大陸系大衆中華らしくリーズナブルで提供スピードも速い！ : 食香閣

私が食べログに取り組むにあたって心掛けていることは、食べログ活動をテコにして、できる限り色々と見聞を広めたいということ。
横浜・戸塚に住んでいた時は、居住エリアを中心とした新規開拓に熱心だった時期もありましたが、そうするとどうしても視野が狭くなりがち。
よって、東京に引っ越してからこの傾向をより強めるようになりました。

必然的に活動エリアについても、これまで行ったことの無いエリアの開拓を中心に据えて、なるべく多くのエリアを冒険することを心がけながら活動しています。

その意味では、先般の機能改修で、エリア深耕者のランキング表示を強調するなどの形でエリアランキングが見直された食べログの方向性とは逆行しているのかもしれません。

この日もそんなことを念頭に置きながら、これまで足を踏み入れたことのなかった新宿区の荒木町エリアにやって来ました。
荒木町は、江戸時代には美濃国高須藩主・松平摂津守義行の屋敷があったところで、荒木町北辺に接している津の守坂通り（つのかみざかどおり）も、「摂津守」が由来となっています。

明治時代には荒木町一帯は東京近郊でも名の知られた景勝地（松平摂津守の上屋敷の滝のある庭園を称して、「お江戸の箱根」と言う人もいたくらい。）となり、料理屋が軒を連ね芸者らが行き交う風情ある花街となりました。
町域内には今でも車力門通りや杉大門通りの通り沿いや路地裏などに各種飲食店が散見され、かつての花街の風情を残した部分を見ることができます。
現在もなお昭和30年代の雰囲気を色濃く残した町として人気のあるエリアです。

この日は、住まいのある武蔵小山から直結の地下鉄南北線四ツ谷駅で下車して、そこから荒木町まで徒歩でアプローチする方法を採りました。四ツ谷駅から、概ね新宿通り沿いに歩きます。

ランチをどこでとるかについては凡その見当をつけてはいましたが、是が非でもここという決め手までは無く、数店リストアップしておいて着いてから決めればいいやと考えていました。

それで新宿通りを歩いていたところ、荒木町エリアの手前で当店の看板を見かけます。
歩道に出されている看板を見ると、私の好きな刀削麺がランチメニューとして打ち出されています。
この日は特に刀削麺を意識していたわけではないのですが、メニュー看板を見て気持ちが大きく揺らぎます。
目指していたお店群の予算よりも当店の方が基本的に低めであったこともあり、ターゲットは、急遽当店に切り替わりました。

お店は地下にあるので、階段を降りてアプローチします。
突き当たって左手がお店の入口になっていました。
入店したのは11時20分頃でしたが、11時から営業しているお店ということもあって先客が3名ほどおり、既に食事をとっていました。

店内はテーブル席が雑多に並べられており、あまり清潔感はありません。
席数は41席で、それとは別に半個室のような仕切りのあるスペースがあって、そこには8人用テーブルがセットされています。
なので、約50席のキャパということになります。
全面喫煙可になっているようで、食後の一服をしている人もいました。

私は、一番奥のテーブル席に座りました。
卓上には裏表のランチ定番メニューが置かれています。
オモテ面が定食系で、ウラ面にお目当ての刀削麺のメニューがありました。
価格帯は、定食系が650円〜680円、刀削麺が750円〜780円となかなかリーズナブルです。
この他に、ボードに掲示されたおすすめランチが6種類(500円〜750円)、数限定ランチメニューが2種類(540円、800円)あります。

注文は、定番メニューの方から特製刀削麺のセット@750円をチョイスしました。
セットとは、刀削麺の単品にザーサイと杏仁豆腐が付きます。

待つこと3〜4分ほどと大陸系大衆中華らしいスピーディーさで刀削麺セットが提供されました。
特製刀削麺の「特製」は、表面に乗った芙蓉蛋（中華風オムレツ）のことでしょう。
芙蓉蛋と言っても具はネギとニラくらいですが、これが麺の表面を覆っています。
その他、ニラ、もやし、ニンジン、水菜、玉ねぎ、焦がしネギと野菜が比較的たっぷり入っており、スープは麻辣風でありながら黒胡麻の風味も効いています。
麺は、細かくちぎれておらず長めで、あの肩に乗せて削り飛ばして鍋に投入する刀削麺では無いと思われます。
それでも、麺の味自体には刀削麺らしさがありました。
これまで食べたことの無いタイプの刀削麺でしたが、なかなか美味しかったです。

セットの付属品であるザーサイもピリ辛で美味しく、杏仁豆腐もミルキーでＡ～Ｃランクに分けるとＢランクくらいのレベルにはありました。
コーヒーサービスもありましたし、このセットが750円ならば満足度は高いです。

私の在店中もほぼ全て男性一人客でしたが、次から次へと新規さんが入店してきて、予想以上に店内は賑わっていました。
ただ、賑わいのかたわら喫煙者も多く、店内に煙がかなり広がっていたのは残念でした。
気軽に入れて安くてボリューミーなランチを楽しめるお店ですので、やはり男性客がメインターゲットなのでしょうね。
この日の成り行きで選んだお店にしてはなかなかのヒットだったと思います。