やっぱりランチコースのコスパは強烈です : Takumi

ゴールデンウィーク以来、3回目の訪問。
昨日、コロナワクチンの2回目接種だった私は、翌日の本日は念のため有休を取得しておきました。
せっかくの平日休みなので本来の私なら事前に行きたいお店に予約を入れておきたいところですが、熱が出たら当日キャンセルになってしまうのでやめておきます。
そしてワクチン接種の翌日の本日ですが、腕が重たい以外の副反応は特に無いので、早速朝からレストラン探し。
中華、イタリアン、洋食といろいろ候補は上がりましたが、結局安定感抜群そしてランチコスパ最強のこちらに電話してみると、ラッキーな事に予約ゲットです。
当店の週末のランチはコロナに関係無くかなりの人気ですが、平日ランチならいけるかもという読みは的中します。

■店内の様子
コロナと平日とこの暑さのせいか、私の他には個室に1組と、男性お一人様の計3組。
店内には静かにBGMが流れてます。
男性サービスマンとはまだ3回目ですが、キャラ濃い目の私は、すっかり覚えてもらったようです（笑）

■感想
当店のストロングポイントはなんといっても、ランチ6500円（税抜き）のコース。
ミシュラン一つ星で6500円、そしてこのクオリティはありえないです。
食材にコストをかけず手間暇かけてと言いたいところですが、本日も鮎、ウニ、フォアグラ、トリュフ、ヒラメ、仔羊となかなかの食材も登場。
そして相変わらず手の込んだメニューのオンパレードであり、これ利益出てるのか？と勘ぐってしまいます。
そしてその味からは大槻シェフのセンスの良さが随所に光り、針の穴を通すようなただ一点を攻めてくるような印象を受けます。
また、相変わらずデセール系もいいです。
スペシャリテのバラのババロワは今更語りませんが、本日は最後のミニャルディーズで出てきたオペラに感動してしまいましたました。
一口サイズですが、しっかりオペラとしての構成を成しており、食べると一切手抜きのない味。
特にコーヒー豆の風味が良かった〜。
最後まできちんと美味しいと本当にお店の印象が上がります（笑）

■本日の7150円（税込）のコース内容は以下の通り
❶鮎のポワレ、ガスパチョ、ジャスミン米とバジルのサラダ
ココナツ風味の泡がいい仕事してます。ガスパチョと合います。

❷パプリカのムース、ウニと海草のジュレ、ホワイトアスパラガスとレフォール、オールブランのクランブル
これは、食感が印象的。

❸軽いミートパイ、フォアグラのポワレ、レーズンとバルサミコ、トウモロコシとポップコーン
フォアグラにトウモロコシの相性の良さは鉄板。
そしてレーズンの甘味、バルサミコの酸味を合わせるのも鉄板の組み合わせですが、大槻シェフのこれは何かが違うレベルで美味いです。

❹ヒラメのポワレ、フユイユのソース
1回目も2回目も大槻シェフのポワソンは良かったけど、今回も素晴らしいです。
輪郭のハッキリしたテイストで私だけ好み。
また付け合わせの白ワインで蒸したサザエが、柔らかくて、味も素晴らしい。

❺仔羊のロースのロティ
グリーンペッパー風味のソースとの愛情抜群で申し分無し。
スターアニス（八角）風味のジャガイモピューレは、私的には？
一方でウドとスモモと新生姜のサラダも、仔羊とは素晴らしい相性でした。

❻バラのブランマンジェ、バラのソース、バラの泡、アーモンドクッキー
大槻シェフのスペシャリテ。
絶対食べるべきメニュー。

❼アメリカンチェリーのクラフティ
火の入った暖かいアメリカンチェリーのコンポートとプリンの組み合わせが美味い。

❽ミニャルディーズ
オペラがミニチュア版で超〜小さい（笑）
しかししっかり作り込んであります。
食べるとメチャメチャ印象に残るコーヒー感とチョコレートのハーモニーで、最後まで感動します。

季節毎のメニュー変更なので、次回は秋口に伺います。

2月にランチで初訪問してその素晴らしいテイストと、その感動に反する驚愕のお値段の安さに衝撃を受けたミシュラン１つ星フレンチ。
お得なランチで再訪するのも有りだけど、ディナーでシェフのフルパワーを体験してみたくなり、オヤジ一匹フレンチです。

■感想
ランチ6500円の倍近い、ディナー12500円のコースは、ウナギ、蝦夷アワビ、オマールエビ、天然甘鯛、ピジョン（エトフェ）と高級食材のオンパレード。
ランチのコスパの印象が強烈過ぎて霞んでしまいますが、このディナーの値段も安過ぎではと言う印象でした。
そしてその味わいは各所に大槻シェフだけでしか堪能できないセンスの良さをビンビン感じさせるメニューの登場。
一見モダンフレンチっぽいメニューが多いですが、クラッシック好きの私にもしっかり響く厚みのある味わいでした。
その中でも今回1番印象に残ったのが、前回のランチでもそうでしたがポワソン（魚料理）。
今回は天然甘鯛でしたが、鯛そのものの熟成感や味もさることながらソースが素晴らしい。更にその付け合わせの筍の糠和えが強烈であり、これは旨すぎて頭を抱えてしまいました。
食感は『銀座しのはら』に負けますが、糠と生クリームで和えたその味は、ある意味味付けと言う意味では圧勝の旨さ。この筍はマジ凄い。
又前回もそうでしたが、デセール系が今回は更に充実。
チーズ料理、デセール、そして強烈なミニャルディーズの怒涛の3連発であり、これはスイーツ好きのオヤジや女子は間違いなく萌えます。
スイーツの味の新しい発想、組み合わせの妙は私が通っているフレンチ随一でしょうか。インパクトありすぎてメインやそれまでお料理の感動を最後に上書きされるほどでした。

