錦福美食再開。ランチは無しでディナーのみ。 | Fideliaの人柱日記 : 錦福 香港美食

錦福美食再開。ランチは無しでディナーのみ。開店当初からずっと応援し続けている錦福美食さん。
開店当初に、車で通りがかりで見つけて入ってみて、「福臨門っていってわかってくれるお客さんが初めて来てくれた」といっていて、「こりゃまずい、がんばって応援しないと潰れる。。。」と拡散に勤しんだのは２年以上前のことである。
ビブミシュランにも選ばれて、繁盛店になって安心安心、、、と思っていたらこのコロナ禍。
 
休業前に「最悪は、手元にできるだけ現金を残して店は一回つぶして、やり直したほうがいい」という話をしたりしていたが、なんとか再開してくれた。
昼はテレワークの人も多いためにやはり暇らしく、ロスが出るので（売れ残りの持ち越しは絶対イヤなのだそうだ。えらい！）、ディナーのみでの再開となった。
 
元々、それほど密な座席配置ではない。どちらかというと、飾りっけなさすぎでガランとした感じの店舗なので、今はこれがちょうどいいだろう。
 
ひさびさに食べる焼味はやっぱりおいしい。
香港に行けない今、日本でこの水準の焼味が食べられるのは本当にありがたい。
 
 
 
 

 

すっかり人気店になったこちら。
土曜の夜、空いているテーブルもあるとはいえ、荷物置きに使われていたりして、厨師のキャパに対しては完全に満席。
予約のないお客さんは断られていた。
聞けば、週末は満席が続いているらしく、平日でも満席日が出ているようである。
商売繁盛、何よりである。
ただ、仕込と調理で、厨師は少々夏バテ気味らしい。

満席近くなると問題になるのが料理の出るペース。
丁寧に作って、決して手抜きしないのは大変よいことなれど、痺れを切らすお客さんも出てくる。
この日も、炒飯を待ちわびて酔って寝ちゃった人、待ちきれず注文をキャンセルして帰るお客さんなどあり。。。(^_^;)

常連はもう待つのは織り込み済みなわけだが、、、、

なんと、９月から厨房に親族の方が１名入るそうである！
調理補助が入ることで、料理の出が良くなることが期待できそう。

焼肉、焼鴨は安定のおいしさ。
この日はそういえば頼んだことなかったわー、ということで鴨の砂肝の滷水も。
滷水は、下卑た味になっている店も多い中（というか、日本では食べられるだけで御の字なんだけど）、さすがの軽やかな出来。
旦那は砂肝は食べないから、残りは持ち帰りに。

香港みやげの焼味店のミニチュアペーパークラフトを持っていくのを忘れてしまったので、近いうちにまた伺わなきゃ。

しばらく台湾行ったり、四川いったりでご無沙汰していた。
４度目の訪問は、ある方が企画してくださった宴会。
事前予約で３０人越えの大宴会。店舗キャパぎりぎりの人数。
厨師ひとりなので大丈夫か？！と心配していたが、料理の出は遅めとはいえ、
何とか大丈夫だった。

焼味はいつも通り盤石のおいしさ。
テーブルのあちこちで「おいしーい！」と声があがっている。
特にやっぱり焼鴨がいい。

メニュー外の料理として、この日は西湖牛肉羹が入っていた。
香菜ほどよくベースの湯もしっかりしていて、大変おいしかった。
焼物のスペシャリストすぎて、他の料理は全然できないだろうと言われていたわりに
焼物以外もちゃんとおいしい。（ただ、レパートリーは少なく、時間がかかるけど。）

あとは、この店は通常は甜品（デザート）はないが、この日は拔絲紅薯が。
あっつあつを水にドボンとつけて周りを冷やし固めて食べる、日本の「大学いも」的なお菓子。
あつあつ、かりかりでおいしかった。

料理の順番がちょっと微妙だったり、改善点は少々あったけれど、
みなさん大満足の宴会だった。

一部、香港迷の間で話題沸騰状態のこちら。
前回はイケてるかどうかもわからない状態で、小食な旦那と２人だったので
控え目にオーダーしていたのだが、おいしいとわかったからにはもう安心して
ジャンジャン頼める！
というわけで、香港迷３名で女子会。

蜜汁叉焼、蜜汁焼鶏肝、脆皮焼肉、港式焼鴨の焼味祭り。
本当は排骨も頼もうと思ったのだが、いいスペアリブが入らなかったそうで
この日は無し。
あとは、広東白菜が売り切れで、ちょっとつまらないけど青硬菜の炒めと
鹹魚鶏粒炒飯を。メニュー外で、ランチの残りでいいからとスープもお願いした。

叉焼は「焼き立てですー」ということで、おいしい。
蜜汁といいつつ甘さ控え目で軽やかである。
（実は、翌日に家全七福の東京店にいき、蜜汁叉焼を食べたのだが、今の家全の
焼物師よりも、こちらの鞏さんのほうが上だと思った。今の家全はちと甘い。）

他の焼味も文句ない。炒飯を頼んでいたのだが、メンバーはみな白いご飯が
お供に欲しくなり、白飯も１杯だけオーダー。やっぱりご飯に合う。
お米が日本のお米なのだけが惜しい。ジャスミン米ならもっと合う。

