砕け系麻婆豆腐 : 峨嵋山

季節の変わり目。体も頭も調子っぱずれ。寝つきも寝起きもよくなくて、ボーッとしちゃう。
体もちょっと重たくて、こういうときには体がびっくりするような元気がでるものを食べなくちゃ！
熱くて辛い料理で気合いを入れようと「峨眉山」にくる。
目当ては麻婆豆腐でございます。
ここの名物と言ってもいいほどに人気があって４人座れる円形テーブルに既に３人座ってて、うち２名が麻婆豆腐。のこり一人は五目焼きそば。
あぁ…、五目焼きそばもおいしいんだよなぁって思って気持ちが少々ゆらぐも初志貫徹で麻婆豆腐を選んでたのむ。
普通・中辛・激辛・超激辛と４段階の辛さが用意されている。
「辛口」という選択肢があれば必ずそれなんだろうけど、無いから中辛、激辛のどちらかでいつも迷う。
辛い料理が苦手だったタナカくんはいつも中辛。それでも十分辛いのだけどやはりどこか物足りない。
今日は激辛。お腹に汗をかくつもり。

特徴のある麻婆豆腐。
豆腐がすっかり壊れてしまって挽肉や味噌と渾然一体。
油の海の中に浮かんでいるようで、食べる前から汗が出る。
家で麻婆豆腐を作るとき、いかに豆腐を崩さないよう…、と湯通ししたりそーっと混ぜたりといろいろ工夫をしてたのに、ここの麻婆豆腐をみたらそんな心配なんてしなくていいんだって目から鱗がとれたんですよね。
だって結局ソースと一緒に食べるんだから。
そーっと作るよりガンガン混ぜて勢いつけて作ったほうがおいしくなるのが面白くって、それからうちの麻婆豆腐も砕け系。
とろとろのソースにフルフルの壊れた豆腐が混じって食感なめらかで、そこにホツホツ、豚ひき肉の塊が食感にぎわす。豚ひき肉は固めて油にしずめて加熱して、そっとバラしてソースと混ぜる。だから小さな肉団子みたいな存在感と食べ心地。

麻婆豆腐の豆腐は壊す。豚ひき肉はなるべく塊を残してやる…、っていうのがおいしい麻婆豆腐の作るコツってここで学んだ。オキニイリ。
ビリビリ辛い。舌に辛くてしかもお腹の中でも燃えて芯から汗をかく。けれど痺れがあまりないんですよネ…、だからとても食べやすい。食べてるうちに辛さには慣れていくけど痺れはなれずずっと痺れたままになる。
でもネ…、痺れも麻婆豆腐の味のうち。別に用意されてる山椒の粉をパラッとふってハフッと一口。ほんの少しで舌は痺れて、口に含んだ水があまくてトロンと感じる。おいしい魔法…、ってニッコリします。
干し大根の醤油漬けがいつもここでのオキニイリ。
今日の小鉢は蓮根とにんじんの含め煮でご家庭風の味に舌もホッとする。干貝柱の風味がおいしいスープを飲んで、ちょっと元気になりました。

雨がポツポツ降ってきて気温も上がらず冬の空。
ちょっと気持ちがさみしくなった。こういうときにはタナカくんと一緒によくきたお店でランチという荒療治がよかろうと、中国料理の「峨眉山」にくる。
尾張屋のカレー南蛮日和ではあったのだけど土曜はお休み。それで峨眉山。
毎週変わる一品料理の定食と五目あんかけ焼きそばをたのんで分ける。腹ペコのときは麻婆豆腐を追加して、それでも２８５０円ってうれしい値段の店だった。
ひさしぶりに来たらメニュー構成は変わらず５０円だけ値上げになって１０００円ちょうど。それでも安い。
昨日、麻婆豆腐を食べたから今日は五目あんかけ焼きそば、ミニチャーハン付きをお願いしました。お店はにぎやか。いつものマダムは最近ずっといらっしゃらずお店の中はわかわかしい。

ここの焼きそばが大好きでねぇ。
醤油味のぽってりとしたあんがおいしいい。
麺は極細。
蒸してそれを多めの油で揚げ焼きしていく。
油にしっかり触れたところはバリッと揚がったように仕上がっていて、それ以外の部分はしっとり。
揚げ焼きそばと炒め焼きそばの両方を一度に楽しむことができるのが好きだった。
麺の細さのおかげで餡の絡みもよくて、まるで醤油の餡が糸状になって口の中へとやってくる…、そんな感じがオゴチソウ。しかもその餡がクシュクシュだったりポッテリだったり、あるいはバリバリだったり麺の状態で様相変えるところもたのしい。
具材もたっぷり。ふっくらとした鶏むね肉に脂の乗った豚バラ肉。衣をつけて天ぷらにした白身魚に花形に包丁入れたイカの切り身に丸まるエビ。

