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頑固(かたく)なに "鮪(しび)"を不使用(つかはぬ) 『けぬきすし』 "白身(しろみ)"・"膾殘魚(しらうを)" すらも烹(に)るなり
駿河臺(するがだい) 爰(こゝ)の笹卷(さゝまき) 俺(おれ)喰(く)へば いでその鐘聲(かね)を 忘(わす)れやはする
【2016-05-28追記】:
およそ、鮓(すし)なるもの、
"早鮓(はやずし)"とて、元來(もともとは)、馴染(なじ)ませ啖(くら)ふもの。
今猶(いまなほ)、京坂(けいはん)の押鮓(おしずし)はかくするが尋常(つね)。
握鮓(にぎりずし)の嚆矢(さきがけ)、『與兵衞鮓』また然(しか)り。
屋臺鮓(やたいずし)の描(ゑが)ゝれた幕末(ばくまつ)の錦繪(にしきゑ)には、
作(つく)り置(お)きたる鮓(すし)が竝(なら)ぶ。
往古(そのかみ)、近來(ちかごろ)のごとく、
握(にぎ)り端(ばな)を啖(くら)ふといふ作法(やりかた)は稀有(まれ)。
當家(こちら)『笹卷毛拔ずし』も、
鮓(すし)を漬(つ)けて權(しばら)く寢(ね)かせたる後(のち)、
啖之(これをくら)ふが古來(いにしへより)の風習(ならひ)。
此度(こだみ)は、これにしたがひ、家苞(いへつと)として沽(か)ひ求(もと)む。
隈笹(くまざゝ)の葉(は)を剥(は)がして、その姿形(すがたかたち)を眺(なが)め、
一(ひと)つ一(ひと)つ、これを吟味(あぢはふ)。
いみじう鹹(しほから)き海苔卷(のりまき)を除(のぞ)き、
鹽(しほ)と醋(す)は想定外(おもひのほか)に穩當(おだやか)。
水分(みづけ)も、また、漫(みだり)に黏(ねば)るほどでなし。
倩(つらつら)その縁由(ことのよし)を探求(うかゞ)ふに、
此方(こちら)の味覺(した)の劣化(おとろへ)か、
それとも、舖(みせ)の變貌(かはりみ)か、仔細不詳(こまかなることつぼらならず)。
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【照相機】:旭光學 賓得士(Pentax)K-1 全畫幅數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】 :旭光學 smc 賓得(Pentax)A 微距(Macro)2.8/50 @F2.8
旭光學 smc 賓得(Pentax)A 2.8/24 @F5.6
【2005-11-19追記】:
この日再び訪ぬ。今囘は敢へて持ち歸り七個入り一千五百七十五圓也。前囘三月にお邪魔した時白身は煮白魚であつたが今囘別(同僚に分けたので正體不明)。
鹽(しほ)と醋は現代的標準からすると強い。暫く置いて戴くとネタと舍利が馴染んで旨い。折がまた素晴らしく包裝紙にも味がある。百個入りの折は杉箱に入り二萬一千圓也。箱だけ慾しい。今囘店推奬の食べ方をすることによつて味が確かめられた。味の評價を★★★、綜合評價を★4.5に引き上げる。
【2005-??-??記】:
近江の鮒鮓や大坂すし萬(承應ニ年(1653)創業)には及ばぬものゝ江戸にては今に殘る最古の現存鮓。創業元祿十五年(1692)。隨分久方振りの訪問。近ごろ、鹽(しほ)も醋も控へた甘口鮨ばかりでイライラし通し。前の週の夕方に伺(うかゞ)ふと「本日賣切れ申し候」。で、この日の晝(ひる)前に改めて訪ぬ。
・七つ、値一千六百二十圓也。
持ち歸りだと幾分安いものゝ店で戴くと吸ひ物が付く。先客は老婆(おみな)一人。註文しても直ぐには出てこない。待つ間店内の額に掲げられし店主敬白文を讀む。「笹巻けぬきすし」の濫觴(はじまり)に觸れ、安宅「[松が鮓*)」、兩國「與兵衞鮓」と並ぶ江戸三大鮓店**)であつたことが流麗なる文字の文語體にて説明されてゐる。
十分ばかり待たされてお待ちかねの鮓が到着。かくのごとき店で待つのは味の内。昔の「おぢやれずし」は註文の後に日を改めて、「待ちやれずし」はその日の内とは云ひながら長い時間待つのが當たり前だつた。要は老舖の鰻屋で半時(はんとき)ほど待つやうなもの。七つの内譯は、
・蝦(鞘卷き)、白魚、小鰭、蝦おぼろ、薄燒き玉子、干瓢卷き*ニつ
「鞘卷き(小車蝦)」は色から判断するに活け。廿年前も慥(たし)か同じ。醋〆と云ふよりは醋洗ひだけしてあるやうな感じ。味だけなら近頃の江戸前鮨の方が段違ひに旨いとは云へ、これはこれでよいように思ふ。此処は五月蠅いことを云わず、虚心坦懐、色の美しさと伝統の重みを堪能したい。
