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筋の通った仕事ぶりは健在
神田の路地裏にひっそりと佇む優秀店
通い始めて10年くらいになるだろうか。
7.8回は訪れているが、3年近く間が空いたのは初めてである。
用事の帰りに、大手町の駅から歩き慣れた道を進む。
神田駅との中間の狭い路地に面して、ひっそりと構える小さな店である。
開店から間もない18時過ぎだが、入ってすぐの調理場前の席では、常連と思しき先客が既にご主人と談笑している状況。
無沙汰を詫びつつ、私の定位置であるカウンター右奥の席に落ち着く。
現在もご主人とお母さんの二人体制のようだ。
静かにジャズの流れる、暗めの雰囲気も変わっていない。
昔からこちらは、料理・メニュー・店内などの写真撮影は一切禁止。
今回も忘れないようにとメモを取りながらなので、少々忙しない。
「ハートランド」の中瓶で始める。
お通しにはまず「牡蠣の旨煮」が2粒出され、結構大粒で味付けも濃いめだが、素材の旨味は抜けていない。
さらにもう一品「桜海老のおろし和え」の小鉢が出てきたが、こちらも気が利いている。
壁の黒板に手書きされた料理類は、実に魅力的なラインナップ。
迷った末に選んだのは次の品々。
「平目のお造り 酢味噌添え」(800円):粘板岩のような黒色の横長のプレートに、5切れほどの平目の刺身が盛られ、脇に酢味噌が芸術的に垂らされており、さらに酢で〆た鯵の刺身も盛合されている。
まず平目をそのまま口に運んでみると、適度に寝かされているのか旨みがきちんと感じられる。
次いで酢味噌で試してみたが、ぬた味噌のような甘さが無いため、一見突飛に思える組み合わせも案外良かった。
浅めの〆加減の鯵も、まずまずの味わい。
「揚げ銀杏」(800円):綺麗に皮を剥かれた翡翠色の珠が15粒ほど。
揚げられてから体裁よく串に刺されており、微かな苦みとねっとりとした食感が楽しめた。
「鴨もも肉と春菊のすき鍋」(950円):一人用の鉄鍋に、5.6切れの鴨肉と筒切りの葱、それに春菊が甘めの醤油出汁で煮られて登場。
鴨肉は合鴨のもも肉で、歯応えもあるがその分味も深く、添えられた七味が味を引き締める。
春菊は軽い火通りで、香りとシャキッとした歯応えが良好。
ご主人の日本酒への造詣の深さは、先日の「舞扇」に匹敵するほど。
今回薦めてくれたのは、富山の「初亀」、次いで大分の「鷹来屋」。
選りすぐった銘柄だけあって料理に良く合い、一合900円と言う価格も良心的。
こちらでは日本酒以外にも、ビオワインの品揃えにも定評がある。
「鴨すき」に赤ワインを合わせてみたくなり、ご主人に相談。
出されたのは山梨のドメーヌ・オヤマダの「BOW」のグラスで、なかなか良かった。
蕎麦は今回も「もり」を一枚。
モダンな店構えに比して、ご主人の打つ蕎麦は「上野藪」出身らしくく江戸前の王道と言えるもの。
微粉を二八の配合で中太に打ち上げた、東京人には最も馴染み深いスタイル。
音威子府産の新そばとのことで、香りもしっかりと有り、食感も喉越しも申し分ない。
つゆはやや辛めだが、出汁とかえしのバランスの取れた秀逸な仕上がり。
薬味のおろし立ての山葵も上質。
蕎麦湯はもちろん小細工の無い釜湯のままで、すっきりと伸びて後味は爽快。
小さな構えで脚光を浴びることは少ないが、蕎麦打ちの技術はもとより、料理の出来やセンスの良さは折り紙付き。
近隣のサラリーマンを中心に、根強いファンは多いと見受ける。
現在は片手間に昼も開けているようだが、HPでもそれを公表していないのは、あくまでも営業の主体は夜である証拠。
こちらの書き込みにはランチタイムについてのものも散見されるが、蕎麦一杯でとやかく言われることは、ご主人にとっても不本意であろう。
