世界の一流ホテルに並ぶ「日本のホテル」◆The Okura Tokyo : ジ・オークラ・トーキョー

東京都港区虎ノ門2丁目10-4、The Okura Tokyo(ジ・オークラ・トーキョー)。
開業1962年(昭和37年)5月20日、改装2019年(令和元年)9月12日。
ホテルオークラ東京をジ・オークラ・トーキョーにホテル名を改名し、再開業。
2棟で構成されるホテル。客室数508。
プレステージタワーは高層階の眺めが魅力。
クラブフロアは大都会を望む専用ラウンジを備える。
ヘリテージウイングは低層でグレードの高い部屋も備える。
(HP) https://theokuratokyo.jp

日本のホテル、ホテルオークラ。
ホテルの御三家と称されたホテルのひとつが、建替えられたとあって興味津々でした。
再開業以降コロナ禍の中、様子を見ていましたらすでに2年。
漸く訪問機会が出来て一泊。
すっかり様子が変わっていました。
静かで気品ある、オークラ ヘリテージ。
都市型ホテル、オークラ プレステージ。
２つのブランドで、2棟で構成されています。
客室は41階建ての高層棟オークラプレステージタワーに368室。
17階建ての中層棟オークラヘリテージウイングに140室。
付帯施設として宴会場19、レストラン5、バー2、フィットネスクラブ、ビジネスセンター。
チャペル、美容室、写真室等も備えられてます。
周辺を坂道に囲まれているためメインロビーは5階に設置。
宴会場エントランスは1階に置き、宿泊客と宴会客の動線を分ける造りになっていました。

到着直後、ヌーヴェル・エポックでランチを堪能。
宿泊したのは、The Okura Heritage Wing。
レストランと同じ棟に宿泊予定だったので、店でチェックインの流れを作って貰い、客室への案内。
客室へのエレベーターには入口の自動ドアは、カードキーをセキュリティにしてありました。
エレベーターも客室もカードキーはタッチではなく、かざせば反応。
客室フロアの廊下にはクラシックのBGMが流れ、生花が活けてあります。
ヘリテージルーム(ビューバス)、禁煙室です。
オークラのワンハーモニー会員価格で利用しました。
ご宿泊料金が1名あたり1泊1万円以上の場合、都の条例により宿泊税が掛かります。
案内して貰った客室は、60㎡。
オークラ庭園に面した広い窓面に、庭園風景を一望できるバルコニー付きの客室。
リビングテーブルで説明を受けます。デポジットでクレジットカードの提示。
健康アンケートと、朝刊の好みの確認。
建替え前の宿泊ですが記録が残っており、日経で良いかとのこと。
バトラーボックスがあり、朝刊はそちらに。
緊急事態宣言中でレストランでアルコールがいただけないことから客室でと、ボトルワインのプレゼント！
これは予想外で嬉しい♩
客室内の冷蔵庫内はフリードリンクとあって、部屋のおこもりがベストでした。
この日アルコール可なのは、ルームサービスのみ。
冷蔵庫内には、ウェルカムスイーツとしてピエールマルコリーニのチョコも。
リビングテーブルの上には、オリジナルリーフパイの箱プレゼント。
朱塗りの箱があり「玉手箱」と紹介を受けました。
中身はお土産。和が伝わる品々。海外のゲストは特に喜ばれることでしょう。
コロナ禍で、ターンダウンサービスは中止。
ヘリテージウイングは、ウェルカムドリンクのサービスあり。
オーキットバーかスターライトでも、ワンドリンクサービスを提供できるとのこと。
部屋で頂くことにして、柚子のシャーベットと緑茶が届きました。

バルコニー付きの客室ですが、台風が近づいているのでテーブルと椅子は撤去。残念。
ビューバスは、テレビ付きジェットバス。ブラインドを落としての利用です。近くに高層ビルあり。
スチームサウナまであるので、ほんと外に出る理由が無くなっちゃいますね。
バスアメニティは英国のbamford、ドライヤーはダイソン。
ベッドには、鶴と亀の折り紙。
亀の折り紙が可愛く縁起も良さそうで、お土産としていただきました。

翌朝の朝食はヌーベルエポックも利用できるので、予約されませんかとお誘い。
でも、朝は和食の気分だったので、ルームサービスを。
山里の朝食は休業中。
宿泊プランに含まれた朝食ですが、別途注文の場合の価格で記します。

◆和朝食 6000円(税サ10%込) 7:00～9:30
・焼魚・煮物・卵料理・小鉢・香の物・味噌椀・フルーツ
・ご飯 または お粥
・フレッシュジュース(オレンジ または グレープフルーツ)

予約していた時間に朝食が届いてセットして行かれました。
中々な価格ですが、十分満足できる内容。
朝は早めの出発。
建替え前のオーキットバーの照明が使われている、ヘリテージのフロント。
旧本館平安の間で使用されていた京都西本願寺が所蔵する国宝、三十六人家集の料紙を模した壁面装飾の移設も。
早めのチェックアウト、この時はプレステージタワーのフロントでの受付でした。
旧本館ロビーの印象そのままの、プレステージタワーのロビー。
取り壊しを惜しまれた、旧本館ロビー。
谷口吉郎の長男で建築家の吉生を設計チームを起用して意匠を移設されたとか。
旧本館ロビーにあった古墳時代の首飾りをイメージした照明、オークラ・ランターン。
日の光やわらかに塞く麻の葉紋様の木組み格子。和の文様と装飾の彩。

