衣替えしたら、イタリアン？？ : トランジット

少し異形のラーメン『SORANOIRO』麹町店の並びに位置する、フレンチ・ビストロ「Table Sugamata Par Transit」の閉店後に姿を現したイタリア料理『Transit』を訪れました。　４月９日オープンですから、ほぼ１週間が経過して落ち着きを取り戻したタイミングでしょうか？


麹町、平河町エリアにおいて、ランチタイムにパスタを供するレストランは多いですが、純粋なイタリアン・レストランと言える店舗はさほど多くはありません。　別格の存在と言える、エリオ・ロカンダ・イタリアーナ（Elio Locanda Italiana）を除けば数えるほどしかありません。

エノテカ・ドォーロ （Enoteca D'oro）、ロタ・フォルトゥーナ（Rota Fortunae）、イル ルオーゴ（il luogo）、そして、３月末でクローズしたビアンカーネ（Biancane）、これら４店舗が基準になります、私の指標の中では。

１２時４０分頃店に到着しましたが、丁度入れ替わりのタイミングとあって、客は私一人だけの貸切り状態になりました。　パスタランチは都合４種類で、サラダ、フォカッチャ、パスタ、カフェのセットで１３００円になります。　先ほど店名を挙げたイタリアンが、カフェ付きで１０００円から１２００円と言う価格設定を考えると若干強気な値段と言えます。

パスタは週替わりのようで、FACEBOOKにきちんとアップされています。　４／１５から１９までは以下の５種類です。SNSで確認できるのは評価できますね。
　　A．アサリと長ネギのペペロンチーノ
　　B．チキンと新玉ねぎのクリームソース
　　C．自家製サルシッチャと甘玉キャベツのアラビアータ
　　D．ベーコンとアスパラガスのバター醤油
　　E．和牛とポルチーニのボロネーゼ（プラス200円）

テーブル席は４人掛けｘ４、２人掛けｘ１、カウンター席は５席（ウェブでは４席）で、あまりスペース的には余裕はありません。　カウンター席の一番奥に座りました。
キッチンには３名、フロアが２名で切り盛りしています。

初めてでしたので、シンプルではあるが故に技量が如実に表れる“ペペロンチーノ”をオーダーしました。クリームやトマトベースはごまかしは効くので。
一つ、疑問に思ったのは”バター醤油”があることです。　「和風があっていけないのか？」と言われれば、ダメとは返答しませんが、オリジナリティーはあってもいいでしょうけれど・・・。

また、サルシッチャは保存が効くため、メインの食材に使うものではなく、助っ人的に使う食材だと思います。　上に挙げた店舗でも、ピンチヒッターとして登場して来ると、予定していた食材を切らしてしまい、代替品と使っていると理解しています。　貝の小柱とかもそうですね。

私の後には、男性２人組み、女性１人、グループ客４名と入店はありましたが、１３時過ぎでこの入りは今後に不安を残すのではないかと心配になりました。
ウォーター・サーバーが各テーブルに置かれているのは、省力化しようとしているのでしょうね。　

オーダーしてすぐにガラスの器に入ったサラダと、余りにも小振りのフォカッチャが供されました。　店の”ウリ”になっている、旬の三浦野菜が味わえるイタリアンのキャッチ・フレーズ通りのサラダは交換が持てますね、ただかなり端材が目立ちました。　野菜を整形した際に出た”クズ”ぬ部分が結構入っていました。　”ウリ”と云うならば、もう少しヴォリューミーであって欲しいですが、それはディナーでお出ししていますと言う事でしょうね。

厨房からは、アーリオオーリオの食欲をそそる匂いがしてきました。　７分弱でパスタが供されました。　どうやらパスタは乾麺ではなく、生パスタを使っているようです。　ただ、肝心の味は相当に薄味であり、彩りに添えられた唐辛子の赤味ほどスパイシーさはなく、致命的なのは塩気があまりにもなくて、オリーヴオイルとニンニクの味が勝っていることです。
パスタの皿は、プレート（平皿）で深みのあるパスタ皿ではないため、ソースも十分な量ではありません。アサリは、コスパを考慮して”剥き身”のものを使用していますね。　ですから、生のアサリに比べると、その滋味が全く感じられませんでした。

塩加減の調整は簡単なようで、一番難しいわけで、他のレストランでも同じ事は起こりがちです。手際と味の加減とは両立させるのが難しいと言わざるを得ません。

それにしても、一口大のフォカッチャ、加熱しているのでかなり固めに感じられました（自家製なんでしょうか？）が、残ったスープを味わうには少々固すぎるのではないでしょうか？？

食後のカフェはコーヒーか紅茶で、コーヒーをお願いしました。コーヒーも薄味でしたね、イタリアン・ローストの豆ではないようです・・・。　一つ是非とも改善して欲しいのは、添えられるミルクが、コーヒー・フレッシュであることです。　このポーション・ミルクを使う店は限りなく多いですよね、セブンカフェだってそうですけど。　原料はサラダ油（植物性）であり、長期常温保存できる点が重宝されているんでしょうが、効率だけを追わないで欲しいものです。
おそらく、ランチタイム限定だとは思いますが、この部分だけで大幅減点でしょうね。

ディナータイムに利用しないと真の評価はできませんが、ランチタイムで１３００円と言う価格、そしてこの内容だと次回ランチに訪れることはないと思います。

最後に”Transit”とは言っても、パンケーキの『bills』などの有名な飲食店を運営する”Transit General Office Inc.”と関連はないようですね。