きちんと「蕎麦屋酒」が満喫できる条件が整った、私にとっては理想的な店。
私もそろそろ本当に気に入った蕎麦屋は50軒ほどに絞って巡り歩く生活に入りたいと思っているが、そのリストには確実に載る店である。
若者感覚の店だが、江戸前の筋が通った蕎麦屋
こちらも私にとっては大事な店。
と言っても、2年も間が空いてしまった。
最近は昼の営業を再開しているようだが、こちらはあくまでも江戸前伝統の'飲ませる蕎麦屋'で、夜の営業が主眼の店である。
料理や酒の品揃えについては、都内でも屈指の蕎麦屋。
口開け時を狙って訪れる。
予約で満杯のことも有るが、今回はテーブル席に通された。
こちらは写真撮影禁止であるため、酔っぱらってくると記憶が曖昧になる虞があるため、メモを取りながらの「蕎麦屋酒」となった。
席につくとすぐに「少量の湯で割ったつゆ」を湯呑で出してくれた。
聞けば最近、つゆ作りには一層力を入れているとのこと。
その豊かな味わいに、江戸前蕎麦屋としての矜持が感じられ、それに共感する私にとってはサービスである。
注文はまず「ハートランドの小瓶」。
お通しは「大根の鴨味噌かけ」で、これだけでも確かな技が感じられる。
頼んだ料理は次の4品。
「うるいの酢味噌和え」:この時期ならではの'はしり'の山菜で、シャキッとした歯応えと適度なぬめりが心地良く、抑えめな味付けも好ましい。
「真鯛昆布〆」:鯛そのものの味も濃いが、さらに昆布の旨みが加わったねっとりとした味わいは絶品。
「鶏もも肉のくわ焼き」:「まつや」や「砂場」で出て来る、蕎麦屋独特の'串に刺さっていない焼鳥'のスタイルで、たれは甘目だが納得の美味さ。
「白菜ピクルス」:いわゆる「あちゃら漬け」だが酢の加減が優しく、山椒の粒が効いており、さらに粒マスタードを添えることで味が締まる。
一人だったので、品目によっては半量にしてくれるサービスもゆかしい。
酒は細かな注釈とともに記載された数多くの銘柄が、分厚い冊子にまとめられている。
まずは山口の「雁木」を一合。
洒落た江戸切子の揃いの酒器で登場。
チェイサーの水のグラスも、きちんと添えられている。
さらに店主の薦めに従って、広島の「富久長」伏見の「富翁」で出している「吟の司」を常温で5勺ずつもらうが、いずれも良かった。
蕎麦は「もり」にする。
綺麗に揃ったエッジの立った微粉の堅打ちで、シャキッとした歯応えと喉越しの良さが身上の、東京人には馴染み深いタイプ。
さらにこれに合わせる件のつゆが、味を引き立てる。
改めて江戸前においては「蕎麦」と「つゆ」が、車の両輪であることを確認する。
料理も蕎麦の仕上がりは写真でお見せ出来ないのが残念なほどで、器の選び方や盛り付けにはセンスが光っている。
もちろん味の面でも十二分に満足。
今回も期待を裏切らない、確かな手応えを感じるひと時であった。
≪2013年2月のレビュー≫
新年早々に寄った時には慌ただしい雰囲気で、落ち着いてこちらの店の良さが堪能できなかったので、仕切り直しに訪れた。
この時間なら大丈夫だろうと、夜の口開け直後に到着。
笑顔で迎えてくれた店主と、最近仕入れたおすすめの酒などについて言葉を交わす。
店主の田中さんは酒への造詣の深さでは、都内の若手の蕎麦屋の中では屈指の方で、数々の専門誌にも取り上げられている。
一般的なグルメ雑誌の取材の申し込みも頻繁にあるそうだが、コンビニなどで売られている雑誌への掲載は、それを見て押し寄せる雑多な人々により客筋が荒れることを嫌って、一切断っているとのこと。
蓋し頷ける話である。
そんな主人が最初に選んでくれたのは、「黒龍 垂れ口うすにごり」:爽やかさの中にも芳しい香りを湛えた逸品。
お通しとして出されたのは「茄子の揚げ煮と山菜の蕎麦つゆ炊き」:お通しと言うより盛り付けも味も、きちんとした一品料理である。
