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広尾に移転した三合菴。場所が良過ぎるのが難点か。
白金の北里大病院の脇に在った三合菴が、今年7月に広尾に移転したという情報を耳にし、早く訪れたいと思っていた。
竹やぶ系のホープとして22年前に新宿で開業、その後白金に移ってからも、ハイレベルな仕事で定評のあった蕎麦屋である。
しかし以前の店舗は一旦広げたあと再度元の規模に縮めるなど、紆余曲折の経緯もあり、私が数年前に訪れた時には、あまり居心地の良い印象は無かった。
かつてはミシュランガイドで一つ星に輝いていたが、ここ2.3年はそれも外されていた。
新店舗は駅を上ってすぐの「広尾プラザ」の1階。
隣にはメゾンカイザーの売店、ベンチや花壇を設えた中庭のようなスペースの向かいはMEIDI-YAという極めて判りやすい所。
早くも昼夜ともに賑わう人気店になっており、夜は要予約とのこと。
当日昼に電話を入れて席を確保の上、開店時刻の17:30に合わせて足を運んでみた。
店内は複雑なレイアウトとなっており、一人の私は中央部分の4席並んだカウンターに通された。
他にはテーブル席が数卓と、家族連れや宴席用の個室の用意が有るようだ。
ご主人は奥に居て姿は見えなかったが、厨房に男性3人?、ホールは女性4人と言う体制。
BGMにはモダンジャズが流されている。
まずは生ビール(ハートランド)で始める。
お通しは3つの小鉢が乗った、横長の角盆で登場。
内容は「卯の花煮・水菜お浸し・小茶碗蒸し」で、何れもきちんとした仕事で上々のスタート。
料理は定番の他に、口頭で花番の女性より'本日のおすすめ'が伝えられた。
それらを含めて、次の3品を注文。
「鱚の天ぷら」:前の店同様に、開いた鱚の中骨を抜いてそれを元の形に戻して揚げる独特のスタイル。
2尾をそれぞれ塩とおろし入りの天つゆで頂くが、ふっくらとした身の美味さが秀逸。
「鮪づけ」:赤身のさくを湯引きした後に煮切り醤油に漬け込まれ、これを薄目に切り付けて重ねて盛られたものに、千切った海苔を散らし、おろし立ての山葵が添えてある。
脂も程良く乗っていて、味の染み込み具合も丁度よかった。
「クレソンのお浸し」:一人前では多いとのことで、ハーフサイズでお願いした。
緑が鮮やかで、ほろ苦さと茎の部分の歯応えが心地良い。
この3品は同時に頼んだが、出された順番が天ぷらからなのは意外だったが、他との注文との兼ね合いの結果と思われる。
酒はメニュー冊子にびっしりと並んでいるが、別に'おすすめの酒'が手書きされている。
その中から秋田の「雪の茅舎」を冷酒で、次いで富山の「満寿泉」をぬる燗でもらう。
一合1,240円は強気の値付けだが、味わいはまずまず。
蕎麦に移る前に、是非頼みたいのは「蕎麦掻き」。
この店では昔から品書きのトップに載っており、自信の程が窺える。
時間が掛かると思い早めに注文したつもりが、驚くほど素早く提供された。
緩めの練りで、これが'湯溜め'の状態で出されるのがこちらの流儀。
出汁醤油と山葵・葱の薬味で食べさせるが、滑らかな舌触りは相変わらず。
値段は1,250円で、結構量もあったがスルスルと入ってしまった。
蕎麦は基本の「せいろ」(870円)を1枚。
細かな星も見えるが、微粉が中太に打たれた十割で、香りは申し分無い。
精妙な茹で上げで、シャキッとした食感とともに軽快な喉越しも良好。
つゆは直接猪口に注がれているが、かえしと出汁とのバランスの取れた優れた仕事。
蕎麦湯は手が加わっているものの、嫌味な粘度が無いのは好感。
お勘定は外税で、1万円を少し超えた。
ちなみに注文時に価格の分からなかった、お通しは880円、鱚天ぷらは1,500円、鮪づけは1,860円という値付け。
全体的にやや高いかなと思うが、場所柄からすれば相当とも言える。
技術面では、きちんとした仕事が貫かれている。
随所に丁寧さが感じられ、盛り付けや器の選び方なども洗練されている。
しかし残念なのは接客面で、ぎごちなさが目立ち慌ただしさも否めない。
配膳の順序や速度は不安定で、奥とホールとの連携も不十分で混乱気味の様子。
カウンターに座ったため特に粗が目立ったのかもしれないが、複雑な座席配置のためか動線がスムーズで無く、手は足りているように見えてバタバタとした印象が強かった。
夜は原則予約制となっているが、空いていればフリの客も受け入れるようだ。
客層は以前の店に比べ幅広く、夜でも食事目的で訪れる客も居るようだ。
もう少し落ち着いた「蕎麦屋酒」を期待したが、心から寛げる気分にはなれなかった。
これはひとえに、立地が良過ぎることに起因している。
雑多な人間に晒される立地は、功罪半ばすると思われる。
CPも明らかに低めだが、にわかセレブのメッカのようなこの場所では、高級蕎麦屋も形無しといったところであろうか。
こちらへの移転を機に、ミシュランガイドに復活するかどうかは未知数。