「白魚」は大き目のものを薄味で煮てある。これも生の儘の方が旨いとは云へ、江戸末期、喜田川守貞「守貞謾稿」にて描かれたものや、明治初期、川端玉章描く「與兵衞鮓」の白魚に瓜二つ。その意味でこの店の白魚は貴重。「鮓のシーラカンス」と喩(たと)へても聊(いさゝ)かも誇張ではないやうに思ふ。
豫想に違(たが)はず「小鰭」はやゝ鹽(しほ)と醋が強い。廿日程漬け込んでゐるとも聞く。「干瓢卷き」は更に鹹(しほから)ゐ。蝦のおぼろは現代江戸前鮨のおぼろと云ふより昔食べた田麩(でんぶ)の如き食感。「守貞謾稿」に「蝦そぼろ」と描寫されてゐるものも或はこれに近いのではあるまいか。
「玉子燒き」はこれも歴史を感じさせる薄燒きにて「守貞謾稿」描く鶏卵(たまご)燒きに似る。蝦や白味魚は擂り込んでゐない。「與兵衞鮓」の末裔たる小泉迂外***)は「スリコミと稱し鮫や蝦を擂り込むやり方は至極ズルイ、玉子計(ばか)りの方が眞味がある」と主張する。當店の玉子燒き、これまた昔の樣式をその儘留めてゐる。
「守貞謾稿」は、握り鮨のネタとして、玉子、玉子卷き、海苔卷き、穴子、白魚、鮪刺身、小鰭を挙げ、「へっつゐ河岸毛拔き鮓」を「與兵衞鮓」、「松が鮓」と同列の握り鮓として扱つてゐる。現在、笹卷き毛拔き鮓は握り鮨に分類されないものゝ、濃厚な近縁性が存在し、握り鮨の源流の一つとも考へられる。
但し、笹卷き鮓も時代を反映して變化してゐる可能性がある。元祿期と同じである筈もない。第一、醋が違ふ。江戸~明治期、尾州半田の「山吹」が鮓醋の標準であつた筈なのに、「山吹」は現在覆刻版として通販でしか入手出來ない幻の赤酢となつてゐる。白酢ばかりなるゆゑ、砂糖を使わねばきつきに過ぎる。
舍利は甘みが全く無く随分と柔らか。もう一寸堅目で粒が立つてゐる方が好き。だが何と云つても此處の鮓はもはや歴史遺産。舍利が柔らかく酢を多目にするのは保存性を考へてのことらしい。とは云へ現代人の味覺で此處の鮨を批判するのは馬鹿げてゐる。冷藏庫なる文明の利器は高々數十年の歴史しか持たぬ。
椀の中身は擦り身と豆腐、それに絹鞘。これもまた相當に鹹(しほから)ゐ。椀は重くて古いベークライト樹脂にて箸は木。接客は特別丁寧でもないし特別失禮でもない。要は昔からある老舖の平均水準。これはこれで良いのではないか。下手に卑屈になられても反つて有り難味が薄れる。必要にして充分なる水準。
創業元祿期と云ふから誕生から三百年餘を經過してゐる勘定。握り鮨の誕生が文政七年頃と云はれてゐるからその濫觴(はじまり)は握り鮨誕生より更に百年以上前に遡(さかのぼ)ることが出來る。
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*)「松の鮓」(松が鮓)は堺屋松五郎の名に因む俗稱にて正しい屋號(やがう)は「いさご鮓 」
**)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E4%B8%89%E9%AE%A8
***)本名を「小泉清三郎」と云ひ、「小泉與兵衞(華屋與兵衞)」の曾孫(ひまご)。
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店名 |
笹巻けぬきすし総本店(ささまきけぬきすしそうほんてん)
|
---|---|
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
03-3291-2570 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
都営地下鉄新宿線【小川町駅】徒歩3分 小川町駅から138m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
11席 (全てテーブル席) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 近くの有料駐車場:神田小川町2-4-5杉商パーキング30台、神田駿河台3-1に10台、ほか |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可(乳児可、未就学児可、小学生可) |
