茶道の心にあるおもてなしの精神をしっかりと感じながらお店をあとに : 懐石 辻留

この日はかみさんと東京をブラブラ。

やって来たのがこちらの料亭。

場所は、赤坂見附駅から徒歩5分ほどのところにあるビルのB1F。
今回の東京ブラブラはほんとB1Fとの縁が深いわあ・・・

公式HPによると、初代辻留次郎氏が裏千家の家元に手ほどきを受け、
京都に店を構えたのが辻留の始まり。
茶道裏千家より出入を許される懐石料理の名門とのこと。

私は京都に行くと三条のホテルに泊まるのですが、その時によく辻留の前を通ります。
ただし京都の辻留は出張料理専門のお店ですので利用した経験はありません。

で、東京の辻留で初めて体験することになりました。

ランチは、

・松花堂弁当　　　10000円
・懐石料理コース　15000円
　　　　　　　　　23000円
　　　　　　　　　28000円
　　　　　　　　　35000円

という内容になります。

ここは奮発して、

・懐石料理コース　35000円

を予約しての訪問になります。

予約時間の少し前にお店に伺います。

対応頂いたのは、長女の方と次女の方です。

靴を脱いで部屋に案内されます。

部屋は4部屋のみで、6畳・10畳の堀り炬燵、8畳のお茶室、18畳の広間があります。

我々は10畳の堀り炬燵の部屋に案内されました。

床の間には、前田青邨の絵、反対方向の壁には、奥村土牛の書が飾られています。

現在の三代目をつとめる辻義一氏は、北大路魯山人氏のもとで修業をした経歴の持ち主。
よってお店の造りや器なども北大路魯山人氏のものが組み込まれています。

部屋に入ると熱いお茶が出され、長女の方のご挨拶があります。
全然緊張することのない雰囲気ですよ（＾＾）

私は、

・芋焼酎ロック　？円
　　芋焼酎は1種類のみだそうで。

かみさんは、

・梅酒のソーダ割り　？円
　　甘過ぎないですっきり。これは好みですねえ。

を頼んでカンパ～イ♪

この日に頂いた懐石料理コース　35000円の内容は以下になります。

・向付
　　ハタの刺身といなだ寒干しになります。
　　ハタは洗いにしているのかな？そのような舌触りと弾力がありましたので。
　　いなだはいわゆる鮭とばのような味わいで肴にはうってつけ。

・椀盛
　　鱧の椀物です。鱧はちょっとだけ骨がさわりましたが、
　　吸い地はお見事！すっきりと切れのある味わいでほのかに鰹節の香り。
　　これはかなり好みでした（＾＾）今までに飲んだ椀物の中でもトップレベルに。

・口取
　　鰻寿司、車海老黄身焼き、鱧の子、山芋甘煮の盛合わせです。
　　鱧の子は柚子なのかな。そのような爽やかな風味づけが有り、それが良かったです。

・箸休
　　ずんだ豆腐です。いわゆる枝豆豆腐に枝豆のすり流し。
　　香りも味も枝豆が生きてますよ。これも旨いなあ。

・煮合せ
　　鰻、小芋、隠元の煮物です。
　　鰻の皮目がちょっと泥臭かったかな。これは残念。

・焼物
　　桂川の鮎の塩焼きです。蓼酢が添えられます。
　　このくらいの大きさになると普通の方は頭としっぽと中骨を抜いて食べますが、
　　私の場合は丸ごと食べます。今回の型でギリギリでしたけどね（＾＾；
　　でもなるべくなら頭と骨も食った方が旨いんですよ。やっぱ。
　　はらわたの苦味が素敵でしたね。

・揚物
　　鱧とあさつきの湯葉巻揚げ、車海老の天ぷらです。天つゆで頂きます。

・進肴
　　合鴨のつけ焼きです。ねぎが添えられて。
　　山椒と生姜の効いた味わいでした。

・酢物
　　鮑、浅瓜、わかめの酢の物です。
　　浅瓜は干してあるので水っぽくなくてパリパリとした食感。これはいいです。

・食事
　　鱧皮丼です。ゆるい餅が2個入った赤出汁と、牛蒡、奈良漬、刻みたくあん。
　　なんでも皮の部分って旨いのですが鱧ももちろん旨いです（＾＾）
　　細切りにした鱧の皮に、大葉、生姜、白胡麻をたっぷりと乗せて。
　　これはちょっと感動しましたねえ。
　　これを食べたくてこの時期に来られるお客様も居るそうで。

・水菓子
　　メロンです。

・和菓子
　　水羊羹です。これは普通に美味しいレベルかな。

・お薄
　　甘みのある上等な抹茶ですね。さすがですよ。
　　器には造詣が無いので分からんのですが、おそらく凄いのを使ってんだろうなあ。

私は上記に加え、

・芋焼酎ロック　？円　×　3杯

を追加で注文。

これで〆て86961円。一人当たり約43500円。

部屋の設え、器、接客、雰囲気、そして料理を勘案すると値段相応なのではと思います。

こういうところはさすがの私でも料理・味偏重での評価にはしませんよ。

料理・味に関しても椀物の吸い地を筆頭に、味付けに関してはもろ好みでしたので。
鱧皮丼も感動しましたし。

なお、辻留のロゴの入ったひざ掛けはそのまま持ち帰ることが出来ます。
あと、京都の村山造酢製の千鳥酢をお土産に頂きました。

茶道の心にあるおもてなしの精神をしっかりと感じながらお店をあとにしました。

ご馳走様です！（2016/9/20現在、4.30ポイント）