【★4.2】発酵の仄かな酸味と旨味で昇華するフレンチノルディック【2226】 : ACiD brianza

この口コミは、やっぱりモツが好きさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.2

¥20,000~¥29,9991人
  • 料理・味4.3
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク3.8
2022/06訪問1回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク3.8
¥20,000~¥29,9991人

【★4.2】発酵の仄かな酸味と旨味で昇華するフレンチノルディック【2226】

4,143文字★

ペアリングコース(27,830円、税サ込)滞在時間:約2時間

2022年6月25日にオープンしたBrianza Groupの新店。
食べログのイタリアン百名店に選出されていたVIA Brianza(3.73)をリニューアル。
フランスやデンマークの星付きレストランで学んだ児玉智也シェフを迎えて、
発酵技術を駆使した「フレンチノルディック」という新ジャンルに業態変更。
ネット予約サイトOMAKASEで空き枠を見つけてお邪魔しました。

発酵やノルディック(北欧)というキーワードに軽井沢のNaz(4.01)を思い出しますが、
Nazの鈴木夏暉シェフが発酵由来の強烈な酸味を料理に多用していたのに対して、
同店の児玉智也シェフは発酵由来の仄かな酸味と旨味を料理に活かします。
(なお両シェフが一緒に働いていた時期もあったのだそう。)

過度な酸味を好まない筆者にとってNazの酸味は行き過ぎという印象で、
「ACiD(酸味)」と名乗りながら穏やかな酸味の同店のほうが好み。
Nazは軽井沢でお支払い総額38,720円、同店は麻布十番でお支払い総額27,830円。
筆者の主観では同店のほうが安くて美味しいフレンチノルディックという評価になります。

店内はカウンター4席、2人テーブル1卓、4人テーブル2卓(計14席)。
シェフ、調理補助の男性、ホールの男性、計3名で切り盛りしていました。
お支払いは現金不可でクレジットカードのみ対応となります。
ペアリングコース(27,830円)の内訳は、ペアリング9,680円、ディナーコース18,150円。

ペアリング(9,680円)1.鯵と羊 2.牡蠣と揚パンと鱧 3.酵母 4.磯 5.鮎 6.焦 7.黒豚 8.デセール

0.水(ガス入りorガス無し)
1.ブラン ド ブラン ブリュット ナチュール NV コント ユーグ 白泡 フランス シャンパーニュ
2.ピガート 2021 コーナー オレンジワイン オーストラリア クレアヴァレー
3.ドメーヌ トラペ 2019 ゲヴェルツトラミネール ベブレンハイム 白 フランス アルザス
4.シャトー ヌフ デュ パプ ブラン ル ヴュー ドンジョン 2019 白 フランス ローヌ
5.八月のアブサン スピリッツ 日本 東京 虎ノ門蒸留所
6.シャトー サンタンヌ バンドール ロゼ 2020フランス プロヴァンス
7.ブラウフレンキッシュ ブルゲンランド 2019 モリッツ 赤 オーストリア ブルゲンラント
8.新政 貴醸酒 陽乃鳥 日本酒 日本 秋田 新政酒造

ディナーコース(18,150円)

01-1.鯵
01-2.羊
02-1.牡蠣
02-2.揚パン
03.鱧
04.酵母
05.磯
06.鮎
07.焦
08.黒豚
09.凝縮
10.甜瓜
11.コーヒー or 紅茶
12-1.ニセアカシア
12-2.花粉

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は税サ込です

【4.1】鯵

アミューズに「鯵」と「羊」の2皿が同時に出てきます。
「鯵」は真鯵、フェンネル、セミドライトマトの小さなタルト。
皮目パリッと身はレアー感を残す真鯵の火入れが理想的ですし、
フェンネルの香りやトマトの酸味&旨味が真鯵の美味しさを更に引き立てていました。
1皿目から食材の組み合わせ方が上手くてシェフのセンスを感じます。

【3.6】羊

「羊」というネーミングですが主役となるのはトウモロコシ。
トウモロコシの掻き揚げにヘーゼルナッツパウダーと仔羊の心臓のパウダーを掛けています。
塩漬けにした仔羊ハツ(心臓)を乾燥させたパウダーは例えれば羊風味のビーフジャーキー。
ハツなので内臓特有の癖を感じますがトウモロコシが甘み一辺倒とならず複雑な味わいに。

【4.4】牡蠣

牡蠣の料理として「牡蠣」と「揚パン」の2皿が同時に出てきます。
セロリのジュース、パセリオイル、レモンのソースの中には軽く火を入れた牡蠣。
青大豆、アーモンド、林檎、豆乳ムース、揚げたキヌアをトッピング。

セロリやパセリといった香味野菜のスープの中に牡蠣が入っており、
青臭いような独特の風味を感じるのですがそれが意外と牡蠣に合っていて驚きました。
濃厚系というよりは淡麗系な料理ですがフレンチで食べた牡蠣としてトップクラスに美味しい。
レアー感を残す牡蠣の火入れも食材の組み合わせ方も非常に上手いと思います。

【3.5】揚パン

揚げパンの中には発酵キャベツ、牡蠣のマヨネーズ、軽く火を入れた牡蠣。
ネッチリした揚げパン生地の食感だけ好みと合わなかったのですが、
牡蠣を「たこ焼き」のように食べるというアイディアは面白いと思いました。

【3.8】鱧

鱧の湯引きと大根餅を交互に配して、その下には軽く火を入れたレタス。
ソースは発酵させたトマト、西瓜(すいか)、ディルオイル。
青柚子と赤万願寺の発酵ペーストも添えられています。

18,150円と麻布十番にしては安いので仕方ないですが鱧から少し臭みを感じました。
「揚パン」同様にネッチリした食感の大根餅もそこまで好みに合いません。
(おそらくシェフはこういうネッチリ感を好むのでしょう。)

しかし味付けと構成力は素晴らしくて鱧と大根餅にハンデを負いながら美味しかったです。
80,000円コースのくろぎ(4.36)のように済州島産の鱧など良質な食材を使っていれば、
この料理に対する評価は4.0以上になったと思います。

【4.2】酵母

同店のスペシャリテ。
北海道産のリードヴォー(仔牛の胸腺)をバターで炒めて、
ローストしたイースト(パン酵母)のピュレ、焦がした春菊のピュレ、
発酵させたジュースに漬け込んだブロッコリーや干し柿と合わせています。

食べやすいよう一口サイズにカットされたリードヴォーが単体で美味しいですし、
そこに酵母や発酵を活かしたソースを合わせても美味しい。
仔羊の心臓や仔牛の胸腺といった内臓部位を料理に活かしている点が好みに合います。

【4.3】磯

バターで香ばしくグリルした帆立貝、あおさと山芋のピュレ、発酵させた野菜ジュース、
ソースにコンテチーズ、クリーム、焦がした昆布オイルという組み合わせ。

帆立貝はウェルダンな火入れですが中途半端にレアーにするより良いと思います。
そしてコッテリかつクリーミーなソースが帆立貝を引き立てていました。
フレンチで食べた帆立貝のグリエの中ではトップクラスな美味しさ。

【3.8】鮎

愛知産鮎の身だけをフリットにして薬味に青山椒と酢橘。
杏子、胡瓜、茗荷、紫蘇、蓼、お皿の底には蕎麦粉のガレットを敷いてあります。
クレープのように巻いて食べるよう言われ、おしぼりも出されます。

鮎の素材由来の風味を楽しむというよりは組み合わせたハーブを楽しむ料理。
とはいえフワッと軽やかに揚げた鮎の食感が料理にプラスとなっています。
ガレットの食感だけ相変わらずネッチリしており好みとは合わなかったのですが、
構成力は素晴らしくて「フレンチの鮎料理」として評価に値すると思います。

【4.0】焦

丸ごと直火で焼き上げたズッキーニ。
イカ、ムール貝、マンゴーのセビーチェ、ソースはバイマックルー入りココナッツミルク。
例えれば日本人シェフが作った上品かつ洗練された「(タイ料理の)グリーンカレー」。

タイ料理に関してはヤムやラープはタイ人が作るほうが美味しいと思うのですが、
グリーンカレーは日本人が作るほうが美味しいケースが多いです。
茄子がグリーンカレーの定番トッピングとなっているように、
ズッキーニ(焼くと茄子の食感に酷似)とも相性バッチリでした。

【4.2】黒豚

ヴィアンド(メインの肉料理)は北海道産の黒豚。
付け合わせは乾燥させてから水で戻した人参、新生姜のピクルス、発酵させたサクランボ。
ソースはジュ・ド・ヴィアンドと麹とのこと。

レアー感を残す火入れによって黒豚の旨味が活性化しており食感も滑らか。
麹を使ったソースも美味しいのですが、乾燥や発酵を活かした付け合わせも美味しい。
そして肉と組み合わせて渾然一体となった美味しさを味わえる点も素晴らしかったです。

Nazもヴィアンドは黒豚(長野産の純血黒豚ロース芯)でしたが、
発酵由来の仄かな酸味と旨味で黒豚を昇華させていた同店に筆者は軍配を上げたいです。
それぞれシェフの出身地の黒豚を使っていたのは興味深いところ。
(児玉智也シェフの出身地は北海道の小樽です。)

【3.8】凝縮

アヴァンデセール。
ミルクのアイスクリーム、煮詰めた昆布茶、松ぼっくりオイル、松の新芽のピクルス。
松の香りをドルチェに活かすのは食べログSILVERイタリアンでも食べたことありますが、
煮詰めた昆布茶が違和感なくアイスクリームと合っているのが面白かったです。
アイスクリームは糖度が高いのか、冷えていても硬くならず蕩けるような食感。

【3.5】甜瓜

グランデセール。
メロン、ヨーグルトのパウダー、マスカルポーネのムース、車葉草(クルマバソウ)。
車葉草など山の食材はシェフご自身で採りに行っているそう。
メロンの糖度が低めなようで、乳製品と合わせていることもあってアッサリした味わい。
個人的にはグランデセールにはもっとコッテリ甘いデセールが欲しいです。

【3.5】ニセアカシア

小菓子として「ニセアカシア」と「花粉」の2皿が同時に出てきます。
ニセアカシア(ハリエンジュ)のシロップ、オイル、ピクルスと合わせた白玉団子。
花のような甘い香りと仄かな甘みを楽しめます。

【3.6】花粉

焦がしバターのパウンドケーキ。
いちじくジャムとビーポーレン(蜜蜂の花粉)入りのホイップした焦がしバター。
2種類の味変アイテムが添えられています。

メインのパウンドケーキといちじくジャムは普通に思ったのですが、
ビーポーレン(蜜蜂の花粉)入りのホイップした焦がしバターは美味しかったです。
塩と脂と旨味が強くて筆者好みなバター(ビーポーレンのおかげなのかは不明)。

  • ACiD brianza - 2022.6 鯵

    2022.6 鯵

  • ACiD brianza - 2022.6 羊

    2022.6 羊

  • ACiD brianza - 2022.6 牡蠣

    2022.6 牡蠣

  • ACiD brianza - 2022.6 揚パン

    2022.6 揚パン

  • ACiD brianza - 2022.6 鱧

    2022.6 鱧

  • ACiD brianza - 2022.6 酵母

    2022.6 酵母

  • ACiD brianza - 2022.6 磯

    2022.6 磯

  • ACiD brianza - 2022.6 鮎

    2022.6 鮎

  • ACiD brianza - 2022.6 焦

    2022.6 焦

  • ACiD brianza - 2022.6 黒豚

    2022.6 黒豚

  • ACiD brianza - 2022.6 凝縮

    2022.6 凝縮

  • ACiD brianza - 2022.6 甜瓜

    2022.6 甜瓜

  • ACiD brianza - 2022.6 ニセアカシア

    2022.6 ニセアカシア

  • ACiD brianza - 2022.6 花粉

    2022.6 花粉

  • ACiD brianza - 2022.6 店内(窓側)

    2022.6 店内(窓側)

  • ACiD brianza - 2022.6 店内(厨房側)

    2022.6 店内(厨房側)

  • ACiD brianza - 2022.6 メニュー

    2022.6 メニュー

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
ACiD brianza(アシッド ブリアンツァ)
ジャンル フレンチ、イノベーティブ、オーガニック
予約・
お問い合わせ

050-5589-2441

予約可否

予約可

キャンセルポリシーについて(人数変更も以下に準じます)
 3日前より 50% / 1名様
 当日連絡あり 100% / 1名様
 当日連絡なし 100% / 1名様
〇8名様以上のご予約の方
 7日前より 50% / 1名様
 3日前より 100% / 1名様

住所

東京都港区麻布十番2-17-8 パークIビル 1F

交通手段

都営大江戸線麻布十番駅1番出口徒歩1分
地下鉄南北線麻布十番駅1番出口徒歩1分

麻布十番駅から275m

麻布十番駅から272m

営業時間
  • ■ 営業時間
    [木~月]
    18:00~
    (L.O 19:00)
    [土・日・祝]
    12:00~
    (L.O 13:00)

    ■定休日
    火、水
予算

¥20,000~¥29,999

¥10,000~¥14,999

予算(口コミ集計)
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

サービス料10%

席・設備

席数

14席

最大予約可能人数

着席時 14人

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

ワインあり

特徴・関連情報

利用シーン

ロケーション

隠れ家レストラン

公式アカウント
オープン日

2022年6月25日

電話番号

03-5440-8885

備考

※お支払い方法…クレジットカードのみ
※5名以上での予約の場合はお電話ください。

初投稿者

やっぱりモツが好きやっぱりモツが好き(6888)

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