食べログ評価の高いお店ですが、ランチは・・ : 龍水楼

タイ出張から戻った翌日のこの日は、週始めからの積み残しになっていた事案の処理や打合せなどがあって、午前中は忙しく過ごしました。
それでも何とか昼前には一区切りついたので、ランチは予定通り外に出かけることにします。

タイとの時差は2時間ですので大したことはないと思われるかもしれませんが、お腹の調子は身体全体の調子にも増して順応性が高く、食欲は相変わらず旺盛です。

この日は、ランチ友が私と入れ替わりで出張に出たため、一人ランチになりましたので、最近の一人ランチの時の定番スポットになっている神田小川町方面へ向かうことにしました。

この日のターゲットはあらかじめ決めてきたわけではなく、小川町方面へ向かいながらランチスポットリストに目を通しながら考えます。
その結果、当店が候補に上がりました。

美土代町の交差点を越えて暫く進んで左折すると、当店の大きな緑色の袖看板が目に入ってきます。

しかし、外観は全体に薄暗く、お店の前に着くまでやっているのかいないのか分からない状態。
しかも、ランチの宣伝等も質素で、店頭にひっそりとランチメニューが掲げられているのみです。
何か覇気の無いお店だなあと思いつつも、そのランチメニューに目を通します。
とてもシンプルなランチメニューで、定食が定番のAランチ(麻婆豆腐定食)@850円と本日のランチのＢランチ(この日は、炒蝦仁〜エビと野菜の塩炒め〜定食)@850円のみ。
その他に中華丼、焼きそば、かた焼きそば(いずれも@780円)があるだけです。

この中だとＢランチかなと思いつつも店内メニューでもう少しラインナップが増えるのが良くあるパターンなので、後は入ってみてから考えようと入店することにしました。

店内に入ると年配の女性が出てきて、まず食券を買うように促されます。
見ると入ったところにレジがあります。
レジの横にはランチメニューが掲げられていましたが、店頭に出ているものと全く同じ。
さすがにもう少し種類があるだろうと思っていたのですが、見事に裏切られました。

店頭のメニューを見た時に決めていたＢランチを注文しました。
果たして850円を支払うと、本当の食券を渡されました。
昔ながらの硬券で、かつての鉄道の切符のようです。
奇妙な模様の地に「龍水楼」の文字が印字され、手書きでＢ定食を表すと思われる「Ｂ」の字が書かれています。
それを半分に切った片方（半券）を渡されます。
大昔のデパートの大食堂がこうだったよな、なんて思いながら、席に着き、半券をテーブルの上に置きます。

しかし、店内に客は私のみでしたので、何か変な気持ちです。
食券システムは混雑している時に威力を発揮するものと思ってましたので、この日のようなガラガラのシチュエーションではどこか虚しく思えます。
店内は、テーブル席のみで30席ほどのキャパがありました。

奥からは調理をしている音は一切聞こえてこなかったのですが、チャイムのような音がしたと思ったらすぐに注文の品が運ばれてきました。
恐らく、別の階で調理して、料理運搬用のエレベーターか何かで運んでいる可能性が高そうです。
いずれにしても、食券を渡してから3〜4分ほどと、先客がいなかったにしてもなかなか素早い提供です。

しかし、メインディッシュの炒蝦仁は量が少ないです。
器も小さいですし、こう言うとちょっと言い過ぎですが、コースの大皿の料理を取り分けたくらいの分量かなと。
エビのほか、玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、タケノコ、キクラゲを炒めたもので、味の方はあっさり塩味でなかなか美味しかったのですが、なんか出し惜しみのような気もして、あまりいい印象は持てませんでした。

付属は漬物とスープ。
漬物は白菜の浅漬けですが、良く漬けられており酸っぱめでした。
スープは見た目は透明に近いスープにネギが浮いており、あまり見た目は良くないのですが、薄味ながらも出汁の風味が心地よいスープでなかなか美味しい。
こういう出汁がベースにあるので、炒蝦仁の美味しさなどにも繋がっているのでしょうね。
片鱗だけしか分かりませんでしたが、基本的な料理のポテンシャルはしっかりしたものがあるなという印象を受けました。
ごはんも美味しかったですよ。

しかし、ことランチに限ってみると、そんなポテンシャルのごく一部しか発揮されておらずとても残念な感じ。

あくまで本領発揮は夜の部で、食べログの高評価もそこから来ているものと思われますが、ランチももう少し何とかならないものですかね。
これだと、評判的にも夜の部へ悪影響すら与えそうな気がしてしまいます。