待ちに待った、いくらの季節 : 鮨 由う

夏にお邪魔した時、大将と

「来月あたりには、いくらが・・・」と話をし、

首を長くして待ちました。

なにしろ、初めてこちらで、いくらをいただいたときの感動は

忘れられません。　

筋子の薄皮のほかに、一粒一粒の薄皮まで取り、

出汁を使って仕上げる技です。　これが、えもいわれぬ

いくらのテクスチュアを生み出すのです。

さて、この日いただいたもの。

いくらが登場するまで、かなりいただいたので、

途中で心配になるくらいでした。笑

つまみ

１、シルキークイーンの峯岡豆腐　　　　　　さつま芋を使った峯岡豆腐です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぎゅっとつまった感じで美味。

２、クエ　　　　　　　　　　　　　　　　　煎り酒で

３、厚岸の生牡蠣

４、毛蟹　　　　　　　　　　　　　　　握りの海苔巻で

５、梅餡の茶碗蒸し　　　　　　　　　　あっさりして、いい味です。

６、タチウオ　　　　　　　　　　　　　小柴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　塩焼きで

７、プリン巻　　　　　　　　　　　　　これは初登場。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鮟肝の裏ごしとシャリをリゾット風にし、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　海苔にのせて、胡瓜と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　痛風まっしぐら、だから・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旨みの塊です。

８、鰤しゃぶ　　　　　　　　　　　　　北海道産。　生七味と

９、鰤かまと尻尾の甘辛煮

１０、鱈の白子

１１、平貝の海苔巻


握り

１、かすご鯛　　　　　　　　　　　　　大将のスペシャリテ

２、白烏賊　　　　　　　　　　　　　　富山

３、釣り鯵　　　　　　　　　　　　　　神戸
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　身厚で、上質な鯵

４、ししゃも　　　　　　　　　　　　　鵡川産　　焼き物

５、小肌

６、漬け　　　　　　　　　　　　　　　ボストン産の鮪です

７、中トロ

８、大トロの炙り

９、赤雲丹といくら丼　　　　　　　　　やっと、たどり着きました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やはり、最高です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

１０、いくらだけ、お替り　　　　　　　これでもか！　というくらい器いっぱいに。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　満足です・・・。

１１、赤雲丹　握り

１２、のどぐろ　　　　　　　　　　　　ものすごく脂がのって美味。

１３、車海老　　　　　　　　　　　　　天草産。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　身厚で、甘い。

１４、玉子　　　　　　　　　　　　　　海藻入りで、ごま油で焼いています。

１５、お椀　　　　　　　　　　　　　　かすご鯛のお頭入り


　ここで、ギブアップ。

お供は、梅酒のソーダ割り。

日本酒　　明鏡止水　すぷらいと
　　　　　日高見


　いくらは、シーズン以外にも出せるように、工夫しようと思う、と大将。

　常に、進化しています。

久々の再訪です。

みるみる人気になって、大将の実力のほどがわかります。

夏真っ盛りのネタがいろいろ登場しますが、

例えば、かすごは昆布〆だったり、鯵には一工夫していたり、と、伝統を守りつつも、

大将なりのオリジナリティを創出しています。

そして、秀逸だったのは、最後にでた、煮帆立。　貝はやはり煮たほうが美味、と大将。

煮てから、きれいにほぐして、その帆立をつめたタレでいただきました。　丁寧な仕事です。


さて、この日いただいたいもの。

まずは、梅酒をソーダ割りで。　

その後、日高見「弥助」を。　　これはお寿司に合うように作られた日本酒。

明治から昭和の初めに、花柳界では、お寿司のことを「弥助」と呼んでいたそうです。

おつまみ
１、生わかめ
２、枝豆
３、三重県いさき　　煎り酒で
４、京都舞鶴　　岩牡蠣
５、毛蟹　　酢飯と海苔に包んで　　　　海苔は、ほんとび。　青海苔が混じったもので、独特の風味。
６、山口　白ばい貝
７、小柴　たちうお　塩焼き
８、佐島　煮蛸
９、気仙沼　鰹　　　　　　　　　　　　①　づけ　　浅葱をあたった、あたり葱で。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　②　藁でスモーク　　　芽葱巻、　国産の地芥子で。
１０、宮城　鮟肝
１１、平貝　海苔巻

