上×在=至福の肉料理と鮨が乱舞し恍惚するひと時 : 肉割烹 上

■2021.01.09（日）昼餉

■御料理 お任せペアリング込み¥35,000

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[お品書き］
1品目:茶碗蒸し　

玉地
牛アキレス腱
このわた
蕗の薹

鰹節ベースのお出汁に
牛筋で取ったお出汁を合わせてうま味を
深めての優しい餡
アキレス腱はお出汁の濃度を深めて
うま味を膨らませていいお味に仕上げてます。
このアキレス腱で取ったお出汁というのが
なんて言う滋味深さか良く舌が理解できずに
迷ってしまったのですが
おでんのうま味の優しさに少し野性味が加わった
コクの奥行きが感じられるうま味で
そのうま味を上手に餡に広げてあり
上澄み部分を掬って舐めると
餡のまろやかさにwildなうま味が浮いてくる感じなのです。
此れはチョット不思議な味わいで
舌が戸惑いを隠せずなのだけど
嬉しくなるお味でした。
鰹に牛を合わせるとこうなるのかと
新鮮な驚きでした。
そのお出汁ベースの餡にぷよぷよと浮かぶ玉地
その玉地もお出汁が良く馴染んでいて個性的な
うま味が玉地から滲み出してくる美味しさ
そのうま味が舌に浸透しつつある所に
海鼠腸の珍味が飛び出してくるし
更には蕗の薹のほろ苦さがグッと寄せて来て
蒸し玉全体の味を引っ張って一瞬
パチンと何かが弾けた感が浮上すします
何とアキレス腱は煮込み5時間です。

出汁のうま味
蒸し玉の甘味
蕗の薹の苦味
海鼠腸の珍味

この3要素のうま味がハーモナイズして
ご苦情の味わいを満喫させて頂きました。

2品目:和牛ユッケと雲丹のいくらソース

和牛のユッケ鮨
馬糞雲丹は落石の雲丹
醤油漬けいくらソース

ユッケ鮨は脂質が滲み出すので
小手返しも慎重に岡田大将

其処に塩水のいくらを裏漉ししたものを
真上からトロトロ〜と滴り落として
味覚にコクを持たせて仕上げてます。
この味覚たちの乱舞する旨味珍味が錯綜して舌を
そしてその全部をお海苔で手巻きにして
頬張ります。
うふ、何これ？
チュッと手巻きに口づけしたくなる
素敵な珍味が私の舌を震えさせてます。

3品目:白身 和牛コンソメジュレ

鮃を下地にして
この子を乗せて
牛のコンソメジュレを纏わせて旨味を付けて
ジュレの中には酢橘を搾って柑橘の酸味を
含ませてます。

鰹出汁をベースにしたものに牛の骨や筋を
じっくり時間をかけてコトコト煮込んで行き
冷めた状態まで持っていくと少しずつ
瀞みが出て来る
其処のところでゼラチンを加えてやる
そうすると淡くうま味の深いコンソメジュレが
出来上がるとの事
聞くと簡単そう、でも凄え時間かかっています。
その手間隙を掛けた完成形のジュレが
均整の取れた鮃の上にソフトに添えて有り
奥ゆかしく佇んでます。

そのジュレの掛かった鮃を一緒に挟んで
頂きます。
んんま、感動もののお肉らしいうま味が
ぷよぷよな食感と共にジワリ舌に沁みてくる
かと思ったら鮃がしなやかに身質を返す

4品目:和牛タルタル キャビア 藁の香り

かめのこと言うシンタマの部分で一番赤身の
度合いが濃厚な部位で
タタキなどにすると旨味が増して
赤身好きには堪らない部位との事
このかめのこを肉塊ごと釜の中で藁で
炙って薫香を纏わせてタルタルに仕上げてます。
その上にキャビア乗せと言う贅沢な一品。
一目惚れしてしまうほど欲に駆られて
此れはもう涎ものですよ。
なんと言ってもトロリと解けていく
タルタルの生肉の艶かしさに舌がメロメロです。
mogmogすればするほどタルタル肉から
薫香が気高くお口の中で充満し
妙味を発散しまくりです。
更にキャビアさんが後から追いかけてきて
塩味を程よく振り撒いてタルタル肉の旨味を
くっきりと浮かび上がらせて
キャビアの味覚と調和させます。
タルタルの甘味の後にキャビアの塩味が
ジワ〜っと沁みてきて
そいつが何とも言えない美味しさを
作り出してます。
んん、これぞ極上肉の旨味か
タルタルとキャビアのコンビネーションに
舌が溺れてしまいました。

