料理がとても美味しいワインサロン的イタリアン : K+

真夏の3か月間だけ、フレンチの名店エクアトゥールが姿を変えてやっていたイタリアンが、オーギヤマンの小林シェフを迎え、広尾に場所を移して通年営業のお店に。

昨年10月にオープンしてから、2回目の訪問。
カウンター8席にテーブル2卓で、オープンキッチン。
ややカジュアルな気取らない雰囲気。
シェフ・スーシェフ・ソムリエの3人体制は変わらず。

コース17000円（税・サ別）で、ワイン3杯付き。
プリフィクスのコースで、前菜を5種選び、それと別にパスタ・リゾット・メイン・ドルチェから好きな組み合わせで5品選びます。

当日選んだ料理は、以下。

〇前菜
＊あん肝マリネ　青さ海苔とポン酢ソース　山わさび
＊香住蟹のライムマリネ　キャビア添え（+500円）
＊フォアグラの茶碗蒸し　トリュフソース
＊スモークした白子のチーズグラタン
＊トリッパのトマト煮込み

〇パスタ・メイン・ドルチェなど
＊雲丹の冷製カルボナーラ
＊イノシシのラビオリ　ローズマリーソース
＊ブイヤベース
＊蝦夷鹿のロースト
＊トリュフの黒見大福　

料理は、変らず美味しい。
というかパワーアップしてる感。
前菜は、前回は5種が一皿に盛られて来てましたが、今回は最初に3種、それから温前菜2品を別々にアツアツで供してくれる。
その分量も少し多くなっていて、結果料理としての訴求力が高くなっており、満足感のアップにつながってる。
メイン系は、安定の美味しさ。
前菜のボリュームがアップした分、パスタは少し量が少なくなったかな。
それでも、めっちゃお腹いっぱいになったので十分な量だし、この方がコースの中でのバランスが良いかも。
前菜で美味しかったのは、トリッパ。
臭みがなくて、旨みがたっぷり。辛さが優しいので、その旨みが存分に味わえる。
フォアグラの茶碗蒸しも、マデラ主体の甘さあるトリュフソースが良い感じに濃厚で、とても美味しい。
白子のチーズグラタンも、鉄板の美味しさ。

メイン系では、蝦夷鹿が素晴らしい。
とにかく火入れが神っ！
レアだけど火が中まで通っていて、絶妙な火入れです。
そのため、ナイフで切っても肉汁が出ずに、でも柔らかくて鹿の香りと旨みが充満してる。

パスタも美味しい。
雲丹の冷製カルボナーラは、雲丹の甘みが存分。
イノシシのラビオリは、ローズマリー風味の赤ワインソースが濃厚で絶品。
ブイヤベースは、具がつぶ貝とオマール海老、金目鯛で、スープが魚介類（特に甲殻類）の旨みがたっぷりで美味しい。

ちなみに、レシピはまだ全てエクアの小野シェフが作っているそうです。
スゴイな。

一方、サービス面というか雰囲気は、クローズドなワインサロンのようになってました（個人的な印象です）。
ソムリエが、料理よりも何よりもワイン！という感じで、延々と常連の？お客さんとワイン談義をしていて、我々含む他の方には素っ気ない（見送りさえもせず・・）。
シェフとスーシェフの二人は感じがとても良いのですが、プリフィクスの多様なオーダーに対応するためとにかく忙しそうなので、カウンターとは言えあまり話は出来ない感じだし。（ただ、合間に話しかけると感じ良く答えてくれるし、シェフは最後に色々話しかけてくれました。シェフとスーシェフは感じが良いです。）
なのでサービス面で、常連とそうでない客に対するソムリエの対応差が少し目立つ感じ。
個人的には居心地がアレだったのですが、こういうクローズドなワインサロンみたいなのも一つのスタイルではありますかね。

あ、ワインはとても美味しいです。
マリアージュの観点から言うとちょっと違うかな？と思えるものもありましたが、単体ではとても美味しく、普通ではなかなかグラスで飲めないようなワイン。
シャトー・スータールの1995年とか、悶絶ものですよ。
さすがエクア発だけはあります。