青梗菜にネギにたけのこ、キクラゲと種類だけでなく食感豊富で食べ飽きない。
そう言えばここの具材にはシイタケだとかシメジ、あるいは袋茸と中国料理屋さんの炒め物の定番キノコが入っていない。キノコ類でタナカくんが食べられたのはエノキとキクラゲ。だからここの料理が好きだったのかなぁ…、って思ってなつかしむ。
お酢をたっぷり垂らして食べる。あんかけの油や醤油の風味に甘味がくわわって後味スッキリ。中国醤油で仕上げたパラパラ炒飯でお腹いっぱい。オゴチソウ。

うだるように暑い日曜。
朝目がさめて部屋の空気を入れ替えようと窓を開けたらもう暑い。
数日前までは気持ち良い風が入ってきてくれたのに、すっかり夏の暑さにクーラーつけて暑さをしのいだ。
昼ごはんをどうしようかと思案して今日みたいな日には辛いもので体にガツンと気合を入れよう。そう思って「峨眉山」にくる。
四川料理の専門店。この界隈は言うに及ばず東京の四川料理店の中でも老舗のひとつ。四谷三丁目の交差点から北に向かって降りていくなだらかな坂の途中にあるお店。
麻婆豆腐がおいしくて、それを食べようと来たのだけれどメニューをみるとやっぱり迷う。ふたりでくると麻婆豆腐に定食一つ。あんかけ焼きそばをたのんで分けて食べていた。だからすんなり注文はいつも決まっていたのだけれどひとりとなると考える。

気になったのが麻婆たんめん。
これなら麻婆豆腐とスープ麺とふたつの料理を食べてる気持ちになれるから…、とたのむことにした。
ここの麻婆豆腐は粗挽きのひき肉たっぷり。
豆腐はくだけて多めの片栗粉でぽってりとさせたスタイル。
熱々の醤油風味のスープと麺をすっかり覆って仕上がっていて、麺にしっかりからんで口へとやってくる。
ここの麺は細いけれどもハリのあるザクザク歯切れるストレート麺。だから麻婆豆腐との一体感もあってもしかしたらご飯よりも麺の方が相性がいいかもしれない…、なんて思うほどオキニイリ。
麻婆豆腐はかなり辛い。どっしりとした重たい辛みでそれに山椒のしびれが混じってカーッとお腹を熱くする。食べてるうちにどんどん汗がにじみだしてきて頭ぐっしょり。

氷をぎっしり詰めて水を冷やしたポットが置かれているのがありがたく、お水を飲むとしびれた舌のおかげで甘くとろんと感じるところがオモシロイ。
お酢を注ぐとしびれがちょっとおだやかになり、酸味が甘みを引き出す感じがまたオゴチソウ。
程よい量の麺はあっという間になくなっちゃってあとはひたすら麻婆豆腐をれんげですくう。スープと一緒に食べるとピリ辛の豆腐のスープを食べてるようで、麺に麻婆豆腐、スープと結局３つの料理を食べたことになってニッコリ。杏仁豆腐で口のほてりをおさめて表に出たら、ちょっと涼しく感じます。

土曜日の峨眉山。よくきたお店。
この街の中核をなす荒木町にはおいしい店がたくさんあるけど、夜しか営業しない店が多かったりする。
それになぜだか土曜に休みをとる店が多くて、土曜の昼をどうしようかと悩むことが多かった。
なにしろ尾張屋さんも定休日。
それで重宝したのがこの店で、テクリテクリと歩いて来ていた。通りを挟んだ反対側から全景の写真を撮ろうとパシャリとしたら、かなりの坂道、下り坂。歩いていると意識しないのになぁ…、って思った。
ビルの２階で、いつも窓際の４人テーブルをもらってた。
一人で来ると大きな円卓。かつては６、７人も座れたところに今は３人。ゆったり座って、ボクらが座っていたテーブルを遠くに見ながら食事をします。