黒板の品書きより「鴨わさ」:笹身の湯引きが刺身状になっており、さっぱり感の中にも旨味がある。
続いて旬の「牡蠣の天ぷら」:広島産の大ぶりの身が3粒に、舞茸と三つ葉が添えてある。サクッとした食感の中から、熱いジュースが溢れ出す。
次に選ばれた酒は「王禄 無濾過生原酒」:品質管理が徹底していない店への販売は認めないくらいの厳正な蔵元らしく、都内でも置いてある店は限られる酒で、これも実に結構。
料理は珍しい「生鰊の煮つけ」:身欠き鰊しか知らない人間には初体験の味。小骨が多いのが玉にきずだが、味わいや身の柔らかさは鰆や銀だらに似ていて、なかなか美味い。
さらに「冷たい豚肉のコンフィ」:温度管理の難しい調理法だが、肉の旨味と脂の甘味が生かされた見事な出来栄え。オリーブオイルで60~70℃を3時間キープするとのこと。何種類かのハーブの香りを加えた、主人自慢の一品。つけあわせのフルーツトマトも吟味されている。
酒の追加は愛知の「長珍 ささにごり」:しっかりとした厚みのある味が料理に合う。
蕎麦は「もり」にしたが、その前に椀に柚子を一片浮かべた熱い「かけつゆ」が、少量出された。
脂の廻った舌を拭うには持って来いで、出汁が上品に香る一杯は、後の蕎麦への橋渡しとして心憎いサービスである。
もちろん今回の‘音威子府’産の蕎麦の出来も、申し分ない。
こちらでは昨今の流れのように自家製粉には拘らず、挽きは信頼のおける業者に任せているとのこと。
主人曰く‘自分はオーケストラのコンダクターであり、細かな演奏技術についてはそれぞれに任せる’というスタンス。
限られた時間の中で、何から何まで自分の目の届く範囲で行うことには限度がある。
‘合理性を追求すると、かえって不合理に陥る’とも言っていた。
粉を挽く手間が無い分、料理に注力してもらう方が客としても有難い。
この考え方には大いに賛同する。
壁に掲示されたワインのラインナップもなかなか魅力的。
次回は是非こちらを試してみたい。
≪2013年1月のレビュー≫
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、ことしのスタートはこちらの再訪から。
正月の4日、年末忙しかった蕎麦屋は年明けはまだ休みの処も多いので、念のため電話を入れてやっている事を確認。
店主は‘会社関係はまだ休みの所が多いので空いてますよ’と言うので、5時半ごろに到着。
しかしすでに先客があり、私の後からも次々と押し寄せて満席状態。
その後は断られる客も出る有り様。
肴類は河岸がまだ休みのため、いつもに比べれば種類は多くないと言っても、なかなか魅力的な品揃えである。
その中から頼んだものは次の通りで、あまり待たせることなく供されるのは立派。(相変わらず「店内撮影禁止」のため、今回も写真は無し)
お通しとして「根菜と油揚げの煮物」:鶏の出汁で濃いめの味付け。量はたっぷり。
「下仁田ねぎのホイル焼き」:ねっとりとした食感と甘さが秀逸。ピリ辛の挽き肉入り味噌が、味を引き締める。
「天然小海老の天ぷら」:3尾を筏にまとめたものが2連という、江戸前ならではの仕事で美味い。添えた舞茸もまずまず。
「自家製ピクルス」:キャベツ・セロリ・大根で、酸っぱめの浸かり加減が「なます」のようで酒に合う。
酒はハートランドの瓶の後、福島二本松の「大七」を燗で、さらに冷酒の秋田能代の「喜一郎の酒」を合わせる。
余りゆっくり出来る状況ではないので、早々に蕎麦にする。
今回は温蕎麦から「玉子とじ」にしてみた。
かけつゆは藪の仕事が感じられる、やや辛めのしまった味わい。
蕎麦もしっかりと食感を残した、好ましい仕上がり。
もちろん温蕎麦にも蕎麦湯が付く。
この蕎麦湯も釜湯のままの自然体であるため、気持ち良く伸び、最後まですっきりと飲み干せる。
