【フランス大使館が惚れ込んだ「下村琉（Edition）料理」の味わいとは】 : エディション・コウジ シモムラ

2007年にオープンした六本木「エディション・コウジ シモムラ」

シェフをつとめるのは「料理で感動を与えるシェフ」、「フランス大使館が惚れ込んだシェフ」と評される下村浩司氏。フレンチテクニックを駆使しながら、バターやクリーム等に頼らないエレガントなフランス料理。

成城｢オーベルジュ･ド･スズキ｣でスタート渡仏、ブルゴーニュ「ラ・コート・ドール」やロアンヌ「トロワグロ」、パリ「ギィ・サヴォワ」「グアルティエロ･マルケージ」フランスだけでなくイタリア、スイスのレストランで修業後、西麻布「ザ・ジョージアンクラブ」乃木坂「レストラン・フウ」、2007年に独立。レストラン「エディション・コウジ シモムラ」を開店。
2004年、フランス大使館で開催されたアラン・デュカスのレセプション料理を担当し、賞賛を浴び、フランスだけでなく各大使館、でのパーティーの料理を担当されいるそうです。

お昼。前菜３品、お魚料理、お肉料理、デザート、小菓子のコース

【ドリンク】
「サンペリグリーノ」

【アミューズ・ブシェ】
【パニプリ】
トマト、スパイス、チーズを入れたとうもろこし生地で作った揚げたボール状の中にカニ、アボガドにレモン、セロリ、みょうがで風味付けしたものを詰めて。仕上げに“ペンタス、ハーブ”で飾り付け。
パリパリのクラッカーを割って食べる、なかなかない前菜を印象付けた面白い演出。パニプリは、インドのストリート・フードのひとつ。ジャンクフードもシェフの手にかかると次元の違うものに。

【アミューズ】
「大分県国東名物『こしょう餅』のリノベーション」
国東名物「こしょう餅」をアレンジした遊び心満載？な一品。お餅にはペッパーと唐辛子、紅心大根、鴨のハムをのせ唐辛子味噌と実山椒を塗って味付け。上にはナスタチーム、ハーブを添えて。
まさかここでお餅がいただけるとは思っていなかったのですが、おいしかったし、鴨のハムがまた目覚ましく絶品でした。

こしょう餅も調べてみた。国東市のお寺で鬼会（修正鬼会は千年以上前から国東半島に伝わる五穀豊穣、無病息災を祈願する行事）に徹夜で唱えるお経の眠気覚ましに住職が食べたというのが「こしょうもち」。こしょうとは唐辛子のことだそう。

【パン】
【全粒粉のパン】

【前菜】
「牡蠣のポッシェ柑橘風味の海水のジュレ 岩海苔」
お店のスペシャリテ。今日は広島県大黒神島の牡蠣を使用。海水の濃度の塩水でポッシェし冷やした牡蠣の下には牛乳で加熱した牡蠣のムース、酸味として柑橘と海水を合わせたジュレ、上から、伊勢湾の黒海苔をのせたたもの。
柑橘の酸味とほんのりと香る黒海苔が心地よく牡蠣の本来の味を損なうことなく美味しさを伝えてくれます。
シェフが「フウ」の時代に創り出した料理、“牡蠣と海草と海水”を海からさらに移す、がテーマ。

【メイン・魚】
【鮎のベニエ】
丸ごとの子持ち鮎を3時間コンフィにしたあとフランス産そば粉で作ったネタでカラッとフリットしたベニエ。キタアカリのジャガイモのソースを合わせトリュフのビネグレットとトリュフオイル、白しめじのピクルスを浮かべ、マリーゴールドで飾り付け。

揚げたての鮎に滑かなじゃがいもソースが合わさり、トリュフの香りとの組み合わせが絶妙な一皿です。コンフィだけでも充分だけど衣つけてベニエにして、さらにたっぷりクリームソース。
コッテリ―な私には逆に嬉しいですがあっさりという予習とは乖離していて意表を突かれました。

【メイン・肉】
【イベリコ豚　ベジョータ(ブルマ)のロティ】
あれば嬉しい大好物、イベリコベジョータプルマ。（スペイン語でbellota・どんぐり、プルマ・羽の意味。）。首の付け根に羽の様に、左右についた一頭でわずか200gほどしか取れない希少部位。
生胡椒、千葉の生落花生、椎茸、黒アワビ茸、大黒しめじ、ヤナギマイタケ、イベリコチョリソ―、ししとうを添えて、ソースには玉ねぎとマッシュルームのソース、ジュのソース野2種使われていました。
香ばしくローストされ、程よい歯応えの食感でジューシーな甘みの脂がしみ出してきます。
クリームソースと風味の良いジュのソースとも良く合ってとても美味しかったです。

【デザート】
【ブドウとミントのアイスクリーム】
バニラビーンズとハーブとレモングラスで作ったジュレにミントのアイスを浮かべ、3品種のフレッシュな葡萄・シャインマスカットとナガノパープル、ゴルビー、に“ヤシの木の種の実”を添えた冷たいデセール。
フランス菓子で云われる掛け算ではなく、甘みを控えた引き算、さっぱりした感じです。

因みに調べるとゴルビーとは、赤く丸い大粒から連想して、当時ソビエト最高指導者ゴルバチョフの愛称「ゴルビー」と名付けられたそうです！

【食後の飲み物】
【コーヒー】

【ミニャルデイーズ】
『ピーカンナッツ』
チョコレートナッツにカカオパウダー。

コウジ・シモムラは、できるだけバター等を使わないようにしていると予習して伺いましたが、身構えたわりにあっさりという印象がなく（でもコッテリではなく）逆に美味しくいただくことができました。
ソースも濃厚でたっぷりだし、油でフリットされたり、本当程よくバランスが取れたお料理でした。“インドグルメ”や“大分の郷土料理・お餅”など、サプライズに満ちたこちらが、今日は楽しい印象を受けた気がしました。