炒飯は、なんと長粒種。両方炊いてたのね。
鹹魚ほどよく、うまい。
そして、スープ。
ランチの添え物として出すには、あまりもちゃんとしている。
上湯とはいわないが、ちゃんとした二湯ぐらいな感じ。
コストがかかっている。これをランチのお客さん、わかっているんだろうか。。。

難点をあげると、この店はメニューが少ない上に、ものすごくバランスが悪い。
蒸し物ないし、夜用のスープもないし、麵類もない。甜品（デザート）もない。
料理の種類が少なくて、メニューに落丁があってページが足りないのかと思うほどである。
中華料理店としての、「ひととおり」が揃っていない。

福臨門ほどの規模の店になると、分業が進んでおり、点心師は点心しかやらないし、
焼物師は焼物しかやらない。
そのため、厨師は焼物以外は非常に手薄と思われる。
それがこのメニュー構成に表れている。

しかし、焼味（広東式の焼物）の専門店であると思えば、最高水準にあると思う。
福臨門でも、銀座店の立ち上げメンバーが去った後、焼物担当のメインであった
というのも頷ける。

同じ福臨門の焼物担当だった日本人厨師が、青山の楽記を経て、
神楽坂の鉄板中華 青山シャンウェイ 神楽坂店にいるが、
ディープな香港迷からの評価は低い。料理が薄っぺらであると。
同じ店の出身で、こうも差がつくかと。
こちらの鞏さんの「力のある焼味」とは雲泥の差である。

場所が悪く（駅から近いのだが、前を人が通らない）、まだ認知度低く、
福臨門を知る人間からすれば安いのだが、一般的な中華としては価格が高いと
思われてしまうのであろう、空いているのが心配である。
無事に生き残って、続いていってほしい。。。
いい中華のお店だったのに、つぶれてしまった神田の「高格」の悪夢の
再来は避けたい。。。

ちなみに、照明は私が話した翌日に速攻で買いに行ったそうで、
昼白色から、電球色にかわり、照明器具自体も替えて明るくなって、
普通にレストランの空気になっていた。良かった良かった。
開店当初の照明じゃぁ、大陸の田舎の食堂だったもの。。。

飯田橋に用があり、車で走っていたら、左手に「香港美食」の看板が目に入った。
左ハンドル車の助手席にいたので、詳細が見えなかったのだが、どうにも気になる。
用事を済ませたあと、旦那にもう１度店の前を通ってもらい、車を下りて確認するも、
開店祝いの花は並んでいるが、お店は準備中。
メニュー等も置いていないので詳細不明。
ただ、花輪の送り主の店から判断するに、香港屋台 カンフーキッチン 北千住店のような、
香港を名乗りつつ、全然香港の味ではないという「偽物香港」ではない予感。

別の用事を片付けた後、夜に再訪。
遠目に見て、店内は昼白色の蛍光灯のせいで、寒々として、安い食堂のよう。
旦那は「なんか安っぽくってダメそうじゃん？」と車に戻ろうとしたが、
「ま、ちょっと付き合ってよ。」と引っ張って店の前まできて、
置いてあるメニューをみて驚愕。

「銀座福臨門に13年勤めていました。」

えーーー、銀福に居た人なのぉ！！！？？？と迷わず入店。
厨房には焼鴨や焼肉がぶら下がっている！！

まだ開店当初で、厨房は１人のみということで、メニューは少なく
焼物系は充実しているが、スープや麺はまだ載っていない。

焼鴨と焼肉、酢豚と避風塘鮮蝦をオーダー。
焼鴨はちょっと味付けが強いがしっとりといい出来。
焼肉もいい火入れでおいしい。

酢豚の豚肉はちょっと揚げ過ぎか衣が硬いが、十分おいしい。
避風塘鮮蝦は、喜記のような化調のきいたジャンク味ではなく上品。
ただ、にんにくがちょっと焦げすぎ。もう１歩手前で止めておけばもっと良かった。

滷水牛肉は、サービスで少量出してくれたのだが、福臨門らしい軽やかな出来。

マダムとの間で、北京語で話しているので、ん？と思って聞いてみたら、
厨師は広東料理を学んでいた吉林省出身の厨師で、銀座ウォールビル時代の
終わりに福臨門に修行に入り、その後、ずっと銀座福臨門にいらしたのだそうだ。
マダムは日本の方。
福臨門に居たかつてのスタッフの話で盛り上がって、色々と収穫があった。

残念なのは内装。なんだかガランとして寒々しくて、
蛍光灯の色がより一層、寒々しさを増していた。
せめて、蛍光灯は電球色にしたほうがいいよとアドバイスして、
さっそく替えますとおっしゃっていたので、次回はもうちょっと雰囲気マシかな。

場所的に経営が難しいであろう立地（前を人が通らないもの）。
中身は福臨門水準で、価格は手ごろだけど、店の雰囲気は「2980円飲み食べ放題」
ってな店レベルで、でも、値段はそこらの大陸中華よりだいぶ高いから、
わかってくれるお客さんじゃないと「あそこ高いじゃん。」と言われてしまうはず。
内装のゴージャスさとかはどうでもいい香港迷や中華好きのみなさん、
行ってあげて～～。

応援しなきゃいけないお店がまた１軒増えた。