今回はゆっくり出来るだろうと思いきや、なかなかそうとは行かなかった。
主人は終始作業に追われ、以前のように気軽に言葉を交わすことも儘ならない。
昔から知っている者としては、繁盛は結構なこと。
しかし都心の新進の蕎麦屋としては心象の良い1軒であっただけに、一人客では気詰まりを感じてしまう現況にはやや不満が残る。
≪2011年12月のレビュー≫
今年最後の〆に選んだ蕎麦屋はこちら。
大晦日はどこの蕎麦屋も忙しく、特に都心の名の通った老舗は大混雑が見込まれる。
また勤め人は休みのため、郊外の人気店にも普段蕎麦を食べ付けていない客までもが押し寄せ、落ち着かないことが予想される。
こちらは都心でありながらゆっくり出来る穴場的な店と思い、1時頃に寄ってみた。
大手町の駅から歩いてきたが、さすがにビジネス街にはほとんど人影が無い。
しかし扉を開ければ馴染み客と思しきグループで結構盛り上がっていて、最近の人気のほどが窺える。
開店以来年に数回は訪れているが、店内撮影は禁止のためレビュー更新も久しぶり。
写真無しのため、忘れないように細かな点はメモ書きしながらの「蕎麦屋酒」である。
早速に酒は主人のおすすめから、秋田の「喜一郎の酒」なる銘柄を‘ひと肌’にしてもらう。
コクが有りながらすっきりとした飲み口である。
料理は奥の黒板の掲示から
「鶏レバーの甘辛煮」:小鍋仕立ての熱々で出され、臭みも気にならず量もたっぷり。
「寒鰤の天ぷら」:珍しい調理法だがこれが絶品。軽く塩を当てた大きな切り身のまま薄衣で揚げてあるが、脂の乗った腹身も血合も皮も全て美味い。粒マスタードが良いアクセントになっている。
「蛸の辛子酢味噌」:‘ぬた’のように和えたものではなく、刺身状の茹で蛸の薄切りに酢味噌が添えられており、味にも盛り付けにもセンスが感じられる。
さらに相模の「天青 風露」を追加したが、洒落たガラスの酒器で供されこれもなかなかの美味さ。
蕎麦は基本の「もり」1枚。細めだが綺麗に揃った喉越しの良いもの。
つゆは修業先の「上野藪」に比べれば軽めだが蕎麦に良く合っており、伝統に則ったナチュラルな蕎麦湯で延ばせば後味はすっきり。
最近は昼時の営業を再開したようだが、やはり蕎麦前を楽しんでもらうことが主人のモットーで、蕎麦だけで済ませてしまうにはもったいない店。
都心の小規模な新興店では私の知る限り「菊谷」「案山子」「舞扇」に匹敵する酒の選び方に拘った蕎麦屋。
帰りは淡路町まで歩いてきたが、3時に近い時刻にもかかわらず、通りの向こうに「まつや」に並ぶ100人近い大行列が目に入って来た。
ただただご苦労さまと言いたくなる。
これをもって今年の蕎麦屋巡りは打ち止めといたします。
拙いレビューにお付き合いいただいた読者の方々、貴重なご意見を頂戴した皆さま、誠にありがとうございました。
明年も相変わりませずお引き回しの程、宜しくお願い申し上げます。
≪2010年10月のレビュー≫
こちらに書き込みを初めて8カ月余り。
立て続けに蕎麦屋ばかりのレビューを載せてきたが、最初の頃のものを読み返してみてあまりにも素っ気ないので、少々書き足したい。
こちらへは2.3カ月に1回の頻度で訪れているが、毎回なかなか楽しい「蕎麦屋酒」が堪能できる店。
今回選んだ料理は壁に掲示された‘おすすめ’から、自家製の「いか塩辛」、湯引きの鶏ささみを刺身に仕立てた「とりわさ」、それに「小海老のいかだ揚げ」。
特に「つまみ揚げ」は、いかにも‘蕎麦屋の天ぷら’といった出来で美味かった。
相変わらず酒の品揃えは素晴らしい。
今回は‘ひやおろし’のラインナップから珍しい銘柄で、福岡の「庭のうぐいす」をぬる燗、そのあと阿蘇の「鷹来屋」をやや熱めの燗。何れもなかなか良かった。
酒は日本酒の他に「ワイン」は出しているが、「焼酎」は置かない方針。
