旬菜に季節の移り変わり、冬の名残「芹」と、春の走り「葉の花」の食べ比べの妙！！ : 蕎麦切り 酒 大愚

小雨そぼ降る街を一人で伺う、果たして自分自身と向かい合えるか？
漸く続いた繁忙期が来週に収束しようとしている昨日、初訪問が叶いました。

この様な天気の所為でしょうか、先客が２名、その後から私が入店し、後客は有りませんでした。
寡黙な大将と少し重たい雰囲気が漂います。

と言うのも、このお店は蕎麦百名店であり東京蕎麦ランク9位の人気お蕎麦屋さんなのです。

お料理は、3,800円のコースのみで、追加も可能です。

お酒は２合以上飲まなければ、入店を拒られるか、お酒飲ま無いチャージが必要になります。

蕎麦前①前菜　タイトル通り、旬菜に季節の移り変わり、冬の名残「芹」と春の走り「葉の花」の食べ比べの妙！
　　　-1冬の名残、芹と蒸し鶏の胡麻和え
　　　　芹の季節が終わると、冬が惜しまれます。
　　　　この芹は、蘞味、苦味が全く無い、宮城産か秋田産なのでしょうか？
　　　　芹の根っ子の美味しさが懐かしくも有ります。
　　　　優しい胡麻味が味わい深く素晴らしいです♪

　　　-2春の走り、菜の花と浅利の山椒和え
　　　　春の訪れを感じさせて頂ける、季節感、冬が終わり春へと季節が移り変わります。
　　　　この和え物の中に、蕾から花になったばかりの幼気一輪を、食べる罪悪感！
　　　　浅利は産卵前で栄養たっぷり、大きいな身で一番美味しい時期です。
　　　　味は何処までも優しく、素材の味を大切にしています、素晴らしいとしか言い様が有りません！


蕎麦前②鶏料理　手羽先のコンフィと苺酢サラダ
　　　　ベジタブルファーストでサラダから頂きます！！
　　　　あ、ドレッシングの食味が新鮮です、最盛期の苺味をお酢と配合させています！！
　　　　いつもの苺の味がするのですが、お酢とのマッチングがこれほど新鮮で驚きの仕上げです。
　　　　手羽先のコンフィは、油で低温調理したは思えず、まるでシットリした焼き鳥の様です。
　　　　しかもその食味は、かなり味わい深く、旨味がたっぷりです。
　　　　
　　　　私は大将に質問しました。
　　　　私　：この手羽先は、媛っこ地鶏ですか？
　　　　大将：はい、そうでございます！
　　　　　　
　　　　　　　　
蕎麦前③こめたまの出汁巻玉子
　　　　色白な君の肌が素敵だよ♪
　　　　ところが、食味は旨味にコクが有り、濃厚で味わい深いです。
　　　　プルプルの食感で優しい味ですが、出汁も利いた玉子焼きです。


蕎麦前④季節の野菜焼き　筍焼き
　　　　まだまだ寒い日が続きますが、筍前線の北上は早いそうです。
　　　　産地が、鹿児島県→熊本県→福岡県　合馬産の日本一の筍の出荷が始まりました。
　　　　今月の下旬には、京都府塚原の白子筍の出荷もはじまるでしょう！
　　　　今日は、筍の穂先だけの贅沢な焼き物です。
　　　　その香りが堪りません♪
　　　　柔らかい穂先ですが、サクサク感が適度に有り素晴らしいです。
　　　　少しの醤油と少しのお焦げが、何とも言え無い風味が増して最高です。
　　　　この瞬間は、日本人に生まれて来て幸せだ！！
　　　　少し大袈裟ですが、生きていて良かった！！　仏様に感謝した次第です。


蕎麦前⑤季節の一品　筍しんじょ
　　　　普通、海老真薯は良く聞きますが、筍しんじょは聞いた事も食べた事も有りません。
　　　　しんじょと言うからには、筍をすり潰し、山芋や卵白、出汁を加えて調理してあるのだと思います。
　　　　更に凄いのが、このしんじょの中に筍の繊切りが入っており、その食感の驚きを演出しているのです。
　　　　優しいけど味わい深く、返しを少し加えている様で美味しいです。