握り
１、かすごの昆布〆
２、白烏賊
３、さごし　　藁スモーク
４、石垣貝　　岩手　　蝦夷いしかげ貝ともいう　　　　トリ貝に煮てますが、より品のある味わい
５、舞鶴　　　釣り鯵
６、本鮪　　　づけ　　ボストン産　　　　　　　　　　夏場の痩せた国産よりは、適正価格で、いい状態、とのこと
７、のどぐろ　長崎　（焼物で）
８、本鮪　　　トロ　　腹上
９、アオサ海苔入り玉子焼き
１０、しんこ
１１、北紫雲丹　　宮城
１２、煮帆立　　　貝のツメで
１３、穴子

お椀

　日々、精進されている跡が見て取れて、好感が持てます。

もうすぐ、登場するいくらが待ち遠しい。

昨年１２月にオープンしたばかりのこのお店。

今年１月に訪問し、とても可能性を感じたので、再訪。

なんとわずか２か月しか経っていないのに、飛躍的な進化をとげていました。

いったい、寿司というものは、２か月でこんなにも進化するものなのか。

大将の努力、いかばかりか、と感じ入った宵でした。

前回は、もう最後となるいくらがあまりにも美味でしたが、

もちろん、もう季節は終わっています。　

しかし、いくらだけではありません。

しゃりが前回よりぐっと引き締まった感じになっていて、全体に

まとまりを与えています。　砂糖を使用していないきりっとした味覚。

大将の試行錯誤が窺われます。

さて、この日いただいたもの。

まずは、梅酒。

つまみ

１、舞茸、青梗菜のおひたし
２、ひらめ煎り酒
３、三陸生わかめ
４、氷見めじまぐろ　藁燻し　　　　燻しの仕事に唸ります。
５、小柴たちうお塩焼き
６、北海道　磯ツブ貝
７、佐島　煮蛸
８、穴子の茶碗蒸し
９、平貝　磯辺焼き　　　　　　　　素晴らしい質の海苔です。
１０、青森　子持ちヤリイカ

握り
１、淡路島　かすご　　　　　　　　大将、かすごにこだわりが。
２、青森　あいなめ昆布〆
３、江戸前　すみいか
４、淡路島　釣り鯵　　　　　　　　この日のＭＶＰ．うまくクセを消した、すごい仕事です。
５、玉子
６、大間　紫雲丹　　　　　　　　　東京には滅多に入らない、大間産。
７、アイルランド　赤身　　　　　　
８、同　大トロ
９、トリガイ
１０、長崎　ぶりヅケ
１１、長崎　車海老
１２、帆立ほぐし　軍艦　　　　　　これはオリジナル。手間をかけてほぐしてあり、甘味が増しています。
１３、こはだ
１４、煮蛤
１５、蟹
１６、閖上　赤貝
１７、穴子　塩　タレ
１８、まぐろの太巻き

お椀、
桜の花びらで漬けた梅干し

大将の真摯な姿勢、寿司への向き合いをひしひしと感じました。

内容と構成はかなり満足のいくもので、こうなると、今後がますます楽しみになります。

なんだか、目力が一層アップしている大将なのでした。

う～～～む、すごい隠れ家が出現した、感じです。

昨年１２月に開店したばかりのお寿司屋さんです。

六本木駅から徒歩３分ほどですが、俳優座裏手のエリアで静かなロケーション。

ビルの地下にあり、店内はまだぴっかぴかに真新しいです。

カウンター９席に、個室がひとつ。

大将は、埼玉のお寿司屋さんを皮切りに、鎌倉「以ず美」での修業をへて、

「かねさか」の系列店、神楽坂「鮨　りん」で働いたあと、独立。

４０代、脂がのっています。　お寿司ではなく、大将に。

営業は夜のみで、１５０００円コース１本。

つまみ、寿司で２０種類。　この日は、少しサービスしていただきました。

大将が寿司屋を志したいきさつなどを聞きながら、楽しい時間でした。

まずは、梅酒のソーダ割りを。

さて、コースです。

１、焼き蕪と油揚げのおひたし

２、三陸　生わかめ

３、青森　ひらめ　　　煎り酒で。（梅干し、かつおぶし、日本酒を
　　　　　　　　　　　１升が１合になるくらいつめたもの。塩味は
　　　　　　　　　　　梅干しのみ）　美味です。