繰り返しになりますが、シェフとスーシェフは感じも良くてすごく頑張っており（前回出した料理もちゃんと覚えていた）、料理はとても美味しいです。ワインも美味しい。

ご馳走様でしたー。

フレンチの名店エクアトゥールが、真夏の3か月間だけイタリアンとして営業していたカゲロウ。
それが、通年のお店となって広尾で開店。
行って参りましたっ！

広尾の駅から歩いて5分くらい。
外苑西通りから一本入ったところにあります。
ガラス張りで、オサレなサロン風というかカフェ風というかの造り。
カウンターが7席くらいとテーブルが2卓だったかな。

こちらは、コース17000円（税・サ別）のみ。
以前のカゲロウ同様プリフィクスで、前菜から5種、さらにパスタ・リゾット・メイン・デセールの中から自由に5皿選ぶ形（メイン5皿でもOK）。
カゲロウ＠エクアは、前菜はお任せの盛り合わせになってましたが、選ぶ形になったのが変更点ですかね。
それに、グラスのワインが3杯付いてます。
また、9時半からはアラカルトも頂け、当日予約可能。
遅い時間はマダムが駆けつけ接客にあたるそうで、ワインラバーが夜な夜な集っているそうですよ。

で、当日選んだ料理は、以下。

〇前菜

＊オマール海老のシーザーサラダ
＊鯛カルパッチョ　グリーンペッパーとライム　トマト　ハーブ
＊半熟漬け卵とトリュフ（+500円）
＊白くらげ　柚子胡椒　白髪ねぎ
＊秋ナスと和牛の煮びたし　ゴマだれとセリ

〇パスタ・メイン・デセール

＊冷製カッペリーニ　白子のソース　自家製からすみ
＊黒鮑とからすみ　自家製スパゲッティーニ（+1000円）
＊松茸とズワイガニ　雲丹とセリのストーヴご飯（+1200円）
＊北海道産真鴨のロースト（+700円）
＊紅茶と練乳　ミルクティーのかき氷

カゲロウ＠エクアの料理はきちんと生きてます。
イタリアンの形を取りつつ、中華や和の要素もある自由なスタイルがカゲロウの特徴。
エクアにも通じる、小野料理。
今のところ、小野シェフのレシピに基づいてこちらの小林シェフが作っているそうなので、今年の夏に頂いたものとそれ程遜色ない料理が頂けます。
それに、この日頂いた料理だと、冷製カッペリーニの白子ソースは、小野シェフが作りエクアのマダムがチャリで運んでいるそうですし。（爆）

サービスは、まだ若干不慣れな面がありますかね。
これは、時間が解決してくれるかも。
ただ当日は、マダムがエクア営業の合間をぬって、挨拶に駆けつけてくれるサプライズ。
雨の中をわざわざチャリで来てくれたというのが、超嬉しい。
10分ほどいらして、途中ワインも選んでくれ、場も盛り上げ、風のように去って行きました。(^-^)
マダムがいらした時は、一気に華やかな雰囲気になり、その存在感と接客力に改めて脱帽。
ちなみに、エクアからチャリで4分だそうです。

で、以下、料理の感想を少し。

前菜は、全部が一皿に乗るスモールポーション。
どれも数口サイズです。
なので、色々と楽しめるのが嬉しい。
秋ナスと和牛の煮びたしが、出汁？に牛肉の旨いが出ていて胡麻だれとも相性良く、美味しかったな。
それとヅケ玉子。トリュフに玉子は鉄板の組み合わせ。しかも、トリュフが超たっぷり。
美味しくないわけがないという・・。
白くらげは、柚子胡椒の風味が良くて、そのコリコリ感にハマる。
他は手堅く美味しく。

パスタでは、白子ソースの冷製カッペリーニが絶品。
ヒュメ・ド・ポワソンと白子を合わせたソースは、白子のコクに魚介の旨いが加わり、甲殻類の香りもして、とても滋味深い。でも、上品さもあり、カッペリーニにすごく合ってる。

黒アワビとからすみのパスタは、説明不要の美味しさ。
鮑、量が贅沢過ぎ。
柔らかいし、旨味もある。
かなり良い鮑です。
原価率、相当高そう・・。

ストーヴご飯は、松茸・雲丹・いくら・ズワイガニとありえない贅沢さ。
たっぷりだし。
とはいえ、味付けが上品なので、too muchにならないところが良いな。

北海道の真鴨は、火入れがすごく良い。
皮がカリッと香ばしく、身はしっとりでジューシー。
この火入れには、唸りました。

かき氷も、紅茶と練乳の相性が良く、ここまでで結構お腹いっぱいだったので、そのさっぱり感も嬉しい。
最後まで、大満足♪