タンモア、4周年の秋の夜は静かに更けて : フランス料理 タンモア

9月はこちらの誕生月です。昨年初めて訪問したのも9月でした。
今年はマイレビュアー様とそのご友人とご一緒させていただきました。

到着すると、おふたりともお揃い。初めてのカウンター席。田中いづみシェフの調理される姿を間近で眺めることができます。
いただいたのは今月のコース（9000円、税・サ込）、ドリンクはノンアルコールのペアリングをいただきました。実はこちらの物語のあるノンアルペアリングにはまっております（笑）
◆がペアリングです。

◇アミューズ「ひよこ豆のデクリネゾン」
・ソッカ（ひよこ豆のクレープ）とブランダード
・ひよこ豆のブイヤベース
・パニス（ひよこ豆のそばがき）とアイヨリ
・ひよこ豆チップスとラタトゥイユ
ひよこ豆をさまざまな形で、それぞれ南仏名物と合わせて。どれも美味しい。

◆地中海のアペリティフ
カンパリにレモン・ライム・グレープフルーツの皮と果肉を漬け込み、ノンアルのシャンパンと強炭酸を加えて。

◇前菜1
「烏賊きゅうと馬肉のタルタル、ルーロー仕立て」
会津馬肉をピクルス・ケッパーで味付けし烏賊や胡瓜で巻き込んで。さらにいしるやオイスターソースで味付け。素材の持つ「むっちり、ねっとり」した食感の共通点を合わせて。
これ、けっこうボリュームあります！

◇前菜2
「ジビエのパテドカンパーニュ、牛蒡のソルベ、ジロールのサラダ、血のコンソメジュレ」
鳥取県産仔鹿と猪肉をパテに。ジュレはジビエの出汁と豚の血のコンソメ。
牛蒡のシャーベット・牛蒡とジロール茸のマリネを合わせて。


◇魚料理
「仏産舌平目と日本のキノコのボンファム風」
ヴェルモット酒やほたてのだしの旨味と甘みを重ねて。日本のきのこを合わせたタンモア風ボンファム。酸味が効いて普通よりもあっさりいただけます。

◇お口直しのグラニテ

◆牛蒡、舞茸、ナッツ、海塩
牛蒡で秋の葉の枯れ葉の香りを、舞茸で旨味を、胡麻・アーモンドで香ばしさを。

◇肉料理B（+1000円）
「仏産リードヴォーと仏産エスカルゴと国産ウナギのパイ包み焼き、マルサラ酒のソース」
鹿児島産のウナギ・ブルターニュのリードヴォー・シャランのエスカルゴをパイ生地でまとめて。
下に敷いたのは大蒜・パセリ・じゃが芋のピュレ。マルサラ酒のソースが頗る美味。
ビーツ・人参・りんご・ドライアプリコットで甘酸っぱさをプラス。
極めて濃厚なメイン！パイ生地も素晴らしい。

◆8種のドライフルーツと4種のスパイスの白ワイン
無花果・アプリコット・レーズンが肉に、カルダモン・コリアンダーが魚介に寄り添います。

◇チーズ
「シェーブルチーズの軽いムース、梨、シソのグラニテ」
山羊乳のチーズムースと青じそのグラニテや梨でさっぱりと。デザート感覚。チーズが苦手な人も食べられますね。

◇デザート
「無花果の赤ワインマリネ、マスカルポーネのサバイヨン、ヴァローナ・アラグアニ・ショコラのソルベ、パンテッレリアの香り」
無花果は生のままスパイス入りの赤ワインに漬け込んで。ベネズエラ産のカカオだけで作ったチョコレートを添えて。小瓶に入った洋酒「パンテッレリア」をかけていただきます。

◆黒無花果と桑の実のフローズンカクテル
無花果と桑の実のプチプチ食感を楽しめます。

◇小菓子
「南瓜のプラリネ、プラリネと南瓜」
南瓜の求肥でプラリネクリームを包んだもの。プラリネのクッキーで南瓜クリームを挟んだもの。
２つの食材を逆転させたお茶菓子。軽いと感じましたが、甘いものが苦手なシェフにとっては最高に甘いらしい（苦笑）