少なくとも蕎麦や料理の出来については遜色は見られず、問題は応対面と思われる。
最後に気になった点をもう一つ。
こちらはテナントとして入っているため店内にトイレは無く、用を足したければ一旦店の外に出て向かうこととなる。
その場所を訊けば'エスカレーターを上った2階の奥'とのこと。
しかもこの2階のスペースは19:30で閉鎖されてしまい、私は2時間ほどの滞店の帰り際に寄ったためギリギリ間に合ったが、その後は地下2階に在る別のトイレまで降りていくことになるそうだ。
場所は良くとも、この不便さには困惑する客も多いだろう。
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蓼喰人
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店舗情報の編集
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店名 |
三合菴
|
---|---|
ジャンル | そば |
予約・ お問い合わせ |
03-3444-3570 |
予約可否 |
予約可 |
住所 |
このお店は「港区白金5-10-10」から移転しています。 |
交通手段 |
広尾駅から201m |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
¥3,000~¥3,999
¥2,000~¥2,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 |
個室 |
有 |
---|---|
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
利用シーン |
|
---|---|
オープン日 |
2017年7月14日 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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こちらも再訪への思いが募っていた一軒。
出かけた帰り、少し遠回りして足を運ぶ。
時刻は13時過ぎ。
こちらは「広尾プラザ」の一階のパティオのようなフロアに面しているが、この時間帯でも表のベンチに座っている人が居たので、混んでいるのかなと思ったが、どうやらこちらの待ち客ではないようだ。
中を覗くと各テーブルが衝立で仕切られているので全体は見渡せないが、半分ほどは埋まっている様子。
真ん中付近の2人掛けの卓に通された。
昼に出来る肴類は限られているが、蕎麦屋酒を楽しめる体制は出来ている。
まずはビール(プレモル中瓶)をもらう。
お通しは付かないので、肴には先に「小ねぎとアオリイカのぬた」を注文。
それほど時間が掛からず小鉢に盛られて登場。
生のアオリイカの細切りと茹でた細葱が、辛子酢味噌で和えられている。
酢も辛子もはっきりした江戸っ子好みの味で、シャキシャキした葱の食感も好ましい。
量からすれば950円はやや高いかなという印象。
肴のもう一品は「玉子焼き」にしようと思ったが、花番さんのハーフサイズにも出来るとの声にそれでお願いする。
暫しの後、奥からご主人自ら運んできてくれた。
焦げ目を付けない綺麗な仕上がりの「出汁巻き」で、甘さの無い関西風が昔からのこちらのスタイル。
醤油を垂らした染めおろしと共に口に運べば、中々美味しい。
酒は豊富な品揃えで、その中から「〆張鶴」をグラスでもらう。
半合の量が大振りの蕎麦猪口のような器で出される。
昼に軽く呑むには好適で、暫し寛いだひと時が流れる。
蕎麦は久々なので基本の「せいろ」を一枚。
笊盛りの蕎麦は、中太に打たれておりやや不揃いな部分もあるが香りは十分。
こまかな星も見えるが舌触りは滑らかで、喉越しも良好。
つゆの仕上がりも揺るぎない。
濃さは中庸だが、出汁の旨味と返しのコクのバランスが取れた優れた仕事。
惜しむらくは猪口に直接入っており、蕎麦の盛りも決して少なく無いため徳利で出すひと手間が欲しく、その方が蕎麦湯もたっぷり楽しめる。
薬味には上質の本山葵が付く。
そば湯は余分な手が加わり白濁し粘度もかなり強いが、つゆの美味さのおかげで〆の充足感はまずまず。
夜に再訪して評価するのが相当と思うが、簡便ながら昼でも'蕎麦屋で一杯'が出来るのは有り難い。
場所柄と店の格から値段は高めだが、それなりの満足感は得られる。
かつて白金に在った頃はミシュランガイド1つ星の常連だったが、今では新進の蕎麦屋に押されてやや影が薄い存在となっている。
しかし仕事面では以前と変わらぬレベルにあり、店の雰囲気も昔の狭さに比べればゆったりしており、各席が半ば個室状になっているため遥かに寛げる。
'往年の名店'としての位置づけでは寂しく、もっと注目されても良い店である。