さらなる高みへ。 : 青華こばやし

お友だちに誘われて久しぶりに「青華こばやし」さんに伺ってきました。
以前は六本木のお店で「たった一人で」仕入、仕込み、調理、給仕、接客、会計、
etc.、etc.のすべての行程を担当されていましたが、この2月に荒木町に移転。
お店もだいぶ広くなり、お弟子さんも二人増えて、装いも新たにスタートされました。


お店は曙橋にほど近い荒木町のビルの1階にあります。
以前はお玄関で靴を脱いでお邪魔する一軒家スタイルのお店でしたが、
新しいお店は靴のままイン。。。
一枚板の大きなまな板が二枚分のカウンター席（6名分）とゴージャスなお座敷席が
眩しいお店です。


洒落たデザインの棚は、以前のお店にも置かれていたもの。。。
ふと上を見上げると、渋い網代天井が目に入ります。随所に小林さんのこだわりと
アイデアを活かしたお店なのだそうです。
お店に似つかわしく、小林さんのヘアスタイルも変わり、威風堂々の親方と
いった雰囲気です（笑）。
以前のお店に比べると、まな板とカウンターが広くなった分、小林さんとの距離が
少し遠くなったような（汗）。


まずは「とりビー」で乾杯です。
一品目は「トウモロコシの真丈」。
優しい甘さが広がる極上の一品です。
トウモロコシだけで他のものは一切使用していないというこだわりぶり。
美味しさに思わず顔がほころんでしまいます（笑）。


八寸。
ガラスの器に入っているのは「はもの卵」です。
かますの塩焼き、蛸、アワビもとても繊細なお味。
ここから日本酒（たしか船中八策純米超辛口だったかと記憶）に移行します。


「金時草」。
此方では「器」も非常に高価な品をお使いなのですが、
このゴージャスさ加減をご覧ください。
お料理が載った姿はまるで「一枚の絵」を見ているようです。
お皿もずっしりと重たいです。


「渡り蟹」。
内子と共にいただきます。内子が充実しているのは初夏のこの時期とのこと。。。
いやはや美味しいですねぇ。。。


籠に入って登場した「鮎」が食べられてしまうのがイヤなのか、
すごい勢いで飛び跳ねます（驚）。
一番アクティブだった鮎くんは、なんと座っている私のすぐ近くまで跳ねてきました（笑）。
が、小林さんの「必殺デコピン」（爆）の威力なのか、途中でおとなしくなりました（笑）。
あっという間に、このような串刺しに（涙）。。。


「茶筅水」が施された輪島塗りのお椀。
これは漆器に清涼感をもたせるための演出であり、またお椀に蓋をしてから
誰も触っていないことの証しでもあるそうです。


「鱧と蓴菜のお椀」。
鱧の大きいことっ（驚）。澄みきったお出汁の美味しさは此方の真骨頂の一つ。
毎回、訪れる度に感動してしまいます。フルフルの鱧と蓴菜のハーモニーに大満足！！


「あらのお造り」。
プリプリに身が締まった「あら」は少し甘みがあるのが特徴でしょうか。
脂がのっているのに、さらっといただくことができます。
スズキ科のお魚なのだそうです。


このガラスの器も見事です。そしてさらに見事な茗荷と分葱のカットの芸術！！
中から顔を出したのは「いさき」。ポン酢系のお出汁に浸かっているので、
たっぷりの茗荷・分葱と共にダイナミックにいただきます。
いさきも美味しくて、「涼を感じさせる」爽やかな味わい。。。
初夏にふさわしい一皿です。


先ほど跳ね回っていた「鮎」が焼き上がってきました。
まな板の上で泳いでいるようです（笑）。琵琶湖の鮎とのことです。
敷かれている「蓼の葉」と一緒にいただくと、さらに美味しさがバージョンアップ
します。頭からガブッといってしまいましょう。
この時期ならではの少し苦味のある美味しさが弾けます。


「冬瓜」の焚き物。
繊細なお出汁の風味と相まって、「涼」を感じさせる柔らかなお味。。。
高価な器でいただくと美味しさがさらにアップしますねぇ。。。


「太刀魚の酒蒸し」。
ホコホコに柔らかくて上品系のテイスト。「太刀魚ってこんなだったけかなぁ？」と
一瞬、思うのですが、美味しさにかき消されます（笑）。
そしてまた、上品系のお出汁ととてもよく合うのです。


「太刀魚のお出汁の卵雑炊」。
先ほどのお出汁に卵をフンワリと書き入れてお雑炊に。。。
美味しくない訳がありませんよね。あまりの美味しさにお代わりしたいほどでした（笑）。


水菓子は「桃とサクランボ」。
佐藤錦と桃の産地は・・・すみません、聞きそびれました（笑）。


移転してからは初めての訪問となりましたが、お料理の内容・クオリティ共に、
さらに高みを追求されているように思います。より一層、昇華されているというのかしらん。。。
お値段は新店舗と人件費の分が少しアップされたようで、お支払いは以前に比べると
少しお高くなりました。が、この内容であれば、満足度は高いと思います。
惜しむらくは、せっかくお弟子さんが増えたのに、まだ少し遠慮されているように
見えたことでしょうか。ずっとお一人ですべてをこなされてきたので、
そのクセがまだ抜けてないから仕方ないのですが、少々、ぎこちない感じも・・・。
まぁ、それが小林さんの良いところでもある訳ですが。。。
お弟子さん方にも頑張って小林さんの味とワザを少しでも学んで、盗んでいって
もらいたいと思います。
六本木から荒木町に移転されて、少しはアクセスしやすくなったようで嬉しいです。


ちなみに店名に冠した「青華」とは、敬愛される陶芸家の須田菁華氏に
由来するものとのことです。
そんなにあちこちのお店に伺っている訳ではありませんが、此方の見事な器類は
必見に値すると思います。また伺わせていただきたいと思います。
ごちそうさまでした☆


※前回訪問時の記事と写真は此方（http://tabelog.com/rvwr/morikoro/rvwdtl/5566751/）で　
ご紹介しています。


●青華こばやし
東京都新宿区荒木町10-17 101
03-6380-0978
12:00～21:30
※昼、夜とも要予約
不定休
https://pocket-concierge.jp/restaurants/243649?locale=ja