大倉財閥の創始者が広大な敷地内に蒐集した美術品を展示する日本初の私立美術館、大倉集古館。
今回、立ち寄る時間は無かったのですが…
本館建替えにより、約6m曳家され地下を増築して収蔵庫を新設。
界隈の防災拠点としての役割も担っていくとか。

ゆっくり見たいスポットもありますので、次の機会はプレステージタワーに泊まりたいです。

東京都港区虎ノ門2-10-4、ホテルオークラ東京。
欧米の模倣ではない日本の特色を生かした本物のホテルとして1962年(昭和37年)本館開業。
ミッドセンチュリーと日本の伝統的な様式を融合した和モダンなインテリア。
和のおもてなしの哲学や日本文化・デザインが息づくホテル。
2015年に本館はクローズ、1973年開業の別館単独営業となり2019年建替えを経て新本館開業予定。
銀座線虎ノ門駅 出口3・日比谷線神谷町駅 出口4b・南北線六本木一丁目駅 徒歩15分内。
JR東京駅よりタクシー約15分。
ミシュラン2016東京、5ブラックパビリオン獲得。
室数358、スイート22、レストラン5、サービス料10%
シングル41040円～
チェックイン23:00まで、チェックアウト12:00。

ホテルオークラ東京のメインバーオーキッドバーを出て専用エレベーターを降り表へ。
正面玄関に入りなおす。只今、ホテルオークラ東京の本館は建替中。宿泊は別館です。
本館ロビーを継承している別館ロビー。
古墳時代の飾り玉に由来する切り子型にデザインされているランタン。
大きな季節の生け花。
漆塗りの丸いコーヒーテーブルと5脚の椅子のセットが配されたロビー。
世界の賓客をもてなすホテルオークラ東京。本館建替中とて変わらぬ品格。
フロントの前を抜け客室用のエレベーターへ。
客室のベッドの上には折り鶴。
ホテルオークラのこの折り鶴は、印象深いのです。
何方の提案で始まったのでしょう。
世界のVIPに愛されるサービスは、日系ホテルの確かな品位と和の伝統美まで伝わってきます。

北九州で仕事を終えて東京へ来るまで夕食を摂っておらず、どうにもお腹が空いちゃって。
ルームサービスのメニューをパラパラとめくる。
ホテルレストランからのデリバリーやフルコースもある充実したルームサービスメニュー。
夜半は限られたメニューのみ。
和風軽食メニューの中から、お茶漬けを。
因みに、うな重(香の物・味噌椀・フルーツ付きで5500円)は、その時間でもオーダー可でした。

◆お茶漬け (鮭、たらこまたはのり) 香の物・フルーツ付き 2270円(税込サ10%別)

鮭にしました。待ち時間20分ほど。
クロスをかけたテーブルワゴンでお茶漬け到着。
ワゴンは室内にセットされ、ラップなどを外して貰い、伝票にサイン。
テーブルフラワーも一緒に運ばれてきてました。卓上の雰囲気が良くなります。
椀の蓋を開けると、蓋の方にセットされた山葵！よく落ちずに。
小皿から刻み海苔を移し、山葵も入れ熱い出汁を注ぎ、香の物といただく。
その後は、フルーツと自分で淹れたお茶を。
お茶漬けセットとともに、急須と茶筒と湯呑。
茶筒の中は、ほうじ茶の茶葉でした。
食し、ホッ。
落ち着きました。

宿泊した客室はスーペリアツインで禁煙室。39.6㎡。
ルームバーはありますし、ポットやティーバックのお茶など一通りは揃ってます。
設備は別館と言えど1973年開業ですから、やや古いものです。
アメニティーは充実してます。
連泊しましたが、快適でした。
欧米系宿泊客数が目立っていました。

大倉財閥の二代目である大倉喜七郎氏。
国内屈指の工芸家たちに日本の美を以って諸外国の貴賓を迎えるホテルの理念を熱心に説く。
協力を得、開業させたと言うホテルオークラ。
帝国ホテルを超えるホテルをコンセプトに設立されたホテルです。
1980年代バブル景気の頃、御三家と呼ばれた帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニ。
1990年代にパークハイアット東京、ウェスティンホテル東京、フォーシーズンズホテル椿山荘東京など外資系ホテルが相次ぎ日本進出。
客足と新御三家の称号は譲り渡してしまい2000年代に入っても外資系の勢いが続く。
マンダリンオリエンタル東京、ザ・リッツカールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京が、新新御三家と評されるように。

ここ数年は、日系ホテルは回復基調と言われます。
リニューアル効果による客室の稼働率アップ。
旧来の顧客にとどまらず、国外客、ネット予約と新しい層の客も増加。
日系ホテル元来のきめ細かな接客・サービスが再認識されて。
外資系ホテルの攻勢は続く中、世界から注目される東京で日系ホテルにかつての勢いを取り戻して貰いたい。
ホテルオークラ東京は、2020東京オリンピックの前年、2019年に新本館開業予定。
その行方に注目しています。