ホームページ |
http://www.kanda-hojinkai.com/information/sinise/sinise09.html |
オープン日 |
1702年 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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當家(こちら)『笹捲けぬきずし』:
嘗(かつ)ては竃河岸(へッつひがし)に在(あ)り、
「兩國(りやうごく)『與兵衛鮓』、安宅(あたけ)『砂子鮓』と列(なら)ぶ、
江戸三大鮓(えどさんだいずし)の一(ひとつ)」として人口膾炙(あまねくしらる)。
"煎雞蛋(とりのこやき)"には"鹹(しほけ)"のみにて、
"甜(あまみ)"も"魚鰕泥(えび・うをのすりみ)"も皆無(なし)。
"生魚(なまのうを)"一片(ひとひら)すらなく、"膾殘魚(しらうを)"は煮(に)る。
嘗(かつ)て下魚(げうを)なりし"鮪(しび)"無(な)きは勿論(いふもさらなり)。
"鮪(しび)"が鮓種(すしだね)として用(つか)はれ始(はじ)めしは、
天保年間(てんぽねんかん、1831~1845)と云ふ。
「江戸内海(えどうちうみ)に鮪(しび)の大群(むれ)が押寄(おしよ)せ、
その處分(つかひみち)に困(こま)り果(は)て、云々(うんぬんかんぬん)、、。」
寛政十一己未歳(1799)浪華(なには)刊(かん)【日本山海名産圖繪】には、
"鮪(しび)"の項(ところ)に、
「夏(なつ)の"ひれなが"、冬(ふゆ)の"黑鮪(くろしび)"」を特記(しるす)。
こゝに、"ひれなが"が"黃鰭(きはだ)"か"長鰭(びんなが)"か不詳(つまびらかならず)。
【日本山海名産圖繪】<78~80/111>:
=========================================
>"鮪(しび)"
>
>....前畧(まへをはぶく)....
>
>又(また)是(これ)を"ハツ"を名附(なつく)る事(こと)は、
>昔(むかし)此肉(このにく)を賞(せう)して纔(はつか)に取(とり)そめしを、
>馳(はせ)て募(つの)るに、
>人(ひと)其(その)先鋒(せんぽう)を爭(あらそ)ひて求(もと)むる事、
>今東武(とうぶ)に初鰹(はつかつを)の遲速(ちそく)を論(ろん)ずるがごとく、
>
>....中畧(なかをはぶく)....
>
>後世(こうせい)此味(このあぢ)の美癖(びへき、むますき)を惡(にく)んて、
>終(つい)に賤物(せんぶつ)に陷(おちい)りて、
>饗膳(きやうぜん)の庖厨(はうちう)に加(くは)ふることなし。
>されども、今(いま)も賤夫(せんふ)の爲(ため)には、
>八珍(はつちん)の一ツに擬(なぞらへ)てさらに珍賞す。
=========================================
輒(すなは)ち、西國(ひのもとのにし)ですら、
江戸(えど)にて鮓種(すしだね)となる四十年前(はるかまへ)ゟ(より)、
「賤物(いやしきもの)」と垂準(さげし)まれながらも、
"美癖(むますき)"、"賤夫八珍之一(せんふはつちんのひとつ)"とせし事實(こと)。
かの『與兵衞鮓』は、
廢業(みせをたゝむ)まで"鮪(しび)"不使用(つかはぬ)を矜持(ほこり)とせしも、
かの小泉淸三郎(こいづみせいざぶらう)"家庭鮓のつけかた"には、
"黃鰭(きはだ)"と"鮪幼魚(めじ)"の用法(つかひかた)も、、。
現在(いま)や、「鮓種(すしだね)の王(おほきみ)」と稱(たゝへ)られ、
その盛名(な)、東都(えど)は勿論(いふまでもなく)、
京坂(けいはん)、四海(うみのかなたちのはて)迄(まで)轟(とゞろ)く。
しかるに當家(こちら)、頑固一徹(かたくな)に古式(ふるきやりかた)を守(まも)る。
"白身魚(しろみ)"、"膾殘魚(しらうを)"、"煎雞蛋(とりのこやき)"、
どれも傳統(いにしへよりつたは)る流儀(やりかた)を堅持(かたくまもる)。
何(なに)ゟ(より)顯著(きはだつ)は"舎利(すめし)"最輭(いとやはらか)なること。
流行(いまをときめ)く鮓(すし)とは「陰陽(かげとひなた)の關係(あひだがら)」。
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