味も接客も自然体で安定感抜群。 : 神楽坂 石かわ

2017/10月、2018/1月、4月 再訪。
定期的に訪店しています。
色々な意味で無理がなく、安定感抜群のお料理と接客はいつも安心して伺えます。
夜遅い22時スタートを受けてくれるのも嬉しいところ。

場所は神楽坂で、小道に入れば駐車場がたくさんあり、深夜は安いので車派には便利なエリアです。
店内は落ち着いた空間でカウンター、個室ともに快適です。

石かわさんのお料理はくっきりした輪郭ながら、味が綺麗でピークが短いので、後半で飽きてしまう事や強すぎ感がありません。
内容も所々に新しさを感じさせながら決してやり過ぎないので、その感じがまた心地よさをもたらします。

季節の内容を簡単に、、、

10月。
・ずわい蟹、春菊 菊花、土佐酢。
ちょっと土佐酢が強いかな。
・揚げ真魚鰹、銀杏、くちこ。
真魚鰹の旨みがぎゅっと閉じ込められていて、脂もあってジューシーで、絶品でした！
くちこもサイズがちょうどよい、塩旨感。
・すっぽんのお椀。
ネギ、三つ葉が強いかな。
・ばふん雲丹、鯛。
お造りは1年を通じて、ほぼ鯛と雲丹な気がします。
定点観測的な楽しみもあるけれど、もう少しバリエーションがあると嬉しいかも。。。
・鰆 棒鮨。
炙りの香りがいいです。塩分は強め。
・鮑 肝ソース。
石かわさんでよく出ますが、いつも安定して美味しい一品。
鮑は柔らかいながら噛む楽しみがあり、噛むとミルク系の海の旨みがじわじわきます。
最後にほろ苦い肝ソースをパンで拭くのもお楽しみ。
・鰻、擦って固めた里芋、甘い餡かけ。
鰻の焼き方はパリッと系で好み♪
でも前回食べた、醤油だけの鰻がやっぱり素晴らしかったなぁ。
・小鍋。
季節を問わず、のどぐろの小鍋が多い印象ですが、今日は珍しく牛しゃぶ。
肉気分だったので嬉しい！普通に美味しい。
ドライでキレのある出汁はさっぱりして残らない、安定の美味しさ。
・白米、鯛茶漬け。
鯛茶漬けは苦手なのでノーコメント。笑
・クリームチーズソース、粒餡、柿。
このクリームチーズを使った石かわさんの定番デザートは、優しい甘さとちょうどいい酸味、チーズ＆クリーム感で大好きです。

1月。
そう、あの大雪の日です。
この日は茨城で仕事。
19時過ぎに愛車にチェーンを巻いて都内に向かいました。
30分くらい遅れてしまいましたが、大将をはじめみんな待っていてくれました。涙。
感謝です！
そしてこんな雪の日でも美味しいものを頂けて幸せです♪
・河豚&あん肝 ポン酢
・すっぽん唐揚げ、蕗の薹天ぷら
・お造り(鯛、雲丹)
・お椀(揚げた海老芋の白味噌椀だったかな。。。)
・毛蟹
・穴子 飯蒸し
・のどぐろ、椎茸の焼き物
・焼き白子
・大根と菜っ葉の炊き込みご飯、なめことお揚げのお味噌汁、香の物
大根と菜っ葉の炊き込みご飯は地味好きの私の大好物！
最近あまり見ないので嬉しい♪
薄苦く水々しい大根と、しゃきしゃきの菜っ葉の濃い緑感、水分の多い具材と一緒ながらべたっとしていないお米、完璧です！
石かわさんのお味噌汁は味は上品な懐石調ながら、具だくさんで嬉しいサイズ感。
・ココナッツソース、胡麻ムース、粒餡、苺

4月。
・蛍烏賊、あん肝 黄身酢餡
・稚鮎 唐揚げ 甘酢餡かけ、揚げそら豆
からりと揚げられた稚鮎の苦味が美味しい！稚鮎 Love!!!
甘酢あんかけはどこか酢豚をイメージさせるもので好みでなかったので使わず。
・お造り(鯛、雲丹2種 赤雲丹 むらさき雲丹)
・蛤の飯蒸し
生姜とつめの甘さが強いかな。
・毛蟹
・のどぐろの焼き物、炭火焼きキャベツ
炭火焼きキャベツが柔らかく甘い！
・霜降り牛
・すっぽんのお椀
・あさり、ふき、木の芽のご飯、なめことお揚げのお味噌汁、香の物
美味しいけれどこの時期はやっぱり筍ご飯が食べたい。。。
・きなこ&和三盆のムース、粒餡、苺