◇コーヒー
軽め・中くらい・重め・かなり重めからいちばん重いものを。

素晴らしかったです。採算を度外視された、誕生月ならではの力のこもったお料理の数々。
シェフの力強いお料理を堪能しました。
カウンター席で色々な食材・お料理・その他諸々のお話を伺いながらいただくお食事はとても楽しかったです。同席のおふたりはメインA・Bを両方召し上がっていました！

最後のお土産をいただき帰途に着きました。楽しかった秋の宵。

マイレビュアー様が召し上がった7月のコースに魅了されて、早速訪問しました。
雨の降る土曜日。ディナーコース（9000円）を。
ノンアルコールのペアリングが前回良かったので、今回もお願いしました（4杯、2700円）、◆です。

◇アミューズ「夏野菜と穴子のテリーヌ」
◆味噌と黒蜜のシャンパン風
オクラ・茗荷・キクラゲ・モロヘイヤを穴子と共に野菜の出汁でテリーヌに。周りには大葉・新生姜・赤玉葱のドレッシングを敷いて。夏野菜満載の涼し気なひと皿。

◇前菜１「茄子・ナッツ・プレザオラ」
グラスの中二茄子とナッツのクリーム、折戸茄子を焼いて牛コンソメに漬けたもの、水茄子、焼き茄子のペーストと胡桃のブリック包みを乗せて。いちばん上にイタリア産の牛肉赤身の生ハムプレザオラをスライスして飾っています。薔薇の花が咲いたよう。

◇前菜２「冬瓜・鮎・鶏節」
◆レモンコンフィとライチのフローズンカクテル
フレンチで鮎とは！紀州の鮎の身をセモリナ粉でフリットに、肝ペーストと合わせて。冬瓜を冬瓜だし・鮎出汁・鶏節出汁で煮たものと一緒に。

◇魚料理「ズッキーニ・太刀魚・チョリソ・サフランの白ワインソース」
素晴らしいサフランの白ワインソース、パンで余さず拭いました。
太刀魚とイベリコ豚チョリソのピューレをズッキーニで巻き、蒸し上げて。土台にはセミドライズッキーニを敷いて。

◇お口直しのグラニテ「オレンジとブランデーのピースボー」
さっぱりと。

◇肉料理「パプリカ・アイルランド産仔羊　背肉のロースト・すね肉のコンフィ・中東風2種のソース　もも肉のカタルニア風」（+2000円）
◆緑のガスパチョトニック
津軽鴨との選択でもちろん羊を選びました。
仔羊の背肉はローストに。すね肉はコンフィにして万願寺唐辛子に詰めて。ソースはパプリカのソース、ピーマンとヨーグルトのソース。
この背肉、なんと柔らか。今まで食べてきた仔羊の中でいちばん柔らかい！香りもマイルドで、シストロン産とよく似ています。素晴らしい仔羊。万願寺唐辛子詰めも深い味わい。
もも肉のカタルニア風は柔らかなもも肉を薄切りに、レーズン・松の実・チーズ・紫玉ねぎのソースで。

◇チーズ「とうもろこし・水牛のモッツアレラ・レモングラスのグラニテ」
フレッシュのとうもろこしとイタリア産水牛のモッツアレラチーズを合わせて。レモングラス香るソルベとオリーブオイルも添えて。

◇デザート「うり系野菜と果物のアンサンブル」
◆スイカ・リカール・カンパリ
ゴーヤのソルベ、スイカ・胡瓜とメロンのスープに杏仁のムースと八角・シナモン・クローブのジュレを添えて。爽やかな苦さです。ゴーヤのソルベなんて考え付きません。

◇お茶菓子「枝豆3種」
枝豆のクッキーサンド、枝豆アイスと焼きホワイトチョコ、潰した枝豆とクリームチーズブリュレの3種。お茶菓子までぬかりありません。特にブリュレが美味。中から枝豆が次々と顔を出します。