主人の考えは、「蕎麦」には‘醸造酒’は合うが‘蒸留酒’は適さないというもの。なるほどと頷ける点がある。
もちろん端正に打たれた「蕎麦」の出来にも間然するところは無く、満足のいくひと時を過ごせた。
小さい店なので、立て込むと落ち着かないこともある。
夜の口開け時が、ゆっくりできる時間帯。
≪2010年2月のレビュー≫
場所は‘神田かまくらがし’、江戸っ子には心地よい響きである。10席ほどの小さな店だが、打ち場や厨房はゆったりしており、せせこましさは無い。
若い主人は「上野藪」出身とのことだが、ジャズが流れ、黒を基調とした洋風居酒屋的な店内に、その面影は全く無い。
しかし拘りの手打ちの蕎麦の出来や、きりっとした「つゆ」の味に、江戸前の蕎麦屋として筋の通ったものがうかがえる。
厨房は主人一人で忙しそうだが、季節感のある料理の味やセンスもなかなか見事である。酒の品揃えも素晴らしい。
ビジネス街であるが、営業は17時から。「蕎麦屋酒」を楽しめる穴場的な店である。
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蓼喰人
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店舗情報の編集
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店名 |
周(あまね)
|
---|---|
ジャンル | そば、日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
03-3256-5566 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
JR中央線 神田駅(南口) 徒歩3分 神田駅から330m |
営業時間 | |
予算 |
¥4,000~¥4,999 ~¥999 |
予算(口コミ集計) |
¥6,000~¥7,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
11席 (カウンター3席、テーブル8席 ) |
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個室 |
無 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 近隣にパーキングメータ、コインパーキングあり |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、ワインあり、日本酒にこだわる、ワインにこだわる |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ホームページ | |
備考 |
店内撮影禁止。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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こちらも私にとっては大事にしたい一軒。
そうとは言え、またまた3年近く間が空いてしまった。
このご時世で客入りはセーブされており、夜は予約制でしかも一見さんお断りでリピーターのみに限って受け付けている。
前日に電話を入れておいて席を確保の上、約束の18時過ぎに引き戸に手を掛ける。
久々なのでリピーターと見られていないのかと思ったが、ご主人と花番担当のお母さんが明るく迎え入れてくれた。
私はいつもカウンターだったが、今回は奥の2人掛けのテーブルが用意されていた。
薄暗く窓の無い閉塞感のある空間だが、空調機がフル稼働しており換気は万全のようだ。