私が他に通うこじんまりとした懐石店と比べると、もろこや筍、花山椒などの季節の好きな食材が出ない事を少し物足りなく思ったり、鯛や雲丹、のどぐろなど長い時期に渡って出される食材に固定感を感じる事もあります。
でも、懐石料理を分かりやすくし、家庭料理を懐石レベルに昇華させたこちらのお料理が合わない人は少ないでしょうし、この抜群の安定感は心地よく貴重なものです。

鮎、鱧の時期は、大好きな食材を思う存分食べられる“ゆかねこスペシャル”ができるお店通いに忙しいので、また秋以降に伺う予定です。
いつもご馳走様です！

2017/8 再訪
星付き店やチェーン店はあまりはまらない私ですが、石かわさんは好きです。

輪郭がはっきりとしながらもピークが短くスッと引いていく切れがいい味わいも、お料理の安定感も、無理のない接客も、全てが当たり前のように自然体で揃っていて非常に落ち着くのです。

また夜遅いスタートが可能で、2時間程度でコースが終了するのも、遅飯&サク食べの私には嬉しいところ。

以下、お品書き。

・茄子と牛肉 胡麻だれ。
今日は珍しく牛の脂が重かったな。
暑い季節だから濃厚な胡麻との組合せを重く感じたのかも。

・穴子、茶豆の天婦羅。
穴子は外サク中ふわ、茶豆も青い香りと豆のコクがしっかりで美味しいです。

・甘鯛と冬瓜のお椀。
石かわさんらしいはっきり鮮やかで切れのいいお出汁。
甘鯛は好みより少し火が入り過ぎていたかな。

・お造り (雲丹2種類、鯛、毛蟹)
北海道の雲丹は水々しい甘さで、赤雲丹は濃厚な甘さと旨味です。
鯛も好きな水分の抜け具合で食感もよく、旨味もしっかり。
毛蟹も甘く、フレッシュな蟹の旨みで美味しかった。
今日はお造りパートが凄く好みでした。

・蒸し鮑 肝ソース。
柔らかさと噛みごたえを両立する絶妙な食感で、噛むと磯の香りと共にミルキーな鮑の旨みがじわじわと溢れてきます。
肝ソースはコク、苦味、塩気ともにちょうどいい塩梅。
このバランス、けっこうあるようでないんだよな。微妙な違いなんだけど、、、
大好きな肝ソースはパンで綺麗に拭いて頂きます。

・焼き鰻、焼き玉ねぎ。
これは斬新で美味しかったです！
鰻は皮目パリパリで身はふっくら、醤油タレなのがめずらしい。
蒲焼きでよくある、甘さに邪魔されずに鰻の風味を感じられるし、醤油だけの香ばしさがなんだかとても新鮮です。
こちらも奇をてらわない、でも新しい、安心して頂ける石かわさんらしい一皿でした。

・芋茎、鱧 餡かけ。

・のどぐろ小鍋。
毎回出る小鍋シリーズ。
甘くないドライな美味しさでさっぱり頂けます。

・鱧ごはん、お漬け物、油揚げとなめこのお味噌汁。
鱧の旨みがしっかりある美味しいごはんです。
お味噌汁も家庭的な食材ながら家庭にはない上質な味わいで、具沢山なのも嬉しい。
今日のお漬け物は塩が強かったな。

・ココナッツスープ、黒糖ゼリー、マンゴー。
石かわさんのデザートは、和食の最後にありがちな物ではなく、洋を取り入れつつ和にまとまる凝った完成度の高い物で毎回楽しみでしたが、今日はちょっと好みではありませんでした。
ココナッツのインパクトが強く、鼻に舌に風味が長く残ってしまい食後感がさっぱりしないし、全体の流れも途切れてしまうと感じました。

今日は珍しくはっきりと好みでない物が数品ありましたが、お造りや鰻はとても美味しく好きだったし、はっきり鮮やかながら味の切れとバランスがいいお出汁や安定感、外れのない斬新さは石かわさんらしい魅力でした。

