常連の人たちはどう思っているのでしょうか？ : 神田まつや 本店

私の中で「まつや」さんは老舗で美味しいお蕎麦屋さんというイメージでしたが・・・

① 3月末
「かんだやぶそば」さんから徒歩3分くらいの距離にある「神田まつや」さんへ。こちらも5年ぶりの再訪です。
何時も混んでいて相席が必須のお店ですが、コロナ禍のご時世でどうなっているかと覗いてみると、満席との事でしばらく待って出口近くのテーブル席に案内されました。相席ですが、４人がけのテーブルの斜めに座って間に仕切りがあるので顔が見えないようになっています。以前に比べると半分くらいの人しか入れていないようです。
「もりそば」と「かきたまそば」をお願いしました。
老舗のお店ですが、こちらは手打ちの蕎麦で美味しいんですよね。
まずはせいろです。少し太めで星の見えない端正なお蕎麦です。一口頂くと、程よい歯応えと蕎麦の香りが広がります。しまった！「かきたま」ではなく、せいろをもう一枚頼むべきだった！と後悔しました。
付け汁は辛口ですが、甘みも感じる美味しい汁です。
このお店のかきたまそばは、初めて頂きましたがびっくりするくらいトロミが強い汁です。味もかなりはっきりとした関東風の味で、美味しかったです。

② ７月中旬
もりそばの大盛りとそばがきをお願いしました。
最初はせいろです。縁が朱塗りの丸いせいろに盛られています。まつやさんのお蕎麦は美味しいので楽しみです。微粉メインで、粗い粉も混じったお蕎麦はエッジが立った少し太めの切りです。
まずはそのまま一口。ん〜・・・？　今回のお蕎麦は、香りも風味も弱いです。しかも、お蕎麦に芯が残っているような食感です。上の方は良さげですが、中の方は切り幅がバラバラでかなりの細切りのお蕎麦も混じっています。まつやさんは打ち手がたくさんいるので、新人のお弟子さんに当たったのかも知れません。
お蕎麦は残念でしたが、そばがきは最高でした！
大きな桶に入っていてお皿が無かったので蕎麦湯から出した写真を撮れませんでしたが、褐色の微粉を練ったもので、ねっとりとした食感・風味ともに素晴らしい。
粗挽きのそばがきでは出せない密度感が秀逸でした。

③８月初旬
お蕎麦の確認のため、同じもりそば（普通もり）とそばがきをお願いしました。
もりそばは前回よりは良いものの、やはり隠れている部分に切りムラが多くて以前のレベルには達していません。なによりもお蕎麦の風味が弱いのが非常に残念です。
そばがきは、風味がよくてねっとりとした食感が良いです。やはり美味しい！
ただ、そばがきは大きな桶に入って出されてお皿ではなく蕎麦猪口が出されるのみ。お皿とレンゲは出して欲しいですね。蕎麦湯が別に出されましたが、桶の中のそばがきが浸かった蕎麦湯の方が十割そばの蕎麦湯なので美味しいと思うのですが…。

神田まつやさんの6月17日のインスタに長年働いていた二人が辞められた（転職と独立）と書いてありました。時期的には整合しますね。これが原因なのでしょうか？
私のようにほとんどお酒を飲まずにお蕎麦だけを楽しんでいる人は少ないのでしょうが、長年通っている常連さんたちはどう思っているのか非常に気になります？

夕方に秋葉原の末広町で打ち合わせがあったので、淡路町のまつやまで歩きました。
末広町の裏道を歩いていると、90年代初頭に台湾製のDOS／VのPCを求めて通った事がフラッシュバックしてきます。この辺りもすっかり様変わりしていますね。
道々にメイドの格好をした女の子や外国人が多いのには驚きます。

秋葉原から万世橋を渡って2、3分の距離です。
昔ながらのお蕎麦屋さんの雰囲気のお店で、入口の引き戸を開けると、平日の19時過ぎにもかかわらず狭い店内にテーブルが並べられていて、ほとんどが埋まっている状況でした。
花番さんに一人と告げると、お店の中ほどの私と同世代のサラリーマン二人が飲んでいる席に相席になりました。このお店は、ひっきりなしにお客さんが来るので基本は相席です。

お客さんも多いのですが、花番さんも5人くらい居ますね。
お店の奥が厨房で、入口の正面右側にガラス張りの打ち場があって、良くTVでお顔を拝見する御主人が追い打ちをしているようです。この時間からも追い打ちをするとはすごいですね。
このお店は多い時は5人の職人で一日30回蕎麦打ちをするそうです。それだけお客さんが来るという事ですね。

メニューを見て見ると、
・もり：650円
・大盛り：800円
・ごまそば：800円
・花巻：900円
・玉子とじ：900円
・そばとろ：950円
・そばがき：1,050円
・天もり：2,000円
まずはお蕎麦を頂きたかったので、もりそばの大盛りを頼みました。

5分くらいで丸いざるでお蕎麦が出てきました。少し濃い目の色のお蕎麦で、きちんと切りが入った端正で美味しそうなお蕎麦です。
まずは一口。この時期ですからあまり風味はありませんが、繋がりが良くて美味しいお蕎麦です。好みとしては、もう少し硬い方が好きですが、のど越しを重視するとこのくらいの茹でになるのでしょうね。

つけ汁は、口当たりがまろやかで辛みの強い味ですが、軽めの味の印象の汁です。蕎麦のつなぎが良いので汁に付けて頂くと気持よく啜ることができます。でも、隣の席に、おそらく韓国人であろうカップルが居たので、あまり啜って大きな音を立てないように遠慮して啜って頂きました。（笑）

大盛りですが、やはりそれだけでは物足りないので、汁無しで蕎麦だけ追加で頼みました。これも美味しかったです。

そば湯は、少しとろみが付いています。これだけお客さんが多いと釜湯でもこれくらいになるのでは、と言う程度のとろみです。蕎麦湯を楽しんでいると、隣のカップルの男性が、蕎麦前から蕎麦の〆に入りました。そして、おもむろに蕎麦を豪快な音を立てて啜りはじめました！ 遠慮して損しました。（笑）

丁寧に打たれた江戸の伝統の蕎麦を味わう事ができました。

ごちそうさまでした。