◇食後の飲み物「エスプレッソ」

2回目のいずみシェフのお料理、堪能しました。最後にシェフがご挨拶に見えました。
女性シェフの腕から紡ぎ出されるとは思えない力強さと繊細さも併せ持つ素敵なお料理。
次回はお店の誕生月に9月に訪問予定。楽しみです。

こちら、以前から気になっていました。
敬愛するマイレビュアーさまが熱くこちらのお料理を語られるのを拝見し、伺わずにはおれません。
平日ディナーで訪問しました。

閑静な乃木坂の街。広がる白の空間。
いただいたのはディナーコース（8000円、税込み）に緊急事態宣言下につき、ノンアルコールペアリング（4杯、2700円）をつけて。

９月は開店記念の月とかで、素敵なお料理が並びます。
以下、いただいたお料理です。◆はペアリング。

◇アミューズ「ヘネシーとフォアグラのパルフェ」
フォアグラのアイスとテリーヌと泡。底にはコーヒーゼリーが沈んでいます。仕上げにヘネシーをひと吹き。

◆「ナツメヤシとスパイスのシャンパン風」
スパイス香るデーツシロップをノンアル泡と一緒に。

◇前菜１「水ダコのカルパッチョ-タコ焼き仕立て-」
水ダコのスライスが、紅生姜・青ネギ・西洋ワサビのマヨネーズで飾られて登場。仕上げにはオタフクソースまで！合わせていただくと、確かにタコ焼き。

◇前菜２「仔牛タンのショーフロア」
「ロールキャベツです」とほほ笑むソムリエ氏。ひとつは牛タンのピカントソース煮込みをきゃべつで巻いて。もうひとつはコンソメジュレで固めて。

◇お魚「ブイヤベース」
この日はホウボウ。ふっくらホウボウに刻んだジャガイモを添え、モンサンミッシェルのムール貝を散りばめて。トーストにグリュイエルチーズとルイユをのせたものを後から加えていただきます。

◇お口直しのグラニテ
この日はリモンチェッロ。ほのかな苦み。

◆「グレープフルーツ、ローズマリー、エルダーフラワー」
プロヴァンスでロゼに氷を入れて飲むような、イメージ。フレッシュのローズマリーが爽やか。

◇お肉「ウサギとオマールのガランティーヌ。仏産キノコとモリーユのソース」（+2000円）
ウサギでオマールを巻いています。ソースは２種、トランペット茸のピューレとモリーユ茸のソース。他にジロール茸のソテーなどをたっぷりと。茸をいただくためのお料理！
赤ワインがあったらどんなにか合うでしょう。

◆「キノコ、明日葉、マデラ」
ドリンクは、なんとお料理に合わせて干し椎茸が香ります。大好きなマデラも入って。

◇チーズ「シャヴィニヨルと白味噌のグラチネ」
山羊のチーズに白味噌のソースで甘じょっぱく仕上げて。ソースにはカシューナッツやアプリコットも潜んでいます。ワインが欲しい！思わず叫びたくなります。

◇デザート「梨と桃のバジル、スーズのジュレ」
スーズという、苦くて黄色いリキュールのジュレ・ミルクのソルベ・フレッシュな桃と梨、そしてバジル。桃の淡紅色にジュレやバジルが映えてなんて美しい。更にスーズを少し加えていただきました。

◆「ゴーヤと梨のフローズンカクテル」
ドリンクは、ゴーヤ・キウイ・バジル・ライム・梨のフローズン。ゴーヤとスーズの苦みを合わせて。

◇食後の飲み物「エスプレッソ」

◇ミニャルディーズ「ショコラとスパイス」
プチシューとガナッシュにクミンやカルダモンを合わせて。

クラシックなフレンチという噂にたがわぬ、素晴らしいソースの数々！
お店全体に穏やかな空気が流れているのはシェフが女性だからでしょうか。たおやかな時間を過ごすことができました。

ワインがいただけなかったのは残念ですが、初めてノンアルコールペアリングというものを体験。
発想とネーミングが詩情豊かで面白いです。

今月はブリオッシュとレモンクリームのお土産付き（写真失念）。お土産をいただき、田中シェフとソムリエ氏にお見送りいただきました。