1974年の初訪問から46年振りに訪れた基本のチキンカレーは、当時と変わらぬ味であった。 : アジャンタ

普段使いのMacBook Proを買い換えたのは良いのですが、私の設定ミスによりパフォーマンスが極端に劣化してしまい、都度、画面共有のサポートを行いながら "穏やかに" 五回のサポート対応を受け、終いには「ハードウェアを調べます」と言われ、二週間もiPhone SE で皆さんのレビューをチェックしていたのですが、「不具合は検出されませんでした」とのレターと共に返送され、起動してみれば全く改善されておらず、六回目のサポートを受けていると素晴らしい女性(NKOさん)に出会い、フォローアップを含め、二日間にわたりPC運用上のバグを排除してもらい完璧な状態に戻してもらいました。根気を要する遣り取りを冷静かつ的確に指示した彼女に対し、私は「こんな素晴らしい人が世の中にいるのか」と、思わず涙腺が緩くなってしまいました。映画「The Da Vinci Code」https://www.youtube.com/watch?v=NaB0_acBh7Q ではありませんが、A・P・P・L・E (NKOさん)サイコー！

＊＊＊

と、いうことで二週間振りのレビューです。
このまま食べログから『fade out してもいかなぁ』と思ったのですが、未だ、お伝えしたいことが残っていますので、傲岸不遜、嫌味の極み との謗りを受けながら、もう少し続けます。

＊＊＊

1974年、竹橋の国立近代美術館で開催された「アンドリュー・ワイエス展」http://leonocusto.blog66.fc2.com/blog-entry-3246.html?sp を元カノと鑑賞した後、当時はインド大使館の傍、北の丸公園の脇にあった南インド料理店「アジャンタ」を二人で訪れました。これ以前、母の作る "おばあちゃんカレー" https://tabelog.com/imgview/original?id=r4887595577861 が一番おいしいと思っていた私は、小麦粉を使わないサラサラのチキンカレーを食べて頭をハンマーで殴られたような衝撃を受け、サリーを纏い、額に "ビンディ" を付けている膨よかな女性の矜持を秘めた立ち居振る舞いにインダス文明に連なる歴史の奥深さを感じました。（日本の縄文〜弥生時代を正しく学んでいれば臆することはなかった）

都心の駐車場に停めておいた車の外気温計が、チェンナイでもあり得ない55℃を示したこの日、私はクラクラしながら千代田区二番町にあるこの店を訪れました。この新店舗と国立近代美術館は縁があり、1987年に開催された「ゴーギャン展 楽園を求めて」https://www.momat.go.jp/am/1986/ を元カノ(現ツマ) が自分の子供二人と同い年の甥二人を連れて鑑賞した後、移転後の「アジャンタ」を訪れています。

　「こんにちは。独りです。」

　「どうぞ、二階へお上がりください。」


【いただいたもの】

・ワン カレー　1,365円（お好みのカレーとライス 又は パン）チキン カレー（AJANTA創業のカレー）を選ぶ

・ライタ（ヨーグルトサラダ）330円

・ホットチャイ　330円

自分でもアジャンタレシピを真似てスパイス https://tabelog.com/imgview/original?id=r88205132784117 をミルで潰し、こんなカレー https://tabelog.com/imgview/original?id=r46541133248232 を作っていますので、今回はオリジナルを再確認するという目的で訪問しました。

チキンカレーは、手羽元が二本入っていてクローブが粉砕されず丸ごと使われていました。ソースは46年前と同じく野菜の原型を留めずスープのようにサラッとしています。シノワで濾しているのでしょうか。注文を伝えた際に「これは辛いですが、大丈夫ですか？」と給仕の女性から確認がありましたが、私が作るインドカレーと同じくらいの下瞼に汗を掻く辛さでした。おいしい！！！！

最近、我が家でブームになっている "ライタ Raita" も砂糖不使用のサラッとした酸味が特徴のシンプルなもので私好みです。よく見ると表面に黒い粒が浮かんでいます。初めはクミン(cumin)かと思ったのですが、果物のような香りがあり、多分、カーダモン(cardamon)の種子が塗されているのだと思います。実に多彩なスパイスの使い方です。

正しいカレーには薬膳効果がありますので、猛暑の中、照り付ける灼熱にもめげず、何だかいつもより元気になった ｷｶﾞｼﾏｽ (©︎KYTさん)｡


.

それは衝撃的なチキンカレーでした。

40年前の学生時代、元彼女と一緒に入ったのが、このインド料理専門店でした。
その頃の我が家では、母が市販のカレールウは使わず本格的なカレーを作っていましたので、凄く美味しかったのですが、アジャンタのチキンカレーを食べて香辛料の使い方が全く異なるのでビックリしました。また、玉ネギと小麦粉を炒めて基本ルウを作っていた我が家のカレーと異なりサラッとしたカレーに仕上がっていて、これが硬めに炊かれたライスにピッタリ合い、鶏肉の骨までしゃぶって食べたことを思い出します。
今は、インド料理、ネパール料理、パキスタン料理、インドネシア料理などたくさんのエスニック料理店があり、本格的なカレーを食べることができますので驚かなくなっていますが、初めて食べた本格カレーは、衝撃的でした。

ここは、その頃の味を守っている大切なお店です。