相変わらずBGMにはモダンジャズが静かに流され、良い雰囲気を醸し出している。
まずはビール(ハートランド小瓶)で始める。
お通しには「風呂吹き大根の鴨味噌のせ」といったものが出された。
ある程度の歯応えを残して炊かれた大根に、八丁味噌で煮られた鴨そぼろが合わされており、水菜と柚子皮があしらわれている。
味噌には甘さが少なく、粗めに挽かれた鴨そぼろの食感も残っている。
料理・肴は壁に掲示された黒板に手書きされており、いずれも季節感あふれる垂涎もの。
その中から次のような品々を順次注文。
「刺身盛合せ」:刺身が数種類用意されており、ご主人からの'盛り合わせにしましょうか'の言葉に従ってお願いする。
愛媛産「真鯛の炙り」・富津産「鱸」・北海道産「平目」・勝浦産「〆鯖」の四点盛りで、それぞれ2.3切れずつだが、いずれにもひと手間掛けられている。
皮目を香ばしく焼いた真鯛、鱸や平目も軽く塩をしたり昆布〆になっており旨味が凝縮。
擂り山葵は上物の「本山葵」、〆鯖用に「練り辛子」が添えられるのは江戸前料理の伝統。
「牡蠣の生姜煮」:これはサービスだったようだが、大粒の牡蠣が生姜の薄切りと共に濃い目の醤油味でさっと煮られており、粗く下した大根が添えられている。
しっかりした火通りだが柔らかい仕上がりで、実に美味しい。
「菜の花のお浸し 和辛子」:菜の花は房州産とのことで、早くも出回っているようだ。
お浸しと言ってもあっさりした出汁を含ませたものではなく、醤油色のしっかりした江戸前流で、和辛子の利きも小気味よい。
「三元豚の肩ロースのコンフィ」:結構時間が掛かって登場したが、出されたものはコンフィと言うより完全にローストで、結構な大きさの肩ロースがじっくりと火を通されている。
食感は硬めだがジューシーさも残っており、噛みしめると味が深い。
パプリカとしし唐のソテーが付いており、たっぷりと添えられた粒マスタードが味を引き立てる。
酒はご主人のお勧めに従い、3種の銘柄をもらう。
「初亀 秋あがり」「能代 花散里」「乾坤一 原酒」でどれも良かったが、中でも口開けを出してくれた喜一郎の酒で知られた秋田の喜久水酒造の「花散里」が、上品な香りとふくよかな味わいで美味しかった。
蕎麦は「かけ」を選択。
虚飾を排したシンプルなスタイルで、蕎麦は熱いかけつゆの中でもしっかりした食感を示し、濃い目のつゆの奥行きある味わいに「上野藪」譲りの江戸前の仕事が受け継がれている。
期待通りの充実した「蕎麦屋酒」が楽しめた。
肴も蕎麦の仕上がりには揺るぎない技が感じられ、筋の通った仕事ぶりは健在。
勘定は多少のサービスも有ったが、6,000円ちょっととリーズナブル。
ご主人とは色々とお話しすることが出来た。
この状況の中で商売的には決して安閑としてはいられないが、安全を図る上で夜は敢えて常連客に限定しているとのこと。
蕎麦屋でも特に高齢な店主が営む処が、閉店に至るケースが多いことを嘆いていた。
ちなみにこちらはビール・日本酒・ワインなどの醸造酒は出しているが、焼酎やウイスキーと言った蒸留酒は蕎麦に合わないと言う考えから提供していない。
これも職人気質のご主人の、きちんとした考えに基づいたこと。
ワインの品揃えもフランスを中心に充実しており、一度ゆっくりと試してみたいと思っているが、面白いのはシールドを置いていること。
最近になって始めたようだが、未だに出たことは無くこれからも頼む客が居るとは考えにくいが、ここにもこだわりが感じられる。
こちらは開店当初から店内写真撮影禁止であり、これもご主人のポリシィの現れであり、それを客が文句を言うのはお門違い。
私も最近は写真撮影に注力しすぎていることを反省しており、偶にこういった店に入ると料理に真摯に向き合う新鮮な感覚が蘇ってくる。
改めて信頼のおける蕎麦屋であることを実感。
これからも永く通い続けたい。