また秋に伺います。
今日も大変ご馳走様でした！

2017/6 再訪
定期ローテ店、石かわさんへ。
鮎を食べに伺いました。

以下、お品書き。
・渡り蟹、冬瓜 土佐酢。
味ははっきりしてるけれど、すっきり華やかでキレがいいので強さや濃さは感じません。石かわさんらしいなと思います。

・揚げ物。
とうもろこし、すっぽんのかき揚げ、伏見唐辛子。
揚げ物が前半で出るのは構成が重くならず、ぺこぺこのお腹も早い段階で落ち着くので好きです。

・鱧と蓴菜のお椀。
これは鱧の骨切りがうーん、旨みも抜けちゃってる感があったかも。。。

・まこがれい、雲丹 2種食べ比べ。
お造りも満足できる安定感があり、美味しいです。

・穴子飯蒸し。

・鮑の酒蒸し、肝ソース 海苔
柔らかく香りが良い鮑で、肝ソースも旨みがありつつ柔らかで美味しいです。
残った肝ソースをパンで拭いて頂くのも良いアイデア。

・鮎。2匹。
はじめに頭と尻尾、そして中骨を抜いた棒状の鮎が出てきて、見慣れない姿に少しぎょっとしました。
でも食べてみると、このスタイルだと身のふわふわ感や旨みがより感じられて、ありだなと思いました。
頭と尻尾はカリカリの骨煎餅のように揚げられて登場。
うーん、個人的に鮎は揚げではなく、焼きのカリカリ感がよく香って好きです。

・鴨と賀茂茄子。
鴨がジューシーかつ弾力ある火入れで好きでした。
賀茂茄子もほどよく柔らかで美味しかった。

・甘鯛の小鍋。
冬場はもちろんだけど、冷たい物を取る事が多くなる夏場にもちょっとした鍋は胃腸が整って嬉しい存在です。
今日の魚は甘鯛。
蒸し暑いからさっぱりした旨みの甘鯛でちょうどよかったな。

・唐辛子ごはん、お漬け物、揚げとなめこの味噌汁。
唐辛子の葉が入ったごはんです。
辛みはなく、紫蘇と獅子唐のような唐辛子の葉の香りが非常に爽やかな美味しいごはんでした。
お漬け物の胡瓜や茄子も美味しく、お味噌汁も庶民的な具材ながら非常に美味しい。
ごはんが香りを楽しむ軽いタッチだったので、お味噌汁に少し重みをもたせていたのかな。
バランスが良くさすがと思います。

・クリームチーズスープ、炊いた小豆、マンゴー、ラム酒のゼリー。
完成度が非常に高いデザート。
乳製品のコクと小豆やマンゴーの甘み、ラムの香り。
懐石の最後にこんなデザートが食べられるのは非常に嬉しいです。

食事のお供 烏龍茶×2

今日は鱧と鮎は好みでない部分もあったけれど、全体的に芯が通って揺るがない味で、高いレベルの安定感があって安心できるし、なにより背伸びして無理している感のない味と雰囲気が心地よくて落ち着きます。

次回は8月に伺います。
今日もご馳走様でした。

2017/3 再訪
前回、ついに初訪店を果たし、その味、接客、雰囲気の全てに自然体のレベルの高さを感じ好きになった石かわさん。
ミシュラン星つきや、多角経営のお店が苦手な私には珍しいヒットです。
早速、再訪です。

駐車場はメイン通りから小道に入れば最大料金ありのコインパーキングが沢山あります。

本日も21:30スタート、今回はカウンターです。
落ち着いた席間隔のカウンターで、同席の方々もお互いに適度な距離感をもって各々寛いでいて、いい雰囲気です。

・牛肉、菜の花 あんかけ
一品目から斬新です。
生肉、しかも牛！
でも石かわさんの凄い所は斬新な見た目や食材の組合せでも、仕上がりは物凄くクラシックなところ。
創作系が苦手な私が食べても違和感や不安定感を全く感じません。
味もしっかり、くっきりしているけれど、甘さや酸味がバランスよくて、ピークが短くすっと引いていくので濃くも強くも感じません。

・河豚白子から揚げ、ふきのとうの天婦羅
これも焼き白子でなく唐揚げで一捻りあり。
白子はとろとろだし、蕗の薹もいい揚げ具合。
何がでてきても安心して食べられる安定感が素晴らしいです。

・お椀 わかめ、筍
甘く青くさく香ばしい筍、適度な食感と磯の香りがするわかめ。
はっきりした出汁だけどバランスよく美味しいです。

・ひらめ、雲丹。
極上ではないけれど安定して美味しいレベルです。

・煮鮑、煮凝り、肝ソース
柔らかい鮑で、煮凝りも味はしっかりだけどバランスが良く味のピークが短く綺麗で切れ味がよく美味しい。
肝ソースも塩が立たず、苦みとコクがくどくならない絶妙な塩梅で美味しかったです。

・唐墨 飯蒸し
唐墨が薄切りなので塩気がちょうどよく、香ばしさも立って良かった。

・太刀魚炭火焼き、玉ねぎ炭火焼き
脂ののった太刀魚で火入れもほろっとするいい具合、炭の香りもちょうどいい。
合わせた玉ねぎの炭火焼きも程よく食感が残り、甘くなり過ぎずいい。
ほんと、斬新だけど、味がクラシックな所が好き。