ここではひとり一つづつ料理をとって、五目焼きそばを二人で分けてた。
ひとりで来るとそんなたのしいことはできないで、それでまずはここ一番人気の麻婆豆腐の定食ひとつ。
ご飯半分でネ…、ってお願いをして五目焼きそばも食べたいんだけどって言ったら麺を少なめにしましょうかって。
ありがたいかな…、お願いしました。

ここの麻婆豆腐は豆腐が壊れてひき肉、ソースと一体化した姿が独特。れんげですくってスルンスルンとまるで飲むようにして味わえる。ただ辛さが４段階、普通、中辛、激辛、超激辛とあってスタートが普通であって甘口じゃないというのがなんだか正直（笑）。いつも激辛を選んでたのむ。

さすがに激辛にするとかなり辛い。
ただ中辛だと物足りなくて、普通に辛口っていうのがあればいいのにねっていつも言ってた。
ただ痺れはそれほど強くなく、別に花山椒のパウダーがアルミの缶で添えられる。
ほんのちょっとでもパラリとやると口の中に空洞ができてしまうような痺れを感じて大変なことになるから使わず、ひたすら辛さだけを味わう。
豆腐が含んだ熱はなかなか冷めずずっと熱々で、熱いホットと辛いホットが口だけじゃなく体全体を熱くする。
サイドの小鉢がいつも中華風じゃなくて和惣菜というのがホッとさせてくれ今日はほうれん草の胡麻和えでした。スープは白菜をトロトロになるまで煮込んだスープで、干し貝柱のうま味と風味がとても上等。
必ずついてる大根の醤油漬けがカリカリシャクシャクみずみずしくてよき箸休め。オキニイリ。

焼きそばはポッテリとした餡が甘くてなんとも旨い。小松菜、ニンジン、くわいに木耳。エビに豚バラ、鶏むね肉に白身魚にイカと五目どころか１０目以上。極細の麺を蒸して中華鍋でサクサクするまで揚げた麺にからんでどんどんとろけていくのがたまらない。
この麺を拝借して麻婆豆腐にからめて食べると、麻婆豆腐の辛味がなんだか穏やかになり食べやすい上おいしいところが面白く、麻婆豆腐についてくるご飯の上に五目焼きそばのあんをのっけて食べるのもいい。２つの料理で４種類もの食べ方ができるところがオキニイリ。
杏仁豆腐が五目焼きそばについてくるんだけど、いつもタナカくんが食べていた。今日ははじめて食べてみる。そしたら缶詰のフルーツカクテルのシロップの味。すべすべとした豆腐の食感もなつかしく、気持ちがなんだかあったまる。

四谷三丁目まで歩いて帰って昼ご飯。
四川料理の峨眉山に来る。
ひさしぶりのお店です。しかもおそらく１人でくるのはほぼ初めて何じゃないかなぁ…。
タナカくんが昔、腎不全で入院したとき一度だけ。あるいは２度ほど１人で来た。けれどそれ以外は２人で昼にやってきて、ランチの料理を３つたのんで分けていた。
社交的で凛々しいおかあさんが、ボクらの食べっぷりがよくてしかもおいしそうに食べてくれて気持ちいいからっていつもゆったりとした上席を用意してくれたりしてた。
今日はひとりで大きな円卓。他のおひとり様と相席たのしむ昼とする。
ここの名物と言えば麻婆豆腐。豆腐が細かく砕けて豚ひき肉と混ざりあった姿が独特。その定食と五目焼きそばを一緒にたのんで麺だけとりだし、麻婆豆腐とからめて食べる…、という食べ方が好きだった。

今日はなんと五目焼きそばの代わりに麻婆焼きそばがあった。
それにする。
ぽってりとしたここ独特の麻婆豆腐が器を覆う。
香りは食べる前から辛くてしかも山椒の香りが力強い。
麺は極細。こんがり焼かれ、ところどころが焦げてパリパリ。麻婆豆腐と麺の絡みが絶妙で、ご飯と一緒に食べるよりも麻婆豆腐を食べているって感じが強い。
定食に小さなチャーハンがついてくる。カレー風味のチャーハンでそれに麻婆豆腐を乗せて食べるとそれはそれでおいしいんだけど、やっぱり麺にからめて食べる麻婆豆腐の味は格別。
スープ麺に麻婆豆腐をのっけた麻婆麺もおいしいけれど、スープで味を薄めぬこれは、麻婆豆腐を心置きなくたのしむ一番いい食べ方なのかもしれないなあ…。

