スパニッシュの大胆で自由な世界観と和が融合した絶品コースは、素晴らしく、驚きの連続!! : レストラン サンパウ

レストランサンパウは、スペイン、カタルーニャ地方のミシュラン三ツ星女性シェフがプロデュースする、レストランサンパウの東京店。ミシュラン２つ星に輝くスペイン料理店です。
長く、日本橋に店を構えていたのですが、今春に永田町に移転しリニューアルオープンしたと雑誌に掲載されていて、お誕生日プレゼントを兼ねて、ちょっと奮発し、食事を楽しんで来ました。

パエリアやペスカトーレのような伝統的なスペイン料理ではなく、モダンスパニッシュで、あっと驚く素材の組み合わせや、発想のお料理で、今までに出会ったことのない食の表現を堪能しました。
目で、舌で、そして香りで楽しむフルコース。
シェフの自由な発想に驚きの連続でした。

レストランサンパウは、東京メトロ永田町出口からすぐのザキタノホテル東京２階にあります。
ミシュランに輝くレストランなので、勝手に豪華絢爛なイメージをしていましたが、
店内は、モダンで落ち着きのある雰囲気。少し緊張して向かったのですが、肩肘張らず、ゆっくりと食事が楽しめました。

メニューは３か月ごとにテーマを変え、現在は、「THE TREES OF LIFE」をテーマに、木の豊かな恵みを感じることが出来るコース仕立てになっています。
その世界観を存分に楽しんでみたかったので、今日は、お薦めという１２品のデグスタシオンのコースにしました。
コースは７品のカジュアルなものもあり、木の恵みをテーマとしたコースはまだ始まったばかりなんだそう。

メニューを見ても、調理法がスペイン語で表現されているようで正直よくわかりません。
どのようなお料理が運ばれてくるかは、もうお楽しみ。

コースに１杯ついていたドリンクは、ノンアルコールのスパークリングワインを

■BANANA/瑞穂のいも豚のアルボンディガス、バナナ、レーズン
わかりやすく表現すると・・
バナナの葉でくるんだもち豚のミートボールの一口前菜です。
豚肉とバナナ、そしてショウガやオレンジ、エシャロットなどが隠し味に使われているそう。
素材の組み合わせが自由過ぎて、驚きですね。

■CHESNUT/栗と車エビのラビオリ
秋の味覚、栗をたっぷりと。
栗のペーストと練り込んだラビオリ生地に栗の実と海老を包んでいます。
そのラビオリに、栗を煮込んだスープをテーブルで廻し掛け、香りも楽しみます。
栗の風味を余すことなくいただき、秋を存分に味わいます。

■ORANGE/ムール貝のエスカベチェ　オレンジ　人参
ムール貝にオレンジと人参のソースが使われていて、
オレンジのパウダーを固めたものをテーブルで掛け、料理が完成します。
オレンジ色のソースは目に鮮やかで、口に運べばオレンジの香りそして、酸味が広がり、さっぱりとした味わい。コースにメリハリを感じる一皿です。

■PINE/茸のソフレイド
運ばれてきた器に驚きです。
今までも素敵でしたが、この器は斬新すぎます。
松の葉が透明の器の中に埋め込まれているのです。
「生きる木」というテーマがそのまま表現されているのです。

そんな器には、岩手県産の４種の茸のソテーに、松の新芽、松の実とソースがトッピングしてあり、
またまた、テーブルで松の香りのスチームを廻し掛け料理は完成します。
ただただ、その世界観に圧巻です。

■COCONUT/オマール海老のマルカドココナッツミルク、ピスタチオ
運ばれてきたのは小花が舞う可愛らしい一皿。
テーブルでよそうグリーンのソースは、なんとココナッツ香るグリーンカレー。
そして、周りを飾る白いボールは、ココナッツミルクの液体をゼリーでコーティングしたもの。
エスニックな味わいに驚かずにはいられません。

■ALMOND/本日の鮮魚のアラブランチャアーモンド、ジャガイモ
本日のお魚は、石川産のかます。アーモンドソースとにんにくでいただきます。
和とのコラボレーションですね。

■CORKOAK/イベリコベジョータのラカド　ミガス、茄子
大きな鍋が運ばれて来て、その中から出てきたのは、いぶされた小茄子。
イベリコ豚がどんぐりを食べるので、そのどんぐりのコルクで付け合わせの茄子をスモークしているんだそう。イベリコ豚に沿える、メインを引きたてる脇役にも手加減しません。
スライスされたイベリコ豚は、とろりとした食感で、これまで出会ったことのない美味しさでした。

■FIG/イディアサバル　無花果　無花果の葉、鬼胡桃
バスク地方のハードチーズを無花果と。

■PERSIMMON/柿のテクスチュラス
柿のムースにエスプーマのクリームがトッピングされ、何層にもなるデザートは、スプーンですくう箇所により違う食感、味わいが広がりがます。

■APPLE/リンゴのキャラメル風味　林檎酢、生姜、シナモン
芸術の世界ですね。
ガラスプレートに描かれているのは、リンゴの枝。
枝の部分はシナモンクランブル、葉はほうれん草を使っているそう。
シナモンの香り高いカリッとしたクランブルに、キャラメル、生姜風味のリンゴムースの優しい味わいのハーモニーは最高です。

■OAK/チョコレートのエスプーマ、樽、ウィスキー、トフィー
今度は、可愛らしい切り株が登場です。
ビターなチョコレートの中には、オークの香りをつけたムース、ウィスキーゼリーが入っています。
こんな美味しいチョコレートは食べたことがない！と思う絶品です。

■木々の小さな恵み
コーヒームース、木の実のデーツ、パッションフルーツゼリー、オリーブのボンボンチョコレート、海水塩の塩チョコレート、金木製のゼリーボール。
一部変更していただいたメニューもあるので、全てではなくなってしまったのですが、
木々の恵みを表現したものを集めています。
最後まで、本当にどれも美味しく、ただただ凄いと驚きの連続でした。

創造性豊かなストーリー仕立てのコース料理は、目と舌と鼻を使い楽しむものばかりで、斬新かつ大胆で、また繊細さを感じる芸術的な料理でした。
料理にこんな世界があるなんて。
素晴らしいのただ一言で、素敵な時間を過ごすことができました。

簡単には行けないけど、また、いつか行きたいです。ごちそうさまでした。