料理大好きな建築家の技を楽しむ : Si

広尾の日本赤十字のそば。

ビルの４Ｆにできたこちらのレストラン。　オーナーシェフは、建築家。

小さいころから料理が好きだったそうです。

「建築というのは、いろいろな人が協力して数か月たたないと結果がでないが、

料理は自分で造り、その場で出来上がりがわかる。　ある意味、対局」とシェフ。

店内は、とてもスタイリッシュ。　ほの暗い空間に、幅広いカウンター。

カウンターで、料理をいただき、デザートは、奥の長テーブルに移動するという演出。

壁には、店名「Ｓｉ」のロゴ。　もちろん、デザインはシェフです。

設計事務所の名前が、「４」（クアトロ」で、その４とSiを組み合わせるようにデザインされています。

店名の由来は、シェフの名前が史門なので、その「し」を取り、会社名とも関連させたそうです。

料理は、フレンチでもイタリアンでもなく、まさに、シェフがおいしいと思ったものを

作っている、という独創的なワールド。

木曜、土曜がアラカルトで、あとの日は、ワインペアリング、税サ込で１５０００円のコース。

この日は、コースです。

１、スープ　　　　　　　　　　５種類の雑穀。スペルト小麦（品種改良なし）、キヌア、ひまわりの種、
　　　　　　　　　　　　　　　有機玄小麦、チャナ豆などのスーパーフードづくし。
　　　　　　　　　　　　　　　これを、野菜のフォンと肉醤（レバーとハツの醤油）、
　　　　　　　　　　　　　　　新玉葱の風味でスープに。

　　　　　　　　　　　　　　　料理の始まりに、舌の鋭敏さを研ぎ澄まし、フラットになってほしい、とシェフ。
　　　　　　　　　　　　　　　確かに、素材を感じる味わい。

２、プハリ　　　　　　　　　　ジョージア（グルジア）料理。
　　　　　　　　　　　　　　　青物の汁なしガスパチョ、とのこと。
　　　　　　　　　　　　　　　いろいろな青物を、シェリービネガーで煮て、くるみでつなげたもの。
　　　　　　　　　　　　　　　筍と、レアに焼いたホタテにつけていただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　ホタテの紐を１時間オーブンで焼き、フレーク状にしたものがかけてあり、
　　　　　　　　　　　　　　　塩は一切使っていません。
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　パクチーやハーブ類がたくさん香るガスパチョです。
　　　　　　　　　　　　　　　ホタテの火入れもいい。

　　　　　　　　　　　　　　　美しい有田のお皿で。

　　①　VIGNALI BRUT スプマンテを合わせて。

３、ブーダンブラン　　　　　　こちらのスペシャリテ。
　　　　　　　　　　　　　　　塩漬けした山椒の実が入っています。
　　　　　　　　　　　　　　　ふわっとしたブーダンブランを、クミンをふったフムス（ヒヨコ豆のペースト）と。
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　エスニックな世界に連れていっていただきました。
　　　　　　　　　　　　　　　このブーダンブランは、山椒の実がいいアクセントになっていて、美味。

　　②　PRARUAR シチリアのいわゆるオレンジワイン。
　　　　　　　　　　　　　　　カタラットという品種で、きれいな杏色。
　　　　　　　　　　　　　　　シェリー酒のような風味がし、豚と合います。

４、鴨　　　　　　　　　　　　ハンガリー産。
　　　　　　　　　　　　　　　大きめの塊を、３段階の火入れで。
　　　　　　　　　　　　　　　ブラッドオレンジのママレードと。　ほろ苦さがいいです。
　　　　　　　　　　　　　　　皮目の焼きも完璧。
　　　　　　　　　　　　　　　美しい柿右衛門で登場しました。

　　③　PRINCIPIANO BARBERA D'ALBA 2011
やはり、鴨との相性は抜群

５、蝦夷鹿　　　　　　　　　　十勝、エレゾの鹿で、すね肉を赤ワインと香味野菜で煮込みに。
　　　　　　　　　　　　　　　柔らかく煮込まれていて、美味。

　　④　Solatio della Cerreta トスカーナ　2013
サンジョベーゼ、カベルネソーヴィニオン、メルロー
　　　　　　　　　　　　　　　ビオで、ほどよいボディ感です。

６、青森　倉石牛　　　　　　　とうがらしを炭火焼きで。
　　　　　　　　　　　　　　　目の前で、焼いてくれます。
　　　　　　　　　　　　　　　ものすごく、味が濃く、適度な歯ごたえ。
　　　　　　　　　　　　　　　ほんの少しの塩で。

　　⑤　Vacqueyras Le Clos des Cazaux
コートデュローヌの赤。

７、デザート　　　　　　　　　ここでテーブル席に移動します。
　　　　　　　　　　　　　　　デザートは、おぼろ豆腐に、みりん４種と西京味噌のソースをかけたもの。

　　　　　　　　　　　　　　　ヘルシーです。

８、ルイボスティー


　コースの始まりや終わりは、からだや健康のことを考えられて、構成されています。

　肉が４品続きましたが、それぞれに、味わい、調理法が違い、楽しめました。

　全国の生産者さんともかなりのやり取りをしていらっしゃるようすで、心底、料理が好きなんだな、

　と感じます。

　アラカルトはまた、ガラッと違う料理が登場するとのこと。　興味深々です。