■本日のディナーコース12500円（税抜き）内容は以下の通り

❶白コショウ
馬肉のタルタルにキャビアのクリームソース。
フライドオニオンがいい。

❷ウナギとブーダンノワール
初めての食べ合わせ。
鰻の味が力強すぎて期待したほど豚の血との相乗効果は無かったでしょうか。鰻の肝的な相性の良さ。
新玉ねぎのスープも美味いんだけど、ウナギに負ける（笑）

❸蝦夷アワビの白ワイン蒸し
アワビのプリプリ感が素晴らしい。
アオサとグレープフルーツをアクセントにした、白ワインのソースも秀逸。
でもやっぱりホワイトアスパラガスは、極太をそのまんま食べる逃した好きかも（笑）

❹オマールエビ
豚足とベーコン、ハーブのサラダに、ボールに詰まったオマールエビのソースを絡めて食べます。すりおろしたフォアグラと合わせて、これは当たり前の旨さ。

❺ 大分県豊後水道産天然甘鯛のポワレ、筍の糠和え

❻ピジョンのロティ
オーソドックスなメインですが、マデラ酒のソースの切れ味は申し分無し。
更にエトフェ（窒息鳩）の効果で、ジューシーでねっとりとした肉質がたまらない。

❼羊のムース、ルッコラのソルベ
実は本日1番衝撃を受けた一皿（笑）
印象的には『カンテサンス』のスペシャリテである山羊のミルクのババロワに近い組み合わせの妙。
ルッコラのソルベの味が強烈。ずんだのような力強さで、風味の強い山羊のチーズに力負けしない。とゆうかお見事なハーモニー。
これ冒頭のアミューズでもいいかも。

❽ホワイトラム風味のキイウイ
美しいキイウイのビジュアルの下にピスタチオの焼き菓子が隠れてます。
前回もそうでしたがピスタチオの存在感が素晴らしい。
又ライムリーフのソルベが圧巻の旨さ。

❾ミニャルディーズ
・レモンタルト
・ドライフルーツのバタークリームサンド
・バラのブランマンジェ
・エルダーフラワーのプリン
・抹茶のムースとレンズ豆のコンポート
どれも素晴らしい完成度。
でもやっぱり、前回も感動したバラのブランマンジェが抜きに出た旨さです。

山羊のムースやバラのブランマンジェは大槻シェフのスペシャリテとの事であり、正に傑作です。
この2品を食べれば大槻シェフのセンスの良さに雷に打たれる事間違いなしです。

一方で唯一の弱点はボリューム。
大食いの私には足りないポーションであり、美味い料理はたくさん食べてその感動を増幅させる私には寸止めされる印象です（笑）
これは通ってシェフに私の胃袋のサイズを理解してもらうか、エキストラチャージを払ってでもポーションを増やしてもらいいっぱい食べたいところ（笑）
本日は昼にラーメン二郎を食べてからの夜にフレンチフルコースと言う強行手段を取りましたが、予想通りのポーションだったので、ちょうど良かったです。
尚、断っておきますが女性にはちょうどいいポーションかと思いますので、心配不要です。
ちなみに本日はゴールデンウィークの谷間の平日の夜であった事もあるのか、私の他にもう1人オヤジ1匹でした。
ランチは相変わらずの人気らしいですが、禁酒令、時短営業の影響でディナーは苦戦しているとの事。こんなに素晴らしいレストランなのに。

初訪問。
最近はもっぱりお気に入りのお店のリピートばかりしてチャレンジ精神の弱くなってきた私ですが、久しぶりの新規訪問です。
当店の食べログ見るとモダンとかイノベーティブとか書いてあり、クラッシック派の私は今まで訪問しておりませんでした。
しかしマイレビ様から高い評価を受けており、意を決して1月のディナーで予約を入れていたのですが、緊急事態宣言による時短営業で予約をキャンセル。
諦めの悪い私は2月の祝日のランチに再度予約を取り直してオヤジ1匹フレンチで突撃。
当店は2017年2月のオープンし、なんと2019年にはミシュラン東京で１つ星を獲得。その後も2020年、2021年と3年続けて１つ星をキープ。
シェフの経歴については、他のレビュアー様にて割愛させて頂きますが、異色の経歴、若い、スピード出世のイメージでしょうか（笑）
場所は西麻布交差点のそばで、六本木駅からも広尾駅からも乃木坂駅からも遠いエリア。
その昔、小泉首相とブッシュ大統領が会食した『権八』の裏手あたりで、私は滅多に来ないエリアです。
開店時刻の2分前に到着すると入り口扉のカーテンが閉められており、11時半になるも扉のカーテンが開きません。一瞬『オルグイユ』の悪夢を思い出しましたが、直後に開店しホッとします。

