昔と比べたら随分進化したと思います。 : デニーズ 神田小川町店

デニーズにもうどれだけの期間行っていないでしょうか？
最後に行ったお店を思い出そうとしても全く思い出せません。
しかし、食べログに記録を残しておくものですね。
検索してみたら、丁度今から10年前に、当時横浜・戸塚にあったデニーズ（現在は閉店）を訪問した記録が残っていました。

デニーズと言えば、学生時代に碑文谷の目黒通り沿いにあったお店で何度も夜を明かしたことがあります。
貧乏学生ですからお代わり自由のアメリカンだけで粘った記憶がありますが、その頃は、それがデニーズのウリの一つだったこともあり、また、今よりもずっとおおらかな時代でしたから特に文句を言われることもありませんでした。
数名の友人とつまらん話をしながら安い料金でだらだらと過ごしたものです。

そのデニーズ、言わずと知れたイトーヨーカ堂系（現在は、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン&アイ・フードシステムズの運営）のファミレスチェーンですが、そもそもは、1973年にイトーヨーカ堂が外食部門の一つとして米・デニーズ本社とライセンス契約を結び、デニーズジャパンを設立することで誕生しました。
1号店は、1974年4月27日にオープンした横浜市港南区のイトーヨーカドー上大岡店1階のビルイン型店舗と伝わっています（2017年3月まで43年間営業した後閉店）。
1994年には、イトーヨーカ堂の完全子会社である株式会社ファミールから郊外型のレストラン店舗を譲受したりといった経緯もありましたが、長い期間、すかいらーくなどと共にファミレス業界を引っ張ってきた存在と言っていいでしょう。
ただ、すかいらーくがガストやバーミヤン、ジョナサンといった別業態を水平展開していったのに対し、デニーズはどちらかと言うと保守的なイメージがありましたね。
価格的にも廉価のガスト、ハイソなロイヤルホストと比べてどっちつかずの中間価格帯といったイメージでした。
ある意味イトーヨーカドーの手堅い経営の象徴というような見方もされていましたが、その分、やや時代に取り残された感もありました。

そのファミレスも華やかなりし時代を過ぎ、現在は成熟期から停滞期に入ったとも言われていますが、デニーズの店舗数も最盛期には500店を越えていたところ、現在は関東地方と中部地方に限定した360店ほどに縮小されしています。
最近は、ファミレス業界の停滞を打破すべしということか、高級志向のデニーズダイナー（東京都目黒区八雲）やグランダイナー（幡ヶ谷プレステージ、三軒茶屋、キチジョウジプレステージ）といった新業態店を投入しています。

この日ランチでお邪魔した当店は、神田小川町の本郷通り沿いにお店を構えています。
随分古くからあるイメージなのですが、いつ頃オープンしたのかは定かではありません。
食べログの一番古いレビューは食べログ発足（2005年3月）から間もない時期のものですので、少なくともその時には存在していたのは疑いなく、いずれにしても、かなりの歴史がありそうなお店ですね。
因みにこちらのお店の隣りは、あの宮澤賢治が通ったと言われるタイピスト学校（ＹＭＣＡタイピスト学校）があった場所だそうです（現在は住友不動産美土代町ビルになっています。）。

この日は、午前中の重要会議が昼過ぎまであり、かなり疲労困憊になりましたが、何とかそれを終えて、雨そぼ降る中をトボトボと歩き、12時半過ぎ頃にお店に到着しました。

店頭の様子からは特に混んでいる感じは無かったのですが、店内には案内待ちの客がレジ横の椅子に座って待っています。
入ってすぐ右手に受付発券機があるので、それを確認したら、待ち人数6名との表示がありました。
椅子の定員は5名ですので、1名は立って待っていました。
なので、その後に立って待ちますが、当店は分煙になっているもののレジの右奥にある喫煙コーナーから煙が漏れてきて、レジ周辺はとても煙たいです。
これは是非とも改善してもらいたいところですね。

昼のピーク時間帯だったこともあり、案内されるまでかなり時間がかかり、待つこと17分ほどでようやく席まで案内されました。

卓上にはランチメニューがあります。
ランチはメイン(8種類からチョイス)とサイドメニュー(10種類からチョイス)にドリンクバー付きの昼デニセット@1,153円がトップにきていますが、その後ろには野菜&雑穀たっぷりメニューというのと和定食などもラインナップしています。

注文は和定食メニューからおろしハンバーグと牡蠣フライ定食@988円にしました。
待つこと11分ほどで注文の品が提供されましたが、私の隣にいた女性一人客は私より前に注文したにも関わらず私と提供が逆転したのにかなりご立腹の様子で、店員さんに詰め寄っていました。
それに対する店員さんの対応はなかなか上手だったと思います。

おろしハンバーグと牡蠣フライ定食は、メインのおかずのプレートがハンバーグと牡蠣フライの2種類。
それに小鉢のヒジキの煮付けが付いて、ごはん、味噌汁という内容です。

ハンバーグは見た目はあまりパッとしませんでしたが、食べてみると粗挽きのハンバーグで味は決して悪くありません。
居酒屋ランチでもよく見かける既製品っぽいハンバーグなどと比べたらむしろこっちの方がいいと感じる人もいるのではないでしょうか。
牡蠣フライも揚げ立ててサクッと揚がっておりなかなか美味しいです。
これも期待以上でした。

以前のデニーズのイメージだとフード系についてはあまり期待できないイメージが強かったのですが、今回は、かなり心象が違いましたね。
ファミレスの地盤沈下が言われて久しいですが、何とかそれを乗り越えようとする努力みたいなものを感じました。

チェーンとしての勢いもあまり感じないデニーズでしたが、進めているのは、縮小均衡と同時に料理等の質のレベルアップを図る戦略と思われ、私は一定の成果を出しつつあるのではないかと感じました。
さすがセブン&アイの底力ということかもしれませんが、イメージだけで短絡的に判断してはいけないということですね。
改めて勉強になりました。