エンジョイ！ : 鮨利﨑 青山

テレビの某散歩番組で、入った鮨屋を絶賛していて。そのお店が最近二号店を出店したという話をしていたのですが、それがこちらのお店です。お店の場所は外苑前からも乃木坂からもかなり遠いので、タクシー案件かな。しかし地下鉄を使うと、流しのタクシーを拾うのに苦労するという東京あるある・・・。今回は久しぶりに来た外苑前を散歩したかったので歩きました。道すがら別の鮨屋があって、オープン直後のせいか行列していてびっくり。代替わりしても人気なんですね。

こちらのお店、現在でも18:00と20:30の二回転。営業自粛のご時世の中、20:00過ぎて営業しても大丈夫なんですね。実際予約も最近は毎日満席状態で、１月は休みもなかったそうで。労基署案件になってもおかしくない笑。お店には18:00ちょっと前に着いたのですが、時間ぴったりにならないとお店をオープンしないようです。赤坂の鮨屋でもやられましたけど、最近の鮨屋はみんなこんな感じなんですかね。高級店のことをよく知らないので、わかりませんけど。お店が地下にあるので、行灯が出てないと気づかないと思います。たどり着けたのは、GoogleMap先生のおかげです。店内には胡蝶蘭がたくさん。テーブル席もあるのですが、花でいっぱい。まあ個室でもないのに、鮨屋でテーブル席を使うシーンがあるのかは謎ですけど。もともと居抜き物件のようで、四方を黒い御影石で囲んでいて、何というか港区バブリー（死語）な感じです。コースは￥９,０００円一本のお任せのみ。都合１３貫も出るので、追加はしませんでした。ビールは瓶のプレミアムエビスのみ。つまみと握りが交互に出てくる、すし匠スタイル。このすし匠スタイルって、何がいいのか全然わかんないですけど、鮨屋の営業とめっぽう相性が悪いんですよね。鮨屋ってシャリ命で、シャリの炊き上がりに命を懸けているじゃないですか。だから、客には時間通りに来てほしいものだと思うんですよ。一方客は客で、そうそう時間通りに来れる人ばかりではないと思うんですよね。そのタイムラグを埋めるためのものが鮨屋のつまみであって、つまみはアルコールを飲む人のためのものではなくて、単なる時間つなぎの一品のはずだと思うんです。それを握りと交互に出されたら、そのお役目のほとんどを果たせなくなると思うんですよね。知らんけど。

渋谷の１号店より安いとは聞いていたのでボリュームに期待していなかったのですが、思った以上にボリュームが多めで嬉しかったです。シャリはハード系ですが酸味・甘味・旨味は抑え目で、ネタの仕事と旨味を優先する感じの鮨かなと思います。カスゴは桜の葉で香りづけしているとのこと。名前の通り春らしくて洒落た感じがします。イカの熟成はパキっとしていて好きな感じです。香りづけにスダチを使ってましたけど、効果はよくわかんなかったな。よくわからないくらいで逆に正解なのかもしれないですけど。磯辺の海苔は、当たり前のように美味しいです。鮨屋の海苔は、だいたい美味しい。花板が日本料理店で修業していたようで、茶碗蒸しのネタはすっぽん。面白いと思うし仕事も丁寧なのですが、すっぽん出汁って色々わかりにくいので、何とも言えない感じで・・・。中トロはサシがなかったので赤身なのかと思ったのですが、よく考えたら高級店の中トロのビジュアルってこんな感じですよね。コハダは沈みました。沈む鮨を初めて見たので、感動しました。アワビのソースは生クリームで伸ばしているのかな。少し脂肪感があって、酢飯とも程よく合います。花板のご実家が牧場経営しているとのことで、牛肉の握りを出しているとのこと。この辺の変化球は、港区っぽくってイイと思います。やはり港区らしくプリン体からの穴子ツメでフィニッシュ。最後は玉子ですが、焦げて玉子の風味を台無しにしているところは詰めが甘い笑。ちなみに日本酒はキムラガラスのバレリーナで出てきました。オーダーしたのは大信州の特別純米と田酒。香り強めの日本酒が多かったので、この点は意識しているのかなと思います。

これだけ飲んで食べて14kなら、コストパフォーマンスは良く、使いやすいのかなと思います。東京の鮨屋って、コースだけで20k越えがザラにあるので、びっくりしますよね。ただ、リピートするくらいなら都内の10k台鮨屋を開拓したいかなあ。この店に対するネームバリューは感じないし、予約も難しそうなので。ちなみに客層は港区ラバーな方も多く、ルノワール的な面白さもあるとも思います笑。