蕎麦前⑥媛っこ地鶏と千住葱の塩焼き
　　　　食感が良く歯応えが凄く、鶏肉の旨味が濃く素晴らしいです♪
　　　　実はこの、「媛っこ地鶏」は新宿に在る大好きな焼き鳥屋さんでも使用されており、
　　　　大ファンなのです！！
　　　　そして特筆すべきは、皮をパリパリに仕上げて有るのが、その素晴らしさを増進させています。
　　　　更に、素晴らしいのは、千住葱の塩焼きは添え物にあらず！！
　　　　立派なメイン食材になる、千住葱は甘味があり、中がトロトロで最高です！
　　　　鶏団子が一つ一緒に盛り付けられていて、やはり味わい深く、七味を掛けると食味のスパイスが、
　　　　相俟って素晴らしいです


蕎麦⑦せいろ蕎麦
　　　マイ塩の登場です、いつもの様に半分以上を、そのまま、塩だけ、塩+山葵と食べ進めます。
　　　玄蕎麦は、茨城県産常陸秋蕎麦です。
　　　香りは殆ど感じられません、しかし、蕎麦の旨みは引き去れていて、食感は腰も有り、喉越しも良いです。
　　　残り少しを、蕎麦汁に潜らせて手繰ります、蕎麦汁は出汁が利いていて、返しも少し強めで辛めの江戸前タイプです。
　　　私は、大根卸しや刻んだ葱は使用しませんので、山葵だけもう少し欲しいです(笑）


蕎麦⑧太打ち蕎麦　田舎
　　　見た目通り太い麺は、その食感が凄いです。
　　　ワシワシと食べる感じです。
　　　蕎麦の旨味が感じられる、素晴らしいです。


本当に、お蕎麦と言う食べ物は、繊細で奥が深いです。
玄蕎麦の産地、時期、保存期間、保存温度。
製粉の時期、期間、保存温度、配合
臼が、電動か、手挽きか、
製粉から打つまでの期間、
食べるまでの時間、時期、季節等々。。。。
本当に奥が。。。

此方の大将の凄技、
一瞬の追い〆の技が凄い！
湯掻いた蕎麦を水で〆、第二段階で氷水で二段しめが凄い！

蕎麦湯
意外に濃い蕎麦湯で、蕎麦汁の返しが強いので、良い具合にマイルドで美味しい。


お酒①熱燗　（島根） 十旭日 純米吟醸無濾過生原酒 木槽しぼり 山田錦 1,000円
　　入店したてでしたので体を温めるべく熱燗を注文しました。
　　一口飲むと仄かな酸味が感じられます、その後に少しの辛さに替わります。
　　温度が下がるとその味わいが変化し、旨味が増す様な印象です。


お酒②ぬる燗　(香川) 悦凱陣 純米無濾過生原酒 山田錦　900円
　　体も温まりましたので、ぬる燗にする事にしました。
　　少し辛めで、山田錦の特徴でしょうか、切れも良いです。
　　お料理の味を損なわない、食中酒に最適に感じました。


お酒③ぬる燗　(大阪) 秋鹿 もへじ 生酛純米吟醸無濾過生原酒 全量自営田無農薬 山田錦　1,100円
　　これもぬる燗でお願いしました
　　日本酒は温度により、その印象が変わっていきます、良く考えると味わいが強くなっている気がします。
　　凄く濃厚な印象で、辛さと酸味のバランスがよいです。


お酒④冷酒　（奈良） 風の森　こぼれ酒　純米無濾過生原酒　900円　　
　　最後は冷酒にする事にしました。
　　冷えているので、キレと辛口を愉しみました！！


前述した通りお客さんは全部で３人だけで、しかも最初の先客の２人は先に退店したので、
寡黙だと思っていた大将ですが、話をフランクにして頂き、こんな日も有ると思ったのは、
大将と私も一緒でした！！　

最後に痛感した事は、お蕎麦屋さんて一年間通ってからでないと評価するのは失礼なのかも。。。