・ずわいがに、蛤 あんかけ
温かい蟹が嬉しい。
はっきりしつつ優しく生姜の香る餡が、蛤と蟹の複合旨みをよりしっかりと感じさせてくれる。
美味しいな。

・小鍋 のどぐろ、ねぎ、白菜、生木耳、小松菜
お鍋は今までとうって変わってドライな辛口の出汁。
後半だし、具材が脂のりのいいのどぐろだし、スッキリして美味しい。

・浅利&ふき&山椒のごはん、油あげとなめこの味噌汁、漬物
地味に味噌汁の油あげが美味しい。
漬物も塩が立たず美味しい。
ご飯も浅利の旨みと蕗の香りと食感、そしてやり過ぎない山椒感で美味しい。

・きなこスープ、苺、わらび餅、あんこ
優しい甘さとフルーツの酸味と色々な食感で好き。

はぁ、味も雰囲気もやっぱり落ち着くなぁ。
全てクラシックな味に落とし込んでくる所や、味のバランスが良く綺麗でピークが短い所、抜群の安定感がなんだかとても好きです。
遅い時間スタートがOKで2時間程度で食べ終わるのも、遅飯&サク食べ派の私には嬉しいです。
定期訪店させて頂きます。
次回は鮎の時期に伺います。
今日も大変ご馳走様でした！

2017/1 初訪

神楽坂は私が懐石を覚えた場所でした。
その頃は通っていた懐石とヘビロテのビストロに毎日のように来ていましたが、最近は銀座が多くなり久しぶりです。

姉妹店の虎白さんには伺った事がありますが、こちらは予定が合わずなかなか伺えませんでした。
今回ようやく21:30スタートで入れました。

どちらもよく行く親友からは、石かわさんの方が好きだと思うよ〜と。
創作系が苦手な私にも虎白さんは良かったので期待が高まります。

駐車場は神楽坂のメイン通りから1本入れば沢山あり、夜遅くは安いです。

今回は個室で頂きました。
ゆったり出来る広さがあり、無駄なく地に足がついた落ち着いた造りです。
装飾品や器も色々な作り手の物で楽しい。

ノンアルコールメニューはあまりなく烏龍茶で。

以下、お品書き。

・ずわい蟹、蟹みそ
生姜と酸味と甘みがちょうどいい、蟹の甘みもしっかりとありつつ上品です。

・揚げ甘鯛 唐墨
甘鯛の旨みが中にしっかり閉じ込められていて美味しいです。
唐墨は日本の唐墨らしく味も食感もさらっとしていました。

・すっぽん椀 椎茸、ネギ、三つ葉の千切り
(↑写真忘れ)
整えられたお出汁で椎茸やネギ、三つ葉の香りが加わり美味しく新鮮。

お造り
・紫うに、ヒラメ
うには甘くあっさり、ヒラメも白身の旨みがあり美味しい。
・鱈の白子
柚子、酸味、甘味のバランスが良い。
・鰆 表面炙り 薬味各種
これは鰆自体はそんなに良くなかったけど、薬味と合わせると薬味と魚の旨みがよくコラボしました。

・鴨ネギ 蓮根
鴨とねぎが一体となって焼かれていました。
新鮮。
蓮根もほくほくで甘く美味しい。

・伊勢海老とかぶらの炊き物 伊勢海老出汁餡 ←(今日1番好きだったメニュー)
伊勢海老の甘みと焼いた香りが最高。
塩加減もベスト。
そして伊勢海老を感じる出汁餡がとっても美味しい 。
透明で繊細な繊維感と甘みを持った蕪がまた伊勢海老餡とよく絡んで美味しい。

・のどぐろの小鍋 小松菜 玉ねぎ、椎茸
脂がのったのどぐろが美味しかった。

・白飯、鯛茶漬け、お漬け物
前日に竃炊きの白飯がスペシャリテなヘビロテ店に行っていたので辛口採点になりがちだけど、土鍋炊きの白飯では平均点以上と思う。
鯛茶漬けは濃ゆくてちょっと苦手。

・黒ごまアイス、ラム酒ゼリー、きな粉ソース
適度に甘くさっぱり頂けます。

味も内装も接客も空気のように作った感がなく自然体で心地よかった。
頑張ってますと、無理している感を味にも内装にも接客にも見せないレベルの高さ。
こういうの好きだな。

突出して印象に残る物はなかったけれど、どれも穏やかに確かに美味しく、所々に斬新さがありつつもインパクトが強くない分、毎日食べられるような飽きない味わい。
高コスパやリーズナブル感はないけれど、私はかなり好きでした。

味、内装、雰囲気、接客ともに三つ星に相応しいと思う数少ないお店です。

夜遅くスタート可なのも嬉しいな。
早速、3月の予約を入れて帰ります。
ご馳走様でした！