5品目:握り カンパチ 佐賀 煮切り

本日最初の鮮魚ネタでの握りです。
先程のユッケの肉鮨の印象が強く残っており
逆に言えば
お、漸くお鮨が食べれるかなと期待値MAXです。
付け台に置かれたカンパチの握りを
ポンとお口に放り込む
ん、本日最初に味わうフレッシュなお魚だ
身質の鮮度も良い
しなやかにカンパチがお口の中で踊るよ
シコシコする筋肉質が感じられて
カンパチらしい歯応え感が楽しい
脂も程々に乗ってて
サッパリとした脂質からの旨味が
舌を楽しませてくれる
舎利といっしょにmogmogしてると
カンパチの甘味が舎利の乳化に合わせて
舎利に溶け込んでくるも
煮切りが静けさを少し乱し甘味を膨らませる
ん、何か久しぶりにお鮨堪能出来たぞって感じに満足感がヒタヒタ寄せて来た。

6品目:ランプレドット ブイヤベース

伊勢海老
鯛
浅蜊
蜆
魚の骨やアラで取ったお出汁と一緒に
ギアラを煮込んだブイヤベース。
ブイヤベースの中には牛の第四胃袋の部位で
ギアラが一緒に煮込まれて入ってます。
このギアラが意外にも牛肉の旨味エキスを
ブイヤベースの中にしっかりと溶け込ませている
いい仕事ぶりなのです。
このギアラのお陰様でしつこくも無く
かと言って淡白では無く濃厚な旨味を
漂わせたブイヤベース仕立てが完成されてます。
大海の恵みを受けたうま味と
大地の恵みで育った牛のエキスとが共鳴し合う
至福のブイヤベースとなっており
極上の旨味を堪能させて頂きました。

7品目:握り リブロースの漬け

肉肉しくも美しさを兼ね備える色気が
香ばしく欲をそそるロゼ色の肉肌に
つい、うっとり見惚れてしまい
舌が欲を隠せずに居る
ウズウズして舌が微妙に震えている

リブロースの滴る肉汁がその身を全身に纏い
舎利におんぶし付け台に佇んでいる
今か今かと
お口に入るのを待ち望んでいるかの様だ
中央のロースの部位と重なる部位だからか
霜降りがとてもキメ細かく美しい肉肌を
曝け出している
堪らず手を伸ばし指で摘もうとするも
おっとヤバイ
ツルリと指から抜けてしまいそうになる
滴る脂質が滑らせるのだ

慎重に運んでお口に放り込むと
んんまぁ〜、途端に目ん玉飛び出ちゃうくらい
肉汁タラタラに舌に滴り落ち
脂質感の旨味が口内に一気に充満
ゆっくりと味わいたく
ゆるりとmogmogする
一つ二つ三つほどmogmogとリブロースを
優しく砕いてみる
誠に
円やかで柔らかな肌触りが舌を撫でる
肉自身の甘味が芳醇かつ豊満な肢体が
舌の上に横たわりその官能的な旨味で
舌を魅了する。
其処に漬けの甘味が加わる
肉の旨味も脂質感ともに邪魔をしない
漬けの施し様がとてもナイーブに感じられる
んん、肉鮨の醍醐味を改めて噛み締めたひと時。

8品目:握り ハラミのたたき

今度はハラミのたたきと来ちゃいました。
此奴も素晴らしかった。
ハラミ肉をブロック毎釜の中で藁焼きに
握りにピタッと寄り添うお姿が優しく
舎利を包み込んで舎利を労わる気遣いが
見受けられる握りで御座います。
さて、その芳しき薫香が鼻腔を掠めて
うっとり気分に浸りながらハラミの
嫋やかなる肉感を噛み締めて舎利を
mogmogしますのは至福の喜びとする所で
御座います。
その上、肉質自体の旨味が濃厚で
赤身の品の良さが自然に微笑み掛けて来る
誠に紳士なお肉なので御座います。
咀嚼を嗜む瞬間にも脂質溢れ出るも
サラッとして爽快な甘さが残るものにて
後味軽快に残されていきます。