ビリビリ辛くて花山椒のしびれるような感じもたのしい。しかも食べてるうちにお腹がどんどん暑くなり、体の底から汗をかいていく感じ。食べながら運動しているみたいな感じになっていくのがオモシロイ。
ところどころに麺がかたまり揚がったようになってるところがあって、それがおこげのように壊れてたのしい。舌が辛さで疲れてきたらお酢を注いで辛味をなだめる。お酢の旨味が不思議なほどに辛味をやさしくしてくれるのも面白くって、汗をかきかきあっという間にお腹に収まる。冷たい水をゴクッと飲んで、おごちそうさま。また来ます。

昼、友人が一緒に食事をしようと誘ってくれて峨眉山にくる。
雨が降っていた昨日とうってかわって、今日は気持ちの良い青い空。
ちょっと歩くと汗ばむような気温もまるで初夏のよう。
テクリテクリと歩いて到着。
人気の店です。今日もついてしばらくしたらほぼ満席。
早くもお客様がいれかわりはじめてお店はにぎやか。元気がでます。
今日の定食が３種類。定番の麻婆豆腐か、牛肉の炒め物、あるいはエビの卵とじ。定番以外の２種類を選んでたのむ。
ボクのたのんだ牛肉の炒めものがまずやってくる。トレーの上にメインの料理とご飯に汁。今日の汁は味噌汁仕立て。出汁だけ中華風の鶏ガラスープという変わり種。今日の惣菜に漬物ついてひと揃え。

粉を叩いて油通しして、それからサクッと炒めた牛肉。
ほどよき厚さとスープをグイグイ揉み込み味を入れてやわらか。
ふっくら仕上がる。
薄切りにしたエリンギにしめじにイカにブロッコリ。
イカかなぁ…と思って口に入れたらそれがエリンギだったり、あるいはそれの逆もあり食感さまざまでたのしいおいしさ。
ほとんどの食材はオイスターソースの味がからんで風味は同じ。ところがブロッコリだけは油通ししただけで、緑の風味とサクサク歯切れて散らかる感じがオモシロイ。
エビの卵とじにはチリソースをたっぷりかかってやってくる。プリプリのエビ。油をたっぷり含んでふっくら仕上がる卵。細かく刻んだネギがシャキシャキ、歯ざわりたのしいチリソース。ご飯をねだるオゴチソウ。

担々麺をたのんでふたりで分けました。
ここの担々麺はゴマの風味が控えめなサラサラタイプ。最近ではぽってりとした濃厚タイプの担々麺を出す店が多いけれども、こうしたスッキリした味わいの担々麺も乙なもの。
特にここの麺がおいしい。極細にしてストレート。にもかかわらずザクザクとした歯切れる食感と口に散らかる感じがおいしい。サラサラスープだからこそ、この麺のこの触感が生きるのでしょう。ご飯の上にチリソースをのっけてお供にバクバク食べた。
今日のおかずは大根おろしになめたけのっけた簡単料理。そのさっぱりとした味がむしろありがたい。定番の漬物、大根の醤油漬けは今日もカリカリおいしくて昼のお腹が満たされる。

昼に峨眉山。お店は静かでボクらを含めて３組ほど。
大きな窓から街を見下ろし、お店の人が「誰も歩いてないですもんね。こうやって来ていただけただけでもありがたい」って。
お店の人も一生懸命工夫をします。
この店もテイクアウトメニューを貼り出し、ちょっとでも売上を作ろうと試行錯誤。
ただそのテイクアウトも、外出自体が自粛されなきゃいけないものならチャンスをなくす。
さまざまな行動に対して答えが出せない状況がいつまでこうして続くんだろうと不安ばかりが増してくるのがひとつのストレス。そして今、世界中が同じ不安を感じてピリピリしている。

そう言えば、今世紀の世界は「国家の時代から企業の時代」と特徴づけて説明することがよくあった。国家は国境を越えられないけど、企業は国境を軽々と越え世界に広がる。
確かにそうで、けれど国境を軽々と越えるものは企業だけではなかった。ウイルスは企業なんかより容赦なくあっというまに世界に広がる。今ほど世界がひとつの気持ちを共感しているときはなかったのかもと思いさえする。なやましい。