■店内の様子
店内は白と大理石風のグレーで統一されイマドキな超〜無機質な雰囲気。最近の星を持ってるフレンチのお手本のような内装です。
机の間隔は元々広かった様子でかなりゆったりです。
サービスはソムリエのお兄さんとお姉さんの2人。
2人とも若いですがちゃんとしたお店で十分な経験を積んでいるような対応でノープロブレム。

■ 感想
今回ランチ6500円のコースでしたが、この金額でのこのクオリティはマジで素晴らしいです。
同じような価格帯のオススメのお店としては、自由が丘『B』、池袋『シュバルドヒョータン』、中目黒『レドュー』、京橋『レストランサカキ』あたりがありますが、その中でもトップクラスのコスパです。しかも当店は1つ星ですから（笑）
どちらかと言えばクラッシック寄りであり、このお値段でも高級食材のコースに力負けすることなく最後までしっかり美味いです。
特にシェフのコンセプトにも書いてありましたが、１皿１皿の方向性がわかりやすく、はっきりしたテイストで、しっかり記憶に残る味。
また印象に残ったのがデセール系。
アバンデセール、デセール、ミニャルディーズまで、しっかり印象に残ります。
あまりに美味いので、途中出てきたパティシエールの女性を捕まえてしまいました（笑）

また当店の特徴として、１皿１皿に紙芝居のようにコンセプト、料理の内容の説明を記したペーパーが事前に配布されます。
これは私には初めてのオペレーションであり、とてもわかりやすい。
事前に予習してから料理を堪能できるので、理解してしっかり記憶に残ります。
サービスマンからの熱の入った説明やコミュニケーション好きの私には若干物足りない感じもありますが、これはこれで有りです。
私の普通では無い胃袋には若干物足りないポーションでしたが、普通の方なら大満足でしょう。

■本日のランチ6500円（税抜き）の内容は以下の通り

❶レフォール（西洋ワサビ）
・ハマグリのエキスで煮たアナゴ
・蕗の薹のジェノベーゼ
・新玉ねぎのスープ
・新玉ねぎとレフォール
春を感じさせる１皿でいきなり美味い。本日の勝利を確信します。
新玉ねぎのスープの甘味が強烈で、コンセプトのレフォールよりも、新玉ねぎの甘さの印象が残りました。

❷シェリー酒
・蝦夷鹿ロースのロティ
・ウニ風味の半熟卵
・西洋ゴボウとクレソンのサラダ、シェリー酒ビネガー風味
・ゴボウのチップス
いきなり蝦夷鹿でこれ前菜かよ？と思わせる程の素晴らしい内容（笑）
コンセプト通りシェリービネガーの存在感が抜群。
モダンフレンチのようないろいろな味の組み合わせで攻めてくる感じですが、こちらも美味い。

❸セージ
・ホタテのポワレ
・パルメザンチーズ風味のフレンチトースト
・セージとベーコン
・ホタテのエキスのソースと芽キャベツ
北海道産のホタテがベラボーに美味い。

❹黄ワイン
・平スズキのポワレ
・黄ワインとキノコのソース
・春菊と菊花のエチュベ

本日1番印象に残った１皿。
普段あまり魚料理で感動しない私でしたが、身のブリブリ感と脂の乗った平スズキの旨味は感動的。
更に黄ワイン（ヴァン・ジョーヌ）のソースがクラッシックのような力強さであり、しかもたっぶり（笑）これはたまらない。

❺・イタリア産仔牛のロティカツレツ仕立て
・肉のエキスとトマトのソース
・季節の山菜、フォアグラのクリーム
クルトンのサクサク感、トマトソースの酸味、フォアグラのクリームも完璧。

❻バラのブランマンジェ
バラを食材として食べるのがどうも苦手な私ですがこれは美味い！よく出来てます。

❼イチゴ
・バニラのクリームとイチゴ
・ピスタチオとアーモンドのボール
・イチゴのソース
・マスカルポーネのムース

アマオウを使ったデセール。よく食べる内容ですがバランスがいい。特にメレンゲのサクサク感が素晴らしい。そして味変アイテムのピスタチオボールなるものが、ピスタチオ以上にピスタチオ（笑）

❽ハーブティ

❾ミニャルディーズ
・小さなレモンのタルト
・ドライフルーツのバタークリームサンド

チョイチョイ大槻シェフがサーブに出てきますが、控えめな印象。神戸大学を卒業後、いきなりフランスで修行し、帰国後国内のフレンチで修行する事なく、当店をオープン。
もっとギラギラした人かと思っておりました。
メニューは季節毎に変わるとの事であり、ディナーコースの内容はガラリと異なるとの事なので、4月以降のディナーで再訪決定です。