４、香箱蟹　　　　　　蟹酢のジュレに外子をまぶしてあります。
　　　　　　　　　　　生で入るのは、この日が最後とのこと。

５、北海道　磯つぶ貝

６、佐島　煮蛸　　　　煮過ぎず、蛸のテクスチュアを残すことに留意している、
　　　　　　　　　　　とのこと。いい塩梅です。

７、白エビ　　　　　　鯛の酒盗をのせて

８、氷見　めじまぐろ　　　　藁燻し

９、北海道　ホッキ貝　　藁燻し
　　　　　　　　　　　　　煮切り醤油に、福井の地芥子を溶いて。
　　　　　　　　　　　　　福井の地芥子は初めていただきましたが、
　　　　　　　　　　　　　福井ではかなり一般的な芥子らしいです。
　　　　　　　　　　　　　香りがよく、辛みが強いのですが、醤油に溶くと
　　　　　　　　　　　　　マイルドに。　実に美味。ステーキにも合いそう。
　　　　　　　　　　　　　こういう細部のトライアルがうれしいです。

１０、クロムツの煮つけ

１１、白子の天ぷら　　　　　この２種類は、厨房で弱冠２４歳のお弟子さんが作っている
　　　　　　　　　　　　　　とのこと。中学を卒業して和食に入ったそうで、もう９年の
　　　　　　　　　　　　　　キャリア。

１２、かすご　昆布〆　　　　肉厚なかすご

１３、富津　すみいか

１４、づけ　　　　　　　　　大間　111.6kg

１５、中トロ

１６、銚子　たちうお　　　　塩焼き

１７、青森　鮟肝　　　　　　大将は最高の状態ではないとのことでしたが、
　　　　　　　　　　　　　　こっくり、まったり美味でした。

１８、こはだ　　　　　　　　芝エビのおぼろをはさみ、江戸前伝統の仕事

１９、淡路島釣り鯵

２０、昆布森　馬糞雲丹

２１、いくら　　　　　　　　酢飯に、馬糞雲丹といくらを。
　　　　　　　　　　　　　　このいくら、大将も自信ありとのことでしたが、
　　　　　　　　　　　　　　これはすごい。　醤油を極力少なくした出汁につけ、
　　　　　　　　　　　　　　生いくらの膜をきれいに取り去って、漬けると、
　　　　　　　　　　　　　　その出汁をいくらが吸って、ぱんぱんに大粒に。
　　　　　　　　　　　　　　弾ける直前でいただきます。
　　　　　　　　　　　　　　噛まずに、舌と上あごでつぶすと、まるで、
　　　　　　　　　　　　　　いくらジュース。　感動。

２２、車海老　　　　　　　　これも、おぼろをはさんで。

２３．玉子　　　　　　　　　アオサ海苔を入れて、ごま油で焼いています。
　　　　　　　　　　　　　　風味豊か。

２４、九十九里　煮蛤　　　　　　　　　

２５、松島　穴子　　　　　　塩とたれで。

２６、鉄火巻　　　　　　　　あさつきの醤油漬けをざくっと切ったものと。

２７、ラフランスと柿

酢飯には、赤酢の濃いものと薄いものをブレンド。

ガリは竹生姜。　このガリ、きれいな味付けで、とても好み。

日本酒は、「三井の寿」と「江戸開城」を。

「三井の寿」は、スラムダンクの主人公の名前の由来になったものとのことで、

裏に、そのゼッケンのラベルが貼ってあります。　おもしろい～～～。

「江戸開城」は、港区の日本酒。　名前がいいですね。

１５０００円でこの内容はかなり満足のいくものでした。

大将も、日々勉強のようなので、これからが楽しみです。