多店舗展開を志向していきます。
現在では、カフェ・ベローチェ（168店舗）、コーヒーハウス・シャノアール（8店舗）を中心に3ブランド計177店舗を展開しています（2020年10月10日現在）。
しかし、以前に調べた2020年2月上旬時点と比べてみると8か月間で14店も（うちベローチェ5店、シャノアール6店）店舗数が減少しています。
今般の新型コロナウイルス騒動では、当チェーンも臨時休業や営業時間短縮等の措置を講じてきたようですが、お店を閉める決断をしたところもあったようですね。
特にシャノアールブランドは、減少ペースが急なので、そのうち無くなってしまうかもしれませんね。

シャノアールグループのチェーンの特色は、フランチャイズ展開を採らず原則として直営方式によって運営していること。
「カフェ・ベローチェ」もセルフサービス方式を採用したカフェではありますが、店名の「ベローチェ」はイタリア語で「迅速」という意味を表すことからもわかるようにスピーディーな提供サービスがモットー。
全店直営で展開することによりそれを実現しています。

もう一つの特徴が価格がリーズナブルであること。
業界随一と言ってもいいのではないでしょうか。
これも直営によってリスクは取りながらも無駄なコストを削減できることが寄与しているのかもしれません。

コーヒーチェーンの店舗数ランキングについては、カフェ・ベローチェは第10位とする情報がありますが、株式会社シャノアールのブランドで見ると、全177店のうち144店（81％）が首都圏に集中しており、特に東京都内には110店あって、都内店舗数だけならもっと上位であろうと推定されます。
因みに神田・御茶ノ水エリアに所在する店舗数は9店舗なのですが、同じエリアで見てみると、業界首位のスタバが5店舗、第2位のドトールコーヒー（同系列のエクセルシオールカフェを含む）が11店舗、第3位のタリーズコーヒーが4店舗ですから、これらに匹敵ないし凌駕する勢力と見ることもできるかと思います。

この日は、ランチを終えた後、12時5分過ぎ頃の訪店になりました。
神田外語学院の向かい側にあるお店は、ベローチェのイメージカラーである赤紫色のファサードで、ビルの1、2階を占めています。

店頭には客席に関する記載がありますが、禁煙席30席と加熱式たばこ専用喫煙室35席と書かれています。
これは、飲食出来る半分以上の席が喫煙出来るということであり、世の中全体が原則禁煙に向かっている中で、その方向に反しているのでは？との疑問も湧きますが、実はこれ合法なんですね。
と言うのも、改正健康増進法では、一定の基準を満たすお店には喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設けることが出来ることになっているのですが、喫煙専用室が飲食不可なのに対し、加熱式たばこ専用喫煙室は飲食可とされているんです。

入って左手に注文カウンターがあり、その手前にフード＆スイーツの並べられた冷蔵ショーケースが置かれ、上部にはパンも並んでいます。

当店は、セット割引等は無いのですが、スイーツもつまみたかったので、ブレンドコーヒーのMサイズ@210円にプリンケーキ@390円を付けました。
それでも600円でケーキセットが食べられるのですから、まずまずリーズナブルだと思います。
商品は、支払いと引き換えに渡されました。

客席は1階が禁煙席、2階が加熱式たばこ専用喫煙室ですが、1階はほぼ満席で、唯一入口近くに設置されたカウンター席に1席だけ空席があったので、そこに着席しました。
因みに2階席も覗いてみたところガラガラでしたので、当店は全面禁煙を採用した方がお店にとってもプラス(稼働率アップの面で)になるのではと思いました。
また、当店では、水はセルフでは無くて、店員さんに伝えてもらう形を採っているのも特徴的ですね。

ブレンドコーヒーはMサイズでもたっぷりの量があるのがベローチェの個性でもあり、この点もライバル店とのコスパ争いでも最優位に立っている要素の一つです。
特別に美味しいコーヒーではありませんが、ライバル店に劣るわけでもなく、これはこれでいいのではないでしょうか。

プリンケーキは、カスタードプリンをケーキに見立ててたもので、し っとりしたスポンジケーキに、柔らかいプリンとほろ苦いキャラメルムースを重ねています。
この3 層を一緒に食べることでプリンの味わいを楽しんでもらおうとの狙いと思いますが、これなら本物のプリンの方が断然美味しいです。
昨年のこの時期に行われたプリンフェア向けに投入された商品で2年目のシーズンを迎えたわけですが、私は好みではありませんでした。

これまでベローチェのレビューは比較的高めの評価をしてきたのですが、今回は、ケーキのほか喫煙室の件も含めてあまり良い印象は残りませんでした。
まあこれも巡り合わせということでしょう。