営業するからには、最後までキチンとやってもらいたい！ : GODDESS

この日は先日他界した父の七七日忌、納骨の儀が行われました。
ここ1年半ほどの間に母と父を相次いで見送ったことになるわけですが、無事見送れた感慨深さがある一方で何となくホッとしたような気持ちにもなりますね。
人間誰しも死を迎えるわけですが、戦前生まれの父母は必ずしも平和な時代のみを生きてきたわけではないだけに、戦後生まれで高度成長期に育ってきた我々の世代はそんな不幸の時代を知らない分、幸せな世代なのかもしれないなと思うこともあります。

しかしながら、"一寸先は闇"ではないですが、新型コロナ禍やウクライナ情勢は余談を許さず、さらには北朝鮮や中国の脅威、そして東南海プレートや首都直下地震など、これから先何が起こるかは誰にも分からないので、やはり日頃からあまり楽観的にならずに真面目に物事に対処することは心がけておきたいものですね。
面倒くさいと思うことも、習慣になると意外に普通にこなせるようになるものですので。

この日は、菩提寺にて11時からの法要、納骨の儀を終えた後、家族で近くのレストランで食事会を行いました。
母の納骨の時は法事らしく和食だったのですが、今回は、趣向を変えて麻布十番にあるこちらのイタリアンにしてみました。

当店を運営しているのは、株式会社ジャパンチキンフードサービス。
2000年(平成12年)10月に設立された会社で、恵比寿、中目黒、麻布、六本木といったエリアを中心に飲食店とリラクゼーションルームを経営しています。
飲食店については、旗艦店的存在のダイニングバー「ラグシス」をはじめ、焼肉・しゃぶしゃぶの「兜」（麻布十番本店、別館）、焼鳥店「炭火焼鳥 ももたろう」、和食ダイニング「SACRA」、鶏料理の「七ゝ樹」など10店舗程度を経営しています。
ただ、運営店舗の中には現在休業中のお店もあるなど（例えば、炭火焼きと水炊きの恵比寿の「KAPRO R」）、新型コロナ禍の中、経営は必ずしも順調というわけではないのかもしれませんね。
かなりゴージャスな店舗もあるなど前がかりな経営姿勢も見られますので、それ（資産≒負債も多そうなこと）も苦戦の要因の一つかもしれません。

当店は、食べログ会員店舗になっていますが、グルメサイトは積極的に活用しているようで、他サイト系のHPもあります。
その分、ややグルメサイト頼りの面が感じられるのも気になるところではあります。
食べログ評価も決して低いわけではないのですが3.5点には届いておらず、ひょっとしたら上記のグループ店全体にその傾向がある（3.0点台～3.4点台に分布）ので、チェーン店重しが適用されている可能性はありますが、この点もちょっと引っ掛かりますね。
ただ、過去の経験から3.3点台のレンジのお店には掘り出し物のお店もかなり埋もれていることも学んでおり、この日のチャレンジに至りました。

当店のオープンは2014年（平成26年）9月ですので、今年は創業丸8年を迎えることになります。
競争の激しい業態ですから、8年続いているということは、それなりに根付いていると見ていいのではと、そこは期待として捉えました。
場所は、麻布十番の商店街（十番通り）の六本木寄りの商店街出口に近い位置になります。
12時からで予約を入れていましたが、行事がスムーズに取り運んだため、11時50分くらいにお店に着きました。

外観からは重厚な感じがあり、結構お金かけてるかもと思わせます。
入店するとすぐに店員さんが応対してくれますが、外国人店員も多く、かつ接客はぞんざいです。
恐らく教育が十分なされないままに使われている人たちだと思われます。
あらかじめ個室(無料)を予約していましたが、入口近くの6人用の個室に案内されました。
個室と言っても、ガラガラの引き戸で上部には空間もあって周囲の声は丸聞こえ。
いわゆるなんちゃって個室ですね。
重厚と思われた造りも、そう見せかけているだけのような気がしてきました。
卓上には注文していたランチのコースメニュー(Bコース@2,500円)が置かれていました。

