『六本木・落ち着いた雰囲気で高級天ぷらのレベルをリーズナブルに」 : 百舌亭

また見つけた異色のコラボ、天ぷらとフレンチのマリアージュ。「百舌亭」です。言わずと知れた、ステーキや、総菜スフレなどのお料理「MOZU」の姉妹店。お店は六本木、ドンキの先、ケバブ店の横路地を下がると正面にあります。お店のすぐ近くには、「瀬里奈」があります。
店内は、L字のカウンター席が主で、落ち着いたムードある雰囲気。入店時には満席に近かったです。

ランチメニューは、充実豊富な種類。しかも六本木どまんなかにある天ぷら店とは思えない位超リーズナブル設定。

お好み天ぷら定食（海老一本・烏賊・キス・かしわ紫蘇巻き・温泉玉子・野菜４品）・特選天ぷら定食（海老2本・かしわの紫蘇巻・穴子一本・烏賊・キス・温泉玉子・野菜3品)・《海老三昧》（大海老天定食大海老2本・海老4本・野菜二品）・海老天定食海老4本（かしわの紫蘇巻き・温泉玉子・野菜2品）・穴子天定食海老1本・穴子1本・かしわの紫蘇巻き・温泉玉子・野菜3品）これら定食の他に丼ぶり物が数種。

せっかく目の前で天ぷらを揚げてくださるので、天ぷら定食のほうが楽しいと思われました。
私は、お好み天ぷら定食（海老一本・烏賊・キス・かしわ紫蘇巻き・温泉玉子・野菜４品）
Iさんは、穴子天定食（海老1本・穴子1本・烏賊・かしわの紫蘇巻き・温泉玉子・野菜3品）

【四種のお漬物～柚子香る烏賊の塩辛・ガリとレンコンの甘酢和え・白菜と胡瓜の鰹節和え・牛房と人参の野沢菜～】
「柚子香る烏賊の塩辛」「ガリとレンコンの甘酢和え」「白菜と胡瓜の鰹節和え」「牛房と人参の野沢菜」
このお店オリジナルの“漬け物”の４種類が、小さな壺に入って卓上に設置されます。
ゆず苦手の私でも、ゆず香るイカ塩辛、という珍しさに魅了されました。。

【椀物】
「青さ海苔のお味噌汁」
きちんと蓋が閉まって出てきます。具材に麩とアオサとネギが入った、白味噌仕立てのお味噌汁。ふわーっとお椀を顔に近づけただけで青さの香り、いただいても強い青さ海苔アロマと味。だしもお味噌にしっかり効かせたものです。

【お米】
「ごはん」
好みの硬め、もちもち、粒がキラキラな炊き上がりになっています。大盛りは追加５０円とのことでしたが、大盛りにしなくても太っ腹の量。普通でも深いどんぶりに大盛りで盛られてきます。普段大盛りご飯を食べている私が認める大盛りです。
しかもとてもおいしいので伺うと“茨木のコシヒカリ”。どこの産地でも銘柄コシヒカリってやっぱりすごい美味。

【メイン】
温かい大根おろし入りの天つゆ。卓上には「粗塩」も設置。揚げたてんぷらを順番に網にのせて行ってくださいます。
第１弾の天ぷら開始です。
「海老、かぼちゃ、キス」
まっすぐ美しく揚がった海老は噛むほどに甘く、ぷりぷりとした海老の風味が広がります。肉厚で立派なキスは柔らかい白身とふっくらした衣の相性がいい。かぼちゃは、ほくほくで甘みを感じる揚げ上がり。

「温泉卵」
ご飯の真ん中に半熟卵をのせてもいいとのことでそうします。この揚げたて温泉たまご、衣は薄めの半熟卵を崩して食べると、卵の黄身がとろーっとご飯に染み渡り、衣のコクのある卵掛けご飯。

「かしわ、しいたけ」
肉厚な椎茸。かしわ、大葉にくるまれた鶏の衣が、香ばしさを放っており、鶏肉は旨味が激しく寄せてくるもので、唐揚げの鶏と同じ鶏とは思えないまた異なる、ふんわり心地よい食感を楽しみます。

「レンコン、ナス、イカ」
「イカ」は、信じられないほど、柔らかく極端に比喩すれば“白子”級。歯がいらない驚異の噛み切る力が不要の弾力。衣はさくっとふんわりしていてイカ特有の甘味が楽しめます。
どうしてこんなに柔らかくできるのでしょうと伺うと“揚げの技“という、大将自信の堂々どや顔♪男らしい！信頼できる。
下ごしらえにカクシ包丁も。素材選びも目利きで鮮度も違うのでしょうね。
「レンコン、ナス」
コリっとしたレンコン独特の歯ごたえを残した仕上がり、ナスも火の通し加減の良さ。

ご一緒のメニュー「穴子天定食」にはキスの代わりに【穴子】が付きます。
衣はさくっと、身の部分はふわっと。美味しいと満喫してました。

衣全体として、油切れが良いのでくどさがなく、このあたりはさすが熟練の技です。衣の軽さ加減といい絶妙な火加減で揚げているうまみのある天ぷらだけでなく、鮮度を物語るお魚の質レベルも高いもの。夜には、天ぷら屋さんでありながら、ジビエ料理もメニューに上がります。
風情ある雰囲気も落ち着ける空間で職人さんの技が光る揚げたての美味しい天ぷらを、六本木では考えられないお値段で満喫できるお店。今日カウンターにいらしたお二人の若き大将の初見「こわもて」とは全く異なる丁寧にして気さくなお人柄も素晴らしい。一度行ってこの質の高さとお安さを実感すれば、気軽に通えてありがたい天ぷら屋さんです。