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店名 |
トゥエンティグランド(TWENTY GRAND)
|
---|---|
ジャンル | バー |
予約・ お問い合わせ |
03-5834-2022 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅4番口 徒歩3分 四谷三丁目駅から129m |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
|
支払い方法 |
カード可 (AMEX、JCB) 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
---|---|
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり、ソファー席あり |
ドリンク | ワインあり、カクテルあり、カクテルにこだわる |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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彼女を待っていた。
「土曜日の九時。あの時行ったバーで」
そう留守電に残して。
「彼女が帰ってきた」
共通の友人に聞いた翌日だった。
三年前、夢を追い掛けて海を渡った恋人だった。
僕は過去に縋って。
あの日、彼女は涙ながらに叫んだ。
「本当に好きなら証明してよ」
空港のロビー。ざわめくギャラリー。
ボクはしたかった。
彼女の手をひいて。住み慣れた街へ無理やり連れ戻し。終わらない愛を囁こうと・・
でも、できなかった。
まだ、若かった。
永遠、それは鉛の鎖のようで怖かった・・
「彼女と待ち合わせですか?」
マスターはボクの事を覚えていてくれた。
彼女と出会ってすぐの頃。たまたま入ったバーだった。スヌープ・ドッグとアイズレー。アリシアの歌声で。
何杯もグラスを重ねて。視線が交錯して。ふっと、かわされて。
俯いた瞬間、肩が触れて・・
そして、恋が始まった。
気づけば日曜日のホテルで。
カーテンの外では太陽が頭を覗かせて。
二人で、シーツにくるまって。
秘密の花園、こどものようにはしゃいで。
そういえば彼女はいつもボクを待たせてたな・・
九時半を指す時計の針。
くたびれたスーツがうなだれてカウンターに肘をつく。
「オレも少しは大人になったんだぜ・・」
ボクはぼんやり昔を思い出しながら待ちぼうけ。
マスターのオススメをひたすら傾け。
CDやLPが所狭しと並ぶカウンターの向こうでマスターは何も言わない。
キチンと締めたストライプのタイ。
シェイカーはエンターテインメントではない。
TLCとブランディー。
BGMと相まって、夏の終わりのビーチのようなシンフォニー。
間接照明の薄明かりはこの夜を特別な時間に変えてくれる。
ボクは少し酔いがまわって。
淡い期待に胸を焦がして。
そして、アリシアの歌声が響く。
愛が欲しいと思う人もいる・・
名誉が欲しいと思う人もいる・・
全てを欲しいと思う人もいる・・
夜の二時前。
夜の最深部。不意に店が跳ねた。
ライトがアップに変わった。ボクしかいないカウンター。丁寧に頭を下げるマスター。
結局、彼女は来なかった。
「おやすみなさい」
ボクはマスターにそう告げて階段を下りた。
急階段を下ると四谷の裏路地。
終電なんかとっくに終わってる。タクシー乗り場は賑やかなひとだかり。
煩わしい喧騒を避けた暗がり。
虚ろな夜の闇がボクの前に広り。
どこへ進めばいいのかわからない。
ボクは縋るように、空を見上げた。
暴力的に雲が覆う、星は暗がりに潜んで見えなかった。
ボニー&クライド、不意にはめたイヤホンからBGMが流れた。
ぼんやり浮かんだ、雲間に佇む月がボクにあてのない旅路の始まりを告げた。
「もう、月へお還りなさい・・」
後ろへ長く伸びる自分の影に飲み込まれたボクは、心のどこかで彼女の声を聞いた。