イノベーティブピッツァ「RistoPizza by Napoli sta ca」での「ペッペおま | じきの食歴 : リストピッツァ バイ ナポリスタカ 麻布台ヒルズ店

イノベーティブピッツァ「RistoPizzabyNapolistaca」での「ペッペおま
これはピッツァと言っていいのだろうか。
熱々のピッツァではない、後からトッピングをほどこす創作ピッツァ。
オーナーのpeppe氏の説明と共に作り出されるそれらのピッツァは、色々な意味でピッツァの概念を覆させられる内容だった。

2011年に神谷町、2015年には駒沢大学駅にオープンし、既に「食べログピザ百名店」常連となっている「ナポリスタカ」。こちらの新店が2023年11月24日に麻布台ヒルズにてオープンした店「RistoPizzabyNapolistaca」。
と、そこまでは広く知られているが、実はこちらにて４月より金土限定で、焼き窯前の４席１回転でオーナー兼ピッツァイオーロのペッペ（peppe）氏が自ら焼いてくれるのを眺めながらペアリングのドリンクをいただける「ペッペおまかせのテイスティングピッツァ」が始まっている。
こちら、通常のメニューにはない新感覚なピッツァ6種類（１ピース）に、ピッツァに合わせたドリンク（アルコール含む）5杯とカフェ1杯がついて18,000円というもの。
ピッツァにしては高いと思われるが、終わった後は「これってかなりお得なのでは」と思ってしまった。
ナポリ出身のオーナーでピッツァイオーロのpeppe（ペッペ）氏は1984年生まれ。12歳から伯父が経営するピッツェリアで手伝いをした後16歳でピッツァイオーロに。その後ナポリピッツァを海外へ広めるため2006年に来日し、2011年に神谷町の店を開いた。
そちらの店では、生地の耳を尖らせた星形のピッツァが話題となり瞬く間に人気店となっている。

そんなpeppe氏が、この食材はどういったもので、どういった意味をもって作っているのか説明してくれながら、目の前で焼いてカットして盛り付けて提供してくれ、それらのピッツァをいただきながら会話をする。
途中で使っている食材やソースのテイスティングも勧めてくれる。
そんな板前割烹や鮨屋のような感覚の、新しいピッツァの提供方式。
まさに、イノベーティブピッツァと言ってもいいだろう。
しかも、peppe氏を独占できるというのも、なんともはや贅沢だ。
そんな、特別なコースでいただいたのは、下記の内容。

１品目、最初は、日本の寿司をイメージしたピッツァ。カットした厚みのあるピザ生地に越後村上の塩引き鮭やイクラをトッピング。日本へのオマージュとも言える。
ペアリング：“Cielo”CuveePriveeSpumante（スパークリング）

２品目、イタリアらしいピッツァ。ここで、peppe氏のルーツとなるピッツァが出てくる。
ペアリング：BirrificioBarbaforte（ビール）

３品目、３色のトマトを使ったピッツァ。カラフルだけでなく、それぞれのトマトの特性を生かしたもので、食べる部位によって異なる味わいを楽しめる。
ペアリング：gorgoChiarettodiBardolino2022（オレンジワイン）

４品目、蒸して揚げて焼いたピザ生地に、和牛タルタル、キャビア、オリジナルマヨネーズ。ピッツァなのかパンなのか。そのどちらとも言い難いが、peppe氏が作ることでピッツァだと言えるのだろう。トッピングが後乗せだからこと作れる逸品。
ペアリング：BADIADIMORRONAISODIDELPARETAIOChianti2019（赤）

５品目、再び日本へ戻り、鰻のかば焼き。こちら、隣の店から仕入れているとのこと。山椒とジェノベーゼの組み合わせも素晴らしい。
ペアリング：CantinaSacco8ColliGrecodiTufo2021（白）

６品目、デザートピッツァとして、ウニと苺のジャムにチョコレートソースをかけたもの。隣には、白イチゴが添えられている。ウニにあわせるため、ジャムは甘さを抑えたものとなっている。イチゴ煮のようにウニをイチゴに見立てることもあるが、こうして組み合わせるのは珍しい。
ペアリング：LeMarchesineFranciacortaNITENSBrut（白）

そして、カフェの代わりにMaurizioRussoのリモンチェッロをいただいた。
なんか１杯多いようだが、会話も弾んだのでサービスだったのだろうか。

６ピースといっても４人で６枚なので、ピッツァ１枚半なので余裕かと思ってたが、かなりお腹いっぱいになる。
使われている皿は、それぞれのピッツァで異なっており、どれも美しい。
味だけでなく、映えも意識されている。
peppe氏と色々と話をしたが、将来的には、こういったものを出す別の店をつくり、そこでミシュランの星も狙っているとのこと。
そのために、こちらで色々とチャレンジしているそうだ。
定期的にメニューを見直すとのことで、また秋にでも訪問してみたい。