南インドの別格 : アジャンタ

私が申し上げるまでもなく、日本のインド料理店の最古参組。多くのインド料理人を輩出した南インドの雄。

新宿で買い物中、無印でカレー見てたら本物を食べたくなっちゃったんで、そうだアジャンタへ行こう！
ちょうど三丁目にいたので地下鉄を乗り継いで麹町へ。出口はＡ５です。
そこから左手に見えてる横断歩道を渡ったら香るインド。
この辺、休日は人少ないですがここだけパッと明るいです。

老舗の落ち着いた設えは、近年の雨後の竹の子的なカレー屋とは一線を画しますね。
ガネーシャが破魔矢持ってるのは笑えますが。

連れが喉渇きまくりとのことで、さっそくのビールを。
インド料理屋ってやたらお酒が充実してることが多いけど、ここは更に生もプレモルとアルトの二種類。
最初はプレモルだよなーと乾杯。
ってグラスビールなんで、連れのビールは瞬殺されている。

「マサラカジュ」435円
ビヤーにはこれでしょ。カシューナッツのスパイス揚げ。
カスっとした食感ながら、僅かに重たい感じかみするのは衣がついてる？
ナッツは甘いがのっけからヒリヒリ。
喉もヒリついている。
揚げたてではないですが、すぐにでるからビア友にはいいでしょう。

「ラッサム」435円
インドのからーいトマトスープ。
連れがこれ頼むでしょって言いながら注文。
かなり以前の印象が残ってたらしい。
なんと言えばいいのか複雑な香味。
そしてトマトのものとは違う不思議な酸味はなんだろう。
これが本当においしいので、普段は腹が膨れてしまう汁物はあまり頼まない私でもグイグイ飲んでしまう。
とは言っても調子こくと喉に張り付いた刺激でゴフゴフしてしまうので上手く飲まねばいけない。
冷房はちゃんと効いてるし、ビールも冷え冷えなんだけど、じんわり汗が滲んできましたね。

「カチュンバ」330円
インドのスパイシーサラダ。
きゅうり、トマト、赤玉ねぎ、ピーマンがスライスされたもの。
レモンとパクチーでとても爽やかな風味。
そして当たり前ですが、これも辛い。
爽やかに辛い。
先ほどのラッサムで辛さには慣れているとはいえ、もうどっちがどっちか分からないようにピリピリです。
ただ両者、スパイスの配合は全く別物ですから辛くても、異なる味として楽しめるのです。

「タンドゥーリ　チキン」2380円
半身でドン！！
表れたらまず、チキンと香辛料、そして炭焼のすこぶる香ばしさ。
いかーん、よだれ出そう。
ナイフで切ると中まで染みてるマリネ。
でっかく切り取ってガブリとかじると、うまーい。
お肉張り張り、これまたチキンにぴったりな調合のスパイス。
しつこいですが、これも結構な辛さなので付け合わせのモリモリ赤玉スライスを一緒に頬張ると丁度いい感じになります。
この赤玉がちゃんと水にさらしてあってシャキっとしている。
こんな細かいところが抜かりないのが名店との謂われなのでしょう。

夢中で食べてましたが、せっかくのソースも使わないとね。
爽快ミントソース、こちらの物はパクチーの香りが立っています。
もう一つは、ココナッツソース。
とにかくコレがうまい。
甘くまろやかで、コクを加えつつチキンの辛さを中和してくれます。

「サーグ　マトン」1840円
いい加減カレーを頼もうか。
まず一品は大好きなほうれん草カレー。
本日唯一の辛くない料理。
ほうれん草がとても滑らかに漉されていてまろやかなお味。
本当は辛いのかも知れないけど、今までのが相当だったから、なんだかホッとしてしまった。
お肉もゴロゴロ。
マトンはうんと香るものを想像していたのですが、比較的穏やかなものでした。

「ナーン」540円
プレーンナン。
滴型で平たく、生地のキメが細かい。
もっちりではなくサクッとしたタイプのなんですね。
ギーも質が良いのかな？
とても甘く良い香りです。

「サンバー」1625円
カレーは飲み物、二品は行くよ。
これは南らしさ全開。
ガツンとくる芳香。
あっさりなのにコクもあるという相矛盾。
連れによるとタマリンド由来という酸味とスパイスの香りにとにかく爽やか。
豆のカレーで珍しくおいしいと思った。
ゴロゴロのナスを噛みしめると辛いのがジュワ～っと染み出るので注意。

連れがまだお腹大丈夫？と聞くのでもちろんOKと答えたら・・・
「チーズ　クルチャ」650円
いい匂い。ピザ？！
カットしてあるピースを持ち上げれば、ビローンと延びるチーズ。
ほうれん草のカレーは特にチーズと合うけど、
これはそのままでも良いつまみになりますね。

いやいや、さすがにお腹いっぱいだ。
体の中からポッポして、呼気が爽快ないい香り。
とても体に良さそうね。
そして何が一番体にいいかって、南インド料理は酒が進まない。
これだけ食べてるのに、たった三杯しか飲んでない。
こっくり味の北インドだともっとガッツリ飲んでしまうんですけどね。

他にもまだまだ食べたいものはたくさんあるけれど、それはまた次の機会に。
ごちそうさまでした。