ここの人気の麻婆豆腐の定食をたのむ。
辛さが４通り。甘口、中辛、大辛、激辛とあっていつもは大辛をたのむ。けれど最近、辛味よりも旨味を求める気持ちが強くってそれで中辛。豆腐が細かく崩れて仕上がる独特の姿はそのまま。けれど赤味がちょっと薄くて香りもマイルド。

友人は今週のランチ料理の中からひとつ。
牛肉とニラの細切り炒めの定食にする。
もやしもたっぷり。
レバニラ炒めのレバーを牛肉の細切りに変えたような仕上がりで、シャキシャキとしたもやしの食感がとても爽やか。
牛肉の歯ごたえ、ニラの風味がバラスよくて軽い酸味が味をキリッと引きしめる。
もう一種類、五目焼きそばをたのんで分ける。
ここにくると必ず食べたくなるオキニイリ。極細の麺の上にたっぷり五目あんかけ。香りがまるでフカヒレ煮込みのようなおいしさ。ぽってりしていてオイスターソースの香りが濃密。イカに白身の魚に鶏肉。野菜もたっぷり、具だくさん。

焼きそばの麺は油でこんがり焼かれてる。
基本的には蒸した麺のスベスベとした食感で、ところどころに焼かれてついた焦げがパリパリ、壊れる感じがオモシロイ。
麻婆豆腐の中辛はほどよい辛さ。
お腹がじんわり汗かく程度で、体が汗ばむことはない。ふるふるの豆腐にホツホツ豚ひき肉が混じって食感ととのえて、旨味がじんわりご飯をねだるオゴチソウ。
小鉢はいつも中華料理ではない惣菜料理。
今日は竹輪と切り干し大根の煮物でこれがやさしいおいしさ。大根の醤油漬けもいつもの通り。焼きそばについてくる杏仁豆腐をスルスル食べて、お腹が満ちる。さぁ、帰る。

昼、近所でご飯。中国料理の峨眉山にくる。
朝から寒い。天気予報ではまもなく雪になるかもしれないという、たしかにそんな予感の暗い空。
てくてく歩いてお店に到着。一応１１時半開店ということなのだけど、１１時くらいからお店は開いてる。ボクらがついたとのが１１時５分ほど。もう先客がひと組あって、それから続々ご来店。
１１時半ちょっと前にはもう満席になっていました。ニギヤカな昼。
何をたのもうか、今日はかなり悩みました。
麻婆豆腐がおいしいというので有名な店。いつものように麻婆豆腐の定食はある。けれど麻婆豆腐あんかけ焼きそばとか、麻婆豆腐汁そばまで用意されてて、さてどうするかと思案した。ただここの五目あんかけ焼きそばはおいしい。この上もないオキニイリ。それをたのんで、しかも汁そばとなると麺がかぶってしまう。それで麻婆豆腐定食にした。

もう一種類、定食商品の中から青椒肉絲の定食もらう。
５０を過ぎてからピーマンという野菜が好きで好きでしょうがなくなった。
子供の頃は嫌いだったし、若い頃にはどうでもよかった。
けれど今ではたまにどうにも食べたくってしょうがなくなる野菜になった。
緑の香り。
シャキシャキとした歯ざわりに軽い渋みに豊かな甘み。特に中華鍋でシャキッと炒めた中国料理的ピーマンは炒める前のみずみずしさを失うことなく、甘みだけが引き出されひと噛みごとに口が潤う感じがおいしい。
オキニイリの五目あんかけ焼きそばは極細の麺の上にたっぷりの餡。鶏肉、白身魚の切り身にたけのこ、きくらげ、小松菜、ニンジンと具材たっぷり。なにより蒸して油でこんがり焦がしながら焼き上げた麺のパリパリした食感が餡のとろけを引き立ておいしい。

豆腐が細かく砕かれ潰れたっぷりの挽肉にほぼ完全に混ざり込んでソースの一部のようになっているのが独特の麻婆豆腐。いつもは激辛をお願いするんだけど、今日はちょっと穏やか目。激辛のひとつ手前の中辛を選んでたのんだ。
見た目のあかさはそのままで食べるとう旨味や味を冷静にたのしめる程度のほどよい辛さ。それでも食べてるうちにお腹があったまり、体の血流が良くなるようで十分おいしい。焼きそばの五目餡をご飯にのっけてトゥルンと食べる。醤油の風味にスープの旨味。ご飯の粒がスベスベコロコロ、舌の上を転がる感じが面白い。今日の惣菜は春雨のタラコ和え。干し大根の醤油漬けもカリカリおいしく、満ち足りる。