9品目:握り 小鰭

小鰭の肉肉しさに翻弄されてしまう
酸味がシャープに走り抜けていった
銀光するフォルムに瞳も釘付けされ
小鰭舞う舎利と共に舌が虜にされる

お鮨の中でも小鰭の握りは格別と感じる
ネタのチャームさが愛おしくなり
何時迄も何処までもこの小鰭に
寄り添いたくなる自分が居る

10品目:キンキの唐揚げ 河豚白子のソース

河豚の唐揚げかと思いきやキンキだったとは
少し驚き
嬉しくなっちゃいますね〜。
この時期のキンキは脂乗って甘味が潤沢
この変化に富んだ至福の美味珍味大行進の
お品書きに拍手喝采したくなります。

サクサク感が見ただけでビビッと感じられる
外観から純白に舞う河豚のソース
非常に魅力的な美観を保ち
見るからに食欲をそそります。
河豚の白子を裏漉しした円やかなソースで
衣のサクサク感を白子の淡白な甘味で纏い
唐揚げの脂切った質感を宥めて大人しい
衣にその表情を和めてます。
この辺の唐揚げの和らげ方や食感の楽しませ方に
レベルの高さが窺えて舌がはしゃいでおります。
そして
唐揚げしている中で程よく蒸されたキンキの質感
余分な脂質が蒸発してキンキの身質の中に
脂の旨味がギュッと凝縮して美味極上なる味わい
キンキ自身の甘味と旨味が相乗して
舌をのけぞらせる程に美味さが膨張している。
ふう、ボリュームもたっぷり歯応え感サクフワで
満足感で高揚する事必至の美味さでした。

11品目:厳選和牛ステーキ

月齢44ヶ月の神戸牛サーロイン
ゲランド塩の上澄み
山葵

赤身の旨味に
サーロインの肉汁は脂の軽さと甘さが共に
味わえる極上の一品。

特注レンガの窯の中でじっくり焼きあげてます。
熱源の炭火は
火力の最も強いウバメガシの備長炭との事。
滴り落ちる血塗れの肉汁が皿底に
溜まって来ている
一瞬ワインソースかと見紛う
深紅に染まる肉肌が美し過ぎて
肉の表面にほんのりと滲み出た肉汁で
コーティングされた肉片が
潤いに満ち満ちて光沢を放ち
肉ラバーのハートを鷲掴みするかの様に
此方を見つめてます。

焼き上がったばかりの肉片に歯を入れて見ると
柔肌がスゥッと肉布団の中に歯を招き入れ
歓喜に打ち震える舌が悩まし気に
肉片の奥に抱かれて行く。
咀嚼感が半端なく官能的な装いの表情を見せて
しっとりと舌に絡み付き
きめ細やかな肉の繊維がたおやかにほ解れて行く
サーロインはエレガントな猛々しさが持ち味。
健やかな牛なればこそのピュアな味わいに
溺れてしまいました。

12品目:【太巻】牛トロ・車海老・穴子

最初巻物の上にまぁるいタルタルを
乗せてるのかなと思ってましたら
何と牛トロですよ。
此れは間違いなく美味い奴だと確信して
暫し岡田大将の仕上げを待ちます。
わぁ〜い、付け台に来ましたよ〜。
ドンと鎮座する太巻き＋牛トロ
う、う、美味そう。
at a glanceヤバヤバな美観が舌を誘って
堪りません。
堪え切れず、大きく口を開けて〜
ギュッと一口で、えいやッと押し込みもうとしましたが、やっぱり無理っぽく半分を押し込んで
パクパク、mogmog、んん、お口の中が満杯で
ぐうの音も出ない状態なんだけど
牛トロ！！！！めっちゃクチャ蕩けるゥ〜
此れは牛の大トロか？
あっという間に舎利と牛トロが渦巻き状態で
雪崩込み旨味甘味の大洪水です。
しかも其処にですよ、穴子さんは巻き込まんじゃうわ、車海老がプリプリ暴れるわで
組んず解れつの美味珍味なる味覚が氾濫です。
もう、おったまげの太巻きでした。
こんな反則技も今日の特別イベントだからこそ
かと思いますが
再度企画して欲しいなぁと切に思った次第です。

13品目:お椀

ほっこり舌をお疲れ様と褒めてやりました。

14品目:玉

しっとり感と気品が溢れる名作

15品目:作り立て塩アイス

冷んやり塩味が淡く漂ったアイスに
10年熟成の本味淋を掛けて
甘味と味醂の熟成感が素晴らしかった一品。