Bコースは、注文時の確認によれば、前菜、パスタ、メインのコースで、スープとデザートはプラス料金と認識していましたが、スープは料金内に組み込まれているみたいで、これは歓迎です。

パスタは、定番のA5ランク極上佐賀牛のボロネーゼと本日のパスタ(鶏のクリームパスタ)からのチョイスで、メインは4種類が用意されています。
4人でしたので、メインは全種類頼むことにしました。

まず最初の料理(季節の前菜3点盛り)が出されますが、生ハムは乾燥してますし、カプレーゼのトマトは萎びており、家庭でもすぐに出来る料理といった感じ。
これは先が思いやられるといった内容です。
そして、スタッフも詳しくは書けませんが、色んな意味で清潔感に欠けます。
接客がぞんざいなだけでなく、客に不快感を与えるのは如何かと思います。
料理の説明も全く無く、ただ料理を置いていくだけなのも気持ちの良いものではありませんね。

続くバゲット、冷製コーンクリームスープはあまり差のつかない料理なのでこんなものかもしれませんが、コーンクリームスープの微妙な酸味は気になりました。
しかし、料理について何の説明もないので、何の酸味なのかは分からず仕舞いでしたが。

パスタは、私はボロネーゼをいただきましたが、「A5ランク極上佐賀牛の」という形容詞は全く感じることのできない平凡なボロネーゼです。
決して不味いわけではありませんが、形容詞の過大さが浮き彫りになるのは否めないです。
本日のパスタ＝鶏のクリームパスタも、家族によれば味は悪くないようでしたが、鶏肉がひき肉だったのが多くを物語っていると思います。

メインは4種類全てを頼みましたが、見た目だけでも、どれ一つこれは！というものがありません。
まず添え物のマッシュポテトが全ての料理に共通でしたし、私がいただいたA5ランク極上佐賀牛の赤ワイン煮込みは、ボロネーゼと同じ形容詞なのがまず疑問を持つところで、実際食べてみても"A5"、"極上"、"佐賀牛"の全てが虚しく感じられました。

厚みはあっても見るからに鮮度が衰えた感じの鮮魚(ブリ)、生姜焼きと見間違いそうなチャコールグリルポーク、昔食べた不味い独身寮の飯を彷彿とさせるローストチキンと、レベル感はこんなものです。

＋550円のデザートは、チーズケーキとガトーショコラからのチョイス。
私はガトーショコラをいただきましたが、イチゴやブルーベリー、ホイップクリームで化粧は施されているものの、本体は市販の量産品レベルのものです。
コーヒーもマシーン淹れの一般的なもので特別評論に値しません。

>過去の経験から3.3点台のレンジのお店には掘り出し物のお店もかなり埋もれていることも学んでおり、
と前記しましたが、完全に裏目にでた形で、"3.3点台のレンジのお店には、とんだ食わせ物が紛れ込んでいる"事例となってしまいました。
8年営業しているという点についても過大評価でしたね。

前述の営業中止のお店にも表れているように、かなり経営的に厳しい局面に差し掛かっているのではないかと思われ、当店もそのために安かろう・・に堕している感がアリアリでした。
これは危険な兆候とも見られ、そう長いことはないようにも思われました。
麻布十番商店街のハズレとは言うものの、目の前にはピッツァの百名店「SAVOY 麻布十番店」があって、そちらは行列が出来ていましたので、彼我の差は、偏に飲食店経営への取り組み姿勢の問題だろうと感じました。
一旦こうなってしまうと再浮上はかなり困難と思われますし、見方によっては閉店までの流し運転とも思われますが、経営トップには飲食店経営者としての気骨を持ってもらい、最後